しょせん誰にも聞いてもらえないじゃない!

2000年09月05日

しょせん誰にも聞いてもらえないじゃない!

[投稿者:仙台インターネットマガジン編集部]




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No.3








 
現代美術の歴史と今後の表現

(4)


 今月も、先月からの続きとして、今後のアート表現のありようを探る日々についてまとめてみます。


 たまたま、縁があり国分町のスナックで、店を閉める前のパフォーマンスとして、個展をやってみな
いかと言う話があって、自由に展示させてもらうという条件で個展を行いました。
店内を、黒い布で覆い、カウンターとテーブルと、カラオケ用のテレビの画面だけが見えるのみの
状態にして、店内の雰囲気を消し去ったうえで、私の作品を展示したのでした。あげくに音楽まで
自作し流しっぱなしにしていたので、どのような場合でも作品を観賞せざるを得ない状況を作ったし、
内容的にも全力を出しきった作品だったので、個人的には大満足でした。
展示が終わり、しばらくして飲みに行ってカウンターに陣取り、客たちの反応を見ていたのですが、
(客層は30〜50代のサラリーマン風の方々です。)入ってくるなり空いているテーブルにすわり、カ
ラオケの本を開いたまま下を向きっぱなしで、一切周囲を見ようとしない、聞こうとしない状態で、注
文する時以外は一緒に入ってきたメンバー同志で会社の話をし、何事も無かったように出ていくの
でした。


 これには、ちょっと愕然とし自分なりに結論付けてみました。いつもの店内(日常)とはあまりにも違
いすぎるはずなのに、非日常に対して反応する力(一般的には免疫力といいますか)があまりにも
低下しているのです。一体全体この人達は、ナイフをつきつけられても無反応なのだろうか?とさえ
思わせられたのでした。


 しかし、このように感性を硬く閉ざしたまま生きていく事は、ある意味で楽であるともいえるかもしれ
ませんが、やはり、一人一人が自分の感性で、感じ、語りあうところにしか文化は育たないし、文化
とは、社会全体が自由を獲得し、自分自身に自由をもたらす潤滑剤みたいなものですから、それ
が、質量とも潤沢に存在しないとあるべきものがあるべきところに行き渡らなくなるし、それが、余計
な閉塞間を生むことになると思います。


 文化とは、 文化住宅とか文化遺産のような使われかたをしますが、そのような世間離れしたもので
はなく、一人一人のプライドを形成する土台(基礎)であると思います。プライドとは、絶対個としての
自分自身を意識できるということです。自分の五感で感じたものを絶対の基準として意識できるとい
うことです。(簡単に言うと、たとえば絵描きみたいな超変人扱いされる人格でも、世の中に絶対に
必要な活動であるし、そのための自分の人生でもあるということを信じて生きていけるといった事)
そして、文化とはその個人の存在(意識)を最大限認める器の容量を指し示しています。理解すると
いうことと直接結びつかないかもしれませんが、理解できないまでもそういうふうな考え方も存在す
るし、それもまたありようのひとつに違いないと信じることができる器量であり、なおかつ、そういった
理解できない存在について、人生の幅が広がったと認識できる度量を個人にもたらしむることを文
化と呼ぶと思います。


 表現はすべからく、容量(度量)の広がりと深さを推し進めるために存在しなければならないと思い
ます。その意味で、現代美術の役割は昔も今も何ら変わることはありません。しかし、社会状況は
大いに変わってきています。


 簡単に言えば、『個人が何を言っても、しょせん誰にも聞いてもらえないじゃない!』てな感じの蔓延
です。いきおい、長いものにはまかれろ的な御都合主義で行った方が楽だし傷つかないし、何をそ
んなに頑張る必要があるの?頑張ったからといってなにが手に入るの?てな感じに皆さんの意識
が傾いているように感じます。
そして、いわゆる平和ぼけですか。状況に対して自らの積極的なアプローチをしなくてもすでにある
規範に従っていれば間違いはないし、その状況は誰かがキープしてくれているから安心していられ
る。といった感覚ですか。


 アートは、この状況に対し答えを出さなければなりません。


 具体的な作品については、今のところなにも言えません。しかし現状で言える事は、表現は、膨張
し拡散し、人間の呼吸レベルまで自然に深く浸透して行かなければならないという事です。そして、
個人のプライドと、存在の確かさを確立する方向に社会に働きかけていかねければならないという
事です。

 このテーマ、非常に難しいです。


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投稿者 仙台インターネットマガジン編集部 : 2000年09月05日 02:00
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Title: 今日もいい日で
Excerpt: こんにちは。興味深く読ませていただきました。それにとても奇麗な画面ですね。また読ませていただきたいと思います。[続きを読む]
From: はろーあっぷこむ
Date: 2006.03.09
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