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2001年05月 アーカイブ

2001年05月20日

ギターの音は小さい、だから美しい

 演奏会も何とか終了し、最近は専ら自分のテクニックを一からさらうことに専念しています。それはまさに「 基礎練習というトレーニングをただ弾く」のではなく、なぜこのような指の動きをさせるのか。その曲の目的を理解 しつつ弾くことが大切だと思います。

もちろんそんなことは当たり前だ、とお思いになられるでしょうが、私は、楽譜を見てからそう思うのではなくて、普段の演奏で自分の指のどこに弱点があるのかを診断して、次のステップでエチュー ドの楽譜なり何なりを開くわけです。ですからそれが、必ずしもエチュードである必要もないと思います。その曲の中に、自分が改善したい指の動きが含まれていればいいのですから。

ロメロテクニックを勉強していると、それらの指の完璧な独立などの難しい課題がつきまといます。しかし、それを克服したものだけがはじき出せる、あの弾力のある美しい音色、豊富な音量こそロメロテクニックの神髄なのです。


ぺぺのアランフェス協奏曲

 また最近、現代ギター誌にぺぺの事について二つほど記事が載っていましたが、一つは、ぺぺのアランフェス協奏曲を聴いて、マイクを使わないと音量的に不釣り合いだとかのっておりましたが、一体どこの誰がコンチェルトでマイクを使った人がいるでしょうか?(この場合ギターをのぞく)ヴァイオリンのしてもフルートにしてもピアノにしても!

そもそもギター自体絶対音量の少ない楽器ですから、フルオケと、どう戦っても音量的に見ればどちらに軍配が上がるかは目に見えています。しかし最近のCDなどでのギターとオケのバランスはいかがなものでしょうか?それこそ実際に生で聴いた事のある方は、CDのミキシングバランスこそ不釣り合いなのではないでしょうか?それに慣れてしまい生の音量を聴き物足りなさを感じるのは当然です。裏を返せば、ぺぺ のアランフェスを聴き、不釣り合い程度しか感じなかったということは、いかにぺぺの音が通るか、ということです。これは、ある関係者から聞いた話ですが、国内の某ギタリストがオケとノーマイクでアランフェスを演奏した際に、後ろの観客から全然きこえないとの苦情が殺到、結局ホール側は本人には内緒で、マイクを使った、という話があります。そもそも、この話はマイク使用派と不使用派がいますが、(ジョンがマイクを使用して話題になった)私は使いたくありません。(まあ、音響的に話にならないところは別ですが)正直一回だけ使った事があります。私がロメロテクニックの存在を知るまで、またギターの構造を知るまでは。

この間、ある制作家に自分のギターを見ていただける機会があり、そのときの話です。


ギターの内部構造

 その方が「このギターは内部の構造(力木)が特殊な構造になっていて、これをはずしてしまったり下手に動かすと、その楽器がもつ独特の響きが失われてしまう」と。そして私にギターの中をのぞく鏡を渡して くれました。確かにのぞくと、表面版裏に眼鏡橋を架けたような力木が完全には接着されないかたちで存在しておりました。


私はこれを見た瞬間、メカニカルな楽器としてのギターという一面を見たような気がしました。と同時に製作家がよりよい音色をギターが出せるよう日々努力、研究を重ねている、と強く感じました。以前から力木の構造が〜〜とか表面版が〜〜とかよくききますが、自分も興味があったのでいろいろ思うところはあったのですが、ここまで目の当たりにしてしまうと。

そのような理由で、私はマイクを使う気にはなりません。様々な製作家の研究や努力の結果作り出されたギター(内部構造そのもの)をまたマイクで拾い無機質なスピーカーから音をだす。全く別物だとは思いませんか?私はそのように思います。

 あまり長くなっても困るので今月はこの辺で失礼いたします。

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