21世紀 大晦日 正義の味方誕生秘話 【結】

2003年07月10日

21世紀 大晦日 正義の味方誕生秘話 【結】

[投稿者:仙台インターネットマガジン編集部]

3  2  1  ゼロ。
ハッピーニューイヤー。カンパーイ!

クラッカーがいたるところで発射されている。
携帯をもって、話をしている人間がいる。
携帯の番号を押している人間も何人かいる。
メールを打っている人間もいる。
働いている人もいる。
抱き合って、キスをしている人もいる。

人の波をすり抜けて、僕はこの店の中心点に、走っていた。
自分の姿に驚いた友人が、「あっ」と、呟いた気がする。
「あっ」という言葉が通り過ぎていく。

中心点。そこは若者の円陣の真ん中だった。

興奮している若者はなんでも、受け入れる性質がある。
普段若者が毛嫌いしている
「無感動なサラリーマン」だろうが、
「アウェイからやってきたサポーター」だろうが、
「乞食」だろうが、「やくざ」だろうが、
「こんな時代に正義の味方の格好をしている野暮な男」だろうが、だ。
わたしはその真実を知っていた。
そこは「祭り」だからだ。

「イェイー!」とわたしは叫んだ。
それがふさわしい言葉かどうかは判らない。わたしはもう若くはないからだ。

すぐさま、「イェーイ!」と若者たちが叫ぶ。
向こうのエネルギーがすさまじかったので、負けないように言った。

「我ガ・憂イノ・日本ヲ案ジ・旗揚ゲス」 
 一瞬、しーんとなる。つづけて      「イェーイ!」と若者が反応ス。

「闇に光を届けにきた。」          「イェーイ!」
「正義の味方、参上!」           「ウォー!」

という感じだった。

それから、ジョッキを一杯、一気させられた。
そして、握手を求められた。
それから、あまり憶えていない。


しばらく立って、友人が迎えにきた。「どうもー」とか何とか言っちゃって。
そしてわたしを強制連行するかのように2人で、肩を担いで、円陣の中から引きずり出した。

「何をする! 正義だ! これは正義なんだよー」
若者の目の色が変わった。まるで異常なものを見るような目つきに変わった。

その後、友人たちに説教された。
説教されている間も、その格好だったから、友人は
「マスクを脱げ!」と言った。
「これが本当の顔だ!」
「お前はKだ!」と、わたしの本名を口にして言った。
「わたしは正義の味方だ」と言い張った。

その後、2時間ぐらい、論争が続き、わたしは敗北した。調子にのっていたのを、認めた。

21世紀最初の元旦、その早朝、目が覚めたら、わたしはビルの間に挟まっていた。

この一連の出来事が「正義」なのか「悪」なのかは判らない。
どちらかというと、限りなく「悪」に近いのではないかと、承知している。

でも、説教をしているときの友人の目はいつになく、本気だった。
その目は久しぶりに輝いていた。
生きていた。

2003/07/10


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投稿者 仙台インターネットマガジン編集部 : 2003年07月10日 05:10
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