ヤバいの逆転(1)泳げたいやき君 2004.2.X 初出

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2004年02月01日

ヤバいの逆転(1)泳げたいやき君 2004.2.X 初出

今までの日本社会では、みんな一緒だよね、という
世間様の強制力が非常に強かったので
他者性、を獲得するのがとても困難でした。

他者性、というのは、要するに
私とあなたはお互い尊重すべき人格を
持った存在ですよね、という事を認める事なのでは
ないかと思うのですが
一億総中流社会の下では、みんな一緒、でなくては
いけなかったので
あらゆる分野で、人並み、である事を強制され
小学校の運動会で手を繋いでゴールさせる
という、悪平等、の段階にまで至っていました。

そういった世界では、他者性、は持てないだろうし
育たないだろう、と思ってしまいます。
そして常に、多数派、マジョリティ、の側につくのが
最良の、処世術、となってしまいます。
悪平等、の学校を出て、今度は社会に出てみると
これがまた、派閥、学閥、の論理が支配するシステムに
なっていたりして
権力者に取り入る、金魚の糞、のような人物ばかりが
出世してしまいます。

毎日、毎日、僕らは鉄板の
上で焼かれて嫌になっちゃうよ
ある朝、僕は店のおじさんと
喧嘩して海に逃げ込んだのさ

始めて泳いだ海の底
とっても気持ちがいいもんだ
お腹のアンコは重いけど
海は広いぜ、心は弾む Yh!

社会の敷いたレール、に乗って
金魚の糞、のようにして
イエスマンでいる事が
最良の、処世術、である社会では
泳げたいやき君、のような曲が大ヒットします。

店のおじさんと喧嘩して
海に逃げ込んだりせずに
毎日毎日鉄板の上で嫌になるまで
焼かれるのが、最良の、処世術、となる社会では
自立、は、タブー、となり
自立しようとして海に逃げ込んだ、たいやき君、の
壮絶な最後に自分を投影し、号泣するサラリーマンが
増えるわけです。

そして、金魚の糞、つまり、イエス、サー、と
言い続けるのが、最良の、処世術、となる社会では
ヨイショ、の上手い人が大量発生してしまいます。

この戦後の日本社会の独特のロジックを利用し
対象を徹底的に、ヨイショ、する事で
逆に対象をおとしめる、ホメ殺し、という
人類史上例のない街宣活動戦術を編み出した
政治団体もありました。

竹下先生はすごい!
竹下先生はえらい!

と、徹底的に、竹下先生、を、ヨイショ、しまくる事で
逆に、竹下先生、をおとしめているわけです。

竹下先生はすごい!

と、ヨイショ、しているのだから
脅迫、でも、名誉毀損、でもないわけです。
政治に関心のない人たちには
竹下先生を褒め上げている親衛隊のようにさえ
思えてしまいます。

竹下先生はすごい!

ここでは、ヨイショ、の意味するところの
文脈を日本社会が共有していることを
前提とした、情報の発信者と受信者の
共犯行為が形成されています。

土井健郎さんが指摘した
甘えの構造、を逆手にとって利用したかのような
文学的な高等戦術です。

竹下先生はすごい!

一億総中流社会が終わり
競争社会が訪れ、日本社会全体が共有する
文脈がどんどん減っていけば
次第に、甘えの構造、は崩壊し
ホメ殺し、も、駄洒落、も
成立しなくなっていくような気がして
しまいます。
そして、金魚の糞、では生き残れなくなって
いきそうです。
泳げたいやき君、のようなヒット曲も
もう出てこないでしょう。

毎日毎日、鉄板の上で焼かれて嫌になっている
サラリーマンはまだよい方で
店のおじさんと喧嘩して海に逃げ込む前に
ある朝、突然、海に追い出されてしまう
時代状況になってきています。


-ヤバいの逆転(2)ミュータント、へ続く-
http://www.im-sendai.jp/archives/2004/02/220042_3.html

甘えの構造 土井健郎 






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投稿者 im-sendai : 2004年02月01日 00:00
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