プロ野球と日本のプロ野球(2)日本教の危機 2004.3.X 初出

2004年03月01日

プロ野球と日本のプロ野球(2)日本教の危機 2004.3.X 初出

[投稿者:大場理史]

先日、イザヤ・ベンダサン著(一説には山本七平氏)の
日本人とユダヤ人(角川ソフィア文庫)という本を
読んでいて、ふと気がついた事がありました。

この、日本人とユダヤ人、という本は
似ているようで実は正反対な
日本人とユダヤ人の対比、という視点で
日本、及び、日本人論を展開するという
たいへんユニークな論考です。
1970年代に200万部を売り上げたという
驚異的なベストセラーだったようです。
現代で言えば養老孟司さんの、バカの壁、のような感じ
だったのかもしれません。

で、70年代のベストセラーを読んでいて
何に気がついたのか、と言いますと
そこで展開される、日本人論、における
日本人は~、という主語が
現在では上手く機能していないなという事でした。
つまり、1970年代まではあった
日本人、というものの共通の特徴が
現代では価値観の相対化、多様化、或いは
社会の近代化、西洋化によって
ほとんど成立しなくなっているな、という事に
気がついたのであります。

僕が以前、年配の方と一緒に仕事をしていて
トラブルが起きた時の事ですが
その方はその際、日本人ですから~、という言い訳を
しました。
きっとその方の、日本人ですから~、には
お人好しですから、とか
あまりガツガツと権利を主張して
世間様を騒がせたりしませんから、といった
ニュアンスが含まれていたように思います。

で、先述の、イザヤ・ベンダサン著の
日本人とユダヤ人、では
この、日本人ですから~、の部分を
一つの宗教と見て、日本教、と命名していました。
日本教、においては、人間くささ、や
人間味、が最も重視されるとも。
僕はその、日本教、というのは
神道、のことではないかと思いました。

日本では外来思想が全て、神道化、してしまいます。
仏教は、日本に流入した時点で
天台本覚論、や、本地垂迹説、などによって
神道化、されてしまい
そんなものは本来の仏教ではない、というような
形になってしまいましたし
仏教の後に入ってきた儒教も
神道化されてしまい、中国や朝鮮半島の
人達に言わせれば、そんなのもは儒教ではない、という
形になってしまいました。

神道、は、ユダヤ・キリスト・イスラム的な
意味での、啓典宗教、ではないので
外来思想を時にガブ飲みしてしまう事があります。

日本人の契約概念などもそうですが
欧米における、契約、に比べたらとても人間味があって
契約書に記してない部分は
双方誠意をもって対応する、などとなってしまいます。
いい加減、と言えば、いい加減
人間味がある、といえば、人間味があります。
基本的に人間というものを信用していない事には
成立しない宗教です。日本教。

やはりそういった、日本教、の根底にあるのは
神道、ではないかと思ってしまいます。
啓典、や、戒律、或いは、契約、よりも
人間味、人間臭さ、が重視される。
日本人ですから……人間だもの……。

ちなみに日本が、かつて朝鮮半島で行った最悪の暴政は
朝鮮半島の仏教から戒律を廃してしまい
僧侶達の結婚を認めてしまった点にある、という人もおります。
それはもしかしたら、日本教、の感覚で
朝鮮半島を統治しようとしてしまったからでは
ないかと思ってしまいます。

と、ツラツラと、日本人論、について
書いてきてみたわけですが
70年代のベストセラー、イザヤ・ベンダサン著
日本人とユダヤ人、の中で述べられている
日本人は~、という主語が
2004年3月現在、上手く機能しなくなって
きているのではないか、という事を言いたいわけです。

グローバル化、それに伴う、文明の衝突、という
現代の状況において、日本人ですから~、という
人間味、人間くささ、をベースとした、日本教、も
その危機を迎えているのではないか、と思ったわけであります。

グローバル化、それに伴う、文明の衝突、において
ユダヤ・キリスト・イスラムの摩擦が
激しくなっている海外の情勢を見て
宗教ごときでそんなに熱くならなくても、と
僕も含めた多くの日本教徒は
眉をしかめてしまいますが
日本人の、日本教、も
危機にさらされているのかもしれません。
田中耕一さん、VS、中村教授
松井秀樹選手、VS、中田英寿選手

今回のエッセイは、プロ野球と日本のプロ野球、という
お題で書き始めたので、それに絡めて言えば
長島茂雄さんの、あの何とも憎めないキャラクター
人間味、人間くささ、は
多くの、日本教徒、の心を
捉えてやまないのではないかと思います。

でもその、ミスター、こと
長島茂雄さんが代表するところの
プロ野球、が、日本のプロ野球、になってしまいました。
そして、プロ野球、から
何かが抜けてしまったのだと思います。

その、何か、を失うことを本能的に
恐れた層が、キューちゃん、こと、高橋尚子選手の
アテネ五輪代表落選に対して激怒し
日本陸連に抗議の電話を入れたのかもしれませんが
きっとその抗議の電話を入れた人は
そんなに悪い人ではなくて
敬虔なる、日本教徒、なのかもしれません。

それに対して日本陸連は警察に相談し
警備員を置くことにしたようです。
日本教徒からすれば、ますます人間味のない
許されざる行為です。

長島茂雄さんは、セコムしてますか、と
警備会社のCMに出演しながら
セコムのスイッチを入れていなかったために
不審者に家に入られてしまった、という
人間味、人間くささ、溢れるエピソードで
トラブルの渦中にあってさえも
日本教徒、の心を潤してくれましたが
そういった、日本教徒の生き様、或いは、感性、が
社会のグローバル化、市場化、アングロサクソン化
によって危機にさらされているのかもしれません。
精神に異常をきたす人が続出するのも
何となく分かるような気がしてしまいます。

やはり、文明の衝突、は
神々の闘い、なのだなと思ってしまいます。

-プロ野球と日本のプロ野球(3)へ続く-
http://www.im-sendai.jp/archives/2004/03/320043_1.html

関連、
  女の直感
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  これから会社と個人の関係は(1)~(3)
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投稿者 大場理史 : 2004年03月01日 00:00
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