鼠ヶ関 クロダイ...... 趣味

2004年08月27日

鼠ヶ関 クロダイ...... 趣味











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No.4





 

鼠ヶ関 クロダイ...... 趣味


   
 昨年のゴールデンウィークに山形県の
鼠ヶ関
(クリックすると地図がでます。36k)という港を訪れた。山形道が出来たお
陰で、鶴岡まではあっという間だった。鶴岡で休息を取り、日本海に出て海に沿って
、南下し鼠ヶ関を目指した。自分のバイクで日本海までやって来たのはこれが始めて
だったが、走りの疲れも忘れて、いつも見慣れている太平洋とはどことなく違う美し
さの海を眺めながら更に走り続けた。右手の岩場に目をやると、人が立っている。ど
うも釣りのようだ。バイクを止めてじっくり見ると、その服装や道具からどうもクロ
ダイ釣りらしいことがわかった。仙台ではあまりクロダイは釣れないが、こちらでは
たくさんいるのだろうか?また走り始めると、次の岩場にまた数人いる。やはりクロ
ダイ釣りだ。更に南下するにつれて、一つの岩に一人が乗っているほど人数が増えて
きた。鶴岡と鼠ヶ関の中間地点にさしかかるころには、路側帯に駐車している車が増
えはじめ、岩場に乗っている人も大変な数になってきた。バイクのエンジンを切って
、のどを潤しながら釣りの姿にじっくり見入った。みな真剣である。一人ひとりが離
れている。だが、よく見ると一人も釣れている様子が無い。どういうことだろう?こ
れだけ釣れていないのに、こんなに人がいる。しかもみな真剣そのもの。いわば異様
な雰囲気である。


 「鼠ヶ関の手前に温海といういい温泉がある」とガソリンスタンドの主人の、聞き
なれないが心温まるような山形弁の説明を聞いて、宿を取ろうと温海を目指した。甘
かった。連休だったのだ。どこも空室が無く、あきらめて鼠ヶ関の小さな旅館に泊ま
ることにした。

 鼠ヶ関の漁港に出てみると、「イカ祭り」で大にぎわいである。大型
バスで大挙してやってきた近県の人々でいっぱいだ。出店をのぞき、冷やかしながら
外海に出てみた。ここもクロダイ釣りの人でいっぱいである。この旅の目的は単純で
、ある釣り雑誌にここが大変よく釣れると書いてあったので、いつも釣っている魚の
大型を釣ってやろうとやってきたのだった。いわゆる底物釣りというやつである。ア
イナメ、ソイ、カレイなどを探りながら釣る。実は、竿を出せなかったのである。一
人も底物釣りをしている人がいないのだ。磯中に漂う激しい緊張感を崩しそうな気が
して、どうしても竿を出せなかった。あきらめて高い岩に登って上から海中を眺めて
みた。いた。クロダイだ。有に60センチはある。二匹悠々と泳いでいる。こんな大き
さの魚は見たことが無い。異常な緊張の理由が多少解った気がした。これを掛けるの
は大変なことだ。魚は老魚ほど動きが少なくなり、警戒心も強くなる。海水が澄んで
いるため、ここでも一人も釣っていない。しかし、帰っていく人の様子を見ていると
、みなにこにこしている。卑屈になっている様子が少しも無い。釣りを大切なもの、
真剣に行いべきものとしてとらえているように見える。彼らの釣る姿に一種の気高さ
を感じたのだった。

 宿に戻って夕食の準備をしてくれる女将の話を聴いた。この女将は、地元の人間で
はなくよそから嫁に来たのだが、やはり釣りはするそうだ。磯場で感じた戸惑いを女
将に打ち明けると、彼女も過去に同じ思いをしたのだそうだ。この一帯では、底物釣
りは邪道なのだということだ。アイナメなどを釣っている彼女を姑がよく怒ったそう
だ。さらに話しを聴くと、どうやら答えが見えてきた。鶴岡藩だ。この辺は昔鶴岡藩
の城下で、鶴岡藩主が藩士達にクロダイ釣りを奨励したのだそうだ。クロダイ釣りを
する際の緊張感や集中力が、武士道に多いに通じるということらしい。それ以来ここ
はクロダイ釣りのメッカとなったのだそうだ。どうりでアイナメを釣っている人間が
一人もいない訳だ。

 所詮釣りは遊びと考えていた自分に恥ずかしさを感じた。釣りに対してどうも卑屈
なイメージを持っていた自分を反省した。例えば女性一人で、完全武装してクロダイ
を釣りに来るんてことは、仙台近辺ではまずあり得ない。こちらには何人もいる。釣
りというもののとらえ方が違う。もっと重要なものと考えている。

 あまねく趣味というものはこのようなものでありたいものだ。現実の仕事にも、ま
た生き方にも結びつくものとなりうるようだ。



不一




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投稿者 im-sendai : 2004年08月27日 01:46
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