伊達ロック

2004年08月26日

伊達ロック


伊達ロック


 通りすがりにすれちがった、たった一粒の種。たいていは見落として、気付いたとしても気にも止めずに通りすぎてやがては忘れてしまう。けれどそんな種がある日小さな芽をだしている。そのときその小さな芽は、静まりかえった水面に落ちる一滴のしずくのように私たちの心にかすかなさざ波をたてる。その小さな芽はまだか細い茎の、透き通るような双葉で、明日も今日と同じように空に向かっているかもわからない。自分の中に起こったさざ波が消えてしまうことを恐れるかのように、私たちはその小さな芽が倒れてしまわないことを願う。
 ここに、小さな芽がある。仙台伊達ロックという芽だ。一人の学生からこぼれた一言を種とする小さな芽が、今芽吹いた。












 今年七月に「Crescent Moon Rock Festival in SENDAI」というイベント、通称「伊達ロック」が予定されている。仙台市民広場を中心的な会場として、仙台のアマチュアの音楽、アート、パフォーマンス、フリーマーケット等、さまざまなジャンルからの参加によって構成されているイベントで、その企画運営に関しては有志の若者たちによる、いわば手作りのイベントである。

 仙台ではこれまでもさまざまなイベントが企画され行われてきた。けれどもこの「仙台伊達ロックフェスティバル」はある点において、これまでのイベントとは違った性質をもっている。

 そもそもこのイベントは目黒君という一人の学生の一言から始まった。

 彼自身ロックバンドで活動していて、アマチュアのバンドが演奏できる場所の少なさに、機会の少なさに不満を感じていたという。そんなとき同じ音楽仲間と飲みながら、「だったら、ジャズフェスティバルみたいなロックのイベントをつくったらいいじゃないか。」とつぶやいた彼に周りの友達が賛同したのが、伊達ロックの始まりになったらしい。しかしたとえ伊達ロックのイベントが成功したとしても一日だけのことに過ぎない、それが終わってしまえばまた演奏の場所も機会もないという状況は変わるわけではない。彼等が目指しているのは音楽が、アートが日常にあふれることだ。それは表現者としての立場からの願いでもあり、生活者としての立場からの願いでもある。だからこそメインイベントのためだけではなく、街の温度をあげてゆくためにプレイベントを実施し続けているのであろう。

 伊達ロックが目指すのはきっかけづくりだ、と伊達ロックの発起人であり実行委員長である目黒君は言う。彼は仙台でライブできる場所が少ない理由としてお客が集まらないということがあると見ているが、そのことと伊達ロックのねらいは深くむすびついている。




〜インタビュー〜

(ginger)
「あまりお客さんがバンドに来てくれないということについて、仙台ではあまりそういうものに行く傾向がないからだとおもう?それともイベントが少ないからその習慣がないせい?そこらへんの理由についてはどう思う?」

(目黒)
「もちろん行く傾向がないのもあるとおもう。でも何でこんな百万人も仙台に住んでるのに行く傾向がないかっていうと、そういうアーティストが面白いって知らないんじゃないかって。地元で活躍しているアーティストでもすげえいい音楽やっている人とか、その会場行けばすごい感動味わって帰ってくるっていうことできるのにそれを知らない人が多いなって。理由としてやっぱり、名古屋とか福岡とかは自分たちの地元のバンド盛り上げようっていう機運が在るのに、仙台だったらライブのチケットみてカッコ仙台(sendai)って書いてあるよりカッコ東京(tokyo)って書いてあったほうがなぜかうまく見えるっていう、そう言ったところがおかしいいんだろう、っていうか、逆にいいイベントうてばお客さん集まるんじゃないかっていう。」

(ginger)
「ただこういう見方もあるんだよ。仙台でお客さんが集まらないのはいいバンドがないからだっていうね。」

目黒)
「いや、いいバンドないと思うよ。」

(ginger)
「で、そこそこいいバンドがあってもそういうバンドも冷遇されているかというとそうではなくて、そこそこによければそこそこに集まってそのバンドのイベント自体はそこそこに盛り上がってるから、それでいいじゃないかって。だから、無理にそういった機運を盛り上げようっていうのは、要するに実力以上のものを求めてるんじゃないかって。そういう見方もあると思うんだけど。」

(目黒)
「盛り上げても、実力以上のことしたってしょうがないじゃんって? あ〜 まあ結局それも正しいのかも知れないけど、でもやっぱり仙台にいたいなってっ気持ちがあるから、駄目元でいいからやって見るくらい価値があるかなっていうのが一つあるし、いいバンドないってさっきいったけどちょっとはいるんだよね、だけどいつの間にか解散してたりとか、いつの間にか東京いってたりとか、そこなんだよね。ほんとに時間がないから解散したとかあるかも知れないけど、仙台にほんとにバックアップできるレーベルとかあったりしたら東京行く必要ないと思うし、実際東北大軽音の先輩でfla foaっていうバンドなんかはずっと仙台で活動してるからね、まだ東京行く必要ないって、メジャーデビューしたけど。だから仙台に盛り上げる機運とかレーベルとかあったら変わるはずだし、確かにバンド少ないけどちょっとは変わると思うから、だったらやってもいいんじゃないかって。」


  イベントが実現したらそれでおわりではない、そのきっかけによって生まれたものをいかに維持し育てるのか、それもまた問題である。いかにしてアートに日常性をもたせるか、伊達ロック後に何をなすべきか、「それが一番の問題なんだよね。」と彼は苦笑いしていた。

 また、伊達ロックは「ロック」とその名に冠してはいるもののノンジャンルのイベントとなっている。



(目黒)
 「イベントやっていくうちに全然しらないお客さんが、いいバンドじゃん次も見せてよ、というのと同じように、例えば自分で作品作るのが好きで、全然上がりがないのに店を持っている人がいるんだよね、そういうふうにアートしている人をスゲーなあって。俺が音楽やってるのと一緒で、そういうアートやっている人も同じだろうなってだったら一緒にやっていきたいなって。」



 伊達ロックフェスティバルに携わる人達は単に自分の表現の場を求めているだけではない、仙台という街のこの先を作り出そうと模索しているのである。今、ジャンルを越えた仙台の若者の熱いエネルギ−が結び付こうとしている。この動きは今まであったイベントとは違い、同じ若者である私たちの胸を熱くする。

 有志で募ったスタッフも今では80人を越え、3回目を数えるプレイベントも徐々に観客動員数を増やしている。それは伊達ロックが目指しているものに多くの人が共感していることを示している。メインイベントの成功はまだ未知数ではあるけれど、その小さな芽は以外に土のなかにしっかりと根を広げているような、そんな気がする。




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第二回

伊達ロックプレイベント4にいった感想


第一回

伊達ロック実行委員長の目黒君にインタビュー  *このページです。








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投稿者 im-sendai : 2004年08月26日 03:08
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