MoMA VS PS1 Part2

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2004年10月04日

MoMA VS PS1 Part2

<この文章は私が中本誠司個人美術館のメーリングリスト向けに、連載してたものです。ニューヨークに行こうがなかなか進まないので、こちらを先回りして、掲載します。>

New York Art Report Part8 20031211

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MoMA VS PS1 Part2
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今回のPS1の展覧会は、南米出身とスペインのアーティストの特集でした。ここニューヨークにくると、一番最初に驚かせられることは、街を歩いていると、英語だけではなくて、スペイン語も、沢山当たり前のように、聞こえてくると言うことです。一日に一度は、スペイン語を聞きます。そのくらい南米からアメリカに移民してくる人が沢山いる。アメリカの一番南のマイアミでは、英語より、スペイン語を聞くことが多いそうである。そういえば、カリホルニアだったか、どこだったか、はっきり覚えていないのですが、南部の州では、スペイン語を公用語にしようという運動まであるそうである。

ヒスパニック(南米から来た人達)は、自分の母国ではとてもじゃないけど、お金が稼げない。たとえば、1ヶ月1万円くらいしか、お金を稼げないので、どうしても、経済的に豊かなアメリカにわたってくる人たちが多くなる。一般的に言って、かれらがつく仕事は、たいてい日本で言えば、3Kと言われるような、仕事である。ニューヨークにきているヒスパニックはそれほど、怠け者のようには見えないが、かれらは中国人は、日本人のビジネスマンのように、ヒステリックには働かない。大部分の人がカソリックを信じていて、大家族でくらしているようである。結婚するのが早く、子どもを沢山生むので、そのうち黒人の人口を抜かすのではないかと言われている。

このような、バックグランドとか、社会的な知識は、こういうアートの話しにはいらないよ。と、おっしゃる方もなかにはいらっしゃるのですが、私は、それはちがうのではないか。と、言いたいのです。というのは、宗教、カルチャー、時代、社会や政治というものから、アートは切り離して存在はしないからです。どんなアーティストでも、人間ですし、どこかの社会に所属しているわけです。だから、もちろんアートも、時代、社会、政治、カルチャーや宗教などの影響からは逃れられないのです。むしろ、それらを映す鏡ではないのか。たとえば、こちらで、日本人の作品をみると、あれ!これは日本人の作品じゃないのかな。と、名前をみる前に、感じることがあります。それは、その人が日本人独特の感覚をもっているからです。私も日本人なので、それをうすうす感じることができるわけです。

以前、911のことを書きました。もちろん場違いだ。と、言われるのは分かっていますが、それでも書く理由は、あの事件が、2年たったいまでも、ニューヨークに暗い影をおとしているからです。今になってやっと、あの時は、2カ月間もまともに寝れなかった。と、友人のニューヨーカーがぽつりと語ってくれます。そういうことを抜かして、この作品は、ああだ、こうだ、とは、アートの専門家でもない私が、とてもいえません。そういうことは、美術手帳の記者達にまかせて、自分はもっと違った視点で、書いていきます。まして、あの事件は、世界中を変えたわけです。日本だって、もちろんその例外ではないわけです。私が言いたいのは、これが、今、現在、私たちが生きている時代だよ。ということです。

展覧会の名前は、 The Real Royal Tripである。南米やスペインで活躍しているアーティストを見に行こう。と言う感じでしょうか。個人的に面白いなあと思ったのは、ひとつひとつの作品に合わせた展示のしかたでした。たとえば、まっくらな、なにも見えない暗やみの洞窟のようなようになっていて、奥の方から、ゴーっと、得体のしれない低音が流れていて、観覧者が奥まではいって、体感できるという作品とかも、その作品に行くまでに、細い細い通路に、カーテンが何枚も何枚も、かかっていて、カーテンをめくって先にすすむごとに、ドキドキさせる仕組みになっていて、よく出来ていると思いました。

それと、Justo Gallegoという、スペイン人のアーティスト(?)のドキュメントがおもしろかったです。この人は、自分1人で、40年もかけて、巨大な教会を造っている人で、あんまり大きい教会をつくろうとしているので、自分が70歳を越えても、まだまだ、ぜんぜん完成しない。こういう、しつこさが日本人には足りない何も知れませんね。彼は、街の人達には、変人だという目でみられている。それでもあきらめずに、作っている姿に、見入ってしまいました。そいう人がらに魅かれて、彼を手伝っている若者とかもいて、なにか中本さんが生きているときに、中本美術館に訪れてきた若者たちのようでした。

このPS1はとても古い建物で、見た目もおんぼろです。オフィスか、学校のような施設を、改装して使っているようでした。だからこそ、ひとつずつの作品、作品に、思い切ってスペースを使えるのかもしれません。MoMAと比べると、お客さんも少ないし、有名ではないけれど、非常にいい美術館だと思います。お金をかけないで、良いものをつくろうとしている姿勢が伝わってきました。




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投稿者 im-sendai : 2004年10月04日 01:46
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