我が国とこの国(3)日蓮聖人と超国家主義者 2004.1.X 初出

2005年01月31日

我が国とこの国(3)日蓮聖人と超国家主義者 2004.1.X 初出

偏狭なナショナリズム、と言えば
すぐに戦前の超国家主義、ファシズムの時代が
思い浮かびます。

当時の石原莞爾(1889~1949)
北一輝(1883~1937)井上日召(1886~1967)
大川周明(1886~1957)といった超国家主義者達は
みんな、日蓮主義者で、法華経の行者、だったようです。
現代で言えば、極右、という事になるのかも
しれませんが、政治行動を決定づける際に
宗教が影響を与えている。
やはり僕はもっと宗教を極めていかなくては
いけないな、と思ってしまいます。

僕が日蓮聖人の、立正安国論(中公クラシックス)を
読んでみたところでは、他の宗派を全て邪宗扱いし
全てを捨てて、法華経によれ、と主張しています。
帯には、火を吐くような説法、とありましたが
まさに、火を吐くような説法、です。
蒙古襲来、という国難にあって
日蓮聖人が、全てを捨てて法華経によれ、と主張した部分が戦前の石原莞爾や北一輝に代表される
超国家主義、つまり、ファシズム、全体主義、に
つながっていったのではないか、と
僕は今のところ見ています。

ちなみに川端康成は、三島由紀夫の自衛隊基地での
割腹自殺の後、精神異常状態に陥り
日蓮聖人の幻覚・幻聴を聞いた、と言われています。

こんなことを書くと、日蓮主義者、は
日蓮大聖人の霊が、と喜んでしまいそうですが
僕はソフトクリーム教の教祖であるぞ!? の
エッセイにも書きましたが
人間が精神的・肉体的に追い込まれると
幻覚・幻聴を生じる、などというのは
常識中の常識です。
川端康成は、きっと、愛弟子とも言える
三島由紀夫の自殺に衝撃を受けて
精神異常状態に陥ったのだと思います。

でもここで、日蓮聖人の幻覚・幻聴を生じるところが
さすがノーベル文学賞作家です。
三島由紀夫の自衛隊基地での割腹自殺(つまり極右的行動)に戦前、石原莞爾や北一輝を超国家主義に走らせた
日蓮聖人の影を見たのでしょう。
ドン・ピシャリです。
さすが川端康成です。

精神的・肉体的に追い込まれて
空中を旋回するソフトクリームの幻覚を生じたり
している僕は、やはり川端康成には
遠く及ばないのかな、と思ってしまいます。

そして三島由紀夫の自衛隊基地での
割腹自殺から6年後
今度は村上龍さんが、米軍基地のある街を
舞台とした、限りなく透明に近いブルー、で
芥川賞を受賞されました。
この時、埴谷雄高翁の、鶴の一声、で受賞が決まった
というのは、小説とは何か、のエッセイでも
記したとおりです。
何を言いたいのか、と言いますと
自衛隊基地から米軍基地の街へ
小説の舞台が移ってしまった、という事です。
やはり日本は占領されているのだな、と
思ってしまいます。
現在、どんな評論活動を行うにしても
日本の領土が米軍基地に押さえられている、という
認識を欠いたものは、ズレているように思ってしまいます。
日本はアメリカ合衆国の、51番目の州、と言っても
過言ではないような気がします。
反戦なら反戦でもよいのですが
この点を押さえておかないと
議論にならないような気がします。
1970年の三島由紀夫の自衛隊基地での
割腹自殺から34年。
1976年の村上龍さんの、米軍基地のある、福生、を
モデルとした、限りなく透明に近いブルー、から
28年。
太平洋戦争の終結から数えると
59年になります。
2004年、まだ、米軍の占領は続いています。
少年達は、透明な存在の不安、のシグナルを
出し続けています。

と、話が逸れてしまいましたが
日蓮宗と超国家主義者の話です。
現代でも、日蓮宗、は大きな勢力ですが
他宗派を邪宗扱いする体質は相変わらずのようで
創価学会と顕彰会の罵り合いは酷いものがあります。
そしてその創価学会を支持母体とする公明党に頼らないと自民党は政権を維持できなくなってしまっています。
だからどうした、と言われると困りますが
ただそうなっているのですよ、という話なのです。

一応記しておきますと
僕は創価学会や顕彰会や公明党や
日蓮主義者を非難する意図はありません。
関係者の方々は予めご了承下さい。
僕は顕彰会に入っている知り合いがおりまして
入会を勧められた事があったのですが
丁寧にお断りしました。
でも、険悪な関係、になることはありませんでした。
日本には、信教の自由、があります。
反社会的な行動に出ない限り
どんな宗教を信じていても自由だと思います。

ただ日蓮宗の人は
我が国、と言いたがる傾向があるのは確かだと
思います。

ちなみに、古代・中世の宮中での
加持・祈祷の記録には
真言宗の僧侶の名前が見え
中・近世になると、日蓮宗の僧侶の名前が
見えるようになるようです。
何を言いたいのか、と言いますと
なんだかんだ言って
日本の最高の宗教的権威は
宮中、にあるのですよ、という話なのです。
お宮様、神社です。

僕は、蒙古襲来、という国難にあって
火を吐くような説法、を行い
国を守ろうとした日蓮聖人は素晴らしいと
思います。
そして、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅を
南無妙法蓮華経によって統一しようとした
日蓮聖人の宗教的情熱も素晴らしいものがあると思って
しまいます。

先日、日本書紀の、皆既日食、の記述が
科学的に正確だった、というニュースがありました。
つまり本当に、皆既日食、があったわけです。
日蓮聖人が、日蓮宗開宗後
比叡山で愛染・不動の二明王を感得した建長6年の
元旦にも、日蝕、があったとされています。
その日蝕の日輪の中に、日蓮聖人は
愛染明王、を見たというのです。
そしてしばらくした正月15日から17日の間には
今度は月輪の中に、不動明王、を見た、と
されているようです。
月に兎、太陽には烏。金卯玉烏集。
日輪の翼。やはり何かありそうです。
平野啓一郎さんの芥川賞受賞作、日蝕、では
西洋の錬金術における、日蝕、時の
精神変容状態、が、生々しく描かれています。
日本書紀が、政治的意図で編纂されている部分があるのは間違いないにしても、神代、や、初代神武天皇
聖徳太子の活躍、あたりには、かなり重要な
メッセージがあるのではないか、と僕は考えています。
旧約聖書、においても、創世記、から
モーゼの十戒、あたりまでを
トーラー、として、最も神聖な部分、と
していたような気がします。

ここまで来ると宗教に関心のない方は
何を言っているのか分からない状態かもしれません。

でも、我が国、と、この国、の問題を
探っていくと、日蓮聖人の南無妙法蓮華経による
金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の統一にまで
繋がってしまうのだから
宗教というのは深いな、という話なのです。

手と手を合わせて幸せ。

-我が国とこの国(4)へ続く-
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/181.html

関連、

No.2  日本酒考
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/2.html
No.67  恐ろしや、川端康成
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/67.html
No.92  僕はソフトクリーム教の教祖であるぞ!?
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/92.html
No.122 月に兎、太陽には烏
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/122.html
No.123 日輪の翼
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/123.html
No.135 小説とは何か(1)~(5)
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No.162 土地の持つ力(1)福生
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No.176 崩壊の前兆(3)サカキバラ事件
http://www.im-sendai.jp/rensai/tamago/se3_diary/176.html
 

・リンク


立正安国論ほか 日蓮 中公クラシックス




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投稿者 im-sendai : 2005年01月31日 00:23
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