公共事業について考える1 公共事業という悪い言葉

2005年07月23日

公共事業について考える1 公共事業という悪い言葉

[投稿者:佐藤研一朗]

仙台市長選挙が(新聞で見る限り)盛り上がっている。どうも、地下鉄東西線が争点になっているようだ。この地下鉄東西線は、西は八木山動物園から、東は六丁の目、荒井までを地下鉄で結んでしまおうという巨大な公共事業である。仙台市交通局は総事業費を2700億円と見込んでいる。今回は、この東西線を考える前に、もう一度、公共事業についてゆっくり考え、東西線を考えるうえの補助線としたい。

公共事業という言葉が、「悪い意味」となって、ひさしい。私が高校生だった頃、宮城県の本間知事と、仙台市の石井市長がゼネコン汚職で捕まった。特定の業者に公共事業を優遇し、その見返りに賄賂をもらったといものだ。高校生の私は市長と知事が捕まるという前代未聞の事件を目のあたりにして、ショックを受け、同じ県民、市民として、恥ずかしいやら、寂しいやらで、複雑な気分だったのを覚えている。

その後、同じようなゼネコン汚職が、他でも明るみにで、ゼネコンという言葉は地に落ちた。バブル崩壊後、故小渕首相、森首相が景気対策として、公共事業を乱発し、国の財政が傾き、しかも景気は回復しなかった。そんな中、小泉総理がさっそうと、聖域なき構造改革と打ち上げて、その地位につき、そして、公共事業=悪という図式が確定した。

さて最初に、私は公共事業は悪い物だとは思わない。道路がなければ、どこにもいけないし、ダムがなければ、水も飲めない。ガス管が引いていなければ、料理もできない。下水道がなければ、トイレも流せない。こういった基本的なインフラ整備は、人間が生きていく上で、やはり必要だ。そしてインフラ整備は投資の額がおおきく、しかも儲かるところだけではなく、儲からないところにも、公平に設置しなくてはいけないので、採算性がとりづらく、簡単に民間が始められるものではない。

「じゃあ、電車とか、電話とかはどうなのよ。JRにしても、NTTにしても、民間でしょ。」といっても、もともとは国の税金をかけて設備投資をしたから、いま民間で運営をできるわけで、0から投資していたら商売など最初からなりたたない。たとえば東北電力も民間会社だというけれど、規制のしばりがきつく、競合が起きないようになっているので、準公社だといえるだろう。事実、東北6県電力配給を独占している。

「規制」、このごろ、もう一つの悪い意味をもった言葉としてあげられる代表だ。じゃあ、規制をせずに、なにごとも自由競争させたらいいかというと、それは難しいところだ。自由の国アメリカ、カリフォルニアで、その実験はおこなわれた。電気の規制を撤廃して、自由競争させることにしたのだ。その先頭にたったのが巨大エネルギー会社だったエンロン。結果からさきにいえば、カリフォルニアでは大停電が頻発しておこり、社会はまひ。最終的にエンロン自体も、(これだけが原因ではないが)倒産してしまった。

これから学べることは、このような基本的な、基本的なインフラ整備をおこなうのは、やはり公共性のあって、安定性がある団体、国、地方自治体、公社、もしくは規制が強い(東北電力のような)準公社のような会社がふさわしいと言うことになる。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2005年07月23日 06:45
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