公共事業について考える4 計画とマネージメントの大切さ
公共事業について考える4 計画とマネージメントの大切さ
[投稿者:佐藤研一朗]
計画とマネージメント
公共事業をするうえで、大切なことが二つある、一つは最初の計画、もう一つはその後どうやって施設を活用していくかというマネージメントだ。最初の計画というのが何よりも大事である。作る施設の需要、立地、魅力、特性、費用、経済効果、利便性をどれだけ考えられるかで、その施設の将来の7、8割がたは決まってしまう。自分もイベントをやっているからよくわかるが、何よりも仕込みが大切だ。ここを大きく間違ってしまうと、後でもう取り返しがつかない。
次に大切なのはマネージメントだ。これは後の2、3割くらいだろう。特に、文化施設や、スポーツ施設のような生活の質を向上させる施設は、このマネージメントの占める割合がおおきい。マネージメントというのは簡単に言えば、営業努力というやつだ。どうやってその施設を効率的に運営していくか、どうやって利用客をあつめるかということだ。たとえば、クラシックコンサートホールだったら、年に何回は世界的な演奏家を連れてきて、コンサートをする。ついでに公開レッスンもやってもらうとか、クリスマスには子供たちのために無料のコンサートをひらくとか。まあそういったことだ。でも、こういうマネージメントだって、本当は最初の計画にはいっているべきなのだ。問題は、作った後それをどう活用していくかが、ほとんどの施設で考えられていないということだ。
では身近な例をあげて考えてみる。一番いい例は、利府にある宮城スタジアムだろう。宮スタの利用者が激減しているという河北新報の記事を引用する。
<河北新報から引用開始>
宮スタ利用者6割減 「特効薬」なく苦しい運営

2002年にサッカーワールドカップ(W杯)の会場となった宮城スタジアム(宮城県利府町)の利用者が激減している。04年度の利用者は前年度の4割止まり。所管する宮城県教委や施設管理を委託されている同県スポーツ振興財団は、サッカー国際試合の誘致やスタジアムのPRに力を入れているが、“特効薬”は見つからず、苦しい運営が続いている。
4万9000人収容の宮城スタジアムは2000年、県総合運動公園(グランディ21)の中核施設としてオープンした。競技者、大会関係者らと、観客(有料)を合わせた利用者数の推移はグラフの通り。サッカーW杯があった02年度をピークに減少している。04年度の利用者は、前年度比マイナス57.7%の11万5167人にまで落ち込んだ。
県スポーツ振興財団は04年度の利用者減の原因を、「Jリーグのベガルタ仙台の試合と、コンサートイベントが減ったため」(総務部)と言う。ベガルタ仙台のホームゲームが前年度の3試合から1試合に減り、前年度まであった人気グループのコンサートも開かれなかった。
基本使用料に加え、有料イベントの場合、入場料総額の5%が収入となるが、「大入り」の有料イベントの減少から、04年度の収入はわずか600万円。2億5000万円以上とされる年間維持管理費との差は開く一方だ。差額は県の補助金がつぎ込まれており、関係者は危機感を募らせている。
利用者を増やそうと、04年度は、県教委がスタジアムのPRも兼ねて、全国から高校サッカー界の強豪チームが集う「宮城スタジアムカップ」を開催した。浅野史郎知事も今年2月に、日本サッカー協会の川淵三郎会長を訪ね、トップ交渉。サッカー日本代表の国際試合の宮城開催を要請し、今秋には1試合が開催される可能性が出てきているという。
だが、利用者数の柱だったベガルタ仙台の試合は05年度は1試合もなくなる見通し。さらに大規模なコンサート予定も入っておらず、利用者数の底上げは難しいのが実態だ。
2005年05月27日金曜日
<河北新報から引用終了>
W杯のために、270億円をかけてつくった、この競技場はろくな交通機関もなく、そこまでいくのに一時間もかかるというしろものである。いくら立派な競技場をつくったところで、誰もつかってくれないのでは意味がない。一時間以上もかけて会場にいって、ひいきのチームが負け、帰り道に渋滞にでも巻き込まれた日には、「こんなところ、二度と来るか。」と、愚痴の一つも言いたくなるのが人間だろう。そういう気持ちに利用者をさせてしまう施設というのは、やはり欠陥商品だというしかない。こういった施設は財産と言うよりは、負債である。だれも使う人がいなければ、毎年、何億という維持費を税金からはらうわけだから。
そうなるとマネージメント、営業努力の出番だけれど、立地条件をかえることもできないし、ここまで最初の計画が悪いとマネージメントで、どうこうできるレベルをこえている。交通機関もまともになく、仙台駅から1時間もかかるようなこのスタジアムを、これから効率的に使って行くのは、天才的な経営者をやとうか、オリンピックのような大きなイベントがない限り、至難のわざだろう。将来かかるお金を考えたら、ダイナマイトを仕掛けて爆破解体した方が(別に爆破しなくてもいいけど)、よっぽど税金の節約になるだろうが、そんなこともできるわけがない。まったくやっかいなものをつくってくれたものである。
私たちはこれをどう納得するべきなんだろうか。W杯で、日本代表の最後の試合を宮城で見られたのだから、私たちはそれで満足するべきなのだろうか、こういう施設を作ってしまったのは、W杯、W杯と浮かれていた県民みんなの責任なんだろうか。だれかこの失敗に責任をとったのだろうか。当時、この施設を企画した人は首、だったり左遷になったのだろうか。どうして河北新報はそのことをつっこまないのだろうか?
この辺はもう一度あとでやるけど、担当者はいつも数年で変わるので、だれの責任が責任者かわからないとか、ふざけたことばかり言わないで、宮城県は最低、このスタジアム計画にかかわった責任者を首にするべきだ。誰かは責任をとらなくてはいけない。そして失敗を認め、その失敗から学ぶべきなのだ。それをしないから、いつも、いつも、同じ失敗をくりかえすのだ。無責任文化は打破されるべきだ。責任をとって腹をつめるという日本の伝統文化はどこにいってしまったのだろうか。
すこし話はずれたが、このように最初の計画が悪いと、後で取り返しがつかないし、だからこそ、本当に大切なのだ。
|
最新の記事がアップロードされると、ブラウザに自動的にお知らせします。
|
|---|
仙台インターネットラジオ局
|
|---|
このエントリーのトラックバックURL : http://www.im-sendai.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/370
-
日本は独立を目指すべきだ
誕生日 二つの革命
頑張れ 河村たかし! 総理を狙う男
民主党はマスゴミ解体を目指すべきだ
文部省を解体せよ!
民主党二段階右折のすすめ <完全版>
民主党、二段階右折のすすめ
どのように日本を再生していくか
歴史的な選挙を前に
選挙期間中、北朝鮮になる日本
私が市長選挙に立候補したら
ニュースピックアップ・仙台市長選挙 2009
マスメディアの没落 その時ネットは
老化していく日本
大麻、ギャング、街づくり(その3)
大麻、ギャング、街づくり(その2)
大麻、ギャング、街づくり(その1)
ピーク後の世界を生き残る方法
ピークオイルを乗り越えるために~戦略的低エネルギーという選択肢~
仙台市だけは例外です。
何を食べればいいのか?
終わるべきことは終わらなくてはならない
アメリカの覇権崩壊とピークオイル
安くて大量にある石油の終わり
ピークオイルについて考えてみよう
「年寄りは死ね」というメッセージ 平成の奴隷解放2
平成の奴隷解放
減税してすいません。
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その2
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その1
ローテクの逆襲 自転車の可能性
ケヤキ伐採が、28、29日に行われます。
仙台ブランドを高めよう。 仙台にぴったりな交通機関は?
仙台のシンボルを切り倒す日 ケヤキと地下鉄東西線について
2008年はエネルギー革命がおきるのではないか。
水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4
アメリカの製造業の終わり 近未来交通機関の現在3
談合はアメリカにもある。ただそれはほとんど陰謀 近未来交通機関の現在2
誰が電気自動車を殺したのか? 近未来交通機関の現在1
日本の911
最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。
郵政民営化法案を考える
仙台 良識派みんなの意見箱
地下鉄東西線建設反対派に告ぐ
平気でうそをつく政治家、真実をつたえないマスコミ、ほんとのことを知ろうとしない、しらけた一般ピーポー 河北新報と地方ジャーナリズムの不在5
東西線の差し止め訴訟 河北新報と地方ジャーナリズムの不在4
なにが、マニフェスト型選挙だ 河北新報と地方ジャーナリズムの不在3
談合を非難する物たちの談合 河北新報と地方ジャーナリズムの不在2
河北新報と地方ジャーナリズムの不在1
車社会の行き着いた先で考えたこと
仙台をLRT特区に、あおば通を歩行者と自転車のトランジットモールに
みんなの支持をうけながらLRTを導入する方法 地下鉄東西線の代替案
LRTってなんだ。 地下鉄東西線の代替案
1円も借金をせずに、いまある貯金で交通網の整備を 東西線を考える2
東西線を考える1 地下鉄東西線は建設すべきでない
付加価値、あらたな収入源 南北線の赤字解消策はあるか?3
地下鉄とバスの運賃を200円均一化、乗り換えを無料に 南北線の赤字解消策はあるか?2
南北線の赤字解消策はあるか?1 局長クラスを契約制に
地下鉄南北線を採点する2 累計1090億円の赤字の意味
地下鉄南北線を採点する1 地下鉄南北線は何点?
公共事業について考える4 計画とマネージメントの大切さ
公共事業について考える3 無駄な公共事業とはなにか
公共事業について考える2 公共事業=インフラ整備
公共事業について考える1 公共事業という悪い言葉
- 2010年03月
- 2010年02月
- 2010年01月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年09月
- 2009年08月
- 2009年07月
- 2009年06月
- 2009年05月
- 2009年04月
- 2009年03月
- 2009年02月
- 2009年01月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年09月
- 2008年08月
- 2008年07月
- 2008年06月
- 2008年05月
- 2008年04月
- 2008年03月
- 2008年02月
- 2008年01月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年09月
- 2007年06月
- 2007年05月
- 2007年04月
- 2007年03月
- 2007年02月
- 2007年01月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年09月
- 2006年08月
- 2006年06月
- 2006年05月
- 2006年04月
- 2006年03月
- 2006年02月
- 2006年01月
- 2005年12月
- 2005年10月
- 2005年09月
- 2005年08月
- 2005年07月
- 2005年06月
- 2005年05月
- 2005年04月
- 2005年03月
- 2005年02月
- 2005年01月
- 2004年12月
- 2004年11月
- 2004年10月
- 2004年07月
- 2004年06月
- 2004年04月
- 2004年03月
- 2004年02月
- 2004年01月
- 2003年12月
- 2003年11月
- 2003年10月
- 2003年09月
- 2003年08月
- 2003年07月
- 2003年06月
- 2003年05月
- 2002年04月
- 2002年02月
- 2001年11月
- 2001年07月
- 2001年06月
- 2001年05月
- 2001年02月
- 2000年12月
- 2000年11月
- 2000年10月
- 2000年09月
- 2000年08月
- 2000年07月
- 2000年06月
- 2000年05月

