公共事業について考える3 無駄な公共事業とはなにか
公共事業について考える3 無駄な公共事業とはなにか
[投稿者:佐藤研一朗]
無駄な公共事業とはなにか
公共事業という言葉が、「悪い意味」となって、ひさしいと書いたが、日本で、公共事業自体に反対をしている人をほとんど見たことがない。アメリカには、公共事業をやめ、政府はできるだけ小さくし、税金をなくせと、主張するリバタリアンとよばれる、ほとんど無政府主義者に近い人々がいるが、日本で、こういう人をほとんどみかけることはない。
「無駄な公共事業はやめよう。」これは、今の時代の合い言葉である。でも、これは公共事業自体に反対をしているのではない。「無駄な」公共事業をやめよう。といっているのだ。「無駄な」とい形容詞がついているのが、みそだ。金がかかる割には、生活の役にたたない、生活の質を向上させない、もしくは経済、文化、スポーツなどの発展の基盤にならないような公共事業をやめようということだ。費用対効果がないということだろう。
日本が不幸だったのは、バブルがはじけたときに、日本は長い成長期を終え、成熟期に入ったんだということを理解しなかったことだろう。いままで公共事業をすればうまくいっていたから、もっとそれをやれば、うまくいく、景気は回復するとおもったのだ。でも、生活に必要なものはもうほとんど作ってしまってた。それで無駄な公共事業に金をつかってしまった。
たとえば、日本の中に砂利道を通らなくては行くことができない村というのは、もう存在しない。私は日本中をバイクで旅をしていたからよくわかるが、どんなに小さな村や島に行っても、立派な橋と、舗装道路が整備されている。電気も、ガスも、水道も通っていないところを探す方がむずかしい。いまでは私たちの頭のなかにある田舎というのは存在しない。
田中角栄が「この村の真ん中にりっぱな舗装道路をひけば、村は発展します。」と演説していた時代は終わっていたのだ。村にはもう道路が通っている、都心まで車を飛ばせば、日帰りできるようなっている。電気も、ガスも、水道も通っている。それでお金の使い道にこまって、山菜採りに行くときにしか使わないような林道をきれいにアスファルト舗装してみたり、水は十分足りているのダムを造ってみたり、田んぼを減反しているのに、干拓事業をしてみたりというようなものに、お金をつかってしまった。
お金をよくわからないうちに、よくわからままにつかってしまった。公共事業をすれば、経済発展をするという、成長期と同じ考えだったのだ。昔なら、それも生活の基盤となったのだろうけど、多くの人にとって必要のない物、つまり需要がないものだったから、これらが新たな経済発展の基盤となることはなかった。
あの時点で、本当に生活の基盤となる公共事業は、私が思うに二つあった。一つは水洗トイレの普及。もう一つは光ファイバーの整備だ。どうせ同じお金をつかうなら、本当に生活の基盤となる必要があるもの、需要があるものに、重点的にお金をつかうべきだったのだ。
水洗トイレの普及なんていうと、なにを言っているのと思うかもしれない。そして都会に暮らしている人には、おどろきかもしれないが、実は日本は先進国の中で、一番水洗トイレの普及率が低いのだ。下水道の整備、もしくは何年間もくみ取りをしなくてもいいようなハイテクトイレを導入してたら、環境にやさしい日本のイメージを世界的に宣伝できたかもしれない。それに、こういう工事なら、人の役にたつのだから、使わない道路を造るよりもよっぼど、同意がとりやすい。「そっか田舎はまだぼっとんトイレを使っているのか、じゃあ金使っても、しょうがないなあ。」というようにである。
もう一つの、需要がおおきく経済効果もあるような事業は光ファイバーの整備。これをあのときに国を挙げてやるべきだったとおもう。いまになってやっと普及してきたが、あの時点でやっていれば、世界一のインターネット大国になっていただろう。(いまからでも、遅くはないし、そうなりつつあるともう。)全世帯の光ファイバーをひけば、もちろん、いろんなことができるようになる。それにインターネット自体が新たな分野で、基盤整備がほとんどされていなかったのだから、そのインフラ整備が、経済発展の基盤になるのは間違いはない。でも、それを理解できる政治家はすくなかっただろうし、理解してそれを実行できるような政治家がいなかったのだろう。
では、生活の基盤ではなくて、生活の質を向上させるインフラの整備はどうだったのだろうか。たとえばコンサートホールや、スポーツ施設がこれにあたる。まえに書いたように、こういう施設は本当にむずかしい。コンサートホールを造るには、音楽のことをよく知っていなければならない。下手に多目的ホールをつくって、どの分野にも使いづらく誰も使ってくれないというのはよくある話だ。逆に何かに特化した、たとえばクラシックのコンサートホールをつくったら、今度は需要がするなくなるから、運営は簡単ではない。
この辺の、どのくらいその地域に需要、必要性があるのかを、見極めるのはそう簡単なことではない。だからこういう生活の質を向上させるインフラ整備は難しいのだ。おらが街にも、文化施設をくらいの感覚で作ってしまうと、ほとんどうまくいかない。需要、立地、魅力、特性、費用、経済効果、利便性、そしてその後の運用というのもちゃんと考えないとだめだ。
だから、無駄な公共事業というのは、この辺が全然考えられることなく、検討されないまま、もしくは水増したまま、行ってしまった事業のことである。
|
最新の記事がアップロードされると、ブラウザに自動的にお知らせします。
|
|---|
仙台インターネットラジオ局
|
|---|
このエントリーのトラックバックURL : http://www.im-sendai.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/369
-
日本は独立を目指すべきだ
誕生日 二つの革命
頑張れ 河村たかし! 総理を狙う男
民主党はマスゴミ解体を目指すべきだ
文部省を解体せよ!
民主党二段階右折のすすめ <完全版>
民主党、二段階右折のすすめ
どのように日本を再生していくか
歴史的な選挙を前に
選挙期間中、北朝鮮になる日本
私が市長選挙に立候補したら
ニュースピックアップ・仙台市長選挙 2009
マスメディアの没落 その時ネットは
老化していく日本
大麻、ギャング、街づくり(その3)
大麻、ギャング、街づくり(その2)
大麻、ギャング、街づくり(その1)
ピーク後の世界を生き残る方法
ピークオイルを乗り越えるために~戦略的低エネルギーという選択肢~
仙台市だけは例外です。
何を食べればいいのか?
終わるべきことは終わらなくてはならない
アメリカの覇権崩壊とピークオイル
安くて大量にある石油の終わり
ピークオイルについて考えてみよう
「年寄りは死ね」というメッセージ 平成の奴隷解放2
平成の奴隷解放
減税してすいません。
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その2
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その1
ローテクの逆襲 自転車の可能性
ケヤキ伐採が、28、29日に行われます。
仙台ブランドを高めよう。 仙台にぴったりな交通機関は?
仙台のシンボルを切り倒す日 ケヤキと地下鉄東西線について
2008年はエネルギー革命がおきるのではないか。
水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4
アメリカの製造業の終わり 近未来交通機関の現在3
談合はアメリカにもある。ただそれはほとんど陰謀 近未来交通機関の現在2
誰が電気自動車を殺したのか? 近未来交通機関の現在1
日本の911
最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。
郵政民営化法案を考える
仙台 良識派みんなの意見箱
地下鉄東西線建設反対派に告ぐ
平気でうそをつく政治家、真実をつたえないマスコミ、ほんとのことを知ろうとしない、しらけた一般ピーポー 河北新報と地方ジャーナリズムの不在5
東西線の差し止め訴訟 河北新報と地方ジャーナリズムの不在4
なにが、マニフェスト型選挙だ 河北新報と地方ジャーナリズムの不在3
談合を非難する物たちの談合 河北新報と地方ジャーナリズムの不在2
河北新報と地方ジャーナリズムの不在1
車社会の行き着いた先で考えたこと
仙台をLRT特区に、あおば通を歩行者と自転車のトランジットモールに
みんなの支持をうけながらLRTを導入する方法 地下鉄東西線の代替案
LRTってなんだ。 地下鉄東西線の代替案
1円も借金をせずに、いまある貯金で交通網の整備を 東西線を考える2
東西線を考える1 地下鉄東西線は建設すべきでない
付加価値、あらたな収入源 南北線の赤字解消策はあるか?3
地下鉄とバスの運賃を200円均一化、乗り換えを無料に 南北線の赤字解消策はあるか?2
南北線の赤字解消策はあるか?1 局長クラスを契約制に
地下鉄南北線を採点する2 累計1090億円の赤字の意味
地下鉄南北線を採点する1 地下鉄南北線は何点?
公共事業について考える4 計画とマネージメントの大切さ
公共事業について考える3 無駄な公共事業とはなにか
公共事業について考える2 公共事業=インフラ整備
公共事業について考える1 公共事業という悪い言葉
- 2010年03月
- 2010年02月
- 2010年01月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年09月
- 2009年08月
- 2009年07月
- 2009年06月
- 2009年05月
- 2009年04月
- 2009年03月
- 2009年02月
- 2009年01月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年09月
- 2008年08月
- 2008年07月
- 2008年06月
- 2008年05月
- 2008年04月
- 2008年03月
- 2008年02月
- 2008年01月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年09月
- 2007年06月
- 2007年05月
- 2007年04月
- 2007年03月
- 2007年02月
- 2007年01月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年09月
- 2006年08月
- 2006年06月
- 2006年05月
- 2006年04月
- 2006年03月
- 2006年02月
- 2006年01月
- 2005年12月
- 2005年10月
- 2005年09月
- 2005年08月
- 2005年07月
- 2005年06月
- 2005年05月
- 2005年04月
- 2005年03月
- 2005年02月
- 2005年01月
- 2004年12月
- 2004年11月
- 2004年10月
- 2004年07月
- 2004年06月
- 2004年04月
- 2004年03月
- 2004年02月
- 2004年01月
- 2003年12月
- 2003年11月
- 2003年10月
- 2003年09月
- 2003年08月
- 2003年07月
- 2003年06月
- 2003年05月
- 2002年04月
- 2002年02月
- 2001年11月
- 2001年07月
- 2001年06月
- 2001年05月
- 2001年02月
- 2000年12月
- 2000年11月
- 2000年10月
- 2000年09月
- 2000年08月
- 2000年07月
- 2000年06月
- 2000年05月

