回答:伊藤 貞夫

2005年07月24日

回答:伊藤 貞夫

[投稿者:仙台インターネットマガジン編集部]

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1、今回の選挙で最も有権者に訴えたいことは何ですか。

(回答)

市の予算の使い方を、開発(地下鉄・東西線を含む)優先から、くらし・福祉・教育・安全を中心にきりかえて、市民のみなさまの切実な要求に直ちにこたえます。予算の優先順位を変えて市政を転換すると、財政再建も可能になります。

いま仙台では、巨大企業の世界進出を応援することだけを考える「なんでも規制緩和」という政府の誤った政策のために、商業やタクシーをはじめとした産業が大きな打撃を受け、老舗(しにせ)が次々に姿を消しています。年金、医療、介護などの社会保障は改悪につぐ改悪で、市民の将来不安が増大しています。安定雇用が破壊されて、不安定な身分で安い賃金、劣悪な不安定な条件で働かざるをえない市民が増え続け、若者の就職難やフリーター化、中高年者の失業と再就職の困難が拡大しています。

なによりも切実な市民の要求に応えてくらしと福祉・教育の充実を進め、地域経済の主人公である中小企業・商工業に光を当てた施策を展開する仙台市政に変えます。

2、中央政府と地方自治体の理想的な関係とはどのようなものでしょうか。また、地方財政自立改革、いわゆる「三位一体改革」について、どのようにお考えですか。

(回答)

国と地方自治体が上下関係にある現状を改めて、憲法にうたっている地方自治の原則にもとづいて、対等の関係を築くことが大事です。

国は、介護保険制度や、重度障害者医療費助成はじめ、地方自治体が国の施策に上乗せするとペナルティを課しています。乳幼児医療費の助成制度にもペナルティです。こんな地方自治の原則に反することは、即刻やめるべきです。また景気対策を口実に、地方自治体に大量の借金(地方債を発行)をさせて公共事業を進めて、地方財政を悪化させたことも、真剣に反省して改めるべきです。

自民・公明の小泉政権が進めている「三位一体改革」は、地方への支出削減と、自治体の役割を変質させることが動機です。撤回させて、地方財政の確立を進めます。

仙台市は、「三位一体改革」のために、2004年度予算編成の際に、2003年度と比べて国からのお金が96億円も削られました。2005年度予算の編成の際には、さらに前年度比28億円(つまり2003年度比では124億円の削減)も削られました。仙台市の削減額は、単年度平均110億円で、これは仙台市の消防局予算(約1000人の消防職員の給与、救急の予算、消防・防災等の予算すべて)に匹敵します。削減を、当然視することは誤りです。国の借金の地方へのツケ回しを止めるよう、市民世論にも訴えて、やめさせるようにします。

義務教育のように国が責任を負っている施策に、国が財政的な責任を果たす国庫負担金制度は堅持を求めます。景気変動で税収が減っても義務的な仕事をたくさんやっている地方自治体が財源不足に陥ることがないよう、地方交付税を確保して国が財源保障機能をしっかり果たすよう求めます。

国庫補助制度の改革、押し付け合併の中止を提案します。

細分化された補助金で、政策の間違った誘導や事務経費の膨大な無駄をなくすためにも、総合補助金制度を確立すること。自治体を財政面で締め付けて事実上の市町村合併を押し付けることなどは断じてやめることを求めます。

3、仙台市が90億円をかけてつくった屋内スポーツ施設のシェルコム仙台(通称 仙台ドーム)をどう評価しますか。どのような背景でこの建物ができたか、今後この建物をどう運営していくべきか、ご意見をお聞かせください。

(回答)

この施設は、箱もの優先の当時の市政が産んだ中途半端な施設です。

バブル経済の発想そのもので、建設費が膨大にかかる一方、利用目的がゲートボールとか学区民運動会などというもので、プロ野球はもちろん高校野球にも使えません。また、音響が悪く、音楽イベントにも使いにくい施設です。ゼネコン汚職で逮捕された石井前市政の「箱もの優先」政治の産物です。一部に、「旧・泉市を合併する際の約束だった」という人がいますが、そんな約束はありませんでした。
 歯止めがかからなかった責任は「オール与党議会」にあります。

「みんなの会」に参加している日本共産党の仙台市議団は、全く中途半端な施設であることなどを指摘し、市議会で反対しました。ところが仙台市議会は、日本共産党以外が「オール与党」の議会で、他会派の議員も批判はしましたが、結局予算を認めてしまったために、こういう結果になりました。

今後の運営については、軽微な手直しで利用率を大きく上げる方策を打ち出していくことが重要です。

市民のみなさまのご意見、各方面の有識者からの提案に耳を傾けて、検討したいと思います。

4、地下鉄・南北線は年間実質約33億円の赤字(平成17年度、経常赤字20億円+一般会計補助13億円)ですが、あなたは四年の任期内に南北線を黒字運営にすることができますか。そのためにどのような政策がありますか。

(回答)

四年間の任期内で黒字に転化することは困難ですが、利便性を改善して乗降客を増やすなど「三つの対策」を行ない、収支の改善を早めます。

地下鉄・南北線は、単年度で見ると営業収入(運賃等)で営業経費をまかなっており、いわゆる「累積赤字」は、建設費の八割を借金に頼ったことにともなう支払利息と減価償却費が原因です。

 H16年度の最終補正後の予算で見ると

     料金や広告収入などを合わせた営業収入が 約128億円。

     人件費が29億円、その他の経費が31億4千万円。

     そして企業債の利払いが58億7千万円です。

      これだけですと剰余金が8億7千万円出るわけですが

      減価償却費を51億4千万円計上しなければなりません。

      そのために会計上は逆に多額の赤字決算になります。

      この減価償却費の額が適正かどうかは議論があり、私は、

実態とは違った過大なものだと考えています     

地下鉄・南北線の収支を改善するために、(1)企業債の利払いを抑える、(2)利用客の増加、(3)、広告収入等の増加—の三つの対策を進めます。

1、4%を超えるような企業債を低利のものに借り換えることを徹底追求すること、500億円を超える高速鉄道基金の投入も含めて支払い利息を減らす。

2、ハートビル法にもとづく「人にやさしいまちづくり条例」、交通バリアフリー法を活用して一般会計から支援して、エレベーターの増設、くだりのエスカレーターの増設、転落防止のホーム柵の設置などを進め、安全性と利便性を向上させて利用客を拡大します。

3、広告収入の増加。

5、地下鉄東西線が今回の選挙の大きな争点になっています。交通網の整備の必要性は理解できますが、財政難の中あえて2700億円の地下鉄東西線の建設をしなくてはいけない理由を教えてください。また仙台市が予想している開業約10年で単年度黒字化という採算予定は妥当性があるとお考えですか。

(回答)

地下鉄・東西線は「凍結」します。現行計画は、需要予測や建設費の見通しが甘く、このままの着工はできません。計画の内容、国や市の財政見通しなどについて、徹底した検証が必要です。10年で単年度黒字化は、とうてい無理だと考えています。

6、地下鉄の代替案として、拡張性が高く低コストで、現在宇都宮市で導入が検討されているLRT(Light Rail Transit 最新型路面電車)などの交通網の導入は視野にあります
か(宇都宮市の見積もりでは、路線延長15キロで建設費360億円、地下鉄東西線は13.9kmで2700億円)。 また、同じ予算を使うなら、低コストのLRTを東西だけでなく、他の地域に広げたほうが、渋滞緩和や、経済効果、沿線の発展、地域間の格差解消、仙台市が提唱する居住地から都心まで30分圏が実現するという意見をどのように考えますか。

(回答)

地下鉄・東西線事業を凍結して、徹底検証を行う際には、総合的な交通体系確立をめざす方策のひとつとして、LRTも議論の対象に上ってきます。郊外部も含めて積極的な検討を進めたいと考えています。

その際に、現在ある道路の中で具体的に路面電車の敷設が可能で、他の鉄軌道系の交通手段と競合しない路線がどの程度考えられるか、平面交差をできるだけ避ける方法、路線の考え方などについて、専門家を含めた市民的な論議が必要だと思います。

7、現在の市の債務はいくらですか。あなたが市長になった場合、4年後にはいくらになると予想していますか。どこを削り、どの収入が増えるのか、その簡単な内訳を教えてください。

 (回答)

 藤井市長は、普通会計で7165億円(2005年度末見込み)の市債を残す見込みです。


私は、任期の四年以内に、市の借金を「増加」から「縮小」に転じます。

真の行政改革である「効率的で住民本位の行政」を進めれば、市の財政再建も可能になります。職員の協力をえて、「市民の目線」で市役所改革を進めます。

仙台市の財政は、現市政のもとで3,300億円も借金(市債)を増やし、今年度末には7,165億円に達します。市税収入が8年連続の減少をつづけ、1,700億円(ピーク時=97年度よりも300億円の減)に下落するなかで、毎年の返済額(公債費)が700億円にものぼっていることは深刻です。高金利の地方債について、企業債同様の「借り換え」制度を実現し、利払いの縮減をはかります。

それだけに、今後の財政運営は、歳出の抜本的見直しが必要です。何よりも市民の暮らしに欠かせない、医療・福祉、教育を優先し、公共投資は市民生活に密着し、地元の中小企業が受注できる生活道路、下水道、学校・福祉施設、地震対策に重点化します。

市政のムダにメスを入れ、借金を増やす大型公共事業は計画進行中のものであっても見直します。藤井市政時代に予算総枠の「25%以内」としてきた普通建設事業費は、他の政令都市と同じレベルの「20%以内」に抑えます。

地下鉄・東西線は凍結します。地下鉄建設基金のルール積み立てを中断して、年間30億円を新規財源として活用します。

市役所庁舎は、耐震補強を優先させて20年間改築を保留します。そのため、今後10年間は、市庁舎建設のための毎年の基金積み立て(10億円)を中断し、他への財源として活用します。

膨大な借金(市債)抱えている現状を考えると、財政運営の責任者として市長の報酬カット(二割=約436万円)、退職金の半減(約2,000万円)程度は当然です。なお、政府が考えている公務員賃金制度改革(地方給与制度の導入=市職員給与の5%削減)は地域経済を冷え込ませるもので、賛成できません。

日本型PFI(民間資金導入手法)をはじめとする民間資金導入による公共事業の推進は、「隠れ借金」とリスクを後世に残すものであり、今後は行いません。

小泉政権がすすめる「三位一体改革」の2年間で、220億円も財源カットを受けています。「1年間に110億円は、市の消防予算の総額」に匹敵する膨大なものです。

「三位一体改革」が地方財政を切捨てて市民の願いを阻むものでしかないことを明らかにして、市民世論とともに地方への財源保障、税源移譲を求める運動を展開します。

8、今後、伸ばしていくべき仙台の長所、優れた点は、どのようなものでしょうか。

 (回答)

「杜の都・仙台」、「学都・仙台」を大切にし、「福祉先進都市・仙台」に前進させます。

商店街と大型店の共存をめざす全国最先端の取り組みは、後退させず、「まちづくり条例」を制定してさらに前進させます。

 里山の開発を厳しく規制し、七北多川、広瀬川、名取川の上流部の開発規制、広葉樹林の復活で清流を取り戻します。公共施設の緑化、市民ぐるみの植樹運動、街路樹の適正管理と拡大、市の中心部の「緑の回廊づくり」などを進めて、「杜の都」と市街地中心部を清流が流れるまちの本格的再生をめざします。

 高校生、専門学校生、大学生に仙台市独自の奨学金制度を創設します。また、35歳までの青年を安定的に雇用する事業所に市が年10万円助成する制度を創設して、青年の安定雇用をさしあたり1000人増やし、仙台を若者が定着するまちにします。

中学生まで乳幼児医療費助成を拡大し、学童保育の空白解消、保育の充実を進めるとともに、寝たきり高齢者を抱える世帯への介護手当てなど、東北地方の模範となるような「福祉先進都市」に前進させます。

 大型スーパー出店の問題に対して、仙台市が「要望書」の提出や全国初の「勧告」を行って周辺住民の要望への対応を迫り、国に「大店立地法」の改正まで要求したのは、全国の大都市で最先端の取り組みです。経済産業省の顔色をうかがって、これを後退させるのではなく、「小売商業調整特別措置法(1959年制定)」を活用するとともに、市独自に「まちづくり条例」を制定して、商店街と大型店が共存・共栄できる環境づくりを進めます。


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投稿者 仙台インターネットマガジン編集部 : 2005年07月24日 03:12
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