回答: 小野寺信一
回答: 小野寺信一
[投稿者:仙台インターネットマガジン編集部]
1、今回の選挙で最も有権者に訴えたいことは何ですか。
(回答)
財政危機を乗り越えることなしに、仙台の未来を語ることはできません。バラ色の話はできませんが、着実な政策を実施します。
現在、仙台市の借金は、一般会計・特別会計・企業会計を合わせると1兆4000億円(1人当たり140万円)にのぼっています。貯金(財政調整基金)も底をつき、破たん寸前です。市の来年度予算は150億円不足すると7月2日付河北新報も報じているほどです。もし、破たんすれば、市独自の政策(教育・福祉政策など)は実施できなくなります。増税その他、市民の負担も急増します。従来の行政サービスも切り捨てられます。地下鉄東西線は財政を確実に破綻させるもので、あまりに危険です。
たとえて言うならば、年収700万円の家庭が現在6000万円の負債を抱えているにもかかわらず、1200万円の高級車(しかもオプションがあり本当に1200万円で収まるかどうかは不明)を購入しようとするようなものです(この事例については、ケヤキ市民の会のHPの「東西線おとぎ話」をご覧下さい。)。この危機的状況を乗り越えることこそ、仙台の未来を切り開くカギです。有権者の皆様には、このことをぜひ理解していただきたいですし、一緒に仙台市の未来を考えようではありませんか。
2、中央政府と地方自治体の理想的な関係とはどのようなものでしょうか。また、地方財政自立改革、いわゆる「三位一体改革」について、どのようにお考えですか。
(回答)
中央政府と地方自治体の理想的な関係は、対等な力関係と適度な緊張関係だと考えます。
今日の財政危機をもたらした最大の原因は、バブル崩壊後の国の景気対策に安易に乗った仙台市の依存体質にあります。また、景気低迷による市税収入の減少と「三位一体改革」による地方交付税の大幅な削減も大きな原因です。
仙台市は、事業の見通しや採算性を充分に検討することもなく、駅前ビル「アエル」や地下鉄東西線等の大型事業を推進しつづけてきました。「国から補助金が出るから地下鉄をつくろう」などという国への依存体質はただちに改めなければなりませんし、地方交付税の大幅な削減にはきちんと反論し、地方への多くの財源移譲を獲得し、国と対等な関係を築かなければなりません。私小野寺は、市民オンブズマン活動を通して、これらのことを痛感致しました。
なお、地方財政自立のための緊急対策としては、次のものがあります。
(1)仙台市のこれまでの政策決定システムは、市民への説明責任をはたさず、結果にも
責任を負わない、というものでした。これを改め、職員・市民との協働で、職員一人ひとりが手ごたえと感動を持てるようなシステムに抜本的につくりかえます。それによって、最少の経費で最大の効果をあげる行財政運営の基本原則(地方自治法第2条第14項)を確立します。
(2)需要予測、建設費の試算の誤りが明白で、財政を確実に破たんに追いやる地下鉄東
線計画を白紙撤回します。仙台市高速鉄道建設基金条例を改廃し、基金(約460億円)を市民が安心してくらせるまちづくりの費用にあてます。また、財政再建と両立する他の交通網の整備の検討にただちに着手します。
(3)地下鉄東西線以外の大型事業についても、直ちに見直しに着手し、支出の大幅削減
を図ります。
(4)全ての補助事業を見直し、公益性や必要性等の有無を厳密に検証し、伸ばすもの削
るもの(廃止するもの)を取捨選択し、支出の削減をはかります。
(5)長期未利用地(塩づけ土地)の処分を迅速に行い、不必要な利息の支払いを抑えま
す。
(6)新しい政策決定システムのもとで、すぐれた実績を積み上げ、先進自治体と連携し
て国に働きかけ、三位一体改革を正しい方向に進めます。
3、仙台市が90億円をかけてつくった屋内スポーツ施設のシェルコム仙台(通称 仙台ドーム)をどう評価しますか。どのような背景でこの建物ができたか、今後この建物をどう運営していくべきか、ご意見をお聞かせください。
(回答)
豊かで充実した暮らしを実現するために、スポーツ・文化の振興政策は重要なものと認識しています。市民が、いつでも、気軽に、安く、安全に、快適なスポーツ施設を利用できることは大切です。もちろん、市財政や他の施策とのバランスをはかることは大事です。
シェルコム仙台については「多額の建設費をかけたにもかかわらず、球場の規模が中途半端で硬式野球の公式試合すらできない」との批判があることは承知しています。しかし、「市民に広く開かれたスポーツ施設を運営し、手頃な値段で市民に提供する」という目的に特化するのであれば、市が運営費を援助しつつ、この程度の規模の施設を現状程度の価格設定で市民に提供することも理解できます。規模を大きくすれば、それだけ建設費・維持費がかかり、市民に安く提供することが困難となり、稼働率も低下します。上記目的に特化していると考えれば、サッカーワールドカップのために利府町に建設した宮城スタジアムに比べても、有意義なものと思われます。また、インターネット等でシェルコム仙台の稼働状況を確認してみると、まずまず市民に利用されているようですし、天候に左右されないスポーツ施設として貴重な地位を占めていると思われます。
今後は、全天候型の施設であることの利点を生かして、稼働率アップを強力に進めます。また、収支のバランスを見ながら、より利用しやすい価格を設定したり、経営の合理化を図ったり、市が援助すべき額を見直したりします。
なお、コンサートなどのイベントを開く場合は、騒音や交通渋滞の予防に十分に配慮し、近隣の住民に迷惑がかからないようにします。たとえば騒音防止に限界がある場合は開催時間帯を限定しますし、大きな騒音被害が予想されるときは開催自体断念する場合もあるでしょう。
4、地下鉄・南北線は年間実質約33億円の赤字(平成17年度、経常赤字20億円+一般会計補助13億円)ですが、あなたは四年の任期内に南北線を黒字運営にすることができますか。そのためにどのような政策がありますか。
(回答)
地下鉄南北線を任期4年間で黒字運営にすることはかなり難しいと考えています。累積欠損は平成16年度決算見込額で1000億円を超える額になっています。ご指摘のとおり、平成17年度予算では一般会計から約13億円繰入れても年度純損が約20億円となり、実際上は33億円の損です(「平成17年度仙台市高速鉄道事業会計予算」より)。
市民の皆様の負担を減らすには、こうした一般会計からの繰入額を少しでも減らすための努力が欠かせないと考えます。仙台市営地下鉄南北線は構想段階から工夫が重ねられ、人件費が最少となる設計になっていますので、今以上に人件費を削減する余地は少ないと見ています。基本は収入増を図ることです。
収入増の基本は何と言ってもお客さんの数を増やすことです。現在1日当たり南北線利用者数は16万人台で低迷したままです。当初の計画では開業後19年目に当たる当平成17年度は32万人以上お客さんが乗っているはずでしたが、現実はその半分ですので、それを少しでも挽回するように利用客増を図ります。1日当たり少なくとも約1割増の1万7000人程度増やしたいと思います。1万7000人増やせれば、年間で約13億円の収入増となり、現在の一般会計からの繰入額13億円と見合う額になります。そうすることで一般会計の負担をまず軽減します。そこで、
(1)その収入増には営業活動が欠かせません。市長が先頭に立ち、市の各局の局長や交通局の局長など幹部が率先し仙台の各企業や各学校などを回り、地下鉄南北線をもっと御利用下さいと営業活動をします。市民の方と直接お話しすることで、市民の方が何を望んでいるか直接知ることが出来ます。そうした内容を南北線の運営に反映します。
(2)また、市民の皆様が感じておられるのは今の南北線の運賃が割高と言うことです。割高に感ずるため地下鉄を敬遠している方も多いかと思います。特に長めに乗ると320円、350円となり、財布を直撃します。割高感を緩和するため今以上に魅力的な割引乗車券を考案し実用化します。そうすれば他県から来たビジネスマンや観光客も利用し易くなるでしょう。
(3)更に、現在のバス路線は必ずしも地下鉄に連動していませんので、このバス路線を見直し、生活体系を考えた都市型のバス路線体系に再編致します。つまり、バス路線を地下鉄の駅やJRの駅を発着拠点とした体系とし、分かり易く乗り易いものにします。
勿論、宮城交通やJRなど、市営バス以外の運行事業者とも話し合いを重ね仙台都市圏の交通体系をより良きものにして行きます。
5、地下鉄東西線が今回の選挙の大きな争点になっています。交通網の整備の必要性は理解できますが、財政難の中あえて2700億円の地下鉄東西線の建設をしなくてはいけない理由を教えてください。また仙台市が予想している開業約10年で単年度黒字化という採算予定は妥当性があるとお考えですか。
(回答)
私小野寺は、地下鉄東西線は白紙撤回して、市財政の窮地を救うべきだと考えています。
私は、仙台市民オンブズマンの代理人弁護士として、地下鉄東西線に関する支出差止訴訟を担当していますが、その中で明らかになったのは、「建設費の過少見積もり」と「過大な乗車見込み」です。
仙台市は、建設費を2735億円(1キロ当たり190億円)と見積もっていますが、1キロ200億円以下ですんだ地下鉄は全国どこもありません(全国の地下鉄の建設費の平均は1キロ当たり317億円)。むしろ、最初は過小な見積で認可を通し、実際掘ってみたら多額の建設費がかかったという事例ばかりです。
市の乗車見込みもずさんです。市は東西線の利用者を1日当たり11万9000人と見込んでいますが、それを達成するためには、地下鉄沿線に3万2000人の人口が増え、全員東西線を利用しなければなりません。3万2000人という人口は、今から平成27年の開業時までに、沿線に3人家族が100世帯入れるマンションが毎月1棟ずつ合計100棟以上建設され、全戸則入居しなければ達成できない数字です。仙台市の人口減少傾向は顕著ですし、そのようなことがありうるはずがありません。
よって、そのようなずさんな見積りや見込みで構築された「開業約10年で単年度黒字化」論は空論に過ぎません。妥当性は全くないと考えます。
地下鉄推進や見直しを唱える方は、これらの点をきちんと検証したうえで、甚大な赤字を発生させてでも、地下鉄を建設すべきとする合理的理由を説明すべきであると考えます。
なお、私小野寺は、地下鉄東線計画を白紙撤回して、仙台市高速鉄道建設基金条例を改廃するなどして、基金(約460億円)を市民が安心してくらせるまちづくりの費用(地震対策など)にあてます。
6、地下鉄の代替案として、拡張性が高く低コストで、現在宇都宮市で導入が検討されているLRT(Light Rail Transit 最新型路面電車)などの交通網の導入は視野にあります
か(宇都宮市の見積もりでは、路線延長15キロで建設費360億円、地下鉄東西線は13・9kmで2700億円)。 また、同じ予算を使うなら、低コストのLRTを東西だけでなく、他の地域に広げたほうが、渋滞緩和や、経済効果、沿線の発展、地域間の格差解消、仙台市が提唱する居住地から都心まで30分圏が実現するという意見をどのように考えますか。
(回答)
私小野寺は地下鉄東西線の白紙撤回を掲げておりますが、撤回後の代替策も検討します。財政再建と両立する他の交通網整備をただちに検討いたします。
貴殿ご指摘のLRT(最新型路面電車)の導入も当然視野にあります。コスト面、高齢者・障害者に優しい点、仙台という町の顔になるなど、優れたシステムであると認識しています。もっと低コストで優れた交通システムができるとする貴殿のご指摘はもっともであり、傾聴すべきご意見であると思います。
ただ、一気にLRTに進むのではなく、まずは,生活体系を考えたバス路線の再編や、団地と病院を結ぶ通院バスの導入、好評な100円バスを充実化、JR貨物線の旅客化など、総合的に検討したいと考えています。その中でLRTの導入も位置づけ、交通システム全体として、渋滞の緩和、経済効果の発揮、沿線の発展、地域間格差の解消、30分通勤圏の実現などをはかっていきたいと思います。
7、現在の市の債務はいくらですか。あなたが市長になった場合、4年後にはいくらになると予想していますか。どこを削り、どの収入が増えるのか、その簡単な内訳を教えてください。
(回答)
上記のとおり、現在、仙台市の借金は、一般会計・特別会計・企業会計を合わせると1兆4000億円(1人当たり140万円)にのぼっています。
私が市長になった場合の4年後の残高を予測することは極めて困難です。また、根拠のない無責任な数値目標も申し上げられません。なぜなら、仙台市の平成17年度予算のあらまし(http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/shisei/sis0504/yosan/02_aramasi.htm)を拝見しても、一方で市税収入と地方交付税が減少傾向にあり、他方で義務的経費(人件費、公債費、扶助費)はここ数年間ほぼ一定しており、今後も大幅な減少が見込めないからです。そうなると、投資的経費(道路や施設の建設費等)を抑制して対処することになります。私小野寺は、<質問2>でお答えしたように、地下鉄東西線を白紙撤回して財政破たんを予防し、それ以外の大型事業についても、直ちに見直しに着手し、投機的経費の大幅削減を図ります。また、すべての補助事業を見直し、公益性や必要性等の有無を厳密に検証し、伸ばすもの削るもの(廃止するもの)を取捨選択し、支出の削減をはかります。また、長期未利用地(塩づけ土地)の処分を迅速に行い、余計な利息の支払いを免れるようにします。しかし、このような努力を行っても、既に発行した公債の償還期限が到来することことや、2007年から2010年にかけて団塊の世代への退職金支払が急増すること、等を勘案すると、軽々しく数値目標を掲げられません。
よって、これ以上仙台市の借金を増やさないために、最大限の施策を行うことを申し上げたいと思います。
8、今後、伸ばしていくべき仙台の長所、優れた点は、どのようなものでしょうか。
(回答)
仙台の長所は、何といっても美しさです。都会からほど近くにある青葉山、都市を流れる清流広瀬川、「杜の都」のシンボルであるケヤキ並木など、先人が築いてきた文化と伝統を大切にしなければならないと思います。
私小野寺は5年前、仲間と北イタリア視察旅行でミラノ市を訪れたとき、都市計画の担当者(女性)から、「世界の市場で勝ち残るためには、美しいまちでなければならない」という話を聴き、いたく感動したことを覚えています。どの都市も、チェントロストリコ(旧市街地)と周辺農村が、歴史的遺産を保存しながら実に美しく整備されている。彼らからすれば、理由は簡単です。旧市街地の古い建物も、農地も、文化と伝統であり、人間が心おだやかに生きていくために不可欠のものと考えているからです。
これからのまちづくりに必要なのは、こうした価値観です。仙台市はいたずらに都市規模の拡大を求めることなく、あくまでも、先人の築き上げてきた「杜の都」のイメージを大切に、より豊かなものとし、市民のだれもが心おだやかで安心してくらせる美しいまちづくりをすすめるべきです。仙台の先進的なまちづくりの試みが、県内、東北、全国、世界へと発信され、それに触発された各地の取り組みと交流があってこそ、宮城県、東北全体の底上げも可能となるでしょう。
私小野寺は、具体的施策として、次のものを掲げています。
(1)「杜の都」仙台のシンボルであるケヤキを伐採し、景観破壊をもたらし、財政を破
たんに追いやる地下鉄東西線計画を白紙撤回します。
(2)景観を重視した美しい仙台をつくる視点で、すべての事業の見直しに着手します。
(3)水・緑・景観にかかわる市民・事業者の美しい仙台をつくる活動をサポートする制
度(アドバイス・財政的支援等)の検討に着手します。
(4)地域の小単位での市民の動きを把握し、適切な援助ができるよう区の権限・財源の
拡充をはかります。
(5)老若男女を問わず、だれでもが安心してくらせるまちをめざして、地下鉄東西線に
代わる交通網の整備の検討に着手し、震災対策を抜本的に強化します。
以上
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