地下鉄とバスの運賃を200円均一化、乗り換えを無料に 南北線の赤字解消策はあるか?2

2005年07月30日

地下鉄とバスの運賃を200円均一化、乗り換えを無料に 南北線の赤字解消策はあるか?2

[投稿者:佐藤研一朗]

地下鉄とバスの運賃を200円均一化、バスと地下鉄の乗り換えを無料に

トップを契約制へ、これは新しいのアイディアをやるための必要条件だろう。
じゃあ新しい契約制のトップは、どんなことで実際に赤字を解消する方法があるか、考えてみたい。

この赤字解消の目標は、ただ収支の数字をいじくるだけでなくて、鬱血気味の仙台の交通機関を立て直し、市民が仙台の端から端まで、自由に動き回り仙台の交通機関の血液の流れをよくし、経済を活性化させる。そして、そこには仙台中心部の活性化というものも含まれている。


まず支出を減らすことは、ここでは考えない。人件費、経費などの具体的な情報があまりなので、検討ができない。建築費の返済、それと減価償却もしかりだ。(企業債の借り換えや、減価償却費の見直しなどがあるそうだが、わたしは全然わからないので、ここではやはり考えない。それに減価償却費見直しは数字のマジックでしかない。)

やはり、スタンダードに、どうやったら収入を増やすことができるか考える。

方向としては大きく三つ
(1)交通機関の利便性をあげ、もっと多くの人にのってもらう
(2)地下鉄(バス)の付加価値をあげる
(3)あらたな収入源を開拓する

(1)交通機関の利便性をあげ、もっと多くの人にのってもらう

バスと地下鉄の乗り換えを無料に

まず、一番最初にやらなくてはいけないことは、バスから地下鉄、地下鉄からバスの乗り換えを無料にすることだ。地下鉄とバスを一つのつながった交通機関として考えることが大切だ。地下鉄は沿線外の人にはあまり役にたっていないと前に書いたが、結局それは、乗り換えが不便で、しかも乗り換えると値段が高く付くので、沿線外の人ひとが、地下鉄なんて乗るもんかと、文句をいうのだ。同じ目的地までバスで行っても、途中地下鉄に乗り換えていっても、どちらも仙台市が運営しているのだから、同じ料金にするべきというのは、的を得ている。これを地下鉄の開業の時からやらなかったのは、不幸なことだ。これが乗り換え文化を阻んできたのだ。

運賃を200円均一化

さて、次にやらなくてはいけないのは運賃の見直しだ。これをやらないと今の仙台の地下鉄とバス網をいかしきることはできない。

もしAさんが泉中央周辺ににすんでいて、富沢にいく用事があったとする。地下鉄を使うと28分でつく。これはなかなか早い。でも運賃は350円だ。往復で700円だ。

もしあなたが泉中央までバスでかよっているのなら、バス運賃を180円+地下鉄350円ー乗り換え割引で40円=490円となる。往復なら980円。このデフレの世の中に、1000円は大きい。バイクを持っているなら間違いなく、バイクでいくだろう。駐車場代を考えてもまだ高いので、車をもっていれば車でいくだろう。そうして中心部は渋滞になる(涙)。

同じサイズの都市、広島の路面電車は、片道150円均一だ。乗り換えも無料。いくらこれは地下鉄ではない、路面電車だといっても、仙台の地下鉄は高すぎる。片道一区が200円からだ。乗り換えも金がかかる。この不便さと、この料金では、車との競争には絶対にかてない。

仙台の地下鉄は日本一高い

仙台の地下鉄は日本一高いとよく揶揄される。実際に資料がないから、本当なのか真偽のところはわからないが、こうして比べてみるとかなり高い。私も、東京にいって、電車、地下鉄の料金が安くて驚いたことがある。逆にいえば、南北線は、高い運賃を設定しているから、乗車数が当初の見込みを大幅に下回っても、仙台市からの補助を受けながらも、何とかかんとか、かつかつでやっていられるのである。


料金 高で乗客 少 か 料金 低で乗客 多か?

ここで一つ考えなくてはいけないのは、同じ赤字をだすなら、料金が高く、乗客が少ないほうがいいのか、料金が低く、乗客が多いほうがいいのかということだ。これは公共交通機関として考えれば、もちろん後者のほうがいいにきまっている。利用者がいなければ、金をかけて空気を運んでいるのとかわらないのだらから。これは航空会社でよ使われる考えだ。空気を運ぶよりも、安くてもいいから人が乗っていた方がいくらかの収入になるから、格安航空券が存在しているのだ。

それに、多くの人に乗ってもらえば、まだ赤字を出す意味もある。だから、まずこのシステムの最低目標は今までと同じ赤字でもっと沢山の人に乗ってもらうというところだ。仙台市交通局事業概要 平成16年版よれば、地下鉄の乗車効率は約31%、バスではたった、約17%である。(平成12年度のデータ)これではせっかく作ったものが、ろくに使われずあんまりである。税金をかけて作った物は、みんなに使われるべきだ。


料金を下げ、利用者を増やす

ということで、料金を下げ、利用者を増やすというもっともスタンダードな方法を採用する。

地下鉄とバスの乗り換え料金の無料として、運賃を均一の200円とする。バス→地下鉄→バスの乗り換えも無料、あまりないだろうがバス→バスの乗り換えも無料にする。これで、宮城県の腹巻きのような形をしている図体のでかい仙台市の、端から端まで、片道200円でいけることになる。そして月6600円フリーパス発行する。(一日あたり150円、月22日間往復するとして44回、6600/44=150円)この券は好きなだけ、どこまでも、いつでも乗り放題にする。これだけで、一円もかけず仙台市は世界に誇れる低運賃の公共交通機関を手に入れたことになる。

このシステムのモデルはニューヨークの地下鉄と、バス網だ。地下鉄は2ドル(220円くらいか)で、乗り換えが自由にできる。ニューヨーク市の端から端まで地下鉄を乗り継いでどこまでもいけるようになっている。バスへの乗り換えも一回までは無料。バスの料金は1ドルだったか1,5ドルだったが、仙台の場合は地下鉄が一本しかないので、バスも運賃も一律200円とする。乗り放題は月70ドルだったと記憶する。

このシステムのいいところは、仙台市民の多くが恩恵をうけられるとことにある。「地下鉄南北線を採点する1」でかいたが、地下鉄は、駅周辺に住んでいないない人にとって、あまり役に立たない。そして仙台は人口密度が低いので、地下鉄一本や二本では人口をカーバーしきれないのだ。どうしても路線を柔軟に変えることができる交通網であるバスに頼らざる得ない。

一番恩恵を受けるのは郊外住宅にすむ人たちだろう。今の彼らがバスを使うと非常に高くつく。たとえば、仙台駅から泉ビレジ2丁目まで片道500円、往復1000円。みやぎ台640円!往復で1280円(涙)。

これでは、いくら、「みんなで公共交通機関を使って交通渋滞をなくしましょう。」と訴えても、無理です。乗りません。私なら1280円でちょっと豪華なランチでもたべにいくでしょう。その上、こういう郊外住宅に住む人々は、生活に車が必要だから、その車で都心へ乗り込むのもそれほど抵抗がない。そして渋滞が悪化する。

でも、片道200円なら、まあたまには、車運転をするのも疲れるから、バスで行こうかなあと思うだろう。通勤時間に読書もできるしなあ、というように。これで確実に乗客は増える。彼らがバスに乗れば、車も減って渋滞も減り、バスもスムーズに運行できる。何ヶ月か、様子をみてバスの乗客が増加してしこむようであれば、それに合わせて台数を増やしてやる。これでも乗客が増えない場合は、完全に公共交通機関の需要がないのだから、仙台駅直行を廃止し、最寄りのJRや地下鉄の駅までのバスだけを運行させる。

今、通勤定期を片道500円のバス路線で買うと、1ヶ月21,220円(涙)この値段なら、ローンを組んで中古車を買える。でも、あたらしいフリーパスを使うと、月6600円! コスト約1/3以下。これなら、十分に車との競争にかてる。

上であげた泉中央周辺にすむAさんの場合

泉中央周辺にすむAさん、いままで家から泉中央へバスで、地下鉄にのりかえて富沢へというルートに、片道490円、往復で980円を払っていた。これはちょっと高い、車で行こうかなあと迷う値段だ。新しいシステムなら
片道200円、往復400円。差額580円で昼飯がたべられる!

このシステムの美しいところは、全ての仙台市民が(観光客も)、気軽な気持ちで、仙台のどこにでも行けるということだ。たしかに、時間がかかったり、乗り換えが面倒かもしれないが、この値段なら、みんな満足してつかうだろうということだ。釣りをしに仙台港でも、油揚げを食べに定義でも、温泉につかりに秋保でも、バスと地下鉄を乗り継いで、好きなところにいける。これが、地元のプチ観光地のよう所の掘り起こしにつながるだろう。

自由にバスや地下鉄を乗り換えることによって人がもっと行き来するようになる。そうすれば駅周辺、バス停周辺の経済も活性化する。何よりいいのは費用を気にせずにどもまでも、自由にいけるということ。これはちょっと幸せだ。いままで行ったことがなかった所にも行ってみようかなあという気分になる。

そしてフリーパスを使うことによって、いつでも、どこでも、好きなように、地下鉄、バスに乗れる。途中下車も、ちょっと歩いて、別の駅から乗っても自由。これにによって、仙台市の交通網がすべて自分の物になるのだ。ひとびとはこれなら文句はないといって、納得してバスと地下鉄にのりはじめるだろう。


採算はとれるか?

わかった、わかった、それはいいアイディアだけど、そんなに値下げして、採算とれんの?と、つっこまれるだろうから、今度は収支を検討していこう。

ちょっと、数字がおおくなって、混乱するかもしれないが、しばしおつきあいを。

では、平成17年度の地下鉄の予算をおさらいしてみる。

収入は運賃が115億、広告などの収入が11億、それから市からの補助金が13億、全部で、140億円である。
支出は、人件費30億、経費が35億、建築費の返済が55億、減価償却費が37億、全部で、160億円である。
赤字が20億円、実質は市からの補助が13億でているので、33億円の赤字だ。

今度は、平成17年度のバスの予算をみてみよう。

収支は運賃84億、広告などが3億、市からの補助金が28億、全部で115億円である。
支出は人件費に87億、その他の経費に31億、全部で、118億円である。
赤字は3億円、実質は市からの補助が28億円でているので、32億円の赤字だ。

バスも地下鉄に負けないくらいの赤字を出しているのがわかる。そして支出のほとんどが人件費だ。

地下鉄とバスを合わせてみると

収入は運賃199億 広告14億 市からの補助金41億 全部で255億円
支出は人件費117億 経費66億 建設費の返済55億 減価償却費が37億 全部で278億円

つまり毎年、赤字は23億円 実質市からの補助金がでて 計約65億円が赤字がでている。

200円均一の新システムで、乗客が何人増えれば、この赤字65億円をなくすことができるだろうか。それを計算していく。

まずその前に、この200円というのは、どのくらい現実的な数字なのだろうか? 

地下鉄には年間、約5800万人が乗る。それで年間の運賃収入が115億円だ。では一回あたり、平均、何円払っているか計算しよう。

115億/5800万= 平均198円

これは興味深い。200円よりやすい。地下鉄は高いからもっと払っているかとおもえば、意外にそうでもない。これは36%の乗客が定期券をつかっているからだ。ちなみに定期のお客さんは一回あたり平均149円を払っている計算になる。

ではバスはどうなるだろうか。
バスには年間、約3900万人が乗る。それで年間の運賃収入が84億円だ。

平均は、84億/3900万= 平均215円 

これは地下鉄よりも少し高い。まあ、みやぎ台ー仙台駅640円だから納得できる。定期券利用者は全体の18%で、平均168円を払っている。

(仙台市交通局事業概要 平成16年版より http://www.kotsu.city.sendai.jp/jigyo/top.htm)注、収支は17年度の予算を参考にした。以下特に断ることがなければ、データは仙台市交通局事業概要 平成16年版を参考する。


ということで、私が提唱している200円均一料金は、それほど現実離れした数字ではないことがわかってもらえるだろう。

では、この料金システムで乗客1人頭いくらの収入になるだろうか

今、バスと地下鉄を一回券で乗っている人が、60%、定期の人は30%。敬老パスが10%くらい。

これが新しいシステムになると、200円の一回券50%、大体一回あたり150円フリーパス40%くらい、そして無料の敬老バス10%くらいになると予想する。(話がややこしくなるので、ここでは回数券のことを考えない。)


これを計算すると、平均1人160円売り上げが見積もれる。

でもここから、無料で乗り換えをする15%の人を差し引かなくてはならない。(現在の乗り換え率は7.4%)

160円の85%=136円

最終に乗客、ひとり頭の売り上げは、136円となる。(乗車数が倍になれば、敬老バスの割合が減るので最大で143円くらいになる可能性がある。)

さてどのくらい乗客が増えればいいのだろうか。三つの目標をそれぞれ計算してみる(1)今と同じ額の赤字、(2)市からの補助金の解消、(3)赤字の解消

(1)今と同じ額の赤字
これは最低限の目標だ。
つまり、今と同じ運賃収入の199億円の確保
199億/136円=1億4632万人 
今一年間で9700万人だから、大体5割り増し。

(2)市からの補助金の解消
バスと地下鉄を合わせて41億円の補助金を仙台市からもらっている。
これを解消するためには199億+41億=240億を運賃収入を運賃収入で稼ぐ必要がある。
240億/136円=1億7547万人
今一年間で9700万人だから、大体7割り増し。

(3)赤字の解消
これが一番難しい。
バスと地下鉄で約23億の赤字、それから約41億の補助金をもらっている。これを解消するには新たに約65億を稼がなくてはならない。
199億+65億=264億
264億/136円=1億9411万人
今一年間で9700万人だから、大体2倍の乗客が必要。
これを一日すると53万人。

現在地下鉄の利用者は一日16万、バスで10万だ。
これが、地下鉄32万、バス20万になればいい。

今の乗車効率は地下鉄で約31%、バスではたった、約17%である。(平成12年度)
仮に乗客が、2倍に増えても、地下鉄で62%、バスで34%だ。これをみれば、客を2倍にするのは不可能でないと考える。
ちなみにこれは予想でしかない。さんざん交通局の予想を大幅に下回ったことを非難したが、予想ほど難しい物はない。 しかし、くしくも、この32万人という地下鉄の乗車数は、当初仙台市が予想していた2003年度の乗車数とほぼ等しいし、バスは最盛期、一日27万にの乗車数を誇っていた。


考えてもしてほしい、この新しいシステムではどこに行っても片道200円均一。
地下鉄のほとんどの区間で割り引き、泉から富沢までのれば、四割引。
乗り換えで片道500円以上払っていた人は、半額以下。
郊外の住宅地からバスを乗る場合は、1/3から1/4。
定義のような、仙台の端までいくなら1/5。
フリーパスを買えば、いくらでも、好きなだけ、どこにでも行ける。

これをみれば、このシステムで乗客を2倍にするのは不可能でないと考える。

(注)ここでは乗車数が増えることによっての経費の上昇は計算していない。バスの人件費削減のためにラッシュ時に、二両続きのバスの導入を提案しておく。バスを二つくっつけただけだが、二倍の乗客を運べ効果的だ。アメリカでは普通に走っている。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2005年07月30日 19:27
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From: SENDAI Watcher!
Date: 2005.08.06
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