東西線を考える1 地下鉄東西線は建設すべきでない

2005年07月31日

東西線を考える1 地下鉄東西線は建設すべきでない

[投稿者:佐藤研一朗]

東西線を考える

やっとここまで話を持ってくることができた。思ったより、ずっと時間がかかって、今日はもう投票日。この文書を読んでから選挙にいくひとは少ないだろう。それでも、自分が思うことをまとまって文章にして、人の前にさらすということできてよかった。それが何よりも大切なことだと思う。もしかしたら、新しい市長がこの文章をよんで、「ふむふむ。なかなかおもしろいアイディアだ。参考にしよう。」と思うこともあるかもしれない。そのときは、どうぞご自由にここにあるアイディアを使ってほしい。ただ、ここを参考にしたと、一言いってもらえればそれでいい。アイディア料はいりません。言うのは簡単で実現するのは何でも難しいと言うことを、私は身をもって知っているから。しかしながら、いいアイディアは金をもっていても、思いつく物でもない。だから大切なのだ。


地下鉄東西線は建設すべきでない

最初にはっきりさせておくが、私(佐藤研一朗)は、地下鉄東西線は建設すべきでないという立場です。ここでは、その理由と代替案をあげていきます。

一番大きい理由として「日本はもう成長期ではない。」ということ。仙台市がそれを理解していないこと。

日本は高度成長が終え、成熟期に入ったのだ。さんざん「公共事業とはなにか」で、書いてきたように、成熟期にはいったいま、成長期と同じような計画は、絶対にうまくいかない。成熟期にやるべきことは、今までの失敗を検証し、自分たちのもっている強みを生かし、それを発展、成熟させていくということだとおもう。私はこの東西線の計画がそのような性格をもっているとは思わない。


そして、地下鉄南北線の失敗を学んでいない。これはきわめて重要だ。

現在の地下鉄南北線は、当初の乗車数の予測を大幅に下回り、年に20億円の赤字をだしている。その赤字を補填するために、仙台市の一般会計からの13億円の補助金ができいる。すなわち33億円の赤字だ。累積の欠損金がが1090億円にも上っている。これはいくら沿線が発展したからと言っても、けっして無視できない失敗である。

しかし仙台市の東西線を10年目で単年度黒字化、19年目で累計黒字化できるとしている。
素朴に、どうして開業18年を迎える地下鉄南北線を黒字運営できないのに、東西線を10年で黒字にできるのか、と誰でもおもう。仙台に生まれ育った人なら、すぐにわかることだが、東西線が通る路線は、南北線よりも住んでいる人がすくない。仙台市は沿線の住宅地が開発され、乗る人が増えますと言っているが、泉中央周辺があれだけ開発され住宅地も整備されたのにもかかわらず、南北線は赤字だ。何度もいうように、仙台市は他の政令指定都市とくらべても、人口密度が低いので、地下鉄を1本増やしたくらいでは人口をカバーしきれず。採算をとるのは簡単じゃない。

どうして、これで東西線が採算がとれるのだという疑問は、筋が通っているし、正当な批判だ。あと2年で20周年を迎える南北線を黒字運営もできずにいる仙台市に、どれだけの説得力があるだろうか。

もし市が「赤字運営でも、市からの補助金をだしてでも、減価償却費を払えなくても、それでも東西線は仙台市の発展に必要なのだ。国の財政が破綻したらもう二度とこういう物はつくれないのだから」と考えているなら、そう市民の前ではっきり言うべきだ。「このくらいの赤字が出て、補助金を市からいくら出しますと。」 その上で市民が納得して、これは必要だと思うなら、私はその考えを尊重しようと思う。しかし「東西線は大丈夫です。問題ないです。東西線は特別なんです。10年目で単年度黒字化、19年目で累計黒字化できるんです。」というのは、偽証罪で訴えられてもしょうがない。


ここで、路面電車とLRTを考える館というホームページからおもしろい記事を紹介したい。広島TVが仙台市の地下鉄を取材し、南北線建設当時の審議委員だった大内教授にインタビューをしている。この教授は南北線の建設を「いまは反省し、東西線はLRT(新型路面電車)でと提案」している。


<引用開始>
http://www.urban.ne.jp/home/yaman/news12.htm#68 より

99.10.7 仙台市営地下鉄 現状を広島TVが取材し放映 
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建設当時審議委員だった大内教授は
「いまは反省し、東西線はLRTでと提案」

建設時1日23万人の乗客予想が昨年16万人であり、6万人予測を下回った。昨年は乗客数と収入が前年を始めて割った。
建設経緯は76年に自動車渋滞の解決策として路面電車の代替を検討し、委員会にて都市交通に地下鉄がふさわしいと決定した。
当時地下鉄決定に拘わった、もと東北大学教授大内秀明先生に尋ねた

(大内先生)当時地下鉄は路面電車に代わりうると思っていた。ところで、路面電車は駅の間隔が短く、地域コミュニティーの利便性を持続していたのです。 これは地下鉄はカバーできなかったが、当時はそれがよく判らなかった。

(レポータ)自動車は10年で1.6倍に増えた。その間、バス乗客は1.8億人から5,500万人へと半減し、赤字が65億円に膨らんだ。

(大内)従来路面電車が運んでいた人はかなりマイカーに移った。残りがバスと地下鉄に移ったが共食い、共倒れとなった。それでバス、地下鉄両方の赤字となった。

(大内)エスカレータや階段で地下へ潜っていく時代ではない。まず人に優しいバリヤフリー型の街づくりを。今までのように右肩上がりで税金がどんどん入ってくる時代は終わった。市民の税負担がかからない、懐にやさしい交通手段でないと長持ちしないです。
<引用終了>


巨大な建設費

結局地下鉄を建設して、一番の問題になるのが、巨大な建設費だ。仙台市は東西線建設に2700億円みこんでいるが、これがもっと高くなる可能性をはらんでいると、東西線の事業差し止めの裁判をおこしている仙台市民オンブズマンは指摘している。南北線の支出の約60%はこの建設費のローンと、巨大な建設費からしょうじる減価償却費だ。

この建設費のローンと減価償却費がなければ、地下鉄は非常に効率がいい乗り物だと言える。実際、地下鉄南北線にかかっている人件費は30億で、市バスの約1/3の値段なのだから。しかしこの巨大な建築費が、建設後、何十年にわたり、地下鉄経営に重くのしかかってくる。

「エスカレータや階段で地下へ潜っていく時代ではない。まず人に優しいバリヤフリー型の街づくりを。今までのように右肩上がりで税金がどんどん入ってくる時代は終わった。市民の税負担がかからない、懐にやさしい交通手段でないと長持ちしないです。」
大山教授の最後のこの一文は、非常に的を得ていて、私が言いたいこととまったく同じだ。

これで、私が地下鉄東西線建設に反対する理由をわかってもらえただろう。成長期がおわり、今までのように街は発展しない。時代はまわり、いまは成熟期なのだ。そんなか、成長期と同じような計画で、過去の失敗からも学ばない仙台市。巨大な建築費をはらい、財政破綻を目前に、地下鉄を作る。そして人口密度が低い仙台では、地下鉄一本引いたところで、沿線外に住む人にとっては役に立たない(涙)。

仙台市は、自分たちの身の丈にあった建築費が安くてすむ、LRTによる交通網を整備するべきだ。そうすれば、建設費のローンと減価償却費になやまされることはなく、優れた交通網になるだろう。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2005年07月31日 16:48
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コメント

八木山だけ地下にすればいいじゃん!!
八木山だけ地下ですむ東西線。

投稿者 Anonymous : 2005年07月31日 21:48
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