LRTってなんだ。 地下鉄東西線の代替案

2005年08月01日

LRTってなんだ。 地下鉄東西線の代替案

[投稿者:佐藤研一朗]

LRTってなんだ。

建築費が安くてすむ、LRT(新型路面電車システム)による交通網を整備するべきだと、書いた。

じゃあLRTってなんだろうか。仙台高速鉄道研究会の会員である高井憲司さんによる、”まちをこわす「クルマ『中心』社会」、まちをつくる「LRT」”のホームページを参考にしいて、LRTを紹介していく。http://www.ic-net.or.jp/home/takaiken/

(そもそも、LRTを知ったのも、このサイトのおかげだ。4年前の選挙特集の時に、このサイトを知っておきながら、ちゃんと読まないで、前回、東西線の質問をしなかったのは、大きな不覚だった。自分の至らなさを反省している。今から五年前に、すでに地下鉄の問題点と、その代替にるLRTを提唱していた高井さんの活動に感謝したい。)

LRTはとはこんなのです。まず写真をみてください。
lrt.jpg

以下全ての写真は国土交通省のHPから

LRTというのは、Light Rail Transit(ライトレールトランジット)のことだ。日本語に直訳すと軽設備鉄道交通機関とい感じになる。つまり大規模な設備が必要ない鉄道交通機関と訳せるのではないか。たとえばJRだったら路線を買収したり、枕木をセットしたり、高架にしてみたり、地下鉄にしてみたいに、駅にしても、非常に大がかりな設備が必要だ。それにくらべて、LRTは基本的に路面を走るので大きな設備投資がいらない。たとえば、駅などもバス亭に毛が生えたようなものでものたりる。そういう意味でライト、軽設備だといえるのだろう。

昔の路面電車は、遅くて、揺れて、うるさいと馬鹿にされ、チンチン電車とよばれていた。しかもクルマが路線に乗り入れていたので、時間の定刻性がまもられなかった。

でもこのLRTは、最新型の車両を導入して、速度も速く、揺れず、静かで、基本的にクルマが路線をはれないので、時間通りの運行ができる。そういう意味でLRTを新型路面電車システムと訳していいとおもう。

じゃあ、高井さんのホームページを参考に、LRTの利点を一つずつあげていこう。(詳しくはこちらから http://www.ic-net.or.jp/home/takaiken/j21.htm ほんとにいいサイトです。みんな読んでください。)

安いコスト、速度も速く、揺れず、静かでバリアフリー、電車や地下鉄への乗り入れが可能、坂道も上れる、省エネ、小回りがきく、輸送量の確保、拡張性に優れる。トランジット・モールが導入できる。

安いコスト
10億〜30億円/km(諸外国実績)リニア地下鉄よりも6〜20分の1の建設費
こりゃ安いや。

速度も速く、揺れず、静かでバリアフリー
<写真2>
lrt2.jpg


新型のLRTは昔の路面電車と違って、速度が速く、ゆれず、静かだ。そして床が低い。一番低いので地面まで17cmだそうだ。これはスゴイ。それに地下鉄と違って、路面をはしっているので、階段を下ったり、降りたりしなくていい。現在、仙台で、敬老パスを使ってバスにのっている老人は地下鉄の三倍だから、このLRTになれば、もっと多くの人が乗るだろう。これからの高齢化社会にもぴったりだ。

電車や地下鉄への乗り入れが可能
これは、LRTのすごいところ、JRにも、地下鉄にも、技術的には、乗り入れができる。仙台市が進めているリニア式の東西線は、JR仙石線はおろか、仙台市の地下鉄南北線にも乗り入れができない。。このため、地下のおごちゃごちゃと歩いて、乗り継ぎをしなければならない。なにを考えているんだか。


坂道も上れる

仙台市がLRTは坂を登れないから、LRTはだめだと行っていたが、これは大きな間違いであるようだ。外国では80〜110/1000(1000m進んで80〜110m登り下りするだけの角度。)の坂を平気で上り下りしている例があるそうだ。仙台高速市電研究会の佐藤茂さんによれば、「八木山の坂は1000分の50(1000m行って50m登る)程ですが、国内にもこの程度の坂を登る普通の電車が毎日営業しています。例:南海電鉄、神戸電鉄他。中にはこの八木山よりもっときつい1000分の80と言う坂を登るものも有ります。」とのことです。


省エネ

輸送人キロあたりのCO2排出量(g)は、LRT36、乗り合いバス94、自動車188。自動車や乗り合いバスにくらべて格段に少ない。てっことは省エネ。


小回りがきく

小型ということもあって、小回りがきく。熊本市交通局LRVの設計では、最小回転半径は18m。ごちゃごちゃした日本の道路にはぴったりだ。


輸送量の確保

LRTは時間帯に合わせて編成を長くしたり短くしたり、需要に応じて自由自在変えることができる。LRTの最大輸送力は一方向で最大5000〜1万5千人/時これは、東西線の予想乗車数を十分にまかなえる数字だ。


拡張性に優れる。

これはLRTの低コストを考えれば、わかる。路面を走るので、用地買収もほとんど必要ない。
需要があれば、どんどん路線を延ばしたり、枝分かれさせたりできる。
地下鉄ではこう簡単にはいかない。何せ1キロのばすのに、200億円かかるんだから。(涙)


トランジット・モールが導入できる。
lrt3.jpg

<写真3を参考>
これはLRTの他の交通機関と違う最大の特徴だと思う。トランジット・モールというのは簡単に言うと、商店街にクルマの乗り入れを禁止し、歩行者天国にする。そこにLRTを低速で走らせて、LRTを商店街の水平エスカレーターのように使おうというアイディアである。これによってひとが商店街をがやがやと歩き出すので商売が繁盛する。これはあとで、「あおば通をトランジットモール、舗装を引っぺがし石畳の歩行者公園に」のところで詳しく書きます。

ヨーロッパの例では、商店街がクルマの乗り入れを禁止すると人が来なくなるからといって、最初は反対していたそうですが、いざトランジットモールを導入してみると売り上げが急増して、誰も文句をいわなくなったということがあるそうです。

クルマの乗り入れを禁止すると人がこなくなると言うのは、基本的に間違っているということを、アーケード街がある仙台の人ならすぐにわかるだろう。だってアーケードにクルマが走っていたら。だれもそんなところで買い物しないでしょ?


問題

こんなに利点があるなら、もちろん問題もある。それは法律。
どうも、40キロ以上で走ってはいけないとか、急な坂は通れないとか、車両が30メートル以上だとだめだとか、LRTの性能を制限するような法律があるらしい。しかしこれも、抜け道があって、法律の特例を認めてもらえることがあるそうだ。日本でもやろうと思えばできるし、すでに特例が認められている例がたくさんあるそうだ。だから、これはトップのやる気しだいなんだろう。

詳しくはこちらから http://www.ic-net.or.jp/home/takaiken/mainframe.htm

次のパートでは、どうやってみんなの支持をうけながらLRTを導入していくか、考えていこう。


2005年08月01日に追記しました。

参考ホームページ

”まちをこわす「クルマ『中心』社会」、まちをつくる「LRT」”
http://www.ic-net.or.jp/home/takaiken/

路面電車を考える館
http://www.urban.ne.jp/home/yaman/

Le Tram
http://eurotram.web.infoseek.co.jp/

LRT(Light Rail Transit) & 路面電車
http://homepage1.nifty.com/wanpaku/lrt/


LRT(Light Rail Transit) & 路面電車の本田様、Le Tramの南様には、乗り入れについて技術的なアドバイスを頂きました。大変ありがとうございました。二つとも素晴らしいサイトなので、どうぞ皆さんごらんください。

文章の、技術的な補強としまして、回答を掲載させていただきます。

<佐藤研一朗による質問はじめ>ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんにちは、はじめまして、仙台インターネットマガジンの佐藤研一朗と申します。

ページを興味深く拝見させて頂きました。
一つ質問がありまして、メールをしています。

いま仙台は市長選挙の真っ最中で、今回の選挙の争点は、地下鉄東西線の建設の是非です。
財政難のなか高額な地下鉄を作るか、人は乗るのか、採算はとれるのか、という感じでもめています。

今回の選挙特集で、この地下鉄の計画を調べているうちに、LRTを提唱されているかたを見つけ、LRTについて調べだしたのですが、その柔軟さ、低コスト、見た目の美しさ、トランジットモールによる街中心部の活性化など、非常におもしろいと思いました。
町並みのきれいな仙台にはこのシステムがぴったりだと私は思い、仙台インターネットマガジンでこのシステムを提案をしたいのですが、一つ大きな疑問があります。

ヨーロッパでは、LRTが、普通電車の路線にのりいれをしている例がありますが、日本のJRや、地下鉄に乗り入れをすることが、技術的に可能なのでしょうか。
低底なLRTで、JRや地下鉄の駅で乗り入れをする場合、線路から構内のギャップが大きい日本の駅では、乗り込むのに難しいそうな感じがしますが、なにか解決策があるのでしょうか?

仙台インターネットマガジンでは選挙ごとに質問状を候補者におくって、その回答をのせています。今回、地下鉄の代替案としてLRTはどうでしょうかと、質問をしたところ、1人の候補者がLRTはJRや地下鉄に乗り入れができないからだめだという、回答をくれました。私は技術的なことがわからないので、この回答を評価できなくて、こまっています。

こうやって、いきなり質問をするのは、失礼だとは思うのですが、もしお時間がありましたら、御教授していただけないでしょうか。

失礼します。
仙台インターネットマガジン 佐藤研一朗 様
<佐藤研一朗による質問終わり>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<本田様による回答はじめ>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 佐藤様,メールをいただきました本田です。初めまして。

 早速ですが,ご質問の件,下記のとおり回答します。

 技術的には,海外の事例を参考にするまでもなく,可能です。ただ,第3軌条
の地下鉄の場合には,ちょっと問題も出てこようかと思いますので,正確にいえ
ば,パンタグラフの付いた鉄道との乗り入れは可能ということになるかもしれま
せん。
 LRTと既存鉄道との接続をどこで行うかについては,既存鉄道の形状・ルー
トにもよりますので,判断が難しいところですが,少なくとも「候補者がLRT
はJRや地下鉄に乗り入れができないからだめだという、回答をくれました。」
に対しては,技術的には乗り入れは可能だと回答いただいて問題ないと思います。

 なお,もっと詳しい技術的な内容がお知りになりたいということであれば,よ
り詳しい専門家をご紹介することは可能ですので,お問い合わせ下さい。

 以上,よろしくお願い申し上げます。
 取り急ぎ,ご回答まで。

<本田様による回答終わり>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


<南様による回答はじめ>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
佐藤様

 ご質問の件に関してお答えさせていただきます


 結論から言えば、すでに日本ではLRTと一般鉄道の直通運転が行われています。
該当するのは以下の路線です。

1)広島電鉄宮島線 西広島〜宮島口間(市内線2系統と直通運転)
2)京阪電鉄京津線・京都市営地下鉄東西線 浜大津〜京都市役所前間
3)名鉄美濃町線・田神線・各務原線 美濃町線のLRT車両が、名鉄各務原線に直
通<ただし、2005年春で美濃町線廃止>

 広島電鉄のケースでは、もともと高床式電車だけが走る区間に路面電車から直
通するようになりました。駅は、鉄道用の高いホームとLRT用の低いホーム両方
ある構造になっています(駅は二つのホームが繋がった長いホーム)。ただし、
1991年以降高床式電車は廃車となり、全車が市内線直通のLRTとなっています。
高床式と低床式ホームを併設してLRTが鉄道線に乗り入れるケースとしては、オ
ランダ・アムステルダムのLRTでも見られます
http://eurotram.web.infoseek.co.jp/nl/ams/photo/ams05.jpg

2)の京阪京津線に関しては、東西線開業とともに京津線の京都市内の路面電車区
間が廃止になり、同時に東西線に乗り入れるようになりました。地下鉄〜京阪の
直通系統車は大津市内の路面区間も走ります。京阪大津線は基本的に高床式車両
を使用し、ホームも高いタイプの構造であったのでそのまま地下鉄と乗り入れて
います。なお、京都市営地下鉄東西線はミニ地下鉄ですが、大阪や神戸のリニア
式ではなく、京阪大津線の規格で作られています。つまり、京都の場合は地下鉄
をLRT規格で作って地下鉄とLRTの直通運転をしているということになります。
 高床式LRTを地下鉄代わりに使う例はドイツで見られます。ケルン・ボン・デュッ
セルドルフ・フランクフルトなどがこのケースに該当します。

 またフランスのルーアンでは、地下区間のホームも低いタイプとして、低床式
のLRTを地下鉄代わりに運行しています

3)の名鉄の方は、美濃町線が2005年3月で廃止されてしまったので今は見ること
は出来ませんが(岐阜の場合は、市政としてクルマ優先を徹底させるために路面
電車を長らく排除し続けてきました)、1970年から35年近く続けられました。美
濃町線のLRTを新岐阜駅(現在の名鉄岐阜駅)に直通させるために、路面電車の車
庫に引き込み線を鉄道線である各務原線につなぎ、田神駅と岐阜駅の一駅区間だ
けLRTが鉄道線に乗り入れる形態をとっています。この区間では鉄道線の6両編成
の電車と軽快なLRTがすれ違う光景がずっと見られました。電圧が異なっていま
したので、LRTを複電圧式にして対応していました。

 この方式はドイツのカールスルーエやザールブリュッケンと同じような方式で
す。

 LRTと鉄道・地下鉄の乗り入れに関しては、直通先の規格を変えないままLRTが
乗り入れるのか、あるいは直通先をLRT化してしまうのかによって対応が異なっ
てきます。来年JR富山港線がLRTになりますが、これは鉄道線を完全にLRT化して
しまう仕組みです。地下鉄とLRTの直通の場合も、地下鉄が他の路線と乗り入れ
がないのならば、地下鉄を始めからLRT規格で整備すれば問題は解決するという
ことになります。

 LRTの場合は床が低いというイメージもありますが、高床式LRTと高床式ホーム
を使うことによってバリアフリーを実現しているケースもあります。日本では都
電荒川線・東急世田谷線・京福電鉄嵐山線・京阪大津線など都市部で専用軌道の
割合が多いLRTが該当します。高床式LRTならば、鉄道線との互換性が高くなりま
す。
 低床式のLRTが鉄道線に乗り入れる場合も、ホームを2つ造ることによって解
決できます。鉄道線に低床式LRTが乗り入れる場合、主要駅のみ2種類のホーム
を造り、小さな駅はLRTのみ停車で低床ホームとすれば費用はかかりません。鉄
道線の列車は快速、LRTは各駅停車として運行するのです。ドイツのカールスルー
エやザールブリュッケンのLRTと鉄道線の乗り入れはこのような形態をとってい
ます。


 最後に、日本とヨーロッパの相違ですが、ヨーロッパの方が在来線の車両が大
きく、LRTとの格差は大きいのです。また日本の場合、半数の大手私鉄(阪神や京
急など)は開業時は路面電車でした。そのため、電鉄線などではLRTに始めから規
格が近い路線であるということは言えます。
<南様による回答おわり>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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投稿者 佐藤研一朗 : 2005年08月01日 07:42
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