最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。
最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。
[投稿者:佐藤研一朗]
最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。 by佐藤研一朗
やはり、今回の郵政民営化案で一番の問題なのは、300兆円のお金を裸でぽんと市場に出そうとしていることだろう。
もしあなたが、300万円の銀行でおろして家にかえるとき、あなたは、その三百万円を裸のまま、人に見せびらかして、通りをあるいて家まで帰りますか?
いやいや、違うでしょう。300万円をバックにいれて、タクシーを呼んで、それに周りをきょろきょろしながら、乗り込むにちがいないでしょう。
だって、いくら平和な日本だっていったて、変な奴がいるかもしれないし、やっぱり見せびらかして歩いていたら、泥棒に遭うかもしれない。だからあなたは、どきどきしながら細心の注意を払いながら家までかえるでしょう。
それが300兆円なら、細心に細心の注意をはらって、いろんな保険をかけて、シミュレーションをして、失敗が絶対にないようにしておかなくていけないのは、言うまでもないでよね。でも、どうも、あんまり金額が大きくなると、人間想像力の限界か、逆に、そういう細心の注意というものが払われなかったりするものです。
さて、この300兆円でどのくらいのお金なんでしょうかね。
サラリーマンの生涯年収が2億円くらいといわれています。(500万×40年)まあ、きっと我々の世代はきっと1億円くらいがいいところでしょう。悲しいけど。一生働いて1億円か。人生はかないねえ。人生にはいろんなドラマがあるでしょうが、お金に換算すると、1人の人生はたった1億円になるわけです。
ということは、1億円が1人の人生。
10億円は10人の人生。
100億円は100人の人生。
1000億円は1000人の人生。
1兆円は1万人の人生。
10兆円は10万人の人生。
100兆円は100万人の人生。
300兆円は300万人の人生。
なるほど、この郵便貯金にたまったお金300兆円は、300万人の人生と同じ価値があるわけです。お金のことだけいえば。
つまり、郵政民営化というのは、この300万人の命を左右する、大きなイベントであるというのは間違いないことでしょう。そういう意味でいえば、これは戦争と同じくらい重要な安全保障の問題であると言えるとおもうのです。(まあ、アメリカに完全に安全保障を任せている今の日本に、安全保障なんんていったところでピンとこないでしょうが。)
ですから、まず、案のなかに、外国の会社に対する規制というのは、当然はいるべきなのです。外国の会社は何パーセント以上は株をもてませんみたいな。当然でしょう。300万人の国民の人生ですから、それを全て外国にお願いすることはできないでしょう。たとえば、放送会社にするこういう規制があるわけです。他の国に会社を乗っ取られて、好き勝手に放送を流されてもこまるでしょう。
今の案では、郵便局が民営化されたあとは、完全な株式会社になるわけです。10年間の間に、国はもている株を全て売却しなくてはいけないことになっているそうです。株式会社ですから、もしあなたが半分以上の株を持っていれば、あなたのものですから、あなたがナニをしようと、それはあなたのかってなわけです。法律に違反しない限り。
半分以上の株を買った人が、その会社の資産を売ろうが、300兆円の日本以外に投資しようが、なにをしようが、もうそれは法律にそういうことが、できませんよと書いてなければ、何の問題もないわけです。
外国会社がわるいことするわけないじゃん、みたいに言う人もいますが、外国会社というのは、北朝鮮も、中国も、ロシアも、イラクも、イスラエルも、アメリカも世界中にあるすべての国を含んでいるわけです。つまり、民営化されたあとの郵便局は、お金があればどの国の会社でもかえると言うことです。
世界にはさまざまな争いがあります。資源やお金を巡って戦争が起きたりするのは当然のことです。そしてこの300兆円というのは、そういう危機が起こるにたりるだけ、大金な金額です。世界一大きい銀行が生まれるというような話をしているわけですから。
そんなことが起こる可能性が高いか、低いかという問題ではないのです。その危険性があるから、そうならないような、条文を入れておかなくてはならない。「外資(外国会社)による『郵便貯金銀行』の株式の保有は、20%以下しか出来ない」、そして、もうひとつ、「持ち株会社(ホールディング・カンパニー)である『日本郵政株式会社』は、外国債券(外債、つまり米国債のこと)を保有資産の20%を超えて購入し保有してはならない」というようにです。(by 副島隆彦)
だって、300万人の人生がかかっているんですよ。最悪の事態にならないように、保険として、条文の一つをいれるべきでしょう。ねえ。法律をとうしてしまったらあとからもう変えることができないのです。
結局、ここが参議院で審議され、問題となって、法案が否決されたわけです。ですから、小泉さんは、本来は、この部分を修正して、もう一度提出するべきだったとおもう。それをやらない彼は、国を売っているといわれてもしょうがない。国民300万人の人生を危険にさらすわけですから。たった一文をどうして入れられないのかということです。
それなのに、衆議院を解散してしまった彼に私はつよい不信感を抱く。
speak esayというおもしろいサイトを見つけました。
ここでは、民営化の最悪のシナリオとして、国債の暴落をあげていました。郵便貯金の大半が国債に投入されているので、ここが国債を売った場合、国債が暴落する。そして同じく国債を沢山買っている日本の銀行がつぶれる。そこからお金を借りている企業もやっていけなくなる。そうなったときに、安いぼろ値で日本の銀業と企業を手に入れることができる。
http://blog.livedoor.jp/manasan1/archives/50156966.html
(おもしろいのでどうぞよんでみてください。)
なるほど、いかに300兆円というものがすごいものなのかわかってきましたね。
この300兆円は、日本経済をその根本から破壊するだけの威力をもっているということです。
郵政という国家予算
もうひとつ調べていてわかったことは、この郵政は国家予算の一部であるということです。よく財政投融資は第二の国家予算だといわれます。これはどういういみなんでしょうかね。うえのspeak esayというサイトにおもしろい表がありました。
<引用開始>
▼【郵政公社の貸借対照表(05年3月期:最新)】
右側の負債・資本が、資金の源泉です。どこから資金が来ているか
を示します。左側の資産は、資金が何に使われているかを示します。
【左側:資産の部】 【右側:負債・資本の部】
現金・預金 9兆円 郵便貯金 211兆円(←国民)
金銭信託 12兆円 簡保準備金 119兆円(←国民)
有価証券 217兆円 借入金 38兆円
預託金 118兆円 その他負債 14兆円
貸付金 27兆円
不動産 3兆円 資本金 1兆円
その他 2兆円 その他資本 5兆円
資産合計 388兆円 負債・資本合計388兆円▼
?
預託金は財務省への財政投融資預託金のことです。 有価証券は、(国債170兆円、地方債16兆円、社債26兆円、海外証券5兆円)です。 国債党の合計は304兆円です。
現金預金9兆円は、払い戻し準備ですから、手を着けることはできません。
<引用終了>
だいたい、388兆のうち、200兆は国債に、100兆は財政投融資にまわっているということなわけです。なるほど、どうして国が今までこれだけ借金を重ねることができたのか、わかってきます。
そして、財政投融資として、特殊法人に貸し付けられているのが100兆円だ。
この特殊法人のなかには、道路公団や、日本育英会、国民金融公庫みたいなものがる。あんまりもう時間がないので、結論から言うと、結局はこの郵政で集めたお金というのは全て国家事業に当てられていると言うことなのだ。
ここが、何よりも大きい。どういうことかと言えば、ここが民営化されると言うことは、このような国家事業を国が放棄するということだろう。国家予算がなくるのだから。
奨学金を学生あげたり、中小企業の事業者に資金をかしたり、道路をくったりということができなくなるということではないか。この部分が、日本の産業政策(industrial policyまたの名を談合社会主義、それが悪いというわけではない。)として、よしくも悪くも、今までの日本の経済発展を支えてきたわけです。
アメリカの国家予算は250兆円。日本は80兆円。人口が二倍で、GDPが二倍なのにどうして、国家予算が三倍もあるかというと、予算の中に、年金や、介護保険などが、入っているからだろう。日本のばあいは、こういう物が、全部別会計になっているから、いまいち、全体がどうなっているのかよくわからない。
でも、どちらにしても、毎月年金を払っているのだから、これは税金であるということだ。そして、この郵政というのも、その一部だった。ということだろう。ここが完全に議論から、取り残されているとおもう。
つまり郵政のお金が無駄遣いに使われていると言うが、その使い道は、国家事業なわけだ。その無駄遣いをへらすというのは、大切だが、国家事業自体をなくすということができるのだろうか?そういうことが起これば、何万人も人が飢えやしないか。
郵政公社が、新しい株式会社になって、運用するのは35兆といわれている。つまり新しい帳簿と古い帳簿をつくって、別々に運用していきますよということらしい。だから300兆がそのまま、世の中にでる訳じゃないんですよということだ。だから安心みたいに。まあ、国債と、特殊法人に貸している金を明日から海外に流すことはできないでしょうといことらしい。そりゃあそうだ。
ただ、10年後に完全に民営化された時は、それがどうなっているかわわからない。完全に国の手からはなれ、民間になっているのだから、古い帳簿からお金を取り崩していく可能性はないとはいえないだろう。そのときは、日本談合社会主義のおわりとなるだろう。そして、アメリカ式の弱者に厳しい、貧富の差の激しい日本が始まるということだろう。
いまの日本人はこれがどのくらい厳しいことなのかよくわかっていないだろうが、いまニューオリンズで、避難する場所もなく、車のない、貧乏な黒人のような層が日本に生まれるということだ。こういう家の子供に生まれたが最後、教育はまともに受けられず、大学になんか行く金もない。そのときは日本育英会もなくなているんだろうから、奨学金もなくなるわけだ。だから、いい仕事にもつけない。そして貧乏が連鎖していく。
アメリカのように個人の寄付行為が発展していない日本では、他人にお金を出すと言うこともないだろうから、アメリカよりも厳しい世界になるかもしれない。
まあ、日本人がそう選択するならば、しょうがない。私はこれから、その先のことを考えて、行くことにしようと思う。
2005年9月11日 佐藤研一朗 拝
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