Happy Holidays! ハッピーホリデーズ!
Happy Holidays! ハッピーホリデーズ!
[投稿者:佐藤研一朗]
今日はクリスマス。アパートのまどから、通りを見下ろすと、さすがにひとっこ1人歩いていない。
日本ではクリスマスは、カップルが一緒にすごすための商業的なイベントで、ひとりものには、いやーなプレッシャーが付きまとう季節だ。「いつからおまえらクリスチャンになったんだよ。」と、突っ込もうものなら、「ほんとに、いやーねー。相手もいないから、ひねくれちゃって」という声が聞こえてきそうだ。
アメリカでは、クリスマスというのは、日本の正月のように家族と過ごすイベントのようで、この街のシーンとした静けさは、日本の元旦のような感じだ。どうも、みんな実家に帰ってしまったようで、遊びにいくひともいないし、お店も一件もあいていない。
学校が終わってゆっくりしているのはいいんだけど、学校もプロジェクトも無いと、全くロッチェスターでやることがないということに気がつく。まったく、退屈でたまらない。
テレビもつまらない物しかやっていないし、ラジオもクリスマスソングばかりで、もういい加減やめてくれって感じだ。どうも単純なメロディーで、同じようなフレーズを何度も聞かされると、なんだか疲れてしまう。その割にはいつの間にか、「ジングルベル♪ ジングルベル♪」と口ずさんでいたりする。これは洗脳ですな。
「まったく、なんでこっちはクリスチャンでもないのに、クリスマスを無理矢理祝わなきゃならんのだ。」と文句を言っているのは私だけではないようで、こちらのテレビのニュースでは、「メリークリスマス」と数年前から言わないことになっている。世の中には、クリスチャンでない人が沢山いるのよと、いう抗議の結果だ。
アメリカにはユダヤ人という人々が沢山いて、彼らが強力に抗議をしているのだ。僕が昔住んでいたニューヨーク市には、かなりの割合で住んでいて、なかなかパワフルな人たちである。もちろんユダヤ人はクリスマスを祝わない。その代わりハニカというイベントがある。
まあ、みんなもちろん知っていると思うけど、ユダヤ教というのはキリスト教の元になった宗教だ。今から2005年前にユダヤ人として生まれたキリストが、預言者としてユダヤ教を改革するような形で、キリスト教ができたのだ。
だから、キリスト教に旧約聖書と、新約聖書の二つがある。新約聖書にはキリストが生まれた後のことが書いてある。ユダヤ人は旧約聖書だけを信じている人たちだ。彼らはもちろんキリストを預言者と認めていないのだから、キリストの誕生日を祝うクリスマスが楽しいわけがない。「なにがメリークリスマスだ。」ということになる。
このユダヤ教徒、キリスト教のおもしろいことは、彼らは解釈の仕方が違うだけで、同じ神様をあがめていると言うことだ。ちなみに、イスラム教も同じ神様をあがめているのだ。世界の三大宗教が同じ神様をあがめているだから、非常におもしろいことだ。
この手の一神教を突き詰めていくと、その宗教を信じているか、いないかという、ぎすぎすした厳格な区別に行き着いてしまう。まあ、多くの日本人は、「そんなのどうでもいいジャン」と思ってしまうけど、世の中の、大半の人はそういった違いというのを気にして暮らしているのだから、お祭りなんだから楽しめばいいという乗りで、「メリークリスマス」と、言ってしまう日本人の行動は、世界の非常識なのかもしれない。
そうそう、テレビでメリークリスマスと、言わなくなった書いたけど、その代わりに、ハッピーホリデーズと言うことになっている。これがpolitically correct(政治的に正しい)このシーズンの挨拶だ。でも、おもしろいのは、ユダヤ人らしきナレーターが、ハッピーハニカというのだ。これはいいのだろうか?ハッピーハニカとテレビで発言することにはユダヤ人はきっと抗議しないんだろう。
まあ、ロッチェスターに沢山いる信仰深いクリスチャン達は苦虫を噛みつぶしたような気分だろう。「これがアメリカの伝統なのだから、メリークリスマスといえばいいのだ。」と言いたいが、それは言えない事になっている。
私が手伝っている生徒会の会長は、ユダヤ人のおばちゃんなのだが、生徒会室の窓に、でっかいハッピーハニカと書いてあるバナーをはっていた。他のメンバー(非ユダヤ人)はなんか、居心地が悪さそうだった。
このおばちゃんには、ずっと誰も文句を言わなかったのだが、最後に思わぬ所から文句を言われて、そのおばちゃんはひどく落ち込んでいた。話をきくと、違う宗派のユダヤ人に、「本物のユダヤ人はそんなものは飾らない。」と、言われたらしい。ユダヤ人といっても、ピンからキリまでいろんな宗派があって、なかはなかでバラバラなようだ。
なんか、こういう面倒くさい、ぐちゃぐちゃした話を聞いていると、つくづく、なんでも「まあまあ」といってすましてしまう日本人でよかったなあと、思うわけです。
ということで、Happy Holidays!
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