旅先で死ぬと言うこと

2006年04月18日

旅先で死ぬと言うこと

[投稿者:佐藤研一朗]

ソーシャルネットワーキングシステムのMixiというのをやっていて、ここに連載を載せる前に、文書を発表している。友達ばかりが見ているので、コメントはつきやすいし、面識のない人でも、名無しの権兵衛ではないので、信頼性がネットより気がする。ソーシャルネットワーキングシステムはこれから世の中をどんどんと変えていくだろうと思う。このサイトが外洋に浮かんでいるとすれば、mixiは海水浴場みたいなものだ。どちらもいいところがあって、欠点もある。もしmixiに参加したいという方がいましたら連絡ください。

さて、そのmixiの「そうだ、世界を飛ぼう」というコミュニティーに「 息子の足取りをたどっています。」という書き込みがあって、気になったので読んでみた。どうもヨーロッパを放浪中に、何かの事故か事件に巻き込まれて無くなった息子さんの旅の軌跡のてがかりを、お父さんがなんとか探そうとしているようというような書き込みだった。

旅先で旅人が死ぬというのはなにか、特別な思いがある。なぜなんだろうか。目的地にたどり着けなかったからなのか。故郷に生きて戻ることができなかったからなのだろうか。それとも目的地すら見つからなかったからか。

残された家族にとって不幸なのは、多くの場合、旅人が死に至るまでのストーリーを、だれも覚えていないのだ。その時旅先にいた周りの人はみんなすれ違いの人間なのだ。ちりちりバラバラになって、細切れになってしまったストーリーからでは、残された家族は、どうしてその旅人が死ななくてはいけなかったのか、その答えさえつかめない。ピースが足りないジグソーパズルをやっているようなものだ。まったく、不幸だ。理由を告げることもできず親を残して死んだら、それはやっぱり親不孝だ。

高校を出て、私がバイクに乗って日本一周をしていたときの出来事を思い出した。沖縄の石垣島であった彼は、自分と同じようにバイクで日本一周をしていた。二年間をかけた自分ののんびりとした旅とは違って、彼の旅はもっときびきびしていて、これから北海道に向けて出発するとのことだった。キャンプ場で一週間くらい時間を共にしたけど、今になっては彼と何を話したかも思い出せない。顔も名前も忘れてしまった。でも、気さくな奴で一緒においく酒を飲んだのは覚えている。

彼は急ぐように北海道を目指し先に旅立った。私はしばらくして沖縄を離れ、九州、韓国、四国、中国と旅の終わりを楽しんでいた。それは兵庫にすむ、沖縄で同じキャンプ場で知り合った別の友達を訪ねたときだ。この兵庫の友達の家に泊めてもらい、お互いに沖縄を離れた後の旅をどんな風にすごしたのか、なんて話をしていたのだ。そんなときに、その友達の携帯が鳴った。拾った手帳にその友達の名前があったので、電話をしてきたのだという。持ち主に名前があるけど、電話番号が無かったので、その友達の電話番号にとりあえずかけてみたのだとういう。

その手帳は私とその兵庫の友達が沖縄で一緒に過ごした彼の手帳だったのだ。それで、兵庫の友達の携帯にのこっていた彼の電話番号に電話をすると、彼の家族がでて、彼は北海道で先週亡くなったというのだ。缶詰工場かなにかのアルバイト先で、昼の休憩中にローラースケートで遊んでいて、車にはねられて亡くなったというのだ。私とその友達は一週間後に実家の岐阜で行われた葬式に参加をしたのだ。

記憶がすごく薄れてしまって、詳しくは思い出せないがそんな感じだったはずだ。いまになって、考えれば、本当に不思議な話だ。まず、いったい誰がその手帳をひろったのだろうか。そして、まさに私が兵庫の友達の家に泊まっているときに、電話がかかってきたのだ。そして手帳の持ち主はもうこの世にはいなかった。どういう偶然なんだろうか。きっと呼ばれたのだろうなあ。いまになってはそう思う。

その葬式のときに手帳はもう彼の実家に届けられていた。そこに書き留めてあった彼の旅のルートを家族全員で、回りたいとそのお父さんはいっていた。なんとか、彼の死の手がかりを知りたい。彼がどんな心境で旅をしていたのか知りたいという気持が伝わってきた。そこにはもしかしたら何かがわかるかもしれないという、かすかな希望があって、それが、なんともいたたまれなく、悲しいのだ。なんだかわからないけど、そんなことを思い出した。

こういうことを書いているとバッドラックを引っ張ってきそうなのでここで切っておこう。自分はまだ長い長い旅の途中だけど、まだまだ死ねないなあ。絶対に死にたくないしね。こんなところで死んでたまるかって感じ。(^_^)

道半ばで死ぬって悲劇で、悲劇だからこそ、世の中の人は好きで、ストーリーになるのだけれど、よく考えてみるとやってられない話だよね、本人にしてみれば。やりたいことをできずに死ぬんだから、あっ、やっちまったーて感じだろうな。それはやっぱりやだなあ。私は自分が死んでからもずーっと世の中に残るようなものを100コくらい作ってから、満足して死にたいもんだね。

生きているって言うことは、かっこわるいかもしれない。
死んでしまうって言うことは、とっても惨めなものだろう。
だから親愛なる人よ。その間にほんの少し、人を愛するって事をしっかりとつかまえるんだ。

チューインギャング The Blue Heart


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投稿者 佐藤研一朗 : 2006年04月18日 23:11
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