あといくつ寝ると〜♪***佐藤研一朗

2006年09月22日

あといくつ寝ると〜♪***佐藤研一朗

[投稿者:佐藤研一朗]

2006年9月17日記

みなさん、こんにちはアメリカニューヨーク州はロチェスターで、世界一大きい写真展を企画している佐藤研一朗です。

あと10日でBig Picture Rochester(旧ROMAのリーガルネーム)の最初の企画の、ロチェスター写真モザイクが完成します。今日、最終の色のチェックを終えて、印刷会社に印刷スタートの号令を出したところです。金曜日には、印刷が終わり、来週の月曜日にはモザイクの貼り付け工事があり、来週の金曜日には、オープニングセレモニーそして、土曜日は、オープニングフェスティバルをやります。いよいよ、開幕が迫ってきたのに、どうも、実感が湧かずにいます。本当にあと10日寝ると、本当にその日がやってくるのでしょうか?

九月に入ってからの大きな仕事は、写真のピックアップ、モザイク作り、それからビルのオーナーであるニューヨーク州立大学ブラックポートとの最終合意だった。

最終的に、このモザイクプロジェクトに、ロチェスターから、7千枚を超す写真が集まった。内訳は、一般の参加者から約2500枚、アマチュア写真家から3500枚、市と図書館から1500枚。前回の連載で書いたように、700ドルと非常に限られた予算の中で、広告もろくにできなかったのに、目標の1万枚までは届かなかったけれど、よくここまで集まったと思う。みんなでビラまきをして、本当に走り回って、ほんとうに感慨が深い。写真を送ってくれた皆さんには、本当に感謝です。

モザイクの大きな写真はコンテストに応募された70点の中から、子供達がブランコで遊んでいる写真を選んだ。この写真を一目見たときに、この写真だなあと確信をしました。非常にポジティブで始まりにふさわしい写真だし、写真の後ろにあるストーリーがおもしろい。実はこの写真は子供が近所で撮った写真で、そこはクリセントと呼ばれる貧民層が住む、一番治安が悪い地域なのです。普通のロチェスターの人は昼間でもあんまり寄りつきたがらないような所です。

今回コンテストには、結構いい写真は集まったけど、1人の写真家として、こういうところに行って、写真を撮った人はいなかった。そんな危ない地域に美しい物があるはずがないと、無意識に思いこんでいるからだ。でも、子供はそういうステレオタイプが無いから、ただ単に近所でおもしろいと思った物を取ったのだろう。スラムにだって美しい一瞬はある。それは、多くのロチェスター人にしては、発見ではないだろうか。私にとってもそうだった。まさに、"Reveal moments of beauty in Rochester"(ロチェスターの美しい瞬間を探し出せ!) というテーマにぴったりである。

子供の写真を飾ると、きっと「アートじゃなくて、楽しい子供の写真を飾った」と批判をもらいそうなんだけど、やっぱりこの写真の裏にあるストーリーを考えると、こういう危ない地域でこんな美しい一瞬があることを人々に知らせてくれる訳で、やっぱりそれはアートかなあと思う。

私の他にも3人の審査員がいて、それぞれ違う写真を選んだのだけど、一生懸命説得して、納得してもらった。写真の選考は美術館に写真を飾るのとは違って、ただ写真がおもしろいとか、アーティスティックだというだけでは写真は選べない。パブリックアートはそこの場所にマッチしなくてはいけない。飾るビルにマッチすることは当たり前だけど、タイミング、時代、その街の政治や社会状況の考察も考えるべき対象である。もう少し言うと、アートを設置し、それを見た人や、周りに住んでいる人の行動や考え方が、どう変わるかという結果が一番大切だと私は思います。アートを使って、マスとコミュニケーションをとり、影響を与えるそれがパブリックアートだと思う。

たとえば、審査員が選んだ写真。これはビルの窓に違うビルが移り込んだ写真だ。写真としてはおもしろいけど、これは飾れない。だって、この写真に写っているビルは、2,3ブロック歩けばそこから見えるのだから。それをわざわざ飾ってもしようがない。この写真を祝う気にはなれないなあと思う。

もう一つの写真は夕焼けをバックに、家族らしき人が通りを歩いている写真である。これも自分の部屋に飾りたいようないい写真だったんだけど、どうも映画の最後のシーンのような感じで、終わってしまうという感じが強くて、一番最初に張るべき写真には思えなかった。これから始まるのであって、終わるのではないのだ。

もう一つ、ブランコの写真を選んだ理由は、ブランコをしている女の子の顔がはっきりと見えることだ。せっかく、七千枚の写真をロチェスター人々から集めたのだから、なにか感情を込めやすいものがいいと思う。そしてロチェスターのアイコンになるような写真がほしかった。やはり顔が見えないとアイコンにはならないと思う。この写真をはったらロチェスターにいいことばかり続いて、不運続きのロチェスターに舞い降りた、幸運の女神みたいになって、ロチェスターを守ってくれたらいいなと思う。(^_^)

モザイク作りは思ったよりも大変だった。やはり7000枚もの写真を扱って一枚の写真を作るだけあって、非常に時間かかかるだ。最新型のpcがなかったら、作るのはもっと大変だっただろう。このPCの金を立て替えて、クレジットカードに入れてくれたアダムにはホントに感謝以外の言葉はない。

最終的に画像の容量が1Gを超えてしまって、セーブをするだけで、5分もかかる始末。まあ、それだけじゃなくて、オリジナルの写真に手を加えて、モザイクとして成り立つように加工するのが結構な仕事だった。アートは終わりがない、完成がない仕事なんだなあと、実感したしだい。そしてそれがすごくストレスフルな仕事だとよくわかりました。

ニューヨーク州立大学ブラックポートとの最終合意は、簡単ではないけど、終わる方向で進んでいる。モザイクの設置工事をする業者の保険にブラックポートを入れるというのが、焦点で、こちらからは2ページの提案書を送っておいた。それがブラックポートの弁護士の手が入って、最終的には6ページになって返ってきた。(^_^) どうも、話をきくと、すごく細かいこと、考えられそうな自体全てを羅列して、全てその工事業者が責任を負うというようなものだったらしい。たとえば、誰かがモザイクにぶら下がって、落ちてけがをしたら、その工事業者が責任をおうというような感じだったらしい。

この最終合意を担当しているアダムが電話でぼそっと、この弁護士とやりとりをしていて、ホントに疲れたと、言ったのが印象的だった。彼はスゴイできた奴で、いつも前向きで、人の文句を言わない奴だけど、これにはすっかり参ったようだった。幸いに工事業者が、すごく理解をしてくれて、なんとか収拾の方向に行きそうだ。モザイクにぶら下がって落ちてけがをしたら、それはそいつのせいだろうと思うのだけれど、ここは訴訟社会のアメリカ。その弁護士がいうには誰もがニューヨーク州を訴えるとのことだ。まあ、だから今回は一番大変な人に当たってしまったのだろう。

恥を知ることがない世界は、まったく、大変な世の中である。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2006年09月22日 04:22
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