アメリカの製造業の終わり 近未来交通機関の現在3
アメリカの製造業の終わり 近未来交通機関の現在3
[投稿者:佐藤研一朗]
その1誰が電気自動車を殺したのか?
その2談合はアメリカにもある。ただそれはほとんど陰謀
仙台インターネットマガジンの読者の皆様、こんにちは、佐藤研一朗です。今日は近未来交通機関の現在の3回目です。前回はアメリカの自動車会社、石油会社、ブッシュ政権が談合して、電気自動車をつぶしてしまった話をしました。今回はどうしてGMが自分たちで作った電気自動車を殺したのかを考えていきます。
<前回からの引用>
1920年代のころの話だ、自動車が非常に人気になりGMはどんどん力をつけ、ますます事業を拡大していこうとしていた。GMは商売のじゃまになる路面電車の会社を片っ端から買収して、つぶしていったのだ。車のじゃまになる線路をはがし、架線を取り外し、路面電車をスクラップにしていった。そして路面電車はバスに置き換えられた。こうして公共交通機関が不便になり、ますます自動車が普及していった。
<略>
これと同じ事を今回も石油会社と組んでGMはまたやったのだ。しかしまだ謎は残る、今回殺したのは、自動車会社の敵だった路面電車でなく、自分自身で作り上げた電気自動車だった。どうしてGMはそんなことをしたんだろうか?
<引用終了>
疑問は、商売敵をつぶすのではなくて、自分自身が開発した技術をつぶして、GMはなにか得したのか? 電気自動車が普及するとなにか損をするのか?ということだ。
ポイントは、電気自動車の非常にシンプルな構造で、今ガソリン車で使っている60%くらいの部品が不必要になることだ。エンジンがないので、エンジンに燃料を送るインジェクション、エンジンの動力を伝えるトランスミッション、ガソリンタンク、排気パイプなどかいらない。バッテリーとモーターだけでこれらの部品をすべて置き換えてしまうのだ。
その上、電気自動車は減速をするときモーターを使い、受電するので、ブレーキパットの減りもすくなくてすむ。消耗品である、エンジンオイル、エアフィルター、プラグもいらなくなる。つまり、メンテナンスにお金がかからず、消費者にとっては経済的なのだ。
しかし、電気自動車が爆発的に普及すると、このような部品や消耗品の生産や、車の修理などをしている自動車会社の関連会社、下請け会社がばたばたつぶれる可能性が高い。自動車会社はそれを恐れているのだ。
しかし、将来、そんな危険があったとしても、1000億円もかけて開発した車を、どうしてそんなに簡単にやめてしまえたのか? もとを取ろうとしなかったのは、なぜだ? 実は、この開発費はクリントン政権の特別プロジェクト(Partnership for a New Generation of Vehicles)助成金1250億円から出ていたのだ。だから、GMとしては、EV1の開発をやめても、自分のお金を使っていないので、自分の腹はいたまなかったのだ。
GMは超クリーンなEV1をやめたあと、全く反対の路線へ進んでいく。ハマーという戦車のような大きい車を作っている会社を買収した。そしてSUVを売り出し大変な人気になった。タフでマッチョなアメリカ人の男なら、SUVに乗ろうみたいな感じで売り込んでいたのだ。この歩行者をひいてしまいそうな、むだにでかい車は、もちろん燃費も悪いし、街を走るようには作られていない。しかし車体が大きいので値段が高く、利益率が非常によかったそうだ。
SUV人気でうはうは言っていたのもつかの間、ここ数年の原油高騰により、燃費の悪いSUVは一気に売れなくなっていた。アメリカの都市は郊外化していてだだっ広く、結構な距離を多くの人が車で毎日通勤している。だから、ガソリンの値段が上がると、家計に直撃するのだ。日本のように電車やバスが発達していない上に、公共交通には貧乏人が乗るものだという偏見があるのに、簡単に車通勤をやめるわけにも行かないのだ。
今回はガソリンが二年前の二倍くらいになったので、自然と燃費のいい日本車や韓国車が人気になっていった。とくにハイブリッド車は火がついたように販売台数を伸ばしいている。トヨタのプリウスは順番を待たないと買えないくらいだ。
今回の原油価格高騰で、日本の自動車会社は、環境に優しいというブランドを完全に確立しように見える。もうだれも、日本車が売れすぎて、GMの車が売れないと文句をいうアメリカ人はいない。GMの車が燃費が悪いことをよく知っているからだ。
GMは、EV1をつづけていれば、環境意識が高まる今、環境リーダーとして業界を引っ張っていけたかもしれない。まったくGMが失ったもの大きい。ビックビジネスチャンスだけでなくて、社会的な信用である。環境に責任を持とうとしていないと烙印を押されたのだ。これは致命的である。
短期的な利益だけを考えて、環境問題を気にせず、電気自動車を殺し、燃費のわるいSUVを大量に売り込んだGMは、結局、SUV戦略でずっこけて、業績不振に陥り、今にもつぶれそうな気配だ。日産に買収を打診されるなど、ひどい落ちぶれ模様だ。「GMにとっていいことは、アメリカにとっていいことだ。」といわれていた時代はもうもどってこないだろう。
自分たちで作った技術を自分たちでつぶしまう、親の子殺しみたいなことをやったのだから自業自得である。それにしたって悲しい話だ。自分たちがもっているいい技術も売っていけない、まさに、アメリカの製造業の終わりを象徴しているそんな話である。
参考文書
Who killed the electric car? のプレスキッド
http://www.sonyclassics.com/whokilledtheelectriccar
「スーパー電気自動車」が温暖化を防ぎ、日本経済を救う 船瀬俊介
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/d/02/
Silicon Valley NOW 夏来 潤
http://www.intellisync.co.jp/svnow/svnow20060629.html
その1誰が電気自動車を殺したのか?
その2談合はアメリカにもある。ただそれはほとんど陰謀
|
最新の記事がアップロードされると、ブラウザに自動的にお知らせします。
|
|---|
仙台インターネットラジオ局
|
|---|
このエントリーのトラックバックURL : http://www.im-sendai.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/467
-
日本は独立を目指すべきだ
誕生日 二つの革命
頑張れ 河村たかし! 総理を狙う男
民主党はマスゴミ解体を目指すべきだ
文部省を解体せよ!
民主党二段階右折のすすめ <完全版>
民主党、二段階右折のすすめ
どのように日本を再生していくか
歴史的な選挙を前に
選挙期間中、北朝鮮になる日本
私が市長選挙に立候補したら
ニュースピックアップ・仙台市長選挙 2009
マスメディアの没落 その時ネットは
老化していく日本
大麻、ギャング、街づくり(その3)
大麻、ギャング、街づくり(その2)
大麻、ギャング、街づくり(その1)
ピーク後の世界を生き残る方法
ピークオイルを乗り越えるために~戦略的低エネルギーという選択肢~
仙台市だけは例外です。
何を食べればいいのか?
終わるべきことは終わらなくてはならない
アメリカの覇権崩壊とピークオイル
安くて大量にある石油の終わり
ピークオイルについて考えてみよう
「年寄りは死ね」というメッセージ 平成の奴隷解放2
平成の奴隷解放
減税してすいません。
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その2
国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その1
ローテクの逆襲 自転車の可能性
ケヤキ伐採が、28、29日に行われます。
仙台ブランドを高めよう。 仙台にぴったりな交通機関は?
仙台のシンボルを切り倒す日 ケヤキと地下鉄東西線について
2008年はエネルギー革命がおきるのではないか。
水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4
アメリカの製造業の終わり 近未来交通機関の現在3
談合はアメリカにもある。ただそれはほとんど陰謀 近未来交通機関の現在2
誰が電気自動車を殺したのか? 近未来交通機関の現在1
日本の911
最後に郵政民営化をもう一度考えてみる。
郵政民営化法案を考える
仙台 良識派みんなの意見箱
地下鉄東西線建設反対派に告ぐ
平気でうそをつく政治家、真実をつたえないマスコミ、ほんとのことを知ろうとしない、しらけた一般ピーポー 河北新報と地方ジャーナリズムの不在5
東西線の差し止め訴訟 河北新報と地方ジャーナリズムの不在4
なにが、マニフェスト型選挙だ 河北新報と地方ジャーナリズムの不在3
談合を非難する物たちの談合 河北新報と地方ジャーナリズムの不在2
河北新報と地方ジャーナリズムの不在1
車社会の行き着いた先で考えたこと
仙台をLRT特区に、あおば通を歩行者と自転車のトランジットモールに
みんなの支持をうけながらLRTを導入する方法 地下鉄東西線の代替案
LRTってなんだ。 地下鉄東西線の代替案
1円も借金をせずに、いまある貯金で交通網の整備を 東西線を考える2
東西線を考える1 地下鉄東西線は建設すべきでない
付加価値、あらたな収入源 南北線の赤字解消策はあるか?3
地下鉄とバスの運賃を200円均一化、乗り換えを無料に 南北線の赤字解消策はあるか?2
南北線の赤字解消策はあるか?1 局長クラスを契約制に
地下鉄南北線を採点する2 累計1090億円の赤字の意味
地下鉄南北線を採点する1 地下鉄南北線は何点?
公共事業について考える4 計画とマネージメントの大切さ
公共事業について考える3 無駄な公共事業とはなにか
公共事業について考える2 公共事業=インフラ整備
公共事業について考える1 公共事業という悪い言葉
- 2010年03月
- 2010年02月
- 2010年01月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年09月
- 2009年08月
- 2009年07月
- 2009年06月
- 2009年05月
- 2009年04月
- 2009年03月
- 2009年02月
- 2009年01月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年09月
- 2008年08月
- 2008年07月
- 2008年06月
- 2008年05月
- 2008年04月
- 2008年03月
- 2008年02月
- 2008年01月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年09月
- 2007年06月
- 2007年05月
- 2007年04月
- 2007年03月
- 2007年02月
- 2007年01月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年09月
- 2006年08月
- 2006年06月
- 2006年05月
- 2006年04月
- 2006年03月
- 2006年02月
- 2006年01月
- 2005年12月
- 2005年10月
- 2005年09月
- 2005年08月
- 2005年07月
- 2005年06月
- 2005年05月
- 2005年04月
- 2005年03月
- 2005年02月
- 2005年01月
- 2004年12月
- 2004年11月
- 2004年10月
- 2004年07月
- 2004年06月
- 2004年04月
- 2004年03月
- 2004年02月
- 2004年01月
- 2003年12月
- 2003年11月
- 2003年10月
- 2003年09月
- 2003年08月
- 2003年07月
- 2003年06月
- 2003年05月
- 2002年04月
- 2002年02月
- 2001年11月
- 2001年07月
- 2001年06月
- 2001年05月
- 2001年02月
- 2000年12月
- 2000年11月
- 2000年10月
- 2000年09月
- 2000年08月
- 2000年07月
- 2000年06月
- 2000年05月

