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2007年06月 アーカイブ

2007年06月04日

笑顔になれる場所





また二ヶ月も経ってしまった。どうも水に潜っているような二ヶ月でした。ここ二ヶ月でやってきたことは、夏に向けての展覧会の準備。それから、個人的なビザや、学校へのアプライ。



今は、展覧会に向けて、知り合いのビルのオーナーや、お店を回ってスポンサーと、ビルの壁を使わせてもらう許可をもらいに走り回っています。直接、人にあってそこでフィードバックがわかるのが、やはりうれしい。自分は結構こういう、営業が好きだなあと思う。



先週は、第一回目の写真撮影があって、ニューヨークから文香さんという写真家にきてもらって、撮影をした。それはなかなか大変だったが、いいものが撮ってもらえたと思う。(文香さんのホームページ



最初は、ロチェスターの市内と、郊外にいって、写真をとってそれを隣同士に飾る展覧会にしようとおもっていた。お互いに人間じゃないかって感じで。



でも、実際に、ドラックディーラーがうろうろ歩いている市内のスラムと、アメリカで屈指のカントリークラブ(ゴルフ場)がある金持ちばかりの郊外を回って見ると、その格差にめまいがしてしまって、その違いばかりが目に付き、とてもじゃないが、この企画にあう写真を一週間でとれそうもないことがわかった。



貧乏なマイノリティーが一杯住んでいて危険な市内と、金持ちの白人ばかり住んでいる郊外という構造が露骨に現れてしまって、どうにもならない。ジャーナリスティックな展覧会ならそれでもいいけど、撮った写真をその街に飾るんだから、これではどうにもならない。





ロチェスターは悪いところが山のようにある。たとえば、数字になることだけでも、主産業などの衰退で、職を失った人の数が、アメリカの都市でNo3。貧困状態でくらしている子供の割合がニューヨークNO.1。 高校生の退学率がニューヨークNO.1。殺人発生率がニューヨークNO1.(2005)まあ、このように、指摘しようと思えばいくらでもできる。経済的な格差や人々の隔離が、問題をますます悪くしているのだ。



一つわかったことは、だから、問題にフォーカスが当たると、もうやっぱり気が滅入って、ロチェスターに希望を見いだせなくなってしまうってことだ。絶望ってやつだ。きっと撮る方や、展覧会を作っている側がそうなのだから、見る側はもっとそうなるだろう。それではちょっとこの企画の趣旨にはあわないのだ。この街を盛り上げるのがこの企画の目標なのだから。





そこで、方向を変えて、問題を指摘するのをやめて、いい部分に焦点をあてることにした。人間でも、街にでも、希望ってものが必要なんだ。どんなに酷い状態にあっても、希望があれば生きていけるのだ。希望こそが、自分たちより強い流れにあらがって、世の中を変える原動力である。



ロチェスターのダウンタウンの近くにパブリックマーケットと呼ばれる、市の公設市場がある。ここは自分のロチェスターで一番気に入っている場所だ。ロチェスター各地から、新鮮な野菜などの買いに多くの人が訪れる。人種も国籍も入り乱れている人混みを、かき分けながら、人々は買い物を楽しむ。自分はパブリックマーケットが大好きだ。「人混み」「人種や国籍のミックス」「笑顔」どれもがロチェスターにかけているものだ。あんまり治安がいい近所にあるわけではないのに、人々は心からリラックスをしていい顔をしている。それを撮ろうってことになった。やっぱり、いい写真がとれた。旅人の視点で撮ってもらったのもよかったんだろう。人間何度も見ていると見えなくなる風景がある。文香さんには一週間も滞在して写真をとってもらえて本当によかった。きっと展覧会ができるだろう。





今回、いろいろとロチェスターを改めて回って思ったことは、土地には、人の行動や気分に影響を与える大きな力を持っているといことだ。この世界一大きい写真展を進めていって、ダウンタウンをパブリックマーケットのように、人々が心から安心して楽しんで、笑顔になれる場にできたらいいなあと思う。そしてそれが自分が作っているアートなんだと思う。



ps. 個人的な話



学校に三校とも合格しました。隣町のシラキュース、ブラックポート、それからバッファロー。それはいいんだけど、授業料はどうやって工面したらいいんだろうかね。。。「Money doesn't grow on trees.」とはいっても、自分がバイトをして払える金額ではないのは確か。学生ローンでも組むかなあ。



アーティストビザの申請をしました。結局時間ぎりぎりになって、慌てながらポートフォリオを作ることになったけれど、いままで自分がやってきたことをまとめて振り返ることができたのは、いい経験だったと思う。



どうも、自分はこういう、大学やビザにアプライするような人生の分かれ道みたいな所に立たされると、いろんな事を考えてしまって、ナーバスになってしまう。それでぎりぎりまで追い込まれないと、作業に手が着かなかったりする。いろいろな可能性を考えて、用意周到に、どのようになってもいいように準備をする、そういうことが全然できない。



ビザは、一端申請すると、半年くらい審査に時間がかかるようで、まあ、結果はどうであれ、今年中はアメリカにいることができそうだ。受かっても落ちても後悔がないように楽しく、充実した時間にしたい。

写真撮影 Ayaka May

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