国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その2

2008年02月26日

国を小さくすることが、地方分権の第一歩 その2

[投稿者:佐藤研一朗]

前回に引き続き、地方分権の話をすこし。

<宮崎毎日新聞より引用開始>
分権改革
2008年02月02日

地方が元気になるためにこそ

 都市―地方間格差がクローズアップされるにつれ、地方分権改革の機運も鈍くなりがちだ。

 三位一体改革による地方財政の逼迫ひっぱくが予想以上に大きく、分権・自立への掛け声も次第に小さくなっている。

 全国知事会退潮の影響も大きい。改革派と呼ばれた知事が相次いで引退。焦点の道路特定財源問題に見られるように、疲弊した地方は国の意向に逆らえない状況に追い込まれている。

 その分、新しく登場した本県の東国原知事らに期待がかかるが、既得権を死守する各省庁の壁は厚い。

 だが、地方が活力を取り戻すには分権改革が不可欠だ。今年を地方改革による「元気回復元年」にできないか。

二重行政解消が課題

 今年は「第二期地方分権改革」の成果が試される重要な年になる。
 改革論議の中心になっている地方分権改革推進委員会が政府に対し、国と地方の役割分担などで相次いで勧告することになっているためだ。

 既得権を手放したくない各省庁が勧告を骨抜きにしようとするのは目に見えている。勧告を実りあるものにするためには、福田康夫首相と各閣僚の強力な政治指導力が何より必要だ。

 昨年4月に発足した分権改革委員会は、勧告に向けた基本方針を盛り込んだ中間報告を昨年11月にまとめた。勧告の柱は3つある。

 1つは、地方の仕事の手順、判断基準に国が法令で細かく定めている「義務付け・枠付け」を取り払い、地方の裁量を大幅に拡大することだ。

 2つ目は、国の出先機関を廃止・縮小し、道路や河川の管理など都道府県との二重行政を解消すること。

 3つ目は補助金を廃止し、地方が必要な事業にお金を使えるようにする地方税財政改革である。

問われる首相指導力

 これにより国は環境、少子化対策などの国家的事業に専念、地方との役割分担がより明確になる。

 地方は自立した「地方政府」に踏み出すことができるという筋書きだ。
 同委員会は、義務付け・枠付けと地方出先機関の抜本改革案を中心に6月ごろから順次勧告する。

 増田寛也総務相は、勧告を受けて政府がつくる「新分権一括法」を来年秋の臨時国会に提出する方針だ。

 法案化作業などから逆算すると、勧告の時期は来年春あたりで、今年が勝負ということになる。

 既に同委員会から各省庁に、住民サービスの手続きや判断に当たって「…しなければならない」などと地方を義務付けている全条項を点検。廃止の意向を聞く調査票が送られている。

 全国知事会などが二重行政だと批判している地方出先機関の廃止・縮小についての照会なども含め、省庁に今年3月までに回答を求める方針だ。

 法律で地方を縛り、地方出先機関で予算と人員を動かしている各省庁がすんなり応じるはずがないのは、先の三位一体改革でも明らかだ。

 そこにこそ、福田首相や閣僚らの指導力が求められる。地方の期待を裏切れば支持を失い、政権が危うくなることを覚悟すべきだ。

 政府は2008年度予算案に「地方再生対策費」を盛り込むなど、地方対策に本腰を入れる姿勢ではいる。

 ただ補助金頼みでは地方は元気にはなれない。改革の成否の鍵を握る地方にも覚悟が求められるのは当然だ。

<宮崎毎日新聞より引用終了>

佐藤研一朗のコメント
 
 環境、少子化対が国家的事業なのかどうなのかは別にして、この記事はなかなかいいところを着いていると思う。 複雑でもうわけがわからなくなっているような法律軍を廃止して、地方に好きにやらせること(どぶろくくらいすきに作らせろということ)、国の地方への出先機関をなくすこと、それから地方の独自財源を確保すること。つまり、国に分捕られている部分のお金を、地方で集められるようにすること、この三つだけで、相当国は小さくなるだろう。やはり国を小さくすることが地方分権の第一歩なのだ。


<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用開始>
三位一体の改革

三位一体の改革(さんみいったいのかいかく)は、日本において国と地方公共団体に関する行財政システムに関する3つの改革、すなわち(1)国庫補助負担金の廃止・縮減、(2)税財源の移譲、(3)地方交付税の一体的な見直し、をいう。「三位一体改革」とも。なお、「三位一体」はもともとキリスト教の教義にもとづくものであるが、それとは関係がない。
目次
[非表示]

* 1 経緯
o 1.1 主な沿革
o 1.2 2006年までに決まったこと
o 1.3 2006年以降
* 2 評価
* 3 関連項目

[編集] 経緯

三位一体の改革は、2001年に成立した小泉純一郎内閣における聖域なき構造改革の「目玉」として、「地方に出来る事は地方に、民間に出来る事は民間に」という小さな政府論を具現化する政策として推進されているものである。

2002年(平成14年)6月の「骨太の方針2002」で方針が決まった。公式文書としては2004年11月26日の政府・与党合意「三位一体の改革について」が初出とされる。

2004年度はこの改革によって、国庫支出金が1兆300億円、地方交付税が2 兆9000億円、それぞれ削減され、6600億円の税源移譲が行われた。税源移譲額よりも補助金削減額のほうが大きいため、地方自治体からは税源移譲が不十分だとの意見もあがった。加えて、地方交付税と財源対策債とを合わせて約2兆9000億円が削減された(削減率12%)。このため2004年度の予算が組めず、基金の取り崩しや管理職の給与カット等でしのいだ地方自治体もあった。

このような経緯で地方の改革への不信感が募ってきたため、「骨太の方針2004」で3兆円規模の税源移譲を明記した。これに合わせて補助金削減が検討された。

[編集] 主な沿革

* 2002年(平成14年)6月 「骨太の方針2002」
* 2004年6月 骨太の方針で3兆円の税源移譲をすると決定
* 2004年11月 政府・与党が2.4兆円分の税源移譲に合意
* 2005年11月 政府・与党が0.6兆円分の税源移譲に合意

[編集] 2006年までに決まったこと

2004~2006年度(当初予算)における全体像

* 国庫補助負担金改革  約4.7兆円
* 地方交付税改革(地方交付税及び臨時財源対策債)   約5.1兆円
* 税源移譲       約3兆円

2006年度税制改正で所得税から個人住民税への税源移譲を実施。(2007年分所得税、2007年度分個人住民税から、個人住民税所得割を一律10%に(都道府県4%、市区町村6%)
ちなみに、本来は所得税減税を1年先行させる必要があるのに個人住民税の税制改正と同年に改正した結果、2006年の収入については旧所得税率と新住民税率が適用された。そのため、課税所得約1500万円以下の者にとっては1年分だけ増税され、それより高所得の者は1年分だけ減税になるという現象が生じた。税源移譲約3兆円とは、中・低所得層が高所得層の減税分を肩代わりした金額が約3兆円ということになる。

上記のように、一応の決着をみたとされる2006年現在において、増減の差引の不均衡は大きく、特に交付税改革は地方にとっては「予定外」ということになる。このため地方では危機感が強い。

[編集] 2006年以降

積み残しになった課題は多い。

特に、交付税については改革が不十分との意見も根強く、「新型交付税」構想も表明されている。ただ、交付税のこれ以上の削減では「地方が持たない」との意見も政界では多く、「骨太の方針2006」では交付税の抑制の盛り込みは見送られた。

[編集] 評価

* 地方分権の立場からの批判

地方分権をより推進していくための改革とすとれば、全く不十分との批判がある。
三位一体改革の検討過程においては財務省が推進しようとする国の財政再建の論理のみが先行し、地方分権の推進の意思が感じられないとの批判がある。(例えば、神野直彦教授の主張)
要するに財政改革なのか分権改革なのかという「そもそも論」である。

* 進め方における新たな傾向

進め方においては、いくつかの特徴がみられた。
議論をオープンにしたことは大きい。経済財政諮問会議の場で議論を進め、各メンバーがそれぞれの応援団を使って資料を用意し、主張を戦わせた。議事は公開され、またマスコミも積極的にこれを報道し、解説記事でフォローした。
また、国庫補助金の問題については、地方六団体側にボールを投げ返した。これでかなり混乱した面は否めず、地方も単に「税源を与えよ」と叫ぶだけではない理論武装を迫られた。ただし、その議論の収束にはかなりの調整を要した。国庫補助負担金改革では、どの項目を対象とするかで大激論があった。特に、「義務教育費国庫負担」が焦点になった。

* 官僚の抵抗が明らかになった

もともと権限を手放したくない省庁・官僚は国庫補助金削減には消極的であることは十分想定されていた。しかし、その抵抗ぶりが明らかになり、しかもそれが報道されることによって、国民の目にふれることになった。

* 税源の偏在から生じる不協和音

税源移譲をめぐり、地方交付税の不交付団体である東京都と、総務省及び交付団体である他の道府県が委譲分をめぐる対立を起こすなど、都市と地方間の対立を煽る様相をみせているという側面もある。但し、三位一体改革の進める税源移譲は、予算の移譲ではなく、課税権の移譲である。即ち、税源移譲そのものが地方経済を潤すのではなく、さらなる課税権を手にした地方公共団体が地方経済を活性化し、如何なる租税をかけるかが三位一体改革の本来的な課題である。

特に法律に定められた税金、法定外税の課税をも可能にするこの改革をもってしても、住民の理解が得られる課税でなければ、住民が流出し、改革の目的である地方の自立は達せられない。その意味でも、今後における三位一体改革の流れに対応する地方の施策が注目されるところである。
<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用終了>

佐藤研一朗のコメント

 どうも小泉首相が進めていた三位一体の改革は、国が地方に金を払うのを減らして地方の弱体化を進めただけのようだ。四兆円以上の地方への補助金、地方交付税が削減されたのに、国から地方に税制移譲はたったの6000億円だった。残りの国に余った三兆円以上のお金はいったい何に使われたのか?
国債の返還に当てられただけなのか?だとすれば、地方が国の借金の肩代わりをしていることになる。まったく持っておかしな話だ。本当なら地方に全額回すか、減税をするべきなのだ。地方分権の掛け声とともにまったく反対のことが起きていたということなのだ。

 以下のサイトによれば
「地方交付税は、所得税・法人税・酒税の32%、消費税の29.5%、たばこ税の25%が毎年自動的に地方に与えられるしくみになっています。」とのことだ。だから、その地域で上がった分をそのままそっくり地方に戻すべき、というか、地方がその分を徴税できるようにするべきなのだ。そしてその地域が減税をしたければすればいいし、それを財源にしてもいいはずである。

All About Japan 三位一体改革の基礎知識


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投稿者 佐藤研一朗 : 2008年02月26日 10:01
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