世界大恐慌への大疾走

2008年02月19日

世界大恐慌への大疾走

[投稿者:佐藤研一朗]

世界は大恐慌に向けて大疾走中です。おきていることが速すぎて、ついていくのがやっとといったところですが、記事をまとめて、勉強してみました。日本で起きたバブル崩壊よりも、数倍早い速度で物事が進行しているようです。


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<2008/9/16追記>佐藤研一朗
ラジオで取り上げた過去のアメリカ経済関連の記事をこちらにあげておきます。
2007/9/17
アメリカの経済はやばい!?「サブプライムローンについて」
2007年11月06日
ロン・ポール革命 4 -Ron Paul Revolution4 お金と経済の話-この世で一番の金持ちはお金を作る権利を持っている人
2008年02月19日
世界大恐慌への大疾走
2008年03月03日
もうお金は借りられません!
2008年07月28日
一日で借金を600兆円増やす。 ファニーメイとフレディマック
2008年08月12日
アメリカの覇権崩壊とピークオイル
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参考ビデオ
私たちはもっと、お金のことを勉強しなくてはいけない。お金ってなんだ?
Money_As_Debt
お金は借金から出来ているという話。

いつものように参考文章の引用

佐藤研一朗のコメント:

 長い間副島氏が唱えていたアメリカ発の世界大恐慌がついに現実になりつつある。氏の実績は大いに評価されるものであるはずだ。

<副島隆彦学問道場より引用開始>
「76」 「サブプライム危機から世界恐慌へ」(13) 2008.2.14
副島隆彦です。2008年2月14日です。さらに載せます。
いよいよ大恐慌への突入の様相を呈してきました。もう誰も、子の大きな動きに反論を唱える(「景気は再び力強く回復するだろう」などと書くこと)者はいなくなりました。

米ドルとNY株式と米国債の3つを大暴落させる動きに、世界は動いています。アメリカ内部でも、ここまで来たら、もうドルを防衛(ドル安阻止)する気などなくなって、どこまででもドルが下がっても構わない、という感じになってきました。

アメリカ国民の暮らしさえ守れればいいのであって、ほかの外国のことなど知ったことではない、という動きになってゆくでしょう。それで、どれだけでも米国内に金融を緩和(ドルを撒き散らす)して、それで、財政出動(減税と福祉策と住宅差し押さえの停止のための国家財政資金の大盤振る舞い)も加えて、それで、国内を守ろうとする。

 今のところは、まだ米国債(10年もの、長期)が買われていて、米国債に向かって、資金が逃避している。だから、中古の米国債が買われるので、利回り(長期金利)が、年率3.6%にまで下がっている。だから、いくらアメリカ国内が、石油の値上がりによるインフレ懸念があっても、金利が上がらないので、まだ、大丈夫だ。

 しかし、この動きが止まって、米国債さえ安全でないのだ、という雰囲気に変わってゆくと、アメリカ国内から、資金が逃げてゆく。おそらくユーロに逃げるだろう。日本円(日本株式、日本国債)に、各国の資金が密かに逃げ込んできている
という情報がある。 日本経済の足腰は強い。そのことを新興国も知っている。中国、イラン、ロシアの政府が、ひそかに日本株と日本国債を買っている。

 しかし、その一方で、3月末決算で、銀行が、サブプライムを組み込んだ証券を買っていることが、隠しおおせなくなって、決算書から判明する事態が襲い掛かってくるだろう。それが、次の株式の暴落を引き起こすだろう。

1月22日に、FRBは、0.75%の緊急のFFレートの利下げを決定した。その数日後に、さらに0.5%を下げた。それで、今は、FFレート(アメリカの政策誘導金利)は、年率35になった。これを2%にまで下げても、もう、金利政策(記入政策の一種)では、どうにもならない、という段階に来た。あとは、まさしく、”ヘリコプター”・ベンだろう。

アメリカは、すでに公式=学問的にも、景気後退(リセッション、recession、不景気)に突入した。  副島隆彦記
つづきはこちらから
<副島隆彦学問道場より引用開始>


佐藤研一朗のコメント:

 クレジットカードに頼り切って暮らしているアメリカ人がついにクレジットカードを持つことが出来なくなる。これはものすごい話だ。アメリカ人にとってのATMだった住宅ローンがもうつかえなくなり、それから、このクレジットカード危機によって、アメリカ人個人は、お金がどんどん借りれなくなるだろう。

 やはりこのながれが、個人、企業、地方自治体、そして最終的には、国家まで行き着いて、アメリカンドル紙切れ体制がおわるということだ。

<日経ビジネスオンラインより引用開始>
不気味に迫るクレジットカード危機
個人消費を支えてきたカード業界にサブプライムが波及
* 2008年2月18日 月曜日

Mara Der Hovanesian (BusinessWeek誌、金融担当エディター)Christopher Palmeri (BusinessWeek誌、ロサンゼルス支局上級特派員)Nanette Byrnes (BusinessWeek誌、ニューヨーク編集委員)Jessica Silver-Greenberg、Emily Thornton (ニューヨーク)
米国時間2008年2月7日更新 「Over the Limit」

 昨年女の子が誕生してから、フィッツジェラルド家の出費はかさみ、家計が苦しくなった。そこでバーテンダーのジョンさんと妻のアデラ・ウチダさん(地元テレビ局のキャスター)は日用品や自宅(ミシガン州ランシングにあり寝室は2部屋)の固定資産税などの支払いに、時々クレジットカードを使うようになった。

 だが、それも過去の話だという。カードの1枚は金利が17%から25%に上昇し、別のカードは利用限度額が1万3000ドルから2000ドルに引き下げられたのだ。今は現金で払うしかない。急ぎの出費が発生したらどうしようと不安が募る。「ここの景気は良くない。もし私か妻の身に何かあったら、ローンはいつまでたっても払い終わらないだろう」(ジョンさん)。

滞納が急増し、クレジットカード業界に危機感

 昨夏に住宅ローンから始まった信用収縮は今、米国のもう1つの巨大融資市場であるクレジットカード業界にまで広まっている。銀行がフィッツジェラルド夫妻のような消費者へ融資した額は7400億ドルに上り、過去5年間で15%増加した。景気が減速している中、カードで借りたお金を返せないケースは増えている。その傾向は住宅バブルの崩壊で打撃を受けた州で特に顕著である。

 カードによる被害は広がる一方だ。米シティグループ(C)の米国カード部門の2007年第4四半期の利益は前期比で53%減少した。米JPモルガン・チェース(JPM)の決算報告によれば、2007年第4四半期のクレジットカードの貸倒引当金は前年同期比で40%増の18億ドルだった。優良顧客の多い米アメリカン・エキスプレス(AXP)でも貸倒引当金は同70%増の15億ドルに上り、富裕層も財政難に陥っているかもしれないことが読み取れる。

 「どこまで悪くなるのか、毎日気になって仕方ない」と米クレジットカード大手のキャピタル・ワン・フィナンシャル(COF)のリチャード・D・フェアバンクCEO(最高経営責任者)は1月23日、アナリストに語った。20億ドル近くの貸倒引当金は十分ではないかもしれないと認めている。「結局のところ、誰にも分からないんだ」(フェアバンク氏)。

 銀行やクレジットカード会社は利用限度額を引き下げ、金利を上げ、新規の申し込みを断っている。損失拡大を防ぐための幅広い引き締めの一環である。

 その結果、金銭的に苦しい消費者の選択肢はほとんどなくなってしまった。住宅所有者は、自宅のエクイティ(総資産額)を担保に借り入れを増やして支払いに充てていたが、もはや、それができなくなっている。破産法が2005年の改正で厳しくなったため、別の逃げ道もほぼ閉ざされた。

 にっちもさっちもいかなくなった一部の借り手は、より危険な方法に手を出している。年金や保険を取り崩したり、ペイデーローン業者や質屋などの高金利の貸し手から借金したりするようになったのだ。

つづきはこちらから
<日経ビジネスオンラインより引用終了>


コメント:サブプライムでやられて、取り付け騒ぎのようなことまで起こしたノーザンロックが、ついに国有化されることに、これからアメリカの銀行も整理統合されていくことだろう。
<河北新報より引用開始>
英、ノーザン銀を国有化 サブプライムで危機に
ノーザン・ロックの支店前で列をつくる顧客=07年9月(ロイター=共同)
 【ロンドン17日共同】英政府は17日、米サブプライム住宅ローン問題の影響で経営危機に陥った中堅銀行ノーザン・ロックを一時国有化すると発表した。英メディアによると財政投入などで約550億ポンド(約11兆6000億円)が必要となる見通し。将来、市場売却などで回収できない場合、国民負担となるが、金融市場の混乱拡大回避を最優先した。
 同問題による金融機関の経営危機で、中東などの政府系ファンドから増資を受け入れるケースはあったが、国有化は初めて。
 ノーザン・ロックは、サブプライム問題の影響で市場から資金調達ができなくなり、昨年9月に経営危機が表面化。取り付け騒ぎが世界的に報道され、英国の金融危機の象徴的存在となっていた。
 同行について政府は、民間企業による救済買収を目指していた。
2008年02月18日月曜日

<河北新報より引用終了>


佐藤研一朗によるコメント:

 モノライン保険会社というのは、債権自体を保障する会社のようだ。通常、信用力の高い債権を保障しているので、自分の会社も高い格付けをされている。この保険を使うことによって信用力の低い会社なども、債権を低金利で借りられるということではないだろうか。

 もともとは、信用力の高い証券だけをとりあつかっていたのだが、どうもここがサブプライムにお手を出していて、損失を出して、大きく信用力を下げて、格付けを下げられるということらしい。このことによって、企業や、地方自治体などが、お金を借りるときに、高い金利を払わなくてはいけないことになるということだ。ラジオでも、いったとおり、地方も、企業も、簡単にお金が借りれない状態になる。

<FujiSankei Business i.より引用開始>
世界同時株安 モノラインも火種に 信用低下 邦銀、損保にも影響
FujiSankei Business i. 2008/1/23  TrackBack( 0 )

記者会見する全銀協の奥会長=22日、東京・丸の内の銀行会館
記者会見する全銀協の奥会長=22日、東京・丸の内の銀行会館

 米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題に端を発した世界同時株安など金融市場の混乱が拡大している。その一因として浮上してきたのが、サブプライム関連の証券化商品の信用を裏付けてきた「モノライン」と呼ばれる米金融保証会社自体の信用力の低下だ。モノラインの格下げで証券化商品市場などがさらなるダメージを受ける恐れが大きくなり、投資家の弱気を誘っている。日本の金融機関もモノラインの保証を受けた証券化商品を保有するなど、無縁でなく影響が懸念される。(本田誠、三塚聖平)

 ≪格下げで市場に疑心≫

 モノラインは証券化商品などの発行者から保証料を受け取り、証券化商品に組み込まれた住宅ローンなどの借り手が債務不履行(デフォルト)に陥った際に元利払いを肩代わりする。こうした保証業務への信用を支えてきたのが、格付け会社によるモノラインへの高い格付けだ。

 モノラインはサブプライムローンを集めた証券化商品も保証対象としてきた。サブプライムローンはもともと、信用力が低い借り手を対象としているが、高格付けのモノラインが保証していたため、関連商品の格付けも上がり、市場が活性化してきた経緯がある。

 だが、サブプライムローンの債務不履行が増加して、モノラインの元利払い肩代わりの負担も増加。加えて、モノラインは保証料を証券化商品などへの投資に回していたことから、市場の混乱による証券化商品の価格下落で投資業務でも損失が拡大し、業績が急速に悪化した。

 このため、米格付け大手のフィッチ・レーティングスは18日、米国の4大モノラインの1社とされる「アムバック・フィナンシャルグループ」の格付けを最も高いトリプルAからシングルAに2段階引き下げた。予定していた資本増強策を撤回したことが直接の引き金だ。

 モノラインの格下げは保証対象の証券化商品の格下げにもつながる。そうなれば、金融機関は、保有する証券化商品の評価額を切り下げる必要がある。実際、メリルリンチは10~12月期決算で、モノラインの格下げ観測が強まる中、関連損失を31億ドル計上した。

 今後、他の格付け大手でもモノライン格下げの動きが続く見通しで、金融機関の追加損失計上も広がる可能性が大きい。

 ≪損保にも支払い義務≫

 日本の金融機関にとってもモノラインの信用力低下は「対岸の火事」ではない。

 全国銀行協会の奥正之会長(三井住友銀行頭取)は22日の定例記者会見で「米国で商売をしていれば、モノラインの保証を受けないことはない」と指摘。「格下げの影響を精査していく必要がある」と強調した。

 モノラインと同様に、証券化商品の保証業務を手掛ける損害保険ジャパンも11日に最大3億ドル(約340億円)の保険金支払いが必要になると発表。東京海上日動火災保険や三井住友海上火災保険もモノラインが引き受けた保証のリスクを小分けにして再保険の形で受けており、影響が及ぶ可能性がある。

 金融庁もモノラインと国内金融機関の契約関係などの聞き取り調査に乗り出しているが、モノラインを火種とする市場の波乱が国内にどこまで波及するかは現時点で不透明だ。

                   ◇

【用語解説】モノライン

 有価証券の発行者から保証料を受け取り、債務不履行(デフォルト)の際に元利払いを肩代わりする保険会社の一種。保証は金融商品に限定しているため、「単一の事業」を意味するモノラインと呼ばれる。もともとは地方債の保証が中心だったが、1980年代に証券化商品まで保証対象を広げた。米地方債の約5割、証券化商品の約2割の保証を手掛けるとされる。

<FujiSankei Business i.より引用終了>


佐藤研一朗のコメント:
 
 先ほど書いたように、企業がお金を借りられないという状態がもうすでにおきはじている。NJ湾岸当局(ポートオーソリティー)はなんと20%の金入りを払ってお金をかりいれたようだ。クレジットカード並みの金利である。

<読売新聞より引用開始>
モノラインショック米で拡大

金利上昇で カーネギーホールなど資金調達に苦戦

モノライン問題の余波で、金利上昇に苦しむニューヨーク市のカーネギーホール(上)とメトロポリタン美術館(下)(山本正実撮影)
 【ニューヨーク=山本正実】「モノライン」と呼ばれる米金融保証会社の信用力が低下した余波で、米金融市場で新たな混乱が起こり、地方債を発行する米地方自治体などが調達資金の金利上昇に苦しんでいる。通常の約4倍の利払いを約束させられた港湾当局や、音楽の殿堂カーネギーホールなど文化施設も「被害」を受けている。

 一方、ニューヨークとニュージャージー両州を結ぶ交通機関などを運営する港湾当局は12日の資金調達で、お金の出し手がなかなか見つからず前週の約5倍の年20%の金利を支払う破格の約束で何とか手当てした。8万ドルだった利払い費は39万ドルに跳ね上がった。

 ニューヨーク市にあるカーネギーホールは「年3・25%だった調達金利が3・42%に上昇した」(広報部)という。同市のメトロポリタン美術館も年15%という高い金利を支払った。両機関とも「他の調達手段もあり、影響は少ない」(同美術館)などと話しており、すぐに深刻な影響は出ないとみられるが、金融市場の混乱が長引けば、調達費用の負担が重くなりかねない。

 混乱が起きたのは、地方自治体などが活用する「金利入札証券(ARS)」という市場規模約3300億ドル(約36兆円)の地方債の市場だ。ARSの元利払いを保証していたモノライン大手各社の信用力が、米低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で低下したため「投資家が市場に寄りつかなくなった」(ドイツ銀行)とみられる。
(2008年2月18日 読売新聞)
<読売新聞より引用終了>


佐藤研一朗のコメント:

 このモノライン危機を何とか収拾しようとして、会社を分割することでを債権を進めていくようだ。つまりなんとか、問題を地方自体のようなところまで波及させないよう、しようとしているのだろう。 しかし、個人や企業がお金を借りれない状態にこれからなっていくので、景気は低迷して、税収も大きく下落することになるだろう。そのときに、この地方債なども、大きな問題になることになるだろう。結局はどれだけ、早く自体が進行していくかということだけだ。

<nikkeinetより引用開始>
更新: 2008/02/18 13:00
米「モノライン」大手、再建に向け会社分割へ

 【ニューヨーク=山下茂行】ニューヨーク州保険局のディナロ監督官は15日、米経済専門テレビCNBCで「モノライン」と呼ばれる金融保証会社大手FGICが会社を分割したうえで再建を進める考えを伝えてきたことを明らかにした。FGICは信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を裏付けとする証券化商品の保証に絡んで経営が悪化しており、健全さを保つ地方債の保証事業と切り分けた方が再建がスムーズに進むと判断したようだ。

 FGICは大幅な業績悪化を受けて、格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスに最上級「Aaa」から「A3」へと格付けを6 段階引き下げられたばかり。モノライン各社の格下げは保証先証券の格下げにつながる。地方債市場などに混乱が波及しかねないため、救済策は一刻を争う状況となっている。
<nikkeinetより引用終了>


<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用開始>

モノライン保険会社

[編集] 概要

モノラインの「モノ」は「単一」を意味し、複数(マルチ)の種類の保険を扱うマルチライン保険会社と対比されて使用される用語である。広義(保険業界)においては、単一種類の保険をあつかう保険会社は全てモノラインと呼ばれるが、狭義(金融業界)においてはニューヨーク州保険業法69条に基づき設立された金融保証を専門に扱う民間保険会社をさす。

[編集] ビジネス・モデル

地方債など信用力の比較的高い債券への保証を行い、その際に銘柄、期間を細かく分散させることにより保証会社自らも格付機関より最上級の格付けを獲得し、その信用力をもとに業務を行う。被保証対象は、資本市場における元本の確定している債券やローン(fixed Income)のみを対象とし、株式、為替、商品、不動産等元本の確定していない金融商品は対象外である。確定したキャッシュ・フローのクレジットリスクのみを保証し、いわゆるマーケットリスクは保証しない。

被保証債券をさらに詳しくみると、公的セクター(地方債など)及び、資産担保証券(Asset Backed Securities=ABS)に大別され、一般社債等の保証は行っていない。保証対象の資産担保証券の種類は多様だが共通する基本的な特性として、 ABSの優先(シニア)債への保証のみを行い、劣後債への保証は行わないということがあげられる。ABSにおいては、「大数の法則」が働き、信用状態が悪くなっても、劣後債が最初に損失を蒙る。このため、優先債の急激な信用悪化は一般的には無い。また、優先債全額を保証するモノライン保険会社は、一般的に ABSの構造上、いわゆるコントロール権をもっている。このコントロール権を利用することにより信用状態が悪化しはじめた場合には積極的に関与するため、一般的なABSの優先債投資家よりは立場が強い。


[編集] 保証という金融商品の特性

金融保証という商品の最大の特色のひとつとして「主債務の当初約定通りの元利金の支払いを行う」ということがあげられる。例として、年2回利払いのある、30年後に満期を持つ債券が5年目に支払い不履行をおこしたとする。この場合、金融保証会社は支払い不履行のあった5年目から、30 年目までの25年分の6ヶ月毎の利払いと、30年目の元本をその支払い期日が来たときに支払う。債券の利率(クーポン)は、一般的に債券元本に対し数パーセントである。この結果、複数の主債務者(債券の発行体)が支払い不履行を行った場合においても保証会社において流動性不足を生じないように計算・分散されている。この様な金融保証は「スケジュール・ペイメント保証」とも言われる。

[編集] 格付機関のモノラインに対する格付手法

このように、低い信用リスクをもつ分散された地方債・ABS債の保証ポートフォリオと、スケジュールペイメント保証を組み合わせることにより、モノライン保険会社は格付け機関から高格付けを取得する。その際、格付け機関がとる格付手法は、銀行の格付けと類似している。

[編集] シャドー格付け

まず、モノライン保険会社は保証対象となる被保証債券の保証付与前の格付けを取得することが義務付けられる。この保証付与前の格付けは「シャドー格付」と呼ばれる。これは、保証を行った場合、前面に出てくるのは保証会社の格付けであり、被保証債券のこの格付けは一般的には発表されないからである。シャドー(影)と呼ばれるのはこのためである。このシャドー格付けをとる過程で、すでに一部の格付け機関からは対象債券に対する分析がなされていることになる。シャドー格付けに関しては、一般的に投資適格以上が保証を付与する最低条件である。

[編集] キャピタル・チャージ

格付け機関は、シャドー格付けを確認すると同時に案件ごとに予想損失を計算(現在価値ベース)し、その分の資本を備えとして充てるよう指導する。この「備え」の部分はキャピタル・チャージと呼ばれる(銀行のリスクウエイトに類似)。もともと、支払い不履行の確率が低く、かつ不履行の場合でも回収率が高いと想定される地方債・ABS優先債が対象であるため、キャピタル・チャージは一般的には元本の数パーセントである。そのキャピタル・チャージを積み上げていくと、その保証会社の会社レベルでの最大予想損失を表すことになる。格付け機関では、様々な信用悪化シナリオ分析に基づきこの最大予想損失額を会社レベルで再計算(増加)する。この過程は「ストレスをかける」と表現され、「大恐慌シナリオ」などが典型的な例である。この様に極端なストレスをかけても十分資本があるという計算結果が出れば、最上級格付けが付与される。関係式で表現すると、分母にストレス後の(増加した)必要資本量(=キャピタルチャージの合計)、分子に現在の保険金支払い余力(=資本量)をおき、1.25倍以上であれば最上級格付というように定義される。

[編集] モノライン保険会社に対するリスク分析方法

「ストレスをかける」という作業の最大の特色は、それが計算上・概念上のことであるという点である。ある被保証債券の損失額の予想(すなわちキャピタル・チャージ)を増加させるという格付機関の行為は、当然その被保証債券の信用状態が弱まると予想されるときに行われる。しかし、保証会社は「スケジュールペイメント保証」を行っているため、予想損失額の増加にともなう資本を増強する必要性と、実際の保険金の支払いとの間にはかなりの期間的ずれが生じるケースがある。先ほどの30年債の例に戻ると、5年目に支払い不履行をおこした被保証債券発行体のキャピタルチャージは急激に上昇するであろうが、金融保証会社の実際の支払いは残り25年間に渡って行われる。しかし、計算上は既存の資本に対するキャピタルチャージが急上昇する結果、最上級格付けを維持するために必要な水準を満たさなくなる可能性もありうる。上記計算式の例を再び引用すると、(実際の資本量÷理論上必要な資本量)の割合が 1.25を割れ、それに対する何らかの資本の増強が行われないと「格下げ」要因となる。最も極端なケースにおいては、ある被保証債券が支払い不履行をおこす「可能性が高まった」だけでも、格付け機関は主観的にキャピタルチャージを上げるため、実際の支払い不履行が数年後まで起きないにもかかわらず、格下げがおこる可能性がある。このため、金融保証会社の「格下げリスク」と「流動性リスク」は全く別個のものであり、クレジット分析においては分けて考慮される。
<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)より引用終了>


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投稿者 佐藤研一朗 : 2008年02月19日 03:48
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