もうお金は借りられません!

2008年03月03日

もうお金は借りられません!

[投稿者:佐藤研一朗]

いまアメリカでは住宅価格下落にともなって、信用収縮がおきていて、お金が借りられなく、なりつつある。

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<2008/9/16追記>佐藤研一朗
ラジオで取り上げた過去のアメリカ経済関連の記事をこちらにあげておきます。
最新のアメリカ発・大恐慌リポートの番組はこちらから。
2007/9/17
アメリカの経済はやばい!?「サブプライムローンについて」

2007年11月06日
ロン・ポール革命 4 -Ron Paul Revolution4 お金と経済の話-この世で一番の金持ちはお金を作る権利を持っている人

2008年02月19日
世界大恐慌への大疾走


2008年03月03日
もうお金は借りられません!


2008年07月28日
一日で借金を600兆円増やす。 ファニーメイとフレディマック

2008年08月12日
アメリカの覇権崩壊とピークオイル

参考動画

昨年の夏に放映されたNHKスペシャル
「アメリカ経済がおかしい」

佐藤研一朗のコメント
 これを見ると、いかにアメリカ人が借金まみれて暮らしているかがよくわかる。日本のサラ金どころの騒ぎではない。題名を「アメリカ人、頭がおかしい」に変えたほうがいいと思うのだが、どうなのだろうか。昨年夏にこのドキュメンタリーが放映されたが、このときがアメリカの最後の晩餐だったというかんじだろうか。しかし私たちがよく考えなくてはいけないのは、世界の経済がこのアメリカ人が借金をして消費をするということの上に成り立っているということだ。アメリカ市場がなければ、いま成長が著しい中国も、血気盛んな日本の輸出企業も大変な目にあうだろう。いま世界は何もないところからお金を作り出して、バブルを起こし、消費を盛んにして経済を運営している。このことを改める日が来るだろうか。


Maxed Out(英語)

佐藤研一朗のコメント
 英語の動画で申し訳ないのですが、これもアメリカのクレジットカードを取り上げたドキュメンタリー。題名のMaxed Outは、限界まで達した。という意味。よくクレジットカードの限度額まで借金が達してしまったというような意味でつかわれる。つまり、アメリカ人はもうこれ以上お金を借りることが出来ないということだ。

このドキュメンタリーでは触れられてはいないのだが、人がお金を借りたときにいかに真空から新たなお金が作られるかがよくわかる。結局、自分で働いて、ためたお金で、モノを買うべきなのだということだ。


NPR ナショナル・パブリック・ラジオから
奨学金が借りるのが、だんだん難しくなってきているという話。
<NPR より引用開始>
Credit Woes Seep into Student Loan Market

Morning Edition, February 22, 2008

The student loan market is feeling the pinch of the faltering credit market. Students still have access to loans for college, but it's costing them more to borrow. David Wessel, economics editor for The Wall Street Journal, talks to Steve Inskeep about what's in store for American students.

試し訳
学生ローン市場は混乱する金融市場の悪影響を受けている。学生はまだお金を借りることが出来るが、ローン組むのに、今までよりも、もっと値段がたかくつくようになってきいる。
詳しくはこちらで聞いてください。

<NPR より引用終了>

佐藤研一朗のコメント
 前回は、美術館とか、コンサートホールがお金を借りれなくなってきたという話をしたけれど、今度はそれが、学生ローンまで、発展してきたということだ。大学すらもこの借金体質のアメリカ人をもっと生み出すシステムに組み込まれている。そうそう、よく大学のキャンパスでクレジットカードの受付をよくやっているよ。まったくひどいものだ。大体にして、大学自体の学費がたかすぎるのだ。誰もお金を借りれなければ、大学に行く人もへるだろうから、学費もさがるだろう。笑) 人をただ格付けするだけの、役に立たない大学もつぶれてしまえ。


いつも愛読しているニューイングランド通信による、アメリカ人がどのように住宅からお金を引き出していたかという解説。このサイトはアメリカで長い間生活してきた経験の上で、いろいろと米国住宅バブル問題を解説してるので、生活実感があって、わかりやすい。
<ニューイングランド通信より引用開始>

ホームエクイティラインオブクレジットはもう駄目だって。

* 2008/2/25(月) 午後 1:30

何のこっちゃ?って思うでしょう?

前から話している通り、アメリカ人の多くは、家を担保に金を借りまくって生活
を保ってきたわけなのですが、住宅バブルの崩壊により、それができなくなって
きました。

その典型例がWashington Postに載っていたので、その記事について書きます。

その前に。
今だに日本のニュースはサブプライムのことしか話しませんね。しかも信用力の
低い人向けか、低所得者向けとか今だに言って、影響は限定的、とかまた適当
なことを平気でニュースで流している。
英語力も無いし、アメリカで今何が起こっているのかも良く知らないから、その
嘘ニュースを丸飲みして、株価が大袈裟に上がったり下がったり。Suckers!
このままじゃ、日本が最後のババを引くんじゃねーか?

中間層は没落します。(というかしている) その中間層が住む、エネルギームダム
ダ、道路財源食いつぶし自動車社会の郊外は、そのうち捨てられます。
サブプライムだけじゃないと何度も言っていますが、ローンの問題だけでなく、
もう限界なんですよ。今のアメリカのやり方。
その事については、この記事が面白いでしょう。
Suburbs: The Next Slum?
http://www.theatlantic.com/doc/200803/subprime

さて。Washington Postのニュースの記事ですが。

まずはホームエクイティラインオブクレジットというのが何かと言うところからいきますね。

アメリカ人が、バブル中、家から金を引き出す方法としては、
1) リファイナンス (Refi)
2) ホームエクイティローン (HEL)
3) ホームエクイティラインオブクレジット(HELOC)
という方法がメジャーでした。

1) は借り換えです。低金利だったのですからね。(とは言っても低い時期でも5%く
らいでしたが。) その際に、ローン残高だけ借り換えて、月々の支払いを抑えよ
うっていうなら賢いのですが、多くの人々がローン残高以上のローン総額で借り
換えたのです。何でだよ!と思いますが、こうする事によって上の3つの方法のう
ち最も低金利で現金を借りられるからです。最初っから借金を生活費のあてにして
いるわけですから、これでも他の方法よりも得だと思っていたわけです。いざとなれ
ば値上がりする家を売れば余裕で返済できるとも思っていたのです。
そういえば、Boston Globeに1920年代から同じ家を保有している家族でも、最近
リファイナンスを繰りかえして、ローン残高が4000万円くらいになり、破産して
いる例が出ていました。どうやったらそんな馬鹿なことが起こるんだ?と思いま
すがね。。。あるみたいなんですよ。

2)の方法は、家の価値からローン残高を引いた分、つまりホームエクイティを担
保に、定額を一括で借り入れ、固定金利ローンを組むものです。この方法もずーっと前
に家を買って、余裕を持って借りた人なら、それほど問題では無いのですが、実
際にはバブルで上がった価値分を担保に借りちゃっている人が多いんです。
ってことは、家の価値が正常に戻れば、ローン額の方が家の価値よりも多くなって
しまいます。
このニュースによれば、ゴールドマンサックスによると、全国の30%の住宅ローン、
1500万軒が今年の終わりまでに評価額以上のローンを抱えることになるそうです。
http://www.youtube.com/watch?v=v_Bdx5ILCoA

ちなみに、すでに住宅保有者の10%はそうなってます。
http://news.yahoo.com/s/nm/20080222/us_nm/usa_housing_economycom_dc_2

3) さてこの記事での焦点、ホームエクイティラインオブクレジットと言うのは、
ホームエクイティを担保に、というところは2)と同じですが、定額を借り入れる
のではなくて、借りられる上限を決めておいて、そこから借りた分を変動金利で
返済していくものです。
これが、アメリカの家がクレジットカードのように使われている要因です。
言ってみれば、貧乏人に限度額が何百万、何千万円のクレジットカードを渡すよう
なもんです。この時点でもうヤバイと思いません?

3)の方法は一番審査も甘いのです。しかも変動金利です。
これも、元々は割と金のある人向けの融資だったらしいのですよ。
。。。サブプライムやオプションARMと同じパターンですね。

本題に戻りますが、このWashington Postの記事は、かなりの銀行が、ホームエクイ
ティラインオブクレジットの顧客に、「お宅は価値が下がっているから、もうエクイティを
使わんでくれ。」と電話しているという話です。
銀行も切羽詰まってます!
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/02/22/AR2008022202987.html?hpid=topnews

このナンシーさんとその夫は、家の価値が$560,000だった5か月前に、$95,000(約
1千万円)のホームエクイティラインオブクレジットを組みました。
しかし家の価値は$469,100に下がりました。

ナンシーさんの仕事先は、なんとローン会社。手続き事務の仕事をしていました
が、この住宅バブル崩壊で給料がコミッションになってしまいました。もう収入
のあてがありません。
夫の仕事は設計図等の大判プリント屋。彼の収入だけでは、4人の子どもたちを育
てられません。
この5か月ですでに$50,000のホームエクイティラインオブクレジットは
他の借金の返済や双子の幼稚園代に使ってしまい、残りをこの厳しい不況を乗り切る
ために使う予定でした。

ナンシーさんは、思いもよらない電話を銀行から受けて、「もう泣きそう。」と
言っています。結局、旦那さんは2つ目の仕事を、ナンシーさんは学校の臨時教員
の仕事を得ようとしています。 この間にも、ナンシーさんは、(懲りずに)他の銀
行からホームエクイティラインオブクレジットを組もうとしていますが、今となっ
ては、断わられ続けています。
ナンシーさんは、銀行に「あんたたち間違っているわ!」と逆ギレしたのですが、
銀行は「すいません。でも今はみんなこうしているんです。」と答えるだけのようです。
クレジットクランチ、貸し渋りはもうハッキリ表面に出ています。

ねえ。だから言っているでしょう? サブプライムだけでも、最近家を買った人だ
けでもないんですよ。このバブル崩壊は。 もちろんこういったローンも証券化さ
れて世界に廻っているわけです。

<ニューイングランド通信より引用終了>

佐藤研一朗のコメント

 つまりアメリカは住宅価格が上がっている間はいくらでもお金を引き出すことができた。だから住宅を買う人が増えただから、住宅の値段が上がった。だから家を買う人が増えた。という好循環でここ十年くらいやってきた。

 「円の支配者」の筆者のリチャード・ヴェルナーによれば、中央銀行や、銀行郡によって、何もない真空からつくられたお金が、住宅のような非生産的な分野に向かうと、それはバブルを起こし、最終的にははじけるのだと、いっていたが、それがアメリカで今起きている。住宅自体が何かを生み出すわけではないからだ。

 これがITバブルの場合は、バブルがはじけても、私たちはインターネットの恩恵を売るわけだし、PCの値段は下がって、誰でもつかえるようになる。このような新しい産業による雇用や、経済効果は大きなものだしわれわれの生活の質はあがっている。しかし、この十年間アメリカが投資してきた住宅は、郊外に立ち並ぶ張りぼてのような大きな家だ。これによって、都市の郊外化がますますひどくなり、渋滞はふえ、中心部は廃り、車に乗らなくてどこにもいけなくなるという自体がますます進行した。生活の質が上がるどころか、下がっている。住宅の工事の産業だって、新しく作るものがなければ、雇用自体もなくなってしまう。

 さて、問題はここからだ、まさに"Maxed Out"してしまったアメリカが直面するのは、急激な巻き戻しだ。家の値段が下がる。お金が借りれなくなる。そうすると家を買う人がいなくなる。そうすると家の値段が下がる。不の循環が一気に襲い掛かるだろう。真空から生まれてきたお金が市場にあふれ膨張していたが、これが一気に縮むことが始まる。

日本でもこれと同じようなことが、15年前におこったのだ。人類は進化しているのだろうか?

最後にビジネスウィークのクレジットカードに関する記事をもう一度取り上げておこう。
この記事は何度読んでも、おそろしい。

<日経ビジネスオンラインより引用開始>
不気味に迫るクレジットカード危機
個人消費を支えてきたカード業界にサブプライムが波及
* 2008年2月18日 月曜日

Mara Der Hovanesian (BusinessWeek誌、金融担当エディター)Christopher Palmeri (BusinessWeek誌、ロサンゼルス支局上級特派員)Nanette Byrnes (BusinessWeek誌、ニューヨーク編集委員)Jessica Silver-Greenberg、Emily Thornton (ニューヨーク)
米国時間2008年2月7日更新 「Over the Limit」

 昨年女の子が誕生してから、フィッツジェラルド家の出費はかさみ、家計が苦しくなった。そこでバーテンダーのジョンさんと妻のアデラ・ウチダさん(地元テレビ局のキャスター)は日用品や自宅(ミシガン州ランシングにあり寝室は2部屋)の固定資産税などの支払いに、時々クレジットカードを使うようになった。

 だが、それも過去の話だという。カードの1枚は金利が17%から25%に上昇し、別のカードは利用限度額が1万3000ドルから2000ドルに引き下げられたのだ。今は現金で払うしかない。急ぎの出費が発生したらどうしようと不安が募る。「ここの景気は良くない。もし私か妻の身に何かあったら、ローンはいつまでたっても払い終わらないだろう」(ジョンさん)。

滞納が急増し、クレジットカード業界に危機感

 昨夏に住宅ローンから始まった信用収縮は今、米国のもう1つの巨大融資市場であるクレジットカード業界にまで広まっている。銀行がフィッツジェラルド夫妻のような消費者へ融資した額は7400億ドルに上り、過去5年間で15%増加した。景気が減速している中、カードで借りたお金を返せないケースは増えている。その傾向は住宅バブルの崩壊で打撃を受けた州で特に顕著である。

 カードによる被害は広がる一方だ。米シティグループ(C)の米国カード部門の2007年第4四半期の利益は前期比で53%減少した。米JPモルガン・チェース(JPM)の決算報告によれば、2007年第4四半期のクレジットカードの貸倒引当金は前年同期比で40%増の18億ドルだった。優良顧客の多い米アメリカン・エキスプレス(AXP)でも貸倒引当金は同70%増の15億ドルに上り、富裕層も財政難に陥っているかもしれないことが読み取れる。

 「どこまで悪くなるのか、毎日気になって仕方ない」と米クレジットカード大手のキャピタル・ワン・フィナンシャル(COF)のリチャード・D・フェアバンクCEO(最高経営責任者)は1月23日、アナリストに語った。20億ドル近くの貸倒引当金は十分ではないかもしれないと認めている。「結局のところ、誰にも分からないんだ」(フェアバンク氏)。

 銀行やクレジットカード会社は利用限度額を引き下げ、金利を上げ、新規の申し込みを断っている。損失拡大を防ぐための幅広い引き締めの一環である。

 その結果、金銭的に苦しい消費者の選択肢はほとんどなくなってしまった。住宅所有者は、自宅のエクイティ(総資産額)を担保に借り入れを増やして支払いに充てていたが、もはや、それができなくなっている。破産法が2005年の改正で厳しくなったため、別の逃げ道もほぼ閉ざされた。

 にっちもさっちもいかなくなった一部の借り手は、より危険な方法に手を出している。年金や保険を取り崩したり、ペイデーローン業者や質屋などの高金利の貸し手から借金したりするようになったのだ。

つづきはこちらから
<日経ビジネスオンラインより引用終了>


佐藤研一朗のコメント
 ぜひこの記事の続きも読んでもらいたいのだが、いやはや、ものすごい勢いで、クレジットクランチが進んでいる。信用収縮。つまり、銀行がお金を人に貸すときに新しいお金が生まれる、それによって、市場に流れるお金の量がどんどん膨らんでいく。アメリカ人は散々、ありとあらゆる所からお金を駆り続けてきたから、お金の量がどんどん大きくなっていった。いまこれが、一気にしぼんでいくところに向かっているようだ。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2008年03月03日 06:05
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