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2008年07月 アーカイブ

2008年07月14日

安くて大量にある石油の終わり

世界は石油ピークに近づいているか。どやってピーク後を生き残っていくか。


2008年07月28日

一日で借金を600兆円増やす。 ファニーメイとフレディマック

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<2008/9/16追記>佐藤研一朗
ラジオで取り上げた過去のアメリカ経済関連の記事をこちらにあげておきます。
最新のアメリカ発・大恐慌リポートの番組はこちらから。
2007/9/17
アメリカの経済はやばい!?「サブプライムローンについて」

2007年11月06日
ロン・ポール革命 4 -Ron Paul Revolution4 お金と経済の話-この世で一番の金持ちはお金を作る権利を持っている人

2008年02月19日
世界大恐慌への大疾走


2008年03月03日
もうお金は借りられません!


2008年07月28日
一日で借金を600兆円増やす。 ファニーメイとフレディマック

2008年08月12日
アメリカの覇権崩壊とピークオイル

参考文書・ビデオ

ニューイングランド通信 より引用
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ファニーメイって?

傑作(0)

* 2008/7/9(水) 午後 0:57
* 米国住宅バブル
* 国際経済

* Yahoo!ブックマークに登録

アメリカンドリームと言う言葉。
日本では、「米国で成功してお金持ちになること」みたいに使われる。
しかし現代のアメリカでは、「持ち家を手に入れること」として使われている。

本来の意味は、「アメリカでチャンスを掴み、一所懸命働いて目標に達成し、自
由と豊かな生活を手に入れること」である。

どうしてこんなに意味が変わってしまったのだろうか?

それは世界大恐慌と関係がある。
みんな、ルーズベルトのニューディール政策、って昔学校で習ったと思う。
恐慌の中、余りに失業者が多いので、とにかく仕事を与えて経済を回復させよう
と、1930年代、アメリカは色々な変革をした。

多くの失業対策は建設であった。当時荒れていた都市部は住みづらくなっていた
ので、このころから郊外に住宅地をつくるという発想が出てきた。

参照: アメリカの病気: Sprawl
http://blogs.yahoo.co.jp/giantchee2/21401078.html

その中でつくられたのがFannie Maeである。
本当の名前は、The Federal National Mortgage Associationである。
日本語では、連邦住宅抵当公庫と言うらしい。

Government sponsored enterprise (GSE) 政府系特殊法人で、ローン債権を銀行
から買いとって、Mortgage-backed Security Bondsを発行する機関である。元金
と金利の回収を保証をするかわりにFeeをチャージすることで商売している。

政府系という信用でMBSを投資者に買わせ、これによって一般庶民に住宅ロー
ンを普及させて儲ける。

もちろん、政府は「みんなにアメリカンドリームを与える素晴らしい機関」的な
宣伝をする。こういっ たことから、いつの間にか、アメリカンドリーム=持ち家、
になってしまったようだ。

のちに同じような機関、Freddie Macというのも出てくるのだが、アメリカの全住
宅ローンの半分近くは、この2機関にまわってMBSになって世界に売られていく。

つまりサブプライムもその他のヤバイローンもかなりの量がここを通っている。

当然、ローンが回収できなくなったら大変なことになる。すでにこの2社はロスを
出し株価は下がっている。
フレディとファニーの転落 Nikkei BP:
http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q4/553727/

CNNの記事によると、この2社とThe Federal Home Loanを合わせると$6.3 trillion(630兆
円)もの住宅ローンがあり(うちThe Federal Home Loanが$1.2 trillion)、規模が
大きすぎてかなり危険らしい。
http://money.cnn.com/2008/02/07/real_estate/raise_GSE_cap_limits/index.htm?postversion=2008020711

政府系と言っても、政府が保証しているわけではない。管理しているだけだ。それ
なのになぜか「米国債につぐ信用」という事で買われてきた。
しかもこの2社、数年前とんでもない不正会計ばっかしていたのが発覚している。
もう彼らにゃ信用無いねえ。
保証されるローンの上限を引き上げることになったそうだが無駄だろう。
もう住宅市場は死んでいるんだから。
一体、誰が彼らの尻ぬぐいするんだい?

私の予想ではこう。
ファニーとフレディはかなり収縮して、また政府が新機関をでっちあげてごまか
す。(ニュー・ニューディール政策)
どう?

転載元 転載元: ニューイングランド通信
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ジムロジャーズ ファニーメイとフレディマックをつぶすべきだ。

ビデオの要点

大山FP事務所
宮城県仙台市の独立系FP事務所より引用
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ファニーとフレディー救済策に対するジム・ロジャースのコメント

* 2008-07-15 (火) 2:36
* 英語の記事(和訳)
* bloomberg | Fannie | Freddie | ロジャース

13日にポールソン財務長官は、ファニーとフレディーに対する公的融資だけでなく資本注入にも言及したようです。

14日bloombergが、ジム・ロジャースのテレビ・インタビュー記事を報じています。その中から彼の発言を抜き出してみました。相変わらず辛辣なコメントですが、内容はさすがだなと感じます。

原文は、Fannie Plan a `Disaster’ to Rogers; Goldman Says Sell (Update3)

ファニーメイ(連邦国民抵当協会)とフレディマック(連邦住宅金融抵当公社)に対する米財務省の救済措置は”純然たる災害だ”、”基本的に破綻している”

ファニーメイの株は下落し続けると断言。

私には、私たちのお金、納税者のお金を使い、ファニーメイの株を買う、という彼らの大胆さが理解できない。
それで、私たちは世界の他の人々を救済することになるだろう。
それは連邦準備理事会のバランスシートを破壊し、ドルをより弱くし、インフレーションをひどくする。

ファニーメイのショートポジションはカバーしない。
アメリカの状況はおそらく第二次世界大戦以降で最悪リセッションの中にある。

彼らは世界で最大の経済の一つを滅ぼそうとしている。バーナンキとポールソンは、ウォールストリートの友人を救済しようとしており、3億人の米国人がその代金を支払わなければならない。

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こちらにもっと詳しく翻訳していますので、詳しく知りたい人はこちらから。
ジム・ロジャーズより引用
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ロン・ポール 住宅関連法案について語る

ビデオの要点
副島学問道場の掲示板より引用
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[918]ロン・ポールが住宅法案を批判 投稿者:アルルの男・ヒロシ投稿日:2008/07/25(Fri) 03:48:48

アルルです。

アメリカでは、住宅救済法案が審議中です。ブッシュ大統領は、この法案には拒否権を発動しないと約束したので数日中に成立するでしょう。

ただ、この法案の問題点はたくさんある、とロン・ポール下院議員は語ります。

ポール議員は、以下の点を動画投稿サイトの「ユーチューブ」に向けて発表した動画の中で説明しています。

1.当初、FRBは25億ドルの緊急融資枠(ライン・オブ・クレジット)とされていたのが、出てきた法律案では、数字が無くなっており、つまり「無制限」と言うことになっている。

2.議会が、資金の供給を決めるのではなくて、これからは財務省が決めることになる。

3.アメリカの国家負債の天井はさらに膨れあがり、8000億ドルにまでなる。

4.今は誰も欲しがらないファニー債とフレディ債とアメリカ国債の交換が行われることになる。

5.そして、この政策の遂行はさらなるアメリカのインフレ傾向を悪化させることになる。(つまりドルの価値の下落がさらに進行する)

6.住宅ローン業界で働く人々の、指紋登録が行われることになる

7.(アメリカ国民が、)クレジットカードでやりとりした売買記録はすべてIRS(米歳入局)に報告されることになる。

元の動画:Ron Paul on the Housing Bill 7/23/08
http://jp.youtube.com/watch?v=Wy6SlUpbnIU

ロン・ポールのコラム「fiat money の意味について」
Faith-Based Currency
http://www.house.gov/htbin/blog_inc?BLOG,tx14_paul,blog,999,All,Item%20not%20found,ID=080721_2234,TEMPLATE=postingdetail.shtml
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副島隆彦 今日のぼやき より 引用

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広報ページ
[一つ古いぼやき] [新しいぼやき]

「958」 冒頭に加筆します。事態は三菱UFJ銀行・農林中金・ニッセイの危機に飛び火している。副島隆彦 2008.7.21  底なしの米金融恐慌。バンク・ラン(取り付け騒ぎ)がカリフォルニアに波及した。そして、イギリスの状況もひどいものだ、と言う現地からの報告。2008.7.20
副島隆彦です。今日は、2008年7月21日です。 以下のアルル君の緊急の金融の分析に、私が冒頭加筆しておきます。

 どうやら、アメリカは、いよいよ、本格的な金融危機に、突入しそうである。以下にアルル君が、詳細に書いて報告したとおりである。 私たち、学問道場は、日本国に関わる危機を、どこよりも的確に皆さんに知らせている。「連鎖する大暴落」が、この秋と、それから、年末に起きるだろう。事態は、さらに深刻になっている。

 私が、ここで以下に急いで短く書いておかなければならないことは、日本の三つの巨大な金融法人が、今回、相当の打撃を受けたであろう、ということだ。

 以下にアルル君が載せてくれた多くの記事からわかるとおり、7月13日(日)にヘンリー・ポールソン財務長官が、日曜日だというのに、ただひとりで、記者会見を開いて、米二大住宅公社のフレディマックとファニーメイの株価急落(10ドル割れ)をうけて、信用危機(最悪は、デフォールト=破綻、倒産)に発展しつつあることを発表した。これは大変なことだ。

 フレディマックと、ファニーメイの累積損失の5兆ドル(530兆円)は、もう返済の目途(めど)が絶たなくなっている。それを、アメリカ政府(財務長)が、資本注入の、税金投入(公的資金投入)で、救済するとか、国有化 nationalize ナショナライズ するとかいう、噂や、愚かな解説が日本でも広まっている。 

 ここで、私、副島隆彦が、はっきり書いておく。フレディマックもファニーメイも、GSE(ジー・エス・イー)、 government supported enterpirse 「政府支援企業」なのであって、決して、 government guarranteed enterprise 「政府保証企業=完全な国有企業」ではないということだ。 おそらく、アメリカ政府(米財務省)は、損失を全額補填、保証できない。5兆ドル(530兆円)というのは、負債額があまりに巨額である。いくら米政府でも、もう無理だ。

 そして、ここから、日本人が驚くべきは、三菱UFJ銀行 が、この米二大住宅公社の債券(ファニー・ボンド、とフレディー・ボンド)を、3兆3千億円買っていて、農林中金(JAなど農協団体の、資金運用の巨大銀行、47兆円の預金額=運用資産を持っている。理事長の上野博史らは、歴代、農水省の事務次官あがり) が、5.5兆円、保有している、という数字が、どこからともなく、この13日のポールソン声明 のあと、「三菱UFJ 3.3兆円、農林中金5.5兆円の上記の住宅債券の保有」の記事が各紙にのった。17日のことだ。三菱UFJ、農林中金 のほかに、おそらく、日生(ニッセイ、日本生命)も2兆円ぐらいやられているだろう。

 私が、今、「やられている」と、書いたが、どうも、この上記の日本の3大金融大手は、今、内部が、大祖騒動になっているだろう。「農林中金は、もう潰れるしかないのだ」と、私は、昨年から、何度か書いた。全国の農協の幹部たちすべてが、損失を分担し合わなければすまない。それに加えて、日本政府が、それらを肩代わりするような救済支援をするだろうか。どうも私は、それは出来ないように思える。

 それ以上に、今回は、三菱UFJの危機が表面化したことが、大きい。 いくら日本最大の民間の大銀行だといっても、3.3兆円の債券が、紙くずになったら、大変だ。それを償却するのには、最低でも5年ぐらいかかる。 大きく言えば、日本国民の大損害だ。またしても、こういうことになるつつある。 

 「いや、アメリカ政府が返済を、保証してくれます」と、いくら強弁しても、おそらく、米政府の保証は、3分の1が、いいところだろう。 それももはや出来ないだろう。農林中金は、もっと悲惨だ。

 フランス人は、すでにこの事態を気づいていた。「アホのアミー (Ammie アメ公、アメちゃん)が、ずるいことをしている」と知っている。 ドイツ人は、まだ半分しか気づいていない。イギリスは、すでに、下記の谷口君からのロンドンからの優れた報告・活写文にあるとおり、大恐慌突入している。イギリスの住宅バブルの崩壊は、すさまじいものになるだろう。スペインもひどいのだが、北欧と、南米からの投資が支えそうだ。

 日本の三菱UFJ銀行の幹部たちは、どの程度、アホなのか、それとも、デイッヴィッド・ロックフェラーによる長年の頚木(くびき)が架かっているので、逃げるに逃げられない、一蓮托生の、「抱きつかれ心中」だと、あきらめきっていたのか。数年前から、今の危機を自覚していたのか。

 それも、まったくのクルクルパー状態で、まだ、「アメリカは強い。アメリカの底力は、強いはずだ。アメリカ以外に、世界を牽引する強国はない。だから、アメリカの信用(金融力)は、もちなおす(はずだ)」と、信じこんで、それで、今のがけっぷちにまできたのか。私は、そのことを知りたい。「地獄への道は、善意で敷き詰められている」というエヌ・レーニンの言葉が、ここでは、ふさわしい。

 以下の記事と、生々しい写真と、アルル君の分析にあるとおり、カリフォルニア州にある地方銀行のインディーマックの破綻でおきた、取り付け騒ぎでは、FDIC( Federal Deposite Insurrance Committee、連邦預金保険機構、公社)は、高額所金者の預金に対して、3分の1の払い戻ししかしていない。それが、今のアメリカ人のマインド(頭の中身)だ。

 そのことを、日本人は、わかっていない。三菱UFJ銀行の相当の幹部たちでも、分かっていなくて、今の事態を、ボケッと、あるいは、呆然と三つ目って居るだけではないのか。「住宅公社だから、アメリカ政府(米財務省)が、全額保証してくれるだろう」 などと、甘い考えのままだろう。

 あるいは、それらの債券の償還期限まで保有していれば、きっと、全額を、政府が保証してくれるだろう、などど、寝言のようなことを言って、それを、記者会見で、農林中金の理事長は、この17日の記者会見で、発言している。 愚か者の極みだ。これが、官僚(高級公務員)どもの実態の姿だ。

 事態は、もっともっと深刻になってゆく。打撃は、上記の3つの大きな日本の金融法人がひっかぶる大きな打撃(大損失)話だけではすまなくなる。

 ファニーメイとフレディマックが抱える危機のことを、私は、5年前に書いて出版した、『やがてアメリカ発の大恐慌が襲い来る』(ビジネス社、2003年6月刊)で詳しく書いて説明している。 

 金融の近未来予測をしている、私の気分も非常に重苦しいもになっている。私が、予言者としての、資質と能力によって、事態をさらに、的確に解明してゆく。 私たち学問道場一門は、どのような過酷な事態に直面しても、うろたえたりしない。動じない。 それが、学問を志す者たちが備え持つべき、優れた知性(ちせい)のなせる技だ。 私たちは、このまま世界に吹き荒れる嵐の中を突き進みます。  乞うご期待。  副島隆彦拝

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産経ニュースより引用
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米上院 住宅関連法案を可決
2008.7.27 19:42
このニュースのトピックス:金融業界

 【ワシントン=渡辺浩生】米上院は26日、経営難が続く米政府系住宅金融2社の支援策と、サブプライムローンの借り手救済策を盛り込んだ住宅関連法案を可決した。ブッシュ大統領は署名する意向を明らかにしており、近く成立する見通し。昨年夏にサブプライム問題が本格化して以降、公的資金投入に消極姿勢をとり続けてきたブッシュ政権にとって、公的資金投入を視野に入れた初の包括的対策法となる。

 法案が成立すれば、住宅ローン焦げ付き拡大で経営が悪化している連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対し、財務省が公的資金で株式を購入したり、融資枠を拡大したりできるようになる。

 また、連邦住宅局(FHA)による最大3000億ドル(約32兆円)の債務保証枠を設け、サブプライムの借り手らに低利・長期固定のローンに借り換えを促す。民主党によると、約40万人を持ち家の差し押さえから救済できるという。

 ただ、現実の危機が進行する速度は衰えをみせていない。米住宅調査会社リアルティトラックが25日に発表した今年4~6月期の差し押さえ件数は74万件で前年同期比で121%も増加した。米エコノミストには「来年にかけて200万人以上が差し押さえに突入する」との見方も根強い。

 ファニーメイとフレディマックに対する公的支援が明文化されれば、市場に一定の安心感を与えることにはなるが、住宅市場の落ち込みが続く限り、両社の肥大化した資産の劣化は止まらない。元米連邦準備制度理事会(FRB)金融政策局長のエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏が「先送りの延命策にすぎない」と指摘するなど、法案の実効性には早くも疑問の声が上がっている。
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読売新聞より引用
米政府機関債、3大邦銀に4・7兆円…住宅金融関連も保有
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 国内3メガバンクが保有する米政府機関債が2008年3月末時点で約4兆7000億円に上ることが14日、明らかになった。
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 米政府が13日に支援策を発表した政府系住宅金融会社、連邦住宅抵当公庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発行した債券も含まれており、市場では今後の価格動向が邦銀の経営に微妙な影響を与えるとの見方も出ている。米政府機関債の保有状況は、三菱UFJフィナンシャル・グループが3兆3000億円、みずほフィナンシャルグループが1兆2000億円、三井住友フィナンシャルグループが2198億円。

 米金融当局がまとめた07年6月時点の米政府機関債(長期債)の海外保有残高は中国が3760億ドルと最多で、日本は2290億ドルと世界第2位の規模となっている。
(2008年7月15日03時09分 読売新聞

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牧野洋の「世界の常識・日本の非常識」より引用

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株主責任を問う国と問わない国

* 2008年7月22日 火曜日
* 牧野 洋

株主  マーケット  債権者  サブプライム 

 どんな救済策が取られようとも、ファニーメイとフレディマックの株主が救われることはない――。米国のヘンリー・ポールソン財務長官が13日に両社への救済策を発表して以降、ニューヨーク株式市場ではこんな観測が強まっている。

 ファニーメイは連邦住宅抵当公社、フレディマックは連邦住宅貸付抵当公社のことだ。米国の住宅市場の要であるため、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の直撃を受けている。「公社」という言葉からは政府系金融機関が連想されるが、両社は株式を公開する100%民間企業だ。

 両社の株主を安易に救済すると、モラルハザードを招きかねない。市場の観測に従えば、ポールソン長官は「公的資金を投入してでも金融システムを守る必要があるが、個別金融機関の株主を守る必要はない」と考えているはずだ。

 それを反映してか、ファニーメイとフレディマックの株価は急落。7月第2週だけでほぼ半値に値下がりしたばかりか、救済策の発表を受けた14日の取引でも一段と下げた。株主が救われないとすれば、万が一にも経営破綻した場合には株主の持ち分はゼロ、言い換えれば株式が紙くず化すると想定できるためだ。

 事実、救済策発表を受けて、ゴールドマン・サックスのアナリスト、ダニエル・ジマーマン氏は「株主が救済されない」を理由に、ファニーメイとフレディマックの投資評価を見直した。ファニーメイ株は18ドルから7ドルへ、フレディマック株は17ドルから5ドルへ一気に引き下げた。

強大な権力を持つ株主の権利保護は、債権者より劣後する

 では、破綻時に株主が救済されないとすれば、何が救済されるのか。

 米財務省による資金繰り支援など政府の支援手段は様々だが、究極的には債権者だ。ファニーメイとフレディマックの両社が発行した債券や保証した住宅ローン担保証券は総額5兆ドル(約530兆円)に達し、このうち1兆5000億ドル(約160兆円)以上が日本の銀行も含めた海外の投資家に幅広く保有されている。これらの投資家がファニーメイとフレディマックの債権者だ。

 仮にファニーメイとフレディマックが債務超過に陥り、デフォルト(債務不履行)宣言すると、債権者は元本を回収できなくなる。ファニーメイ債とフレディマック債は米国債とほぼ同等の信用力を得ていただけに、デフォルトとなればドルの信認が揺らぎ、世界的な信用不安が一段と加速するのは必至だ。だからこそ債権者の保護は重要になる。

 そもそも、破綻時の財産返済順位で、株主は債権者よりも劣後している。最高意思決定機関の株主総会で経営者を選ぶなど、債権者とは比較にならないほど強力な権限を持っているからだ。会社が成長すれば無限のリターンも手に入れる。
つづきはこちらから
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ロイターより引用
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米金融危機:政府保証への根拠なき楽観、市場にリスク回避の動き
2008年 07月 18日 16:27 JST

基太村真司記者 山口貴也記者

 [東京 18日 ロイター] 「誰かが米政府系金融機関(GSE)債を売り始めたら終わりだ。うわさが流れただけでも市場が崩れかねない」――。GSEの関連債券の発行残高は米国債を上回る。大手民間金融機関やヘッジファンドに加え、巨額の外貨準備を抱える各国中央銀行の保有も小さくない。

 暗黙に過ぎない政府保証を後ろ盾とする「根拠なき楽観」のぐらつきが鮮明になれば、米国に対する信認に傷が付き、資金流出を伴う米トリプル安シナリオも急速に現実味を帯びる。すでに一部の日本の投資家はリスク回避に向けて動き始めている。

 <投資はジニーメイに一本化も、財政出動めぐり市場は疑心>

 政府の救済策発表後もGSE関連債券の価格は底堅い動きが続き、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)が14日に実施した短期債の定例起債でも応札倍率は4.16倍と前週の2.98倍を上回るなど、表面上、市場の混乱は抑えられている。しかし投資家の間では、GSE破たんの可能性をにらんだリスク回避の動きが、早くも水面下でじわりと出始めた。

 ある日本の大手投資家は今年4月以降、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート) とフレディマック関連債の購入を見送り、政府が出資する事実上の政府機関である米連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)に一本化した。同社の幹部は「住宅ローン担保証券(RMBS)は償還までの期間が早いので、もともと負債とのデュレーションを組み立てて持つわけではないが、(GSEをめぐる)リスクはゼロではない」と明かす。

 一部投資家の間では「金融庁もGSE関連債のクレジットリスクを見ろとは言わなかった」と、リスク管理責任の転嫁ともとれる声まで上がっている。

 GSE関連株が急落した10日以降、外為市場でドル/円相場が1カ月半ぶり安値となる103円後半まで4円近く下落。米国では、ダウ工業株30種平均.DJIが一時500ドル超下落し、2006年7月以来の1万1000ドル割れとなるなど、金融マーケットでは、ドル資産売りとも言える動きが少しずつ現れている。

 米政府がどこまで財政出動するのか、という不透明感も金融市場の不安定な値動きを助長している。たとえば債券市場では、金融不安がおきれば「質への逃避」の動きが広がって債券は買われる、との連想が働きやすい。しかし、財政負担額が膨らめば、米財政悪化の思惑から米債売りに火がつく恐れもある。

 ある邦銀の運用担当者は「金融不安が米地銀に飛び火し、米株は買えない中で、質への逃避から米国債が少しだけ買われている状況が続いている。しかし、米国の財政負担を考えると、トリプル安になる可能性がちらつくため、米国債利回りの低下余地は言われているほどに大きくない」と話す。

 <投資家は政府保証を確信、米政府の足元見透かす>

 GSE関連債券は、国債より高い金利設定にも関わらず、政府系金融機関の発行債券という安定性が売り物だ。発行残高は約5兆3000億ドルを超え、米国債を上回る規模に達する。投資家層は米金融機関や年金、投資信託、個人などに加えて、海外の投資家にも及ぶ。

 ただ、上場する民間企業であるファニーメイとフレディマックには政府の資本は入っておらず、両社発行の債券についても、政府保証が趣意書に明記されているわけではない。それでも、プロの投資家が契約書面のないGSE債の「政府保証」を暗黙の了解として信じ、金融市場全体が大きな動揺に至っていないのは、投資家の間に広がる「米政府は最終的に必ず保証をつけてくる」(冒頭の投資家幹部)との思惑が背景にある。

 GSEの巨額な発行残を支える多様な投資家層が大きな損失を被る事態になれば、中銀マネーを含めて世界中の投資資金が米国から一気に逃げ出し、米国経済そのものが危うくなる――。「政府は絶対にその選択肢は取らない。市場が政府保証を信じていることを否定するような言動も今まで一度もなかった。GSE債がデフォルトするようなことになれば、政府の信認問題に関わる。そうなればドル資産はすべて暴落する可能性もある。各国の外貨準備まで含めたすべての投資家層が、そう思っていることを米政府は知っている」(後出の大手投資家)と、投資家は米政府の足元を見透かした読みに出ている。

 そうした市場の思惑を確信に一歩近づけたのが、15日のポールソン米財務長官の議会証言だ。「GSEが発行した負債と他の債券は世界中の金融機関が保有している」と述べ、世界の投資家に配慮する姿勢をにじませた。これが不安心理に揺れていた世界の投資家に「安堵感を与えた」(外銀の外為ディーラー)という。米上院銀行委員会のドッド委員長も16日、GSE2社の支援策は来週にも上院での採決が可能との見方を示し、米政府と議会の連携を示した。

 <基軸通貨体制崩壊レベルの危機、市場と政府は一蓮托生>

 米金利には低下圧力がかかりやすい面があり、トリプル安は避けられるとの見方もある。「こうした機関があったから、米住宅市場が支えられた面がある。住宅価格の右肩上がり神話をつくっていた。それに対する信認が落ちるという事は、米国住宅市場の不安定化にもつながりやすく、スパイラル的に景気が悪化し、金利には低下圧力がかかりやすい」と国内証券のストラテジストは指摘する。

 同氏は「ドル資産離れと言われて久しい。しかし、ドル資産がなくなったら困る投資家も少なくないことも事実。質への逃避資金という意味で、GSE債から米国債への乗り換え程度の動きにとどまり、米国からの資金流出に拍車がかかる可能性は小さい」とも話した。

 ただ、GSE問題の根源とも言える米国の住宅価格が下げ止まらなければ、GSE債デフォルトという「あり得ないリスク」(後出の投資家)が次第に意識され始める可能性は否定できない。海外投資家の手じまい売りによるドル下落、格下げによる一段の債券売り、債券下落による米系銀の業績悪化や株安、投資信託を通じた個人資産・消費への影響も視野に入る。さらに資金流入が細れば、経常赤字国の米国にとっては致命的だ。

 バークレイズ銀行のチーフFXストラテジスト、梅本徹氏は「今後50年程度を考えれば、真の米国の危機はドル基軸通貨体制というヘゲモニー崩壊に向けた米国債をめぐる動きに現れるだろうが、エージェンシー債は米国債と並んで米経常赤字をファイナンスする重要な機能だった。今回の問題も擬似的なドル危機といえる」と話す。

 最悪の事態に米政府の保証がなければ世界の投資家の損失は巨額に上り、投資家が先んじて米国を離れれば米国のファイナンスに支障をきたす。一蓮托生となった市場と政府の「チキンレース」は始まったばかりだ。

 (ロイター日本語ニュース 基太村真司、山口貴也 編集 橋本浩)

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フジサンケイビジネスより引用
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米国債クライシス 住宅公社危機の飛び火懸念
FujiSankei Business i. 2008/7/23

上院銀行委員会に臨むポールソン米財務長官(手前)とバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長=15日(AP)
上院銀行委員会に臨むポールソン米財務長官(手前)とバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長=15日(AP)

 ■「売却タブー」で信用維持

 米政府系住宅金融公社2社の経営危機に発展したサブプライム(高金利型)住宅ローン問題。両公社が発行する債券は世界中に広がっており、政府は公的支援を打ち出し金融不安の沈静化に必死だ。米国が最も恐れているのが、不安が米国債に飛び火することだ。米国債の信用が揺らげば、世界中に米国債を売りさばき、「双子の赤字」を穴埋めすることで成り立っている米国の根底が崩壊するばかりか、米国債とドル暴落が世界経済の“クライシス”の引き金となる恐れをはらんでいる。(大柳聡庸)

 ≪暗黙の政府保証≫

 経営危機が表面化したのは、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、連邦住宅貸付公社(フレディマック)だ。米国の住宅ローンの大部分を債務保証し、「住宅金融システムの中核的役割」(ポールソン米財務長官)を担っているが、不動産バブルの崩壊で保証債務の貸し倒れが急増した。

 政府の影響力が強い両社が資金調達のためい発行する債券には、“暗黙の政府保証”があると認識されており、米国債に準じる高い信用力を誇ってきた。

 残高は日本のGDP(国内総生産)に匹敵する5兆ドル(約530兆円)超に達し、邦銀を含む世界中の金融機関や政府関係機関が安心して購入してきた。

 万が一にも破綻し、デフォルト(債務不履行)を招けば、影響は計り知れない。

 このため、米財務省と連邦準備制度理事会(FRB)は公的資金注入などによる救済策を検討している。

 財政負担の増大につながる公的支援も辞さないのは、「公社債=米国債」の図式があるためだ。

 米国債は米国に対する絶大な信頼を背景とした高い信用と流動性から、世界中の国や金融機関、個人投資家の主要な投資先となっている。戦争などが勃発(ぼっぱつ)した際には「有事のドル買い」の一環として、安全資産と位置づけられる米国債が買われてきた。

 米財務省によると、米国債の発行残高は約2兆5000億ドル(約270兆円)。国別では日本が今年3月末現在で4分の1を占める約6000億ドルを保有。次いで中国が約4900億ドルを持つ。

 米国は「米国債の信用力を背景に海外で販売し、その資金流入によって、(財政と貿易収支の)双子の赤字を穴埋めしてきた」(矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所主任研究員)。

 公社債への信用不安が米国債に波及し、米国債が売られ始めれば、米国を支える“集金システム”は崩壊。さらに、「債券価格の下落で長期金利が上昇し、米国経済が(物価上昇と景気後退が同時進行する)スタグフレーションに見舞われる」(熊野英生・第一生命経済研究所主席エコノミスト)のは必至だ。

 ≪世界経済を人質≫

 米国債への不安で、世界の基軸通貨であるドルも信用を失い暴落。ドル安は保有する米国債の価値下落を招き、損失拡大を回避するための売りが売りを呼ぶ「負の連鎖」で、米国債とドルの下落に歯止めがかからなくなる。

 「地獄のかまのふたを開ける米国債の売却はタブー」というのは、世界の共通認識だ。

 かつて、故・橋本龍太郎元首相が「米国債を売りたい衝動にかられる」と発言し、世界中のひんしゅくを買ったのもこのためだ。

 中国や中東産油国は、サブライムショックによる最近のドル安で米国債の価値が下落していることを嫌気し、政府系ファンドなどを通じた不動産投資やM&A(合併・買収)を積極化するなど運用手段の多様化を進めている。

 それでも、「自分で自分の首を絞めることになりかねない」とわかっているから、あくまで米国債を主要な投資先とする姿勢は変えていない。

 「米国債は世界経済全体を人質に取ることで信用を維持している」ともいえる。

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 ■救済策が焦点 当面はFRB融資か

 米国政府は、住宅金融公社の支援にどこまで踏み込むのか。市場関係者は、その行方をかたずをのんで見守っている。

 「金融システムと市場の安定と信認に不可欠だ」

 ポールソン米財務長官は13日に出したファニーメイとフレディマックに対する緊急支援声明の中で、強い決意を示した。

 公社の危機が米国債の下落に波及することが懸念されるだけに、市場では「米国の財政を支える国債の暴落を、米政府と金融当局は絶対に防ぐ」(矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所の主任研究員)との見方が有力だ。

 サブプライム問題に関連して、米政府と連邦準備制度理事会(FRB)が個別金融機関を支援するのは、今年3月の証券大手ベアー・スターンズへの特別融資を実施して以来となる。

 ただ、両公社の債券の発行残高は5兆ドル超に上り、公的資金を損失補填(ほてん)などに直接的に投入すれば、財政負担が大きく膨らみ、財政悪化懸念から米国債が売られるというリスクもはらんでいる。

 実際、ポールソン財務長官は15日の上院銀行委員会で、救済策は直ちに実施に移すのではなく、金融市場に安心感を与えることが狙いとの趣旨の発言を行っている。このため、当面は、FRBによる融資などが救済策の柱になるとみられている。

 一方で、「両公社の経営危機は氷山の一角」(熊野英生・第一生命経済研究所主席エコノミスト)との指摘もある。今回の2公社は、政府の関与が深いことから、迅速に公的支援が打ち出されたが、不動産バブルの崩壊で、サブプライム以外の住宅ローンへの損失拡大や景気減速による融資の不良債権化も進んでおり、いまだに底が見えない状態にある。
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