アメリカ連邦政府の借金は5500兆円!

2008年10月27日

アメリカ連邦政府の借金は5500兆円!

[投稿者:佐藤研一朗]

アメリカ連邦政府の借金は5500兆円!まったくもってショッキングな数字だが、米国会計検査院(GAO)院長ディビッド・M・ウォーカーによれば本当のことらしい。

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<佐藤研一朗のコメント>
お金を借りる方も、貸す方も、アメリカは強くて、御金持ちな国だという幻想に成り立っている。ロチェにくればわかるが、アメリカの絶頂期は60年代だったのであって、それ以降はどんどん貧乏になっていったのだ。それなのにアメリカ人全員がもっとリッチになろうとしたから、外からお金をかりてくるしかなかったのだ。

ロチェスター見たいな街は、失われた30年を経験している。アメリカが獰猛なのは、やけっぱちになっているから。借金でくびがまわらない。自分には借金を続ける物が、最終的にサラ金にや闇金に手を出して、自己破産していく過程にしか見えない。

そうやってつもりに積もったアメリカ連邦政府の借金が5500兆円=$55 trillion。アメリカの国債は安全だと、お金を貸しているほうはその総額に気がついているのだろうか。いやきっと知りもしないだろう。(そしてこの金額には州や地方政府の借金は入っていない。)

アメリカに心優しく、お金を貸してやってた、日本などのアジアの国々も迷惑をかけられるのは当然である。

借金で首が回らなくなっている人に共通するように、目先のことしか考えなくなる。ただアメリカというのは往生際がひじょうに悪いから、目の前のことを対処するために短期的に効果が出ることを、周りに迷惑をかけることも考えないで、全てやっていくだろう。

いま金融機関救済でおきているのは、民間の借金を、公的な借金にするということ。最後のバブルはこのアメリカ国債バブルである。しかし政府に金があるのならともかく、5500兆円の借金を抱えているアメリカ政府にこんなことをいつまでも続けられるはずがない。

考えられるシナリオは、1.インフレーション。2.他の通貨に対してドルが大幅に下がる、3.アメリカが国家破綻して、借金をデフォルトする。この三つだろう。

この1と2のシナリオでアメリカはこの危機を乗り越えようとするだろう。ただ、その先にあるものはアメリカの国家の信用の破綻。だから、そう簡単にアメリカはこの危機を乗り切ることが出来ないだろう。インフレがおき、ドルの切り下げが起こり、そして国家財政破綻に行き着くかもしれない。

借金の内訳
NPRのインタビューに答えたディビット・ウォーカー (元アメリカ会計検査院のトップ)によれば、
今年八月の時点で、借金の総額が$53trillion (今月の10月のインタビューでは$55trillionといっていたので、たったこの二ヶ月で200兆円も借金が増えたことになる。 )

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総計$53trillion

一般会計の赤字: $11trillion
ソーシャルセキュリティー:$7trillion
メディケア、メディケイド:$34trillion
その他$1trillion
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ソーシャルセキュリティー: これには年金、失業保険、生活保護、障害者保険が含まれている。
メディケア、メディケイド:メディケアは老人向けの医療保険、メディケイドは低所得者向けの医療保険、これで身寄りがないような老人が入っているナーシングホームと呼ばれる老人ホームの滞在費もここから出ているようだ。

ここで注目しなくてはいけないのは、ブッシュが戦争を起こして、無駄遣いをたくさんしたとか、今回の金融危機が起きなかったとしても、アメリカの国家財政はいづれ破綻する運命だったということだ。もちろん戦争や金融危機が破綻を後押しすることになるのだけれど、最大の問題はベビーブーマーの老後の世話なのだ。アメリカは国民健康保険がないくせに、低所得者向けと、老人には医療保険がある。これが数年前に拡充されて、処方薬にまで保険が利くようになり、これだけで800兆円もの財政ギャップがある。

今年、2008年1月からベビーブーマーが年金を受け取ることになった。あと三年でメディケア・老人向け医療保険の需給ができるようなる。今後20年間で7800万人が、年金とメディケアの厄介になるわけだ。しかし空約束だけがあり、$40trillonのお金が足りない。 とくにこの健康保険が悪い状態であるようだ。

人々はますますもって長生きをするようになっている。しかし健康だから長生きをするというわけではなくて、高度に発展した医療でもって長生きさせられているともいえるのだろう。しかしこれはほんとに高くつく。

しかもアメリカ人はこれだけ医療に高いお金を払っているくせに、ちっとも健康ではない。ジャンクなものばかり食べて、車ばかりに乗って、移動するので、でぶでぶに太っている人がたくさんいる。たしか、アメリカ人の60%は太りすぎであり、30%は肥満である。(肥満は病気と認定される。)

当たり前の話なのかもしれないが、国に不健康な人々や働かない人が増えればその国の国力は低下する。残念ながら、ベビーブーマーたちが、国に頼りながら退職後の生活を優雅に楽しんで暮らしていくということを、自然の摂理が許さなかったということになるようである。まさに、「働かざるもの食うべからず。」である。アメリカでは、この金融危機とあいまって、ソビエトが崩壊したときのように、年金者に年金が出なくなったり、病院にかかれなかったりするということがおきるだろう。

どうも、これらの一連の動きを見ていると、20世紀というケイジアン世紀の後始末というか、総清算に、われわれは直面しているように思える。ベビーブーマーというのは、第二次世界大戦という世界最大の公共投資を行った後に、生まれた人たちである。政府が経済に介入して、人工的に景気をよくした結果として、人口が爆発的に増えたのだから。しかし回りまわって、60年以上たって、人為的に経済に介入した罰として、多くの先進国がこのベビーブーマーの引退後の生活を面倒を見ることが出来なくなって、財政破綻の危機に陥ることだろう。

日本でも最近、年金や、年寄りは死ねという後期高齢者医療保険の問題が取り上げられている。これらは近々、一番の問題として扱われることになるだろう。副島氏の恐慌前夜で指摘されているように、年金が払われなくなるというようなことがおきるということだ。日本の年金の運用が多くが米ドルで運用されているからという意味だけでなくて、もともと、人為的に増やされたベビーブーマーの老後を養うだけのお金(富)は、この世には存在しなかったのだと、考えるべきである。もしくは、国家の積みあがった借金を量を考えれば、これらのお金はわれわれの生活水準を向上させるために、経済発展をするために、すでにほとんど使われてしまったのだと考えることも出来る。だからこれからインフレが起きて彼らには年金が支払われるが、実際の価値が半減するということは当然起きることだろう。

これらの問題を解決するためには、今政府がやっている、年寄りからより多くの金をとるような、年寄りは早く死ねというような医療制度ではなく、基本に戻って、お年寄りが元気で、楽しく、健康で、病院にかからなくてもいいようにすることと、自分の能力を生かして、死ぬまで現役で年金に頼らなくてもいいようなるように、政策を建てていくしかないのである。あとは家族と地域が支えていくしかないのだろう。

佐藤研一朗 拝
2008.10.25

参考文書・ビデオ等
ディビッド・ウォーカー関連

NPRによるインタビュー
Former Comptroller Discusses Candidates And Debt
このインタビューに借金の内訳が乗っている。

CBS 60 minutes


これは今年8月のもの。この時点で53trillon dollar.

これは2008年の10月のもの, 55trillon dollar. たった二ヶ月で200兆円も増えている。。。。

I.O.U.S.Aというアメリカの国家予算を扱ったドキュメンタリここにもなかなか詳しい資料がある。
http://www.iousathemovie.com/

引用開始---------------------------------------------------

公会計監査フォーラム開催20回及び会計検査院法施行60周年記念

第20回
公会計監査フォーラム

基調講演
「財政及びその他の持続可能性の課題
に対する会計検査院の役割の展開」
米国会計検査院(GAO)院長ディビッド・M・ウォーカー

【司会】それでは基調講演に移りたいと思います。アメリカ会計検査院GAOのディビ
ッド・ウォーカー院長をご紹介いたします。

ウォーカー院長は米国公認会計
士の資格をお持ちで、クーパース&ライブランド社、プライス・ウォーターハウス社など
に勤務された後、労働省年金福祉手当局次官補、社会保障高齢者医療保険信託基金公的管
財人、アーサー・アンダーセン社パートナー兼国際人的資本サービス業務担当重役などを
歴任され、1998年11月にGAOの第7代院長にご就任されました。

本日のご講演では、「財政及びその他の持続可能性の課題に対する会計検査院の役割の
展開」というテーマでお話をいただけることになっております。


【ウォーカー】こんにちは。ご紹介頂きありがとうございます。そしてまた、本日ここ
で皆様方に講演させていただける機会を与えて下さった大塚様に感謝致します。本日のこ
のような機会を私は本当に嬉しく、また光栄に思っております。大塚様がおっしゃった通
り、私はこの公会計監査フォーラムの20年の歴史の中で、初めてとなる海外からの講演者
になります。また、私はこの新たな日本の会計検査院が60周年を迎えたと伺っております。
これら2つの重要なマイルストーンに到達できたことについて、お祝い申し上げます。
私はここ日本から始まる、アジア3カ国歴訪の途に就いています。今夜、私は中国へ行き、それから韓国へ、そして米国へ帰国する予定です。この地域は世界において、多くの
点でますます重要な地域となっています。

アジアの歴史はすばらしいものです。そして多くの点において、その将来はもっとすば
らしいものとなるでしょう。今日、環太平洋地域は信じられない速さで近代化し、成長し
ています。日本を含めたアジア諸国では、輸出国としても、また投資国としても、世界経
済で極めて重要な役割を果たす国々が増えています。実際、日本とアジアのいくつかの国
は、米国債の最大の保有国です。

これにつきましては、皆様方の貯蓄の一部を私たちにご融資頂いて感謝申し上げます。ご存知のように、日本人はアメリカ人よりも、貯蓄に対するその必要性と重要性のより正しい認識を持ち合わせています。実際、多くのアメリカ人は消費が非常に得意ですが、貯蓄の方は非常
に苦手と言えます。幸いにも、私はこの法則からは外れています。そして、私はアメリカ
会計検査院長として、そうでなくてはならないのです。

中略

私の国でもその他の国でも、あまりに多くの政策立案者が、身近な問題や目の前の問題
にとらわれてしまっています。彼らは近視を患っているのです。また、多くの人々がある
時点で一つの問題又は彼らを代表とする政治的区域の目前の課題にのみ集中してしまって、
視野狭窄に陥っているのです。皆様の多くも実際にご覧になったことがあると思います。
国家や社会全体のニーズよりも、その時だけの要望に固執してしまう議員がいます。彼ら
の多くは次の選挙より先を見ることができないのです。こういったプロセスの中で、何人
かの議員の方々は全体像やより大きな価値を見失ってしまうことがあるのです。

この近視眼や視野狭窄は、私の母国であるアメリカ合衆国が直面する最も深刻な問題の
一因となっています。その問題とは、アメリカでますます大きくなっている長期的財政不
均衡です。1946年から1964年の間に生まれた人たち、いわゆるベビーブーム世代の高齢化
や医療費の増大などを主因として、アメリカに押し寄せようとしている財政支出圧力の津
波が、今まさに水平線上に見え始めています。
これは疑いようのない事実であり、その数
値は明確で説得力のあるものです。しかしながら、今の政策立案者は迫り来る氾濫に備え
るための十分な手立てを講じていないのです。これは必ず変えなければいけません。これ
はアメリカのためだけでなく、世界のその他の国々のためにも、早ければ早いほど良いの
です。

ワシントンDCの政府指導者の多くは、明日に備えるより今日に生きようと決めました。
波が静かに、しかし確実に沖合で強まっているにもかかわらず、意味のある改革をしよう、
あるいは犠牲を分かち合おうという呼び声はほとんど聞こえません。事実、近年ではそれ
とは逆のことが起こっています。長期的な財政不均衡にもかかわらず、アメリカ政府は減
税を拡大しながら、一方で追加支出を促すという、持続不可能な政策を追求しているので
す。

アメリカやその他の国々における財政責任と「世代間の公平」の問題について、我々は
予算管理を課し、透明性と説明責任を増大させる手立てを講じなければなりません。我々、
GAOでは、多くの議員と共に、このことを実現できるように超党派で作業を進めていま
す。

ここ10年弱の間に、アメリカ政府は財政黒字から財政赤字へと転落しました。昨年のア
メリカ連邦政府の財政赤字は、どの会計手法を使うかにより金額は異なりますが、
2,480億ドル(29兆8千億円。1ドル=120.5円で換算。)から4,500億ドル(54兆2千億円)
に及んでおり、そのうち約1,000億ドル(12兆5千億円)がイラク及び現在のテロに対する
世界規模の戦争に関連しています。

しかし、真の問題は現在の財政赤字ではありません。というのも、連邦政府の財政赤字
はここ3年間連続して減少しているのです。それよりも、アメリカの将来における真の脅
威は国債残高の増加と、我々の公的年金や医療保険制度として知られる社会保障、メディ
ケア、メディケイドなどの、財源の裏づけがない連邦政府の公的給付プログラムです。こ
れらのプログラムは、ここ6年間だけでも、他の債務と合わせた合計金額では20兆ドル(2,
410兆円)から約50兆ドル(6,020兆円)に跳ね上がりました。

これは、アメリカ政府は長期的に見れば恐らく守ることのできない約束をたくさんして
いる、ということを意味しています。理由を説明しましょう。50兆ドルというのは、アメ
リカのすべての家計がおよそ44万ドル(5,300万円)ずつの借金を負っている勘定になり
ます。ここで考えていただきたいのは、アメリカの家計所得の中間値は年間5万ドル(602
万円)に満たないということです
。そして、この負担の伸びは、ほとんどのアメリカ人の
正味資産やアメリカ経済の成長率を上回っているのです。

中略


真実は簡単です。今日アメリカは世界において唯一の超大国かもしれませんが、それは
一時的なものということです。そしてアメリカは多くの点で一番であるかも知れませんが、
全ての点で一番ではないのです。
実際、OECDが発行する主要な成果指標のポートフォ
リオでは、将来において計り知れない影響がある主要な分野の多くで、アメリカは28カ国
中の平均以下にランクされました。これはほとんどのアメリカ人には知られていないこと
です。これは受け入れ難いことです。我々は将来、もっと向上することが可能だし、そう
しなければならない。そして私は、-より以上の透明性と努力をもって-そうなると信じています。

-引用ここまで--------------------------------------------------

オイル・エージの終焉さんのサイトから転送、アメリカの雑誌からの翻訳、
ほんとうにこういう翻訳は助かります。
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オイル・エージの終焉

このままではアメリカは破産する!

 今月初め発表された論文のなかで、エコノミストのローレンス・コトリコフは、アメリカが将来確約している債務は80兆ドル---アメリカ経済のほぼ6倍の数字---に上ると指摘している。この約束を履行するため、アメリカ人は、将来、収入の55%から80%の範囲で税金を支払わなければならない。

 コトリコフの論文がセント・ルイスの連銀の公報に載った同じ週に、アメリカの会計検査院長は「現在の財政政策は継続不可能で、強硬策が必要だ。---われわれは子供や孫の将来を抵当に入れようとしており、恥辱的な遺産を後世に残すことになる」と語った。

 ついに、事情に精通した権威のある人々が国家的な危機を国民に知らせる必要があると考え始めたようだ。

 会計検査院長のデイビッド・ウオーカーは国内の「財政責任喚起ツアー」の途上にある。このツアーは、今後数年間だけでなくベビー・ブーマーの退職にともなって、差し迫ってくる危機を一般市民に知らしめようというものである。

 15年の任期途中にあるウオーカーは中道と保守派の政治家の支持を受けて迫り来る財政問題に関心を集めようと努力している。先週行われたプレゼンテーションで、彼が指摘した幾つかの事実は次の通りだ。

〇連邦政府の歳出の約60%は医療や年金債務および国の負債に対する金利といったような義務的なものである。

〇2005年の財政赤字は3,180億ドルだと広く報道されているが、多くの企業が採用している基準で計算すれば、年間の赤字は公表数字の倍を軽く超えるものとなる。

〇われわれはこの赤字を借り入れで埋めており、目下のところ、国債の約50%を外国人が所有している。

〇アメリカの負債の金利は、今年度、約2,000億ドルに達すると見られるが、この金額はわれわれが支出する医療費に相当する。

〇われわれは、目下、医療と年金に46兆ドルの債務を負っており、新たな薬剤請求でこれに8兆ドルが加えられることになっている。

〇今後26年にわたって、医療歳出はGDPの成長率のほぼ5倍の率で増加する見込みとなっている。

〇新生児一人当たり156,000ドル(1,800万円)の債務を持つことになるが、これは財政上の幼児虐待を意味するものである。

 (なお、ウオーカーのプレゼンテーションの内容は会計検査院のウエッブ・サイトで見ることが出来る。)

 巨額で増え続ける財政難が、特に、変質者に関するTVショーや新聞のヘッドラインに支配されている世界で、注意を引く機会が少ない。多くの人々が大統領や国会議員の投票よりダンスのパートナーや怪しげな歌手の投票に時間を割いている場合、責められるのは自分たちである。また、われわれの子供たちがこの国をわれわれが見つけたより悪い状態で受け取る最初の世代となることで非難されることとなるだろう。

 ウオーカーは、時間がわれわれに対し不利に働いているので、すぐに行動に移らねばと言う。ベビー・ブーマーの退職者たちは政府が約束した給付を頼りにしようとするとき、実際上の問題は20年続きの幾何級数的な赤字の増大にある。これではシステムが崩壊してしまう。

 だが、ウオーカーによれば、選択はなされねばならない。

 彼の最初の目標の中に、健康保険歳出の抑制不可能な増大がある。彼は国に国はどんなタイプの「必要最小限で本質的な健康保険」を市民に給付すべきなのかということと国民はこれに対しどれだけ支払うべきなのかということを議論して欲しいと要求している。

 彼は議会が予算のプロセスをより多くコントロールすることに異議を唱え、大統領が予算上の個別項目を削減できるようにする個別条項撤回権を勧告している。どんな削減をも元に戻すには、歳出の透明性を高めるため、議会の50%の投票が必要となる。全体として言えば、政府を再構築し、21世紀の運営方式に変えていかなければならない。もしわれわれが即刻財政問題に取り組み始めないとすれば、われわれはローマ帝国の運命に向かう危険がある。
(2006年8月27日 TheSreet.com)
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金融危機関連のニュース
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河北新報
無人ATM重点、被害防げ 振り込め詐欺集中警戒
無人ATM前で高齢者に注意を呼び掛ける仙台中央署員=15日午前10時30分ごろ、仙台市青葉区国分町3丁目
 振り込め詐欺被害を防止するため、全国の警察は年金支給日に当たる15日を現金自動預払機(ATM)の集中警戒日と位置付け、約5万6000人の警察官を警戒活動に動員した。宮城県警も県内のATMを訪れた高齢者らに注意を呼び掛けるなど、巡回を強化する特別警戒を実施した。

 仙台市青葉区の県警本部前で出動式があり、金融機関やコンビニエンスストアなどの関係者約70人が出席。県警の大山憲司本部長は「各関係機関が協力し、特に無人ATMからの振り込みを止めなければならない」と訓示した。

 出席した七十七銀行の早坂俊典総務部長(52)は「窓口での声掛けを徹底していく」と話した。

 出動した警察官計約1600人は、過去に振り込め詐欺に使われた195カ所のATMを中心に巡回。署員らが高齢の利用者にチラシを配り、被害防止の対策を説明するなどした。

 県警によると、今年に入って振り込め詐欺は増加しており、県内の1—9月の被害は336件、約3億8700万円。既に昨年1年間の290件、約3億2200万円を上回っている。全国では1—8月に約1万5100件、約214億円の被害が起きており、全国で一日に1億円近くがだまし取られている計算だ。

 このため、警察庁は10月を振り込め詐欺撲滅月間に指定。集中的な警戒をするよう全国の警察に指示していた。
2008年10月15日水曜日
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流動性対策で協調強化=事実上ドル無制限供給−不安解消へ強い決意・日米欧5中銀

(時事通信社 - 10月13日 17:01)

 【ワシントン13日時事】欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)、スイス国立銀行(SNB)の欧州3中銀は13日、米ドル資金入札(7日物、28日物、84日物)を、入札に対しては全額供給すると発表した。3中銀が需要に応じた十分な量のドル資金を供給できるように、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金融通を目的とした3中銀とのスワップ協定の上限を来年4月末まで撤廃する。日銀も同様の対策導入を検討している。

 5中銀の協力は、ワシントンで先週末開催された先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の協調行動の第一弾となる。

 欧州3中銀のドル資金入札は、固定金利の上、適格担保を差し出した分だけ資金供給する事実上の「無制限」供給。異例の措置に踏み切ることで、信用不安解消に向け、日米欧5中銀は市場に強いメッセージを示した。

 5中銀は声明で、「各中銀は協調を続けるとともに、短期金融市場における十分な流動性を供給するため、あらゆる必要な措置を行う用意がある」と強調した。 

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河北新報
モルガンへの出資は全額優先株 三菱UFJ、株急落で変更
 三菱UFJフィナンシャル・グループは13日夜、経営危機に陥っている米証券大手モルガン・スタンレーへの90億ドル(約9000億円)の出資について、当初計画の普通株取得を止め、配当を優先的に受けられる優先株で全額取得したと発表した。全体の出資額90億ドルは変更せず、払い込みも完了した。
 出資条件の変更によりモルガンの株価急落で三菱UFJに巨額の損失が発生するのを回避する。
 モルガンの命運を握るとされた三菱UFJの出資が実行されたことで、米証券大手リーマン・ブラザーズに次ぐ大型破たんは当面避けられる見通しとなった。
 三菱UFJは、9月22日にモルガンへの出資で基本合意した時点では、出資する90億ドルの総額を普通株の取得に充てると説明していた。
 だが、モルガン株の急落を受けて同29日、6000億円分を優先株の取得に切り替え、10月14日を資金の払い込み日に設定していた。
 モルガン株価は10日、当初の取得予定価格25・25ドルを大きく下回る10ドルを割り込んだ。このため、両社は出資条件などについて大詰めの再交渉を行った。
2008年10月13日月曜日

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副島隆彦学問道場 重たい掲示板
[1014]今日、明日(14日)の株式の大暴落は阻止されたようである。 投稿者:副島隆彦投稿日:2008/10/13(Mon) 17:28:17

副島隆彦です。 10月10日の「ワシントンG7]は、「1012」番で私が書いたとおり、不成功だったようだ。ところが、そのあとメディアに登場したバーナンキ財務長官が、笑い顔だったのに対して、中川昭一財務大臣が、苦虫(にがむし)を噛み潰したような顔をしていた。

 ということは、三菱UFJが、14日に払い込まなければならない、大損覚悟のモルガン・スタンレーへの救援資金は、どうやら、日本政府が全額、実質、肩代わりさせられた、ということだろう。これで、欧米の13日(月)の株式の大暴落は、目先では阻止されたということだ。
中川大臣の苦衷を察して余りある。 

 この9000億円は、日本国民の金である。 三菱UFJを連鎖倒産の危機の人質(ひとじち)に取ったと言うことだ。ひどいことをするものだ。日本がアメリアの属国であることを、いやというほど、民族主義者(愛国派、右翼)を自認する中川昭一も味わったはずだ。

これで、世界的な株式の連鎖暴落が、今週は阻止されたのだから目出度(めでた)いことだと、日本の良識的な責任ある地位にある親米派の人々は考えるんのであろう。私は、中川昭一と共に、不愉快極まりない。また損をさせられて、鴨(カモ)にされたのは日本国民だ。が、国際金融ではなくて、本当は国際政治(パワー・ゲーム)である、この現実はまだしばらくはどうにもならない。私は、不愉快である。

以下の記事は、わけの分からないマヌーバー(目くらまし)の記事なのだろう。内容が二転三転していて意味不明である。

(転載貼り付け始め)

「Mスタンレー、三菱UFJと出資条件で再交渉も=CNBC」

2008年 10月 10日 ニューヨーク、ロイター

  米CNBCテレビが10日、情報筋の話として報じたところによると、米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)が出資条件について再交渉を求めてくる可能性があるとして準備を進めている。

 CNBCはまた、米政府がモルガン株を取得する可能性もあるとしている。

 しかし、三菱UFJの出資計画に詳しい消息筋は、両社の間で再交渉は行われていないと述べた。モルガンは三菱UFJからの出資についてすべての規制当局の許可を得ており、計画は14日にまとまる予定だと語った。

 米政府によるモルガン株の取得についても、モルガンは米財務省および連邦準備理事会(FRB)と協議していないと述べた。

(転載貼り付け終わり)

株価が暴落しているモルガンスタンレーの株価は、すでに10ドルを割っている。それを、平均で25ドルで買わされる。今のモルガンスタンレーの時価総額が9000億円だ。それを、株式の20%しかもらえないままに、それで9000億円を三菱UFJは、出さされる。

ブッシュ大統領が、10日(金)に、声明を出して、「公的資金を投入して、すべての銀行を救済する」と宣言したことが、「市場で好感を受ける」ということが重要なのだ。それで、今週の暴落劇は食い止められるだろう。

 その他に、破綻・消滅したリーマンブラザーズの抱えていたCDS(企業そのものの倒産生命保険商品の証券化したもの)の40兆円(想定元本で)が、どうやら、8000億円(80億ドル)の実損だけで、「融(と)け合い」で、すべて、契約が解消、解約されたらしい。
「清算価格は、8.6%と決まった」というコトバの意味が不明だ。

40兆円の契約残高(想定元本)を消すのに、8000億円の損を、皆で平等に被りあって、これまで散々、手数料で儲けた分を、吐き出しあって、NYの大手の金融法人たちが、皆で、何とか危機を乗り越えたということのようだ。総額の8000億円の損で済ました、ということは、契約算高の2%の損で済ました、ということだ。

 そんなことが出来るのか私には不思議だ。日本の金融業界にある慣行の「融け合い」のような、談合を、アメリカの金融界が、簡単に出来ることが不思議だ。何かある、と思わないわけにはゆかない。こういう債券市場は、相対(あいたい)取引がほとんどだから何でもできると言うことか。 

 62兆ドル(7000兆円)まで膨らんでいたCDSの契約残高を、こうやってどんどん消し込んでゆくのだろう。できるだけのことをしながら、NYの金融業界も必死で生き延びてゆくのだろう。それでも、危機は次から次に破裂する。 副島隆彦拝

[1012]警察が10月14日(火)からすべての金融機関を監視下に置く。 投稿者:副島隆彦投稿日:2008/10/13(Mon) 05:01:02

副島隆彦です。 以下の新聞記事は、よく読むと、もうすぐ日本でも起きる 銀行の取り付け騒ぎ(bank run バンク・ラン あるいは bank-running バンク・ラニングと言う)への緊急の警戒対策であることが分かる。 

 まず、この10月10日付の北海道新聞(共同通信 発)の新聞記事の見出しを載せる。

(転載貼り付け始め)

北海道新聞 2008年10月10日 共同通信
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/122643.html


「東京都内全てのATM 12,000カ所に警察官配置 年金支給日の10/15を集中警戒日と指定 警視庁の3分の1以上動員 」

(転載貼り付け終わり)

 副島隆彦です。銀行の取り付けが、明日の13日の月曜日のアメリカ合衆国、欧州に続いて、連休けの10月14日(火)には、日本でも起きる強い兆しがある。だから、わざとらしい、「ATM(現金自動預払い機)を使った振り込め詐欺の防止」を口実にして、警察が全国で一斉に警戒態勢に入った。その証拠の記事である。

アメリカ政府は、ワシントンに、先進6各国の財務相と中央銀行総裁を呼びつけて、このG7で「世界規模での公的資金の一斉投入」(おそらく500兆円=5兆ドル ぐらいか)を、やろうともち掛けたが、ヨーロッパを中心に反発が大きいようだ。

「アメリカのせいでこういうことになっただ。責任を取れ」と、フランス、ドイツが強く言い出している。イタリアもカナダもいい顔はしない。日本だって「いくらんでもアメリカのこの居直りはひど過ぎる」と考えている。 だから「先進国一斉での公的資金投入による金融危機の回避」の策の今回の「10月10日G7」は、大失敗したようである。

 それでも今も、アメリカ財務省による各国への必死の根回し(と脅し)は今も続いている。

この14日が、三菱UFJ銀行による、モルガンスタンレーへの救済・支援の9000億円(90億ドル)の支払い期限だ。 モルスタの株価は、10日(金)のワシントンG7の会議の最中にも、下げ続けて、ついに10ドルを切った。 三菱UFJが、モルスタの株式(の20%分)を引き受ける、と宣言した9月22日前後には、モルスタの株価は、20ドル(普通株)だった(優先株=担保株、借金の肩に取る。 の方は別建て)。 

 それが今は、9ドルだ。14日に、9000億円を払い込むと、その瞬間に、2000億円の損が出る。これは「時価会計上」は、帳簿上、確定する損失金だ。 今、三菱UFJのトップたちは、地獄の苦しみを味わっている。三菱UFJの株価は14日に暴落するだろう。

 その前に、NYの外国銘柄と、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所。大証がその尖兵)の個別指標(インデックス)銘柄で暴落する。だから東証では14日には取引停止の措置が取られるかもしれない。

もし三菱UFJが、株主代表訴訟を恐れて、真剣に必死の覚悟で、「交渉のやり直し(1株9ドルでの普通株の買取)」を要求していればたいしたものだ。だが、それは出来ない。もし三菱UFJが、9000億円を、14日に、ニューヨーク連銀の口座から、アメリカ財務省に払い込まなければ、その時は、・・・世界大恐慌への早期突入である。

三菱UFJは、日本政府に泣きついて、日銀および日本財務省による損失補てんの保証を、求めている最中ではないか。これには、アメリカ財務省(ヘンリー・ポールソン)からの「損失補償の保証」まで、要求しているかもしれない。 

 もしこの交渉が出来ないようで、デイヴィッド・ロックフェラー(93歳)への義理立てがあって、幹部たちの中の、デイヴィッドの子飼いたちの数がまだ多数派を占めるようなら、その時は、もうどうにも逃げられず、三菱UFJの倒産・破綻の手続きの開始となる。

私、副島隆彦が、近著「恐慌前夜」の表紙に打ち込んだとおり、「アメリカと心中する日本経済」である。アメリカとの抱き付き心中(しんじゅう)あるいは、抱きつかれ心中である。

 これが今、私たちの目の前(と言っても、実際には見えない)で進行しつつある世界史的な事態だ。それでも、この事態に気付いていて、固唾(かたず)を飲んで見守る、というのは、金融関係者かよっぽどのインテリたちだけだろう。庶民大衆は、今も、ぼけっとしている。「世界のお金のことで」何か大変なことがおきつつあるらしいと、予感と不安感だけは抱いている。 

私、副島隆彦も頭をフル回転させているが、「次の事態。その次の事態。さらにその次の事態はこうなるだろう」と予言者(予知能力者)としての能力を駆使するだけで、それ以上は出来ない。「今日のぼやき」の10月2日付で書いた、大柄なこれからの世界像 の提示、以上のことは、今は、やろうとしない。 だが、本当は、私はすでにもっと先までを見通している。今は、まだ書かない。

(転載貼り付け始め)

 「東京都内全てのATM 12,000カ所に警察官配置 年金支給日の10/15を集中警戒日と指定 警視庁の3分の1以上動員 」

北海道新聞 2008年10月10日 共同通信
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/122643.html

 東京の全ATMに警官配置 15日に警視庁 3分の1以上動員。振り込め詐欺被害を完全に防止しようと、警視庁は10日、集中警戒日と定めた15日に1万5000人を動員し、 東京都内約1万2000カ所の現 金自動預払機(ATM)すべてに警察官を張り付けると発表した。

 全国の警察で最大規模の警視庁でも、警察官は約4万3000人。 当日は全体の3分の1以上が銀行やコンビニなどのATM前に立つことになる。高齢者らに積極的に声を掛けて被害防止を図るほか、金を引き出す「出し子」の発見に努める方針で、同庁刑事部の山本仁参事官は「力業で警戒し、振り込め詐欺グループがいれば、誰かが見ているという態勢を取りたい」としている。

 15日は年金の支給日で、警察庁は「被害ゼロの日」として集中的に警戒するよう全国の警察に指示している。警察庁によると、15日は全国のATM約9万8000カ所のうち、警察官が巡回する所も含め約8万1000カ所を警戒することになるといい、全国で約5万6000人の警察官を動員する。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 「振り込め詐欺」など、そんなに起きてはいない。脅されたり、諸般の事情で追い詰められたりしなければ誰が一体、「おれおれ詐欺(馬鹿息子からの必死の依頼送金)」とか、「振り込め詐欺」などに遭う、というのか。 

 これは、石原慎太郎都知事が、警察庁・警視庁の幹部たちとグルで、近年盛んに捏造した(と、トヨタの前会長周辺が証明した)、「東南アジア人たちによるピッキング窃盗被害の件数の急増」と同じ、警察による上からの犯罪脅威作戦である。私のこの書き方に反発する者は、産経新聞の一大キャンペーンが、その後、どういう末路をたどっかを追跡調査するといい。

 日本(人、国)に振り込め詐欺を働いたのは、アメリカだ。「日本は、どんどん、アメリカに貢げ。日本の資金をアメリカで運用せよ。米国債その他の債券を買え」と、結局は返すきはまったく無いくせに、詐欺を働いたのは、アメリカではないか。 それと、その手先とるように作られた日本の金融検査官の機関として意図的に作られた、ゲシュタポ・金融庁の官僚たちだ。 お前たちこそは振り込め詐欺(犯)だ。 

今、金融庁の内部は、あれこれの「竹中(平蔵)関連悪事」への金融庁職員(金融検査官僚)たち自身の悪事への関与が、どんどん露見しつつあって、組織全体が震え上がっている最中だ。私たちは、この目下の異常な事態を凝視(ぎょうし)する。そして冷静に考え続ける。私たち日本国民は、迫り来る金融崩壊の事態に対して、ひとりひとりが自分の生き延びる道を真剣に冷静に考えている。 

副島隆彦拝
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止まらないMスタンレーの株価下落、三菱UFJは損失計上の危機に
2008年 10月 10日 19:23 JST
 [東京 10日 ロイター] 米銀大手モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)の株価下落が止まらない。「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)が出資を取り消すのではないか」との懸念が金融市場に根強く残るためだ。

 Mスタンレーと三菱UFJは打ち消しに必死だが、株価下落により、三菱UFJは払い込んだ瞬間に減損による損失計上を余儀なくされる可能性も出てきた。 

 Mスタンレーの株価は9日、終値で前日比25.89%安の12.45ドルまで下落した。三菱UFJが90億ドルの出資計画を取りやめるとの懸念が背景だ。

 9月29日に発表した増資計画によると、三菱UFJが取得する株式の内訳は普通株が30億ドル、優先株が60億ドル。普通株の引き受け価格は1株25.25ドルとなっており、9日の株価はこの価格の半値を割り込んだ。このままの水準で株価が推移してしまえば、三菱は払い込んだ瞬間に減損処理に直面し、15億ドル(約1500億円)の損失計上を余儀なくされる。「このまま増資を強行すれば、三菱UFJの経営陣は株主代表訴訟のターゲットになってしまうのではないか」(欧州系外銀幹部)との見方も出ている。 

 一方、増資の3分の2を占める優先株は「オプションバリューを付与するなどしたため、減損ポイントは相当に低い」(三菱UFJの平野信行取締役)としており、半値でも減損は生じないとみられる。

 両社は14日の払い込みを発表しているが、実際のところ土壇場で三菱UFJが増資を撤回する可能性はあるか――。

 金融関係者の間では「さすがにこの期に及んで撤回はできない」との見方が一般的だ。Mスタンレーの財務状況は「薄氷を踏んでいる状態」との分析もあり、「三菱UFJの増資がなければ、極めて厳しい状況に追い込まれる」(大手銀行幹部)からだ。金融システム不安が継続している状態での出資見送りは、Mスタンレーだけでなく、世界の金融システムへの影響も避けられない。別の大手銀関係者は「出資条件を変更する可能性はあるのではないか」と話す。 

 三菱UFJとMスタンレーの広報担当者は「14日に払い込みをする計画に何も変更はない」と発言している。 

 (ロイター日本語ニュース 布施太郎記者;編集 石田仁志)

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田中宇の国際ニュース解説 2008年10月10日 http://tanakanews.com/

━━━━━━━━━━━━━━
★CDSで加速する金融崩壊
━━━━━━━━━━━━━━

このところ、いくらアメリカの連銀(中央銀行)が、全米企業の資金難を解
消するために米大手銀行に緊急融資をしても、銀行は自行内で借りた資金を貯
め込んで他の企業に貸さず、銀行どうしの貸し借り(金融システムの中心をな
す銀行間金融)も停止したままという異常事態が続いている。
http://tanakanews.com/081008bank.htm

なぜ銀行が資金を他に貸さず貯め込んでいるのか、不思議に思っていたとこ
ろ、一つの理由が見えてきた。それは、CDS(債券破綻保険。クレジット・
デフォルト・スワップ)をめぐって銀行界の損失が一挙に拡大するおそれがあ
り、銀行はそれに備えて資金を蓄えているということだ。最大の危険は、9月
15日に倒産した大手投資銀行リーマン・ブラザーズが発行していた総額
4000億ドルの債券(リーマンの破綻後、これらの債券はジャンク債として
約10分の1の価値となっている)をめぐるCDSの清算(保険金額の確定)
が、10月10日(日本時間11日)に行われる際にやってくる。
http://www.inrich.com/cva/ric/news/business.apx.-content-articles-RTD-2008-10-09-0159.html

CDSの仕組みは、次のようなものだ。たとえばA社が発行する債券をB社
が買う時、万が一A社が破綻した場合にこの債券の損失補填をC社が行う保険
契約を、BとCの間で結ぶ。BはCに保険料(プレミアム)を支払う。CDS
は保険的な契約だが、保険の引き受けは保険会社に限らず、銀行や証券会社な
どの金融機関が幅広く行ってきた。

(とはいえ、保険会社であるAIGは、CDSの引き受けを積極的に行ってい
た。米政府がAIGを救済したのは、AIGが破綻するとCDSの保険金不払
いが先に確定してしまい、CDSの全崩壊が誘発されかねないからだったとも
推測されている)
http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/StrategyLab/Rnd18/P3/allstarteam20081009.aspx

実際にA社が破綻した時、この債券の価値はゼロにはならず、ジャンク債と
化すので減額となる(リーマンの場合87%減額。9月初旬に破綻して国有化
されたファニーメイなど住宅金融2社の場合、政府が後ろ盾になったので減額
は10%程度)。A社の破綻後、一定期間がすぎた後、債券の減額分を確定し
てCDS契約を清算し、CからBに保険金が支払われる。米国の民間企業が発
行した債券のうち半分程度には、CDSの保険がかけられており、CDSがか
けられている債券の総額は55兆-60兆ドルと概算されている。
http://online.wsj.com/article/SB122291081371496791.html

▼リーマン・ブラザーズの負の遺産

米金融界では9月、5社の大手金融機関が破綻した。9月7日にファニーメ
イなど住宅金融2社が国有化された(CDS対象債券2千億ドル)。9月15
日にはリーマン・ブラザーズが倒産した(同4千億ドル)。9月17日には世
界最大の保険会社AIGが破綻して国有化され(同4千億ドル)、9月25日
には最大手の貯蓄組合だったワシントン・ミューチュアルが破綻し、JPモル
ガンに買収された。

米連銀は、破綻した5社の債券にかけられていたCDSの契約を清算するた
めの会合を、順番に開催している。最初は、10月7日にファニーメイなど住
宅2社の清算会が開かれた。2社は国有化されたので、債券価値の下落は最大
9%にとどまり、CDS発行者による保険金支払いは総額425億ドルと、意
外に少なかった。
http://www.fool.com/investing/general/2008/10/08/is-this-buffetts-nightmare-scenario.aspx

問題は、10月10日に行われるリーマンのCDS清算会である。リーマン
は完全に倒産して消えたので、同社の約4000億ドルの発行済み債券の価値
はジャンク化し、約400億ドルに下がっている。清算会によって、CDS発
行者はおそらく、総額3600億ドルの保険金支払いを義務づけられる。リー
マンを債券を、だれがいくら買い、そのCDSをどこがいくら分引き受けたの
か、まだ全く発表されていない。清算会の後、各金融機関や投資家の損失額や、
CDS保険支払い債務額が決定する。

3600億ドルの支払いとは、膨大だ。米金融界全体の不良債権を買い取る
資金として米政府が用意した額が7000億ドルだった。その半分が、リーマ
ン1社のCDSをめぐる損失だけで飛んでしまう。AIGが破綻に瀕したとき、
米政府から借りた資金枠が850億ドルだった。その4倍である。この
3600億ドルの支払い債務を何社で持つことになるのか、まだ不明だが、こ
れで米大手金融機関が2つや3つ潰れても不思議ではない。事実、ポールソン
財務長官は10月9日、今後まだまだ米金融機関は潰れると警告している。
http://www.telegraph.co.uk/finance/financetopics/financialcrisis/3161132/Financial-crisis-Hank-Paulson-warns-that-more-banks-and-businesses-will-fail.html

▼「金融大量破壊兵器」の大爆発

CDSの保険金支払い義務を負った金融機関(上の例でいうところのC社)
が支払不能に陥って破綻したら、リーマン債券の保有者(同B社)の損失は補
填されなくなり、次はB社が巨額の損失を抱え、破綻しかねない事態となる。

さらに、C社もしくはB社がリーマンの債券破綻のあおりで倒産した場合、
C社やB社が発行していた債券も破綻し、債券にかけられていたCDSの保険
金支払いが必要となり・・・といった具合に、破綻がドミノ倒しもしくは核分
裂的に、どんどん連鎖拡大していきかねない。

米国の有名な投資家ウォーレン・バフェットは、すでに2002年の時点で、
CDSが持つ連鎖拡大的な危険性を指摘し「金融の大量破壊兵器」と呼んだ。
当時はまだ、優良金融機関が破綻して債券のCDS保険金支払いが必要になる
などということは「あり得ないこと」と考えられていた。
http://www.fool.com/investing/general/2008/10/08/is-this-buffetts-nightmare-scenario.aspx

しかし今回、金融危機が悪化して前代未聞の事態となり、これまでの10数
年間のCDS史上初めて、巨額のCDS保険金支払いが発生することになった。
10月10日のリーマンのCDS清算会は、金融大量破壊兵器の爆発の発火点
となるかもしれない。関係者はリーマンCDS清算会の成り行きを緊張して待
っている。清算会は22社の金融機関が参加し、米東部時間の10日午前9時
45分から午後2時までの予定で開かれる。
http://www.reuters.com/article/rbssFinancialServicesAndRealEstateNews/idUSN0841811720081008

清算会によって巨額損失が確定するのを見越すかのように、10月8日も9日
も、世界的な株価の暴落が起きている。CDSの清算によってどこの金融機関
が突然死するかわからないので、銀行どうしが融資し合わないのは当然だ。
銀行が、できるだけ現金を保持しようと考え、一般企業への融資を貸し渋るの
も当然だ。

リーマンのCDS清算会の後には、10月23日にワシントン・ミューチュ
アルのCDS清算会が待っている。その後はAIGのCDS清算会も行われる
ことになっているが、時期は未定で、金融混乱が拡大した場合、かなり延期さ
れるかもしれない。
http://emac.blogs.foxbusiness.com/2008/10/07/behind-the-turmoil/

今回もまた、米当局は自滅的なタイミング合わせをやっている。米証券取引
委員会(SEC)は、9月19日から実施していた金融株に対する空売り禁止
を、10月9日から解禁した。下落防止策が解除され、9日と10日、金融株
が売られて株価が下落したところに、リーマンCDS清算会による巨大損失確
定のニュースが加わり、金融危機に拍車をかけることになる。
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20081009.WBmarkets20081009133941/WBStory/WBmarkets


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/081010CDS.htm

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NY株急落、9000ドル割れ ダウ終値678ドル安の8579ドル

 【ニューヨーク=米州総局】9日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は前日比678ドル安い8579ドルと、9000ドルを大きく割り込んで取引を終えた。終値では6日に1万ドルを割っており、わずか3日で1000ドル以上水準を切り下げた。ダウ平均はちょうど1年前の2007年10月 9日に1万4164ドルの史上最高値を付けており、この1年間で4割近く下落した。

 前日にポールソン米財務長官が金融機関への資本注入を示唆したことなどを好感して大きく上げて取引が始まったが、金融危機を発端とする世界的な景気後退懸念は根強く、取引終了にかけて大きく売り込まれた。 (05:18)

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スペイン:金融機関から資産買い取りへ、米に倣う-最大500億ユーロ

10月7日(ブルームバーグ):スペイン政府は7日、最大500億ユーロ(約6兆9000億円)を投じて金融機関から資産を買い取る基金の創設計画を発表した。欧州で初めて、米国の金融安定化策に倣った措置を取る国となる。

サパテロ首相は記者会見で「スペインの信用市場が円滑に機能するよう促進するのが基本目的だ」と語った。基金は「質の高い資産」を買い取るために設立し、市場が正常化すれば廃止するという。首相は10月10日の閣議で概要を説明すると述べた。

欧州では、各国政府が個別に深刻化する信用収縮に対応しており、スペインでの基金設立はその一例。同国では10年に及んだ不動産ブームが去り、金融機関は急増する貸し倒れにあえいでいる。

サパテロ首相によると、基金に振り向ける資金は2009年に予定する政府予算のほぼ3分の1に匹敵。規模は当初300億ユーロとし、最大500億ユーロまで増やす可能性がある。スペインで営業するすべての銀行から同国での資産を買い取るという。

500億ユーロはスペインの国内総生産(GDP)の4.5%に相当する。米国で先週成立した金融安定化法の下で不良資産買い取りに投入する7000億ドル(約71兆円)は同国のGDPの4.9%。

サパテロ首相はまた、スペインでの預金保証を10万ユーロと、現行の5倍に引き上げるとも発表。欧州連合(EU)がこの日の財務相会合で合意した5万ユーロを上回る水準となった。
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準備預金に金利を検討 日銀、資金供給を拡大で

 欧米6中央銀行の一斉利下げに参加しなかった日銀は8日、協調策の一環として銀行から無利子で預かっている「準備預金」に金利を付けることを検討すると発表した。準備預金の金利水準が事実上、市場での下限金利になることから大量の資金を供給しやすくなる。
 日銀は連日、市場の混乱を防ぐため大量の資金供給を実施しているが、場合によっては無担保コール翌日物金利が政策目標である0・5%を大幅に下回ってしまう懸念があった。
 最も安全性が高い日銀への預金に利子が付けば、それを下回る金利水準で資金を貸し出す金融機関はいなくなり、市場金利の下限になる仕組み。日銀は金利が過度に下がりすぎることを気にすることなく資金を供給できるため金融調節の自由度が増す。
 米連邦準備制度理事会(FRB)も6日に同様の措置を実施している。
2008年10月08日水曜日


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投稿者 佐藤研一朗 : 2008年10月27日 02:07
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