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2008年12月 アーカイブ

2008年12月01日

ピークオイルを乗り越えるために~戦略的低エネルギーという選択肢~

以前、言っていたピークオイルについて書いた環境論文「ピークオイルを乗り越えるために~戦略的低エネルギーという選択肢~」ですが、残念ながら締め切りに遅れたのと、なんだりで、本に載らなかった(涙)ので、仙台インターネットマガジンに掲載しておきます。

ちょっと、HTMLの形式が読みづらいかもしれませんので、そのときはPDF形式のバージョンを読んでください。自分の中では、今おきているアメリカ帝国の崩壊はピークオイルと関連があると書いた、六章が大切だと思っています。

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ラジオで取り上げた過去の関連記事
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2008年05月27日
ピークオイルについて考えてみよう
2008年08月12日
アメリカの覇権崩壊とピークオイル
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  ピークオイルを乗り越えるために



~戦略的低エネルギーという選択肢~



2008年6月23日

街づくりアーティスト・佐藤研一朗

アメリカ・ニューヨーク州・ロチェスター在住






現在29歳の私は物心ついたころから多くの変化を目あたりにして育った気がする。昭和が終わり、ソビエトが消滅し、バブルが崩壊して、テロや大地震が起きて、終身雇用も年功序列も消え失せて、日本はいつの間にか落ちぶれて、自殺者があふれる国になってしまった。共産中国は気がつけば世界で最高の資本主義の国になっていた。こんな時代に育った私が、政治や経済に強く興味を持ったのは、なぜそんな変化が起きるのか、これからどうなるのかが知りたかったからだ。



この論文の結論は、「近い将来、世界の石油生産量は頭打ちになり、石油文明の終わりが始まる。」ということだ。たったこの1行で言い表せることが、今後の我々の人生を振り回し、世界中の国々の勢力地図を完全に書き換えるだろう。今、世界は歴史の大きな転換期にいる。我々の目の前で、今まさに始まろうとしていているこの変化に比べれば、私たちがいままで見てきた変化など、たいしたことでなかったと将来気づくことになる。



ピークオイルの圧力を受け、ドルは基軸通貨の地位から滑り落ちる。アメリカはあと数年で世界唯一の超大国としての覇権を失うだろう。石油に取って代わるエネルギー源は簡単には見つからないので、当分の間、石油文明に依存している世界は、混沌とした状態が続くことになる。



エネルギー資源の値段は高騰し、つられて農産物や天然資源の値段も高い状態が当分続く。エネルギー、食料、天然資源の大部分を輸入に頼っている日本は、厳しい試練を迎えるだろう。輸出業も簡単ではない。安く大量にエネルギー源が手に入らないから大量生産は難しくなるし、大量消費できる国自体がなくなっていくだろう。ピークオイルが起きたあと、日本の舵の取り方を間違えれば、亡国の危機に瀕することになる。



私は、この難しい局面を日本は戦略的低エネルギーで乗り切るのが適策だと考える。戦略的に使うエネルギーの量を減らして、その中で何をできるか考えていくといことだ。別に江戸時代に戻れと言っている訳ではない。今まで人類が築き上げてきた知恵と技を使って、多少不便になっても、少ないエネルギーでも、今までよりも元気で幸せに暮らして方法を探るべきである。石油づけの生活をしている我々は、「エネルギー糖尿病」であり、エネルギーの使い過ぎのため健康や精神すらも阻害させられている。戦略的に低エネルギーを進めることで、この石油文明の弊害を減らすことができる。そして石油からうけている恩恵の部分を、どうやって低エネルギーで代替していくか、徹底的に頭を使い、体を使い、行動をしながらその答えを探していこう。





1、ピークオイルと地球温暖化




ピークオイルという言葉は日本で全然知られていないようである。グーグルのニュース検索では、たった2件しか表示されない。しかし地球温暖化はなんと2千件以上もでてくる。ピークオイルがまったく騒がれず、国際政治で取り上げられないのは、非常に危ない問題を含んでいるからだ。私は今騒がれている地球温暖化対策というのは、ピークオイルがきっかけになっておきるエネルギー問題という劇薬を取り扱うためのオブラートであると思う。



エネルギーの観点から見れば、地球温暖化対策の本当の意味が分かる。二酸化炭素を出すということは、化石燃料を消費するということだ。二酸化炭素の排出量を減らしていくということは、化石燃料の消費を減らしていくということである。温暖化対策として、地球規模で二酸化炭素の排出を規制し、排出権を取引するということは、化石燃料の消費に税金をかけるということだ。化石燃料は一次エネルギー源の約80%を占めているので、エネルギーを使うことを規制しようという話なのだ。これはエネルギー税なのだ。



しかし現在、ヨーロッパが中心に進めている対策では、90年代を基準に、二酸化炭素の増加量を抑制しようとしているので、その意味合いが少し変わってくる。つまり世界的なエネルギー消費増加率税と考えていい。もちろん既に一人当たりの国民が多くのエネルギーを消費している先進国にとって有利な条件である。これは、これからますます発展しようとしている中国やインドなどの発展途上国への大きな網である。
ヨーロッパにしてみれば、これから生産量が減っていく石油を、西欧の生活にあこがれて中国やインドに、がぶ飲みされてはかなわないのだ。でも腕力ではもうかなわないので、寝技のような高度な政治力で絡めとってしまおうというのだ。



「地球のために、二酸化炭素の排出を減らそう。」つまり、「化石燃料を使いすぎだ。」と他国を堂々と非難して、お金を払わせることができる。これ以上、経済発展をしたければ、我々から省エネ技術や原子力発電所を買ってくださいというのだ。「それが地球のためなのです。」と言われれば、なかなか簡単に反論はできない。なんとも狡猾であくどいセールス文句だろうか。



エネルギーを沢山使う(使える)国は裕福であり、そうでない国は貧しいという単純な事実がある。エネルギーを十分に確保できない国は、経済をまともに運営することができない。エネルギーとはその国の運命を決めるものである。だから普通はやすやす、国際政治の舞台で話し合いなどはできない。 それができれば戦争などおこらない。地球温暖化対策をみるとき、我々はその裏にあるエネルギー問題に注視する必要がある。そしてピークオイルこそが、世界中でエネルギー源の奪い合いを起こしかねない問題なのである。





2、ピークオイル:安くて豊富にある石油の終わり


ピークオイルとは何か。それは「これから世界の石油生産量が頭打ちになって、少しずつ減っていく。」という話である。安くて豊富にある石油の終わりを意味するのである。ピークオイルはアメリカの地質学者キング・ハバートが唱えた説で、石油は有限な資源であるということを前提に、石油の生産量は左右対称なベルカーブを描くのだというものだ。つまり石油の生産が始まったころは右肩上がりで生産量は増えていき、半分を過ぎると、そころから右肩下がりで落ちていくというのだ。




ベルカーブ


ピークオイルは、一番大きなところでは、「有限なものを、消費し続ければ、いつかはなくなる。」という簡単な理屈の上に成り立っている。しかし30年後に石油が地球上からなくなるというような単純な石油枯渇説ではない。石油は人類が滅んだずっと先にでも地下深くにに眠っているだろう。ピークオイル説は、「エネルギー源として使用可能な石油のうち、人類はだいたいその半分をそろそろ使い切りそうだ。」という話しだ。残りの半分の石油はどんどん掘りづらくなっていき、石油の量と質は下がっていくので、採掘コストと、採掘や精製にかかるエネルギーが上がっていって、元が取れなくなって、長い目で見れば石油が生産されなくなるということがおきる。




ピークオイルを勉強していて一番最初にショックを受けるのは、地域や各国ごとにみれば、すでにピークを迎えたところは結構あるのである。北海油田は2000年あたりでピークを迎えた。メキシコの巨大油田も近年ピークを迎えたようだ。国の名前を挙げていけば、イギリス、デンマーク、ノルウェー、イラン、クウェート、イラク、オマーン、イエメン、シリア、エジプト、アルゼンチン、コロンビア、ベネズエラ、オーストラリア、インドネシア、ベトナムと沢山上げることができる。もちろん世界最大の産油国だったアメリカではずいぶん昔にピークを迎えている。*1


1956年に当時シェル石油の研究員だったキング・ハバートが、アメリカの産油国としての能力は1970年代初頭までに、ピークを迎えるだろうと予想する学術論文を発表した。当時は、彼はキチガイのように扱われ、ジョークのネタにすらなったと、著名な投資家のジム・ロジャーズの著書「商品の時代」にそのときのエピソードが紹介されている。しかし世間の予想を覆してハバートが予想したとおりに、アメリカの石油生産量は1970年に頭打ちになり、1981年にはアラスカとハワイを除く48州における国内石油会社の産油量は三分の一近く減少した。


下の図を見てほしい。折れ線がアメリカにおける石油の生産量である。
1970年代初頭をピークに生産量が減り続けている。80年代にアラスカで石油の生産が始まっても、小さなコブをつるだけで、長期的に生産量を増やすことはできなかったのだ。この事実は非常に重たい。

 


その産油国の石油生産がピークに向かいつつあるかどうかは、新たな石油の発見量の傾向をみれば、今後どこに向かっていくか、だいたい予想することが出来る。毎年、新しい油田が見つかっていて、その量がどんどん増えているのであれば、石油生産のピークを心配する必要はしばらくはないのである。しかし生産量が増えていき、発見量が減り続け、生産量が発見量を追い抜いてしまえば、後は生産量のピークを迎えるのを待つことになる。


給料が石油発見量で、支出が生産量、貯金が原油の埋蔵量であると考えればわかりやすい。毎月の給料よりも、支出が多ければ、貯金を取りくづして暮らすしかない。そのままつづけば、そのうち貯金がなくなる。


これを、アメリカでの事例を参考にして見ていこう。先ほどのグラフをもう一度見て欲しい。今度は発見量を表す縦線が重要だ。これによれば1930年にアメリカ国内の石油の発見量はピークを向かえ、1940年あたりでに生産量が発見量を上回り、1970年に生産量のピークを迎えた。そこから生産量は毎年減り続けている。


Power Down Richard Heinberg18ページより



これを順番に並べると下のようになる。

(1)石油の生産が始まる (2)発見量のピーク (3)生産量が発見量を追い越す 
(4)生産量のピーク (5)石油の生産量が落ち続ける (6)石油の生産がほとんどなくなる


皆さん、すでにお分かりのように、アメリカはすでに(5)の状態である。1930年代のような油田の発見が相次ぎ、開発されなければ、ここから数十年かけてこの(6)までたどり着くことになる。




では世界全体の石油はどうなのか? 現在、世界の石油生産量のピークは、いつきてもおかしくない状態にある。下の図を見ながら解説していこう。これは先ほどのグラフの世界バージョンで、世界の石油発見量と生産量をあらわしている。驚愕することは、(2)の世界の発見量のピークは1964年にすでにきている。以来、発見量は多少の上下はあるが年を追うごとに少なくなってきている。 次に(3)の生産量が発見量を追い越したのは1980年代前半で、いまでも追い越した状態が続いている。もちろん次の一歩は(4)生産量のピークである。




アメリカでは、発見のピークから40年後、生産量が発見量を追い抜いてから約25年後に、生産のピークがきた。これを世界で当てはめてみると、現在2008年時点で、すでに世界の石油発見のピークから44年がたち、生産量が発見量を追い抜いてから、約25年がたった。これがこのまま予想として使えるわけではないだろうが、大きな意味で参考になる数字であろう。だから世界の石油ピークは、50年後や100年後にくるのではなく、近い将来いつ来てもおかしくない状態と見ていいだろう。





エネルギー総合工学研究所 季報エネルギー総合工学Vol.28No.1(2005.4) 石井吉徳


3、世界のピークはいつくるのか


ある意味で、ピークオイルの論争にはもう決着はついている。大きく一致しているのは、石油は有限な資源だから、ピークはいつか来るとしているところだ。石油は有限な資源であるということを前提にしている専門家たちで議論されるのは、世界のピークはいつ来るのかというところだ。これには楽観論から悲観論まである。


たとえばもっとも楽観的な米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の予測によれば、世界がピークを迎えるのは2030年ごろとしている。*1 それに対して、ハバートの流れをくむピーク論を主張する学者たちは、もっと悲観的な見方をしている。元祖ピークオイルのキング・ハバートは、2000年前後と予想した。 「The
End of Cheap
Oil」の著者、コリン・キャンベルは2010年までには石油生産のピークを迎えるといっている。*1 エネルギー関連の投資銀行を運営しているマシュー・シモンズも同じく2010年までにはピークオイルが到来するといっている。(この人はブッシュ
政権のエネルギーアドバイザーをつとめていた。)*2 「Party's
Over」の著者、リチャード・ハインバーグにいたっては、2005年5月にピークを既にうち、ピークはすでに過去形だと主張していた。*3


今起きているという主張から、2030年ごろまでと非常に幅が広い議論があるのがわかる。傾向として、行政機関、国際団体、石油会社が出している予想はだいたい楽観的で、投資家やピーク論者は悲観的な見方をしている。ピーク論者達は「今がピークだ。もうすぐピークがおきる。」と、いつも主張しているという批判や、予想が外れると、予想の年を後ろにずらしているという批判もある。たしかに先にあげたキャンベルは当初、1990年代後半にピークがくるといっていたが、今では2010年までと主張している。*1




ピーク論者の予想がなかなかあたらないのにはそれなりの理由がある。世界の石油の埋蔵量の統計がかなりいい加減なもので、当てにならないからだ。これだけ世界が依存している物なのに、だれも世界にどれだけの石油があるかよくわからないのだ。


2004年に、石油会社のシェルは、保有埋蔵量を22%も過大に発表していたことを明らかにした。テキサスの石油会社エル・パソは40%水増ししていた。でも石油会社はまだかわいいものだ。少なくても株主に説明責任があるからだ。しかしサウジアラビアなどの産油国は第三者独立機関が埋蔵量を調査することすら許していなく信用に置けない。OPEC
設立以降、加盟国のおおくが突如、1年で埋蔵量の数字を倍増させたというのは有名な話である。OPECの生産割り当ては加盟国の埋蔵量に基づいて決められるからだという。*4




このように石油会社や産油国の埋蔵量は全く当てにならない。だから、ピーク論者は毎月発表される世界各国の生産量を見ながら一喜一憂することになる。


私自身は何年何月に世界のピークがくるのかを予想するのはあまり重要ではないと考える。まずピークの日を境に、世界中の石油が消えてなくなる訳ではない。しばらくの間は、世界には大量な石油がある。1日で何かが変わるわけではない。世界中の誰もがピークを打ったことすらも気づかないだろう。ピーク後、5年、10
年たって、やっとあの時がピークだったと言えるのだ。それが世間一般に知れ渡るのにはずいぶん時間がかかるだろう。


4、石油の量、質、生産コスト、EPR


現在の安くて豊富な石油を支えているのは、穴を掘れば良質で豊富な石油がわき上がってくるような20世紀初頭から中ごろに見つかったような巨象と呼ばれる巨大な油田である。巨像を抜きに石油産業は成り立たない。世界最大の油田は、サウジアラビアのガワー
ル油田で、長さ約240Km、最大幅約40Kmもあり、生産量は450万バーレル/日あり、この油田だけで世界で6%の石油消費量を占める日本をまかなえるほどである。このような油田では、もちろん埋蔵量は豊富で、石油の質も良く、生産コストが安い。


しかし、このガワール油田ですら既にピークを打ったのではないかと疑われている。石油の自噴を助けるために、毎日約100万トンの海水が圧入されながら生産が続いている。専門家たちからはガワール油田は死につつあると噂されている。*1


ピーク楽観論者でも悲観論者でも一致している点は、これから石油の生産コストが上がっていくという点である。ガワー
ル油田のような在来型と呼ばれる油田の開発がどんどん難しくなってきている。つまり、安くて豊富な石油の生産を可能にしている巨像たちは、数十年前に開発されたものであり、多くが生産のピークを超えてたり、迎えつつあるのだ。その上、近年は発見される巨大な油田の数、埋蔵量ともに非常に少なくなってきている周知が一致する事実である。


下の図は、発見された巨大な油田の数と埋蔵量である。1960年代を境に、発見される埋蔵量の量が減り続けている。もう一つこのグラフを見てわかるのは年を追うごとに、一つの油田あたりの埋蔵量が小さくなってきているという事実である。最新の技術をもってしてもこの傾向を覆せていない。この部分はだれにも否定することが出来ない大きな事実である。つまり穴を掘れば石油がわいてくるような巨大な油田の時代は終わりを迎えているということである。


Party's Over, Richard Heinberg 124ページより


ピーク楽観論者と悲観論者の差は、このような在来型の巨大油田に取って代わるものがあると思っているか、そうでないかの違いである。


下の図は、楽観論者の代表格のIEA(国際エネルギー機関)の石油生産量の未来予想である。ちなみにIEAは第一次オイルショック後に当時アメリカの国務長官だったキッシンジャーの提唱のもとつくられた石油消費国の集まりである。


下の図を見ると明らかなように現在稼動中の油田の生産能力は今から落ちていくと見ている。ここはピーク悲観論者と意見を一致する点である。IEAが考えているのは、現在稼働中の油田に、さらにお金をかけて生産量を向上させピークを先延ばしにする。その上で新たに、原油の二次回収を進める。これは現在すでに石油生産が終わってしまったような油田に、二酸化炭素や、天然ガスを注入して、なんとか油田にのこされた粘度の高く質が悪い原油から、石油を生産する技術である。そしてタールサンドや石炭や天然ガスから作った液体燃料、バイオエタノールのような非在来型の液体燃料や、最後に新規の油田の開発などもくわえて、世界はピークを迎えるどころか、今後20年は全体の石油の生産量は増えていくと考えているのである。


これらの努力でピークを回避できるかどうか、私は怪しいものだと思うが、ただはっきりしているのは、いずれも手法も巨大な開発費が必要であり、石油の生産コストや精製コストも、在来型の油田と比べたら、高くつくものばかりであるという点である。これからは今よりもずっと多いお金をかけなければ、石油は生産できなくなっていくのだ。だから石油の値段は上がっていく。もし楽観論者たちが正しかったとしても、最低でも安い石油は終わりを迎えるということである。




Existing capacities :現在稼動中の油田の生産能力


Development
of existing reserves :現在稼動中の油田の生産量向上


Enhanced
oil recoveries 
原油の二次回収


Non-conventional
oil :非在来型の液体燃料


Development
of new discoveries :新規油田の開発


実質的に[石油ピーク]を認めたIEA:20世紀型文明の行方 石井 吉徳

http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/oil_depletion/iea_exxonmobil.htm


私が、IEAの予想が信じられないのには、理由がある。現在稼動中の油田の生産量向上や、原油の二次回収、非在来型の液体燃料、新規開発の油田などから生産される石油は、掘りづらくて高い油なのである。開発、生産、精製するのには、莫大なお金とエネルギーがかかるので、現在巨像から生産されている石油の量と質を保てるとは思えない。



最近、ブラジルで発見されたという巨大な深海油田などはどうだろうか。未確認で非公式な発表(強調)によれば、埋蔵量はここ30年で発見された油田なかで最大のものになる可能があるそうだ。*2 しかし石油を採掘するためには、2千メートルに及ぶ岩
塩層を掘り進めなくてはいけない恐れがある。*3 もちろん高い技術が要求され、高い採掘コストとエネルギーがかかるので、安くて大量な石油を生産するのは難しいだろう。うまく言っても高くて大量の石油である。これでは、とても地面の下に石油が眠っているガワール油田の代わりにはならない。





非在来型の代表格であるカナダのオイルサンドはどうだろうか。カナダのアルバータ州には世界の石油埋蔵量の3分の1にあたる1兆6000億バレルが眠っている可能性がある。しかし全てを石油として生産できる訳ではない。経済的なコストと、エネルギーコストの二つの制約を受けるからだ。実際に技術的に採掘可能な石油はそのたった5分の1の3110億バレルである。その上、低コストで採掘可能なのは、そのわずか0.06%の2億バレルほどである。*4


このカナダのオイルサンドから石油を生産するのには大変な技術と労力がいる。たとえばアルバータ州にロイヤル・ダッチ・シェルの施設ではなんと1万人の従業員が働いていて、石油会社は既に230億ドルを複雑な採掘技術につぎ込んでいる。*4


オイルサンドから石油を生産するためには膨大な天然ガスと水が必要とされる。石油を絞り出す(強調)ために、油田に蒸気を数年にわたって注入しなくてはいけないのである。露天掘りの場合は、たった1バレル(約160リットル)を生産するために2トンのオイルサンドが必要であり、環境に与えるダメージが大きい。*5 カナダの天然ガスの需要はオイルサンド生産の為に逼迫しているそうである。*6


石油生産の値段は高くついても、ガソリンの値段が上がれば商売が成り立つかもしれない。しかしもし投入した天然ガスのエネルギー量より、取り出した石油のエネルギー量が大きくならなければ、何の余剰エネルギーを得ていないことになる。こうなると元の木阿弥にもどる。


このように、エネルギーの埋蔵量だけでなく、エネルギー質が非常に大切なのだ。エネルギーの質は普通、エネルギー収支比(以後 EPR
Energy Profit
Ratio)として表されることが多い。読者のみなさんには、このEPRをしっかり理解していただきたい。このEPRを使うといろんなことが見えてくる。




EPR = 取り出すエネルギー/入力エネルギーの比


EPRとはエネルギー源から、取り出せるエネルギー量を、取り出すために使ったエネルギー量で割ったものだ。これが1以下になったら、投入したエネルギー量より、取り出すエネルギー量が少なくなって、資源とは呼べなくなる。採掘をすればするほど、エネルギーを失うことになる。逆に数字が大きければ大きいほど、質がいいエネルギー源だといえる。


1940年代頃のアメリカで採掘されていた油田のEPRはなんと100以上だったそうだ。それがピークを迎えた1970年代になるとすでに20に低下し、1985年で10になり、最近ではなんとEPRが3程度になったそうである。*7
如何ピークを過ぎた油田から石油を採掘するのが難しいかという典型的な例である。


オイルサンドのEPRは、現在だいたい2くらいだそうだ。*8 しかし大量に埋蔵しているオイルサンドをすべて回収して石油を生産しようとすれば、EPRがどんどん下がっていき、その内1以下になり、資源を溝に捨てることになる。大量の天然ガスを使って少量の石油をつくるなら、最初から天然ガスを使った方がいいに決まっている。


これと同じようなことが世界の石油でも起きているのだ。IEAが言っているこれから生産される油のEPRは、在来型に比べEPRがもともと低いし、生産量を増やせば、増やすほど下がっていく。ここが非常に大切である。掘りづらくて高い油の正体は、つまりEPRが非常に低い油ということになる。






5、伸びない生産量、伸び続ける潜在需要


ではピークオイルを補助線に、今(2008年7月現在)の石油高騰について考えてみよう。1990年代後半には1バレル(160リットル)20ドルを割り込んでいた石油価格が、2002年あたりから上昇し続けて、2008年に入り、100ドルを超える状態が続いている。世界中が固唾をのんで、石油の値段の行き先を見守っている。


私は二つのことが同時に起きていると見る。伸びる石油需要に石油の供給が横ばいになっていることと、石油ドル体制が揺らいでいてドルの価値が低下していることが、石油の値段を押し上げている原因である。そしてどちらもピークオイルというキーワードでつながっているのだ。


いままで述べてきたように、世界中で発見される油田の数と量は1960年代をピークに減り続けている。安くて豊富な石油の供給を可能にしている本当に巨大な油田がここ数十年見つかっていない。世界中の巨大油田が大変古くなってきていて、中にはすでにピークを打ったり、そそろそろピークに差し掛かっていると疑われているものがある。ここ数年で、イギリスや、メキシコのように実際ピークを打ったところが明らかになってきた。これらがまず最初の前提である。


そんな中で、2005年からここ3年間、世界全体の石油供給が横ばいであり、増えていかない状態が続いていた。*1 ピーク悲観論者のなかにはこれを見て世界はピークを打ったと主張する人もいたし、楽観論者であっても、今までのように、右肩上がりで石油の供給を増やしていくのには、非常に多くの労力と、お金が必要だと事実上認めていた。つまり専門家たちは最低でも安い石油のピークを認めたことになる。


一方で、需要の統計をよく見ていけば、よく指摘されるように、中国やインドでの消費量がものすごい勢いで増加しているのがわかる。両国ともここ十年間で石油消費が約2倍になっている。とうに日本の石油消費を追い越して、中国一国で世界の石油消費の10%にいたるまでになった。新車販売台数は、これも日本を追い抜いて、年間約900万台にも及んでいる。*2 インドでも、自動車の普及がどんどん進んでいる。タタ自動車が、たった30万円で買える乗用車を販売しようとしているというのは象徴的なニュースである。*3 1977年にはアジア全体が占める世界の石油消費はたった16%でしかなかったが、2007年では約30%までに増加している。*4


ちょっと前の中国の風景として思い浮かべるのは、ものすごい数の自転車が町中をあふれているという絵である。しかし上海のような都会では、今、自動車が溢れかえっているそうだ。一方日本では、高騰するガソリン価格に押されて自転車がブームになっているというのだ。アメリカでも同じようなことが起きている。私が住んでいるアメリカ・ニューヨーク州の北のはずれロチェスターという地方都市は、自動車社会が行き着いた先のような場所である。私が3年前に引っ越してきたときは、自分が車を運転せず、いつも自転車に乗って生活していると言うと、こいつは頭がおかしいのではないかというような顔をされたが、今年になって急に街で見かける自転車の数倍に増えた。非常に驚くばかりである。





ここ三年間は世界の石油生産量は横ばいである。そして過去数十年、自動車の平均燃費というのは実はあまり変わっていない。それどころかアメリカではSUVのような大型車の普及が進んだので下がりつつある。そう考えれば、つまりこの三年間、世界全体でみれば走らせられる車の数は増えていないはずである。それなのに世界中で自動車の数が増え続けているのだ。


中国で、自転車を捨て、自動車に乗り始める人が増えれば、世界のどこかで、自動車通勤をあきらめて、自転車に乗り換える人が増えるはずである。世界で動かせる車の数が決まっているのだから、日本やアメリカで自転車に乗る人が増えているのは、何ら不思議でない話なのだ。


供給が増えない状態で、潜在的な需要が増えるのだから、値段はもちろん上がるに決まっている。需要と供給のバランスが崩れているのだから、値段は上がるし、ここに投機のお金が流れ込まないと考える方がおかしいのである。値段が上がることで、アメリカの貧乏人は車に乗るのをあきらめて、中国の金持ちは車にのるという世界の石油消費の再構築が進んでいるのだ。アメリカの車社会は文化だと思っていたが、何のこともない値段の問題だったのだ。そして世界のピークが明らかになれば、石油の値段がコカコーラよりも安いということはあり得ないだろう。


6、ドル石油体制への攻撃 アメリカ石油帝国の崩壊


もう一つの原油価格の高騰の理由は、ピークオイルの圧力によって、ドル石油体制が崩れかかっており、ドルの価値が落ち始めていることである。今、エネルギー消費とともに、世界の通貨の再構築も始まっている。副島隆彦氏の著書を何冊か読んでいられるかなら当然ご存知あると思うが、アメリカがその覇権を維持できているのは、ドルが全世界の石油取引で使われている(いた)からである。世界最強のエネルギー源の石油にドルはリンクすることでその基軸通貨の地位を今まで保ってきた。


この辺りの議論をあまりご存じない方もいらっしゃると思うので、少し説明をしたいと思う。ドルは第一次世界大戦後イギリスポンドからその基軸通貨の地位を奪い、第二次世界大戦後その地位を不動のものとしていった。金1オンスを35USドルと定めることでその信用を保持し、世界中の通貨が固定レートでドルにリンクしていた。いわゆるブレトン・ウッズ体制である。しかし70年初頭、ドルはその地位を失いかけた。ベトナム戦争で散財した結果、財政難に陥り、1972年のニクソンショックでドルの金兌換性を廃止して、ドルはただの紙切れとなった。これはアメリカの石油ピークから二年後の出来事でやはりこれも大きな痛手だったのだろう。しかしその後、巨大な軍事力と政治力を背景に、ドルだけ(強調)で石油取引をすることをOPECに認めさせ、ドルは基軸通貨の地位を失うことは無かった。


それ以降、ドル=石油になった。つまり紙幣を印刷するだけで石油を買えるようになったのだ。アメリカはこのときブラックゴールド製造機を手に入れたといっていい。紙切れのドルを印刷するだけで、世界から石油を始め、物やサービスまでを買えるようになったのだから、これは詐欺以外のなにものでもないが、ドルに取って代わるような通貨もなかったというのが現状だろう。アメリカはこの錬金術を使って、以後40年間、世界中から物を買い続けた。アメリカの下院議員で、リバタリアンのロン・ポールによれば、アメリカの製造業が廃れたのは、自分たちで努力して製品を開発するよりも、ドルを印刷して外国から製品を買ったほうが楽だったからだと述べている。


現実には中央銀行が政府から独立してる場合は、政府がただ紙幣を印刷して物を買うことは出来ない。しかし借金をすることによって新たなお金を創造することは出来る。だからこの錬金術を使って、世界中から物やサービスを買い続けた結果が、積みあがった巨大な財政赤字や貿易赤字であり、クレジットカードやサブプライムローンと借金に溺れる
アメリカ人たちである。今ではアメリカ人は外国から借金をしなければ、家も、車も買えないし、生活すら出来ない。日本、中国、サウジアラビアなどが大量に保有している米国債をみれば、アメリカがいかにこれらの国からドルを印刷するだけで製品や資源を買ってきたのかがよくわかる。


石油の値段が1バレル20ドルを割り込んだ1990年後半、アメリカはITバブルの真っ只中にて、この世の栄華を楽しんでいた。このときアメリカはドル紙切れ石油体制成立後のピークを迎えていたと言っていいだろう。デジタルマネーといって、実体もなく世界中にあふれるお金の正体は、無制限にあふれ出る安くて豊富な石油であった。ニューエコノミーの時代だからもうアメリカに不景気にならないという人までいた。たしかに紙切れドル石油体制は、アメリカが借金をし続けられれば、いつまでも続けられるはずであった。


しかしドルに対する包囲網は静かに進んでいた。世紀末に誕生したユーロの誕生である。ユーロは老練なヨーロッパがアメリカに対抗するための作り出したしたたかな世界戦略だったのだろう。ドル石油体制が、実は紙に描いた虎だと、世界に知らしめたのが、2000年に石油の取引をユーロ建てで行おうとしていたイラクのサダム・フセインだった。イラク戦争に負けサダム・フセインは処刑されるが、パンドラの箱はもう空いてしまった。「死せるフセイン、生けるアメリカを走らす。」と歴史に刻まれるだろう。



アメリカがITだの住宅ブームだの浮かれている間に、原油高を受けながら、世界中で油田やガス田の国有化が進んでいった。気がつけば、2007年には世界の75から80%の石油は国有企業が生産するようになった。メージャーとよばれる欧米石油企業は、いつの間にはマイナーな存在になってしまった。国営石油企業はアメリカのために増産をして、石油の値段を下げようなどとと考えもしないだろう。石油が高騰した状態が彼らにとって最良な状態である。*1


2007年中ごろにイランは外貨準備高のドルの割合を20%まで減らして、ユーロや日本円で石油を売り始めたのだ。日本は円で石油を買えるようになった。2006年から翌年にかけて、ベネズエラのチャベスは外貨準備をユーロに移し、国営ベネズエラ石油の投資や開発のための口座をユーロや他のアジア通貨で運用することを決めた。チャベスはOPECのサミットで、ドルはバブルな通貨だから、OPECはドルで石油を決済するのをやめて、世界中の通貨で石油を取引することができる通貨バスケット制度に移行するべきだとの提案をした。OPECは通貨バスケット制度の研究を始めることで同意した。中東各国も自国通貨のドルペグをはずして、他の通貨でも石油を売りたいのだ。*2


ロシアのプーチンは、2007年に石油の先物取引を、ロシアの商品市場で扱いユーロとルーブルで取引を開始すると宣言した。ロシア石油会社がガスや石油をすべてこの市場で扱えば、全世界の10から20%のガスと石油の取引がこの市場で行われることになる。このようにドル石油体制への包囲網が着々と築かれつつある。*3


しかしドル石油体制へ最初の風穴を開けたのは、やはり石油自体であった。石油の値段が1バレル80ドル台に差し掛かった2007年夏、サブプライム危機が起こり、郊外住宅からの住宅価格が急落し始め、アメリカの住宅バブルが大崩壊を始めた。国は世界中に軍隊を派遣し覇権を広げ、街は際限なく郊外へと広がり、人は恐ろしいほどぶくぶくに太っていた。まさにすべてがピークを迎えたような姿であった。クレジットカードが上限に達したように(Maxed
Outして)、アメリカが金が借りられなくなって、今、クレジットクランチがおき、デジタルマネーが消滅しつつあるのは、安くて豊富な石油がなくなってしまったからである。


無制限にあふれ出る安くて豊富な石油の上になり立っていたドル石油体制は、ピークオイルを迎えれば一巻の終わりを迎える。石油がこれから減っていきそうな貴重な戦略物質になれば、何の裏づけもない紙切れのドルと、石油を誰も交換してくれなくなる。
つまりニクソンショックいらい、金融詐欺でその覇権を保ってきたアメリカ石油帝国の終わりも意味する。良くここまで持った物だと、逆に感心してしまう。


そしてこれはドルに象徴される紙切れ通貨体制の終わりでもある。現在原油の値段は高騰しているように見えるが、金に対する石油の値段は大して変わっていない。副島隆彦氏が、何年も前から語ってきたように、いよいよ世界は実物経済の時代にある。今後、世界の通貨が直接石油にリンクすることで世界の通貨体制の再構築が進んでいく。


たとえば、ドル表示では石油は高騰しているが、ユーロで換算すれば、ユーロはドルに対して強くなっているので高騰は半減する。これはドルプレミアムと呼ぶべきものだろう。つまり、財政赤字、貿易赤字を垂れ流し、自国で何も作らず、他国から金を借りてきて、他国から商品を輸入して消費を楽しんでいるような国の信用は低いので、その通貨は石油に対して下がっていくということだ。


これから富の源は、いかさま的な紙切れ通貨を発行する国ではない。地球から恵み、大地と太陽の恵み、そして知恵と労働力を輸出できる国である。つまりエネルギーや資源の輸出国、農作物を輸出する国、そして人的資源や技術を使って製品やサービスを輸出する国だ。


そう考えれば日本がこれからも世界中が欲しがる製品を作る国であり続けるなら、ピークがおきても、世界中の産油国は、日本に石油を売ってくれないことはないだろう、(もちろん安くはないだろうが)。ドルが本当に紙切れになる前に、どこかのタイミングで日本は、たまりにたまった外貨準備や米国債などのドル資産を、実物に換える必要がある。為替介入によって、事実上ドルに円をペグしているような状態はもうやめるべきである。どうせアメリカ人はもう何も買えなくなるし、ドルプレミアムで余計に高い石油や資源を買わされるだけである。とっとと日本は、イランから石油を円で買っているように、他の国からも円で石油で買ってこれるように手はずを整えるべきだ。






7、戦略的低エネルギー



私が日本はこれから戦略的低エネルギーで行くべきだと考えているのは、ピークオイルが疑われている中で、今のところ、石油をとって余りある代替エネルギー源が見当たらないからである。ピークがいったんおこれば、世界中が、石油が足りない分を天然ガス、石炭、原子力などでまかなおうとするだろう。そうなれば当分の間は、エネルギーが貴重で、高価な時代がつづくことになる。枯渇の心配のない風力や太陽発電などの新エネルギーが爆発的に普及していっても、量が追いつかず、問題はそう簡単に解決しないだろう。しかもこの流れは、石油に取って代わる圧倒的なエネルギー
源が確立されるまで、年々事態は悪化していく。いつそんなエネルギーが見つかるのかは誰にもわからない。(次回この辺りを、詳しく研究していきたい。)




エネルギー源が不足して高騰する中で、我々が一番効率的に生きていくためには、自ら戦略的に使うエネルギーの量を減らして、その中で快適に暮らせる道をさがしていくことだ。この考えは、経済アナリストの藤原直哉氏が提唱していているものである。



安くて豊富な石油時代に生きてきた我々は便利になろうとして、もっと多くのエネルギーを使おうとする。それにはお金がかかるから、お金のために余計に働かなくてはいけない。だからいつも忙しい。多くの人が家族や友達と過ごす時間を削り、趣味や地域社会に気をかけなくなり、社会全体がぎすぎすしている。気がつけば、聞きもしたくないような凄惨なニュースを毎日きくことになる。我々は便利になろうとして、本当に幸せになったのだろうか? 多少不便になっても、少ないエネルギーで工夫を凝らしながら、暮らしていった方が、幸せに健康に暮らせるのではないか、そんな問いかけである。この考えは個人の生活だけでなく、国、地方、企業にも適応できる考えである。



ここでいう「低エネ」は「省エネ」と似て非なるものである。省エネは今までと同じ性能や機能を持った物の効率を上げてエネルギーの消費を減らそうとすることだ。今での利便
性を保つことが前提にあるので、エネルギーを減らすのには、限界があって、開発費と費用が高くなる。一方、低エネは、それまでのアプローチを発想から変えて、技術だけでなく、さまざまな手段を使いながら、多少不便になることには目をつぶっても、劇的に少ないエネルギーの消費量で目的を達成させることだ。




例えば、今自動車会社が一生懸命開発を進めている電気自動車などが、省エネを目指してうまくいっていない例だ。電気自動車はガソリン車より3倍もエネル
ギー効率がよく省エネであるといわれている。*1 電気自動車が世の中に普及すれば、これは画期的な省エネであるといえる。




しかし、電気自動車の動力源として有望視されているリチウム電池は、エネルギーのキャリアとしては、ガソリンに遠く及ばない。同じ質量のガソリンがもつエ
ネルギー容量は、電気自動車用のリチウムイオン電池のなんと80倍もあるだ。*2 しかし今の電気自動車の開発は、これほどのハンディを負いながら、今までのガソリン車と、同等な性能や機能を持つ車求めているのだ。ここに大きな間違いがある。今後さらに電池の開発が進むにしても、ガソリンとの差を埋めるのは、膨大な研究費用、時間、人的資源が必要とされる。




現在、ガソリン車の性能を出すことは、実はすでに技術的には可能だ。ただ、そのためには、エネルギー密度は低いが高価な電池を、大量に搭載しなくてはならず、車体価格は何千
万円に跳ね上がってしまう。完全に省エネの罠はまってしまっている。これではとてもガソリン車に太刀打ちできず、商売にならないのである。商売にならな
ければ、電気自動車がいくら環境にやさしいといっても、普及することとはない。いくらなんでも、今までのガソリン車と同程度の性能の車に、何十倍のお金を
払える環境愛好家はそんなにいないだろう。




では、低エネな電気自動車というのは、どんなものになるのだろうか? まず、電池はエネルギー密度でガソリンに劣っているのだから、ガソリン車の性能や機能を追い求めないことだ。自動車とはただの便利な移動手段であるという根本的なところに一度立ち戻って考える必要がある。車の使われ方をみれば、大半は通勤で短い距離を、一人で運転しているのだ。人間一人60キログラムを移動させるために、本当に一トンもの鋼鉄の塊を一緒に動かす必要があるのだろうか?だから、一人もしくは、二人の人間を、それほど長くない距離を快適に移動させることを目指せばいいのだ。




車体を出来るだけ軽く小さくし、走行距離を短めに、スピードも低めに設定すれば、高価なバッテリーも減らすことも出来、値段も抑えられる。こんな通勤・通学用の一人、二人乗りの、低エネルギーなマイクロカー電気自動車の開発は今すでにある技術で可能なはずである。原付よりも少し早くて、快適であり、値段も手頃であれば、大きな需要があるだろう。ただ、今までガソリン車を大量生産してきて利益をあげている自動車会社に、こんな電気自動車の開発を期待するのは難しいかもしれない。会社の短期的利益と、長期的利益が対立しあうからだ。まるでデジタルカメラを売り始めたときのフィルムメーカのような立場だ。デジタルカメラを売れば、フィルムが売れなくなるが、デジタルカメラを売らないと時代に乗り遅れてしまうという感じだ。新世代の電気自動車はまるっきり新しい会社から生まれてくるかもしれない。




まあ、電気自動車とか、燃費のいいエンジンとかこのような「技術開発」をしなくても、自動車のガソリンの消費を半分にするのは可能だ。発想を変え行動できれば、それほど難しいことではない。ではどうすればいいのか? たとえば一番簡単なのは、乗る人を倍に増やせばいいのだ。車を主に通勤につかっているのであれば、近所に住んでいる人で同じ方角に通勤している人を探して、一緒に一台の車を共有すればいい。今まで一人で乗っていた人は、二人で乗ることになれば使う石油は半分で、四人で乗れば、4分の1でいいわけだ。なんとも笑ってしまうような話かも知れないが、それでいいのだ。もちろん一人で乗るよりは、不便だろうし、時間も少しかかるかもしれないけれど、新しい近所づきあいが出来て、人間関係が広がるかもしれない。使うエネルギーをもっと減らしたいなら、もちろん公共交通機関を使う方法もある。さらに言えば天気のいい日は自転車に乗って通勤すれば自分の食べ物以外のエネルギーいらないし、健康にもいい。雨の日だけは車に乗ればいい。



さらに考え方を変えて、住む場所をかえることもできる。通勤先の近くにすれば、車で通勤をしなくてもいい。東京の都心のようなところでは家賃が高くてそんなことができないというのであれば、地方都市に引っ越せばいい。引っ越すのがいやなら、仕事の場所を変えればいい。自分の家の近くで仕事を探すとか、情報系の仕事であれば、インターネットを使って自宅で仕事をすることも出来るだろう。そうすれば通勤も必要なくなる。田舎で畑仕事をしながら、ネットで仕事をするというのも一つの手である。このようにいろいろなアプローチを組み合わせることで、エネルギーの消費は劇的に減らせるだろう。



ここで挙げた例は一歩踏み出すのには勇気がいるけど、どれも難しいことではない。要するに今までの固定概念を変える必要があるということだ。ただ固定観念は、エネルギーの値段が変えてくれるだろう。いままでのライフスタイルを貫くにはもっとお金がかかるようになるからだ。たとえばカナダでは、平均、1年で二ヶ月分の給料を、自動車を維持するのに使っている計算になるそうだ。
*3 これが上がっていったらどうなるか? 私なら、自転車に乗って、もっとほかの分を贅沢するか、その分働かないで、自分の好きなことをやっていたと思う。



街づくりの観点で見れば、人々が低エネルギーでも暮らしやすいように街を整備していくことが大切だ。街を郊外に拡張させないで、中心部を大切にして、コンパクトにしていく。あなたが住んでいる団地で、仕事をし、買い物ができ、生活全般のことを歩いて済ませられるように街を整備していく。日本は高齢化がどんどん進んでいくのでこれは非常に大切である。田舎であれば、どうしても車が必要になってくる場合が多いから、その地の利を生かし、自然エネルギーで、エネルギー自給自足を目指すべきだろう。



交通機関の整備も欠かせない。電車や地下鉄などを作るお金がなければ、道路にバス専用道路を作るという手もある。ここを二両続きのバスを運行すれば、非常に安い値段で効率的な公共交通を作ることができる。乗客は、バスの待合室に入るときに料金を払うので、無駄な時間のロスがない。これはブラジルのカルティバという街で始まったバス・ラピット・トランジット(BRT)と呼ばれるシステムである。このように大きなお金をかけなくても、新しい技術を開発しなくても低エネルギーを達成することはできる。大切なのは考え方を変えることだ。



世界一エネルギー効率のいい乗り物である自転車に、日本人はもっと敬意を払う必要もあるだろう。こんなに普及しているのにないがしろにされている物も珍しい。日本では自転車が、車道を走ったらいいのか、歩道を走ったらいいのかわからない、あやふやな状態になっている。やはり安全に自転車に乗れるように自転車専用道路を整備していくべきだ。こんな物は、在来の電車や、地下鉄などと比べれば、ほとんどただのような値段で整備ができる。



一人ずつが乗り物を所有すると、街中が乗り物だらけになってしまうので、乗り物をシェアするという考えも大切だ。パリで昨年始まったVelib’
(ヴェリブ)というセルフレンタルバイクサービスは、いい参考になる。これはパリ市内に二万台の自転車を配置し、千五百ヶ所の駐輪所を作り、好きなところで自転車を借り、好きな駐輪所に乗り捨てをできるというシステムである。これがすでに地下鉄の利用者に方を並べるほどの人気になっている
。*4 この考えを自動車に適応して、小型の電気自動車を街中に配置して、セルフレンタル自動車サービスを作ることもできる。こういう物があれば、二ヶ月分の給料を自動車につぎ込む必要も無く、余計に働かなくてもいいので、のんびり暮らせて、低エネルギーである。



ピークオイル後は、世界中でエネルギーが足りない状態が続く。企業は、そんな中でも生活が快適になるような製品やサービスを考えていけばいい。低エネルギーをキーワードに考えていけば、続々と新しい製品のアイディアがわき上がってくるだろう。こういう物を日本人が本気になって作り出したら強いと思う。低エネ商品の例を一つだけ挙げるとするば、発明家の藤村靖之氏が開発した放射冷却を利用し電気を使わない冷蔵庫だ。屋外に設置しなくてはいけないし、一日に2、3度しかあけられないという制約あるが、非電化で摂氏8度に保つことが出来る。*5 こういう物が世界中でこれからほしがられるだろう。低エネ商品には大きな可能性がある。



その時の国の役割は、人々の低エネへの工夫や新たな取り組みを邪魔しないことだ。規制、法律、行政指導のような物が、日本人の創造力をがんじがらめにしている。支出を減らし、税金を下げ、地方や個人に仕事を任せるべきだ。そうすれば、各自が工夫して暮らしていくだろ。国の借金や税金を払うために国民を余計に働かせれば、国民は疲弊し、最終的に国も疲弊する。これが今の日本の姿だ。国が本来やるべきことは、外交、安定した通貨の管理、国防のはずだ。



ピークオイルがいつくるかはわからないが、私はこれから準備をしていこうと思う。重要なのは、ピークを境に、満ち潮が、引き潮に変わるように、トレンドが大きく変わるということだ。今までのように、石油をどんどん消費し、街も、国も、
経済も大きくなる傾向から、石油がすこしづつ使えなくなり、みんな小さくなっていくという流れになる。いったん流れが変わったら、もうもとには戻らないし、誰もその流れに逆らうことはできない。流れに逆らおうとする国は、政治、経済、社会、安全保障といった面で、大きな負担を抱えることになり、弱体化し、自然淘汰されていく。石油文明の終わりである。
当分の間は、石油に取って代わるようなエネルギー源は現れない。だから大幅にエネルギー使用をカットする必要なる。それでも我々が明るく、楽しく、幸せに暮らしていけるように、今から準備を整えよう。



最後にこの文章を書く機会を与えてくれた副島隆彦先生には感謝の意を表したい。学問道場ではいつも多くことを勉強させていただいています。そして、今回多くの的確なアドバイスをしていただいた若手政治研究家の中田安彦氏と、出版社の成甲書房の方々にも深く御礼を申し上げたい。



(了)





参考文書




2、ピークオイル:安くて豊富にある石油の終わり


1、The Oil Drum Oil Watch July 2008 

http://www.peakoil.nl/wp-content/uploads/2008/07/2008_july_oilwatch_monthly.pdf





3、世界のピークはいつくるのか



1、季報エネルギー総合工学Vol.28No.2|寄稿ピークオイル説を検証する 本村 真澄

http://www.iae.or.jp/publish/kihou/28-2/09.html



2、ん! 愛媛県議会でピークオイル論争

http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/2966.html



3、Richard Heinberg's Peak Everything

http://www.youtube.com/watch?v=ybRz91eimTg&feature=related



4、商品の時代 ジム・ロジャーズ P192





4、石油の量、質、生産コスト、EPR



1、エネルギー総合工学研究所 季報エネルギー総合工学Vol.28No.1(2005.4) 石井吉徳

http://www.iae.or.jp/publish/kihou/28-1/02.html



2、ブラジルで海底油田発見、埋蔵量は330億バレル? AFPBBNews

http://www.afpbb.com/article/economy/2378658/2834967



3、ブラジルでまたも大油田発見 NBOnlineのBusinessWeekの邦訳から

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080424/154139/?P=1&ST=bw



4、商品の時代 P213 ジム・ロジャーズ



5、ABC Four Corners Peak Oil 2006 Documentary

http://video.google.com/videoplay?docid=266072673952854011&q=peak+oil+&ei=WTeHSMjHDYKsrQLO5OHBCA



6、 RichardHeinberg'sPeakEverything

http://www.youtube.com/watch?v=ybRz91eimTg&feature=related



7、実質的に[石油ピーク]を認めたIEA:20世紀型文明の行方 石井 吉徳

http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/oil_depletion/iea_exxonmobil.htm



8、 季報エネルギー総合工学Vol29No.3  日本をめぐるエネルギー資源と大陸棚問題 芦田 讓(京都大学大学院工学研究科教授)

秋山 守((財)エネルギー総合工学研究所 理事長)

http://www.iae.or.jp/publish/kihou/29-3/02.html





5、伸びない生産量、伸び続ける潜在需要



1、OilDrum Oil watch Monthly

http://www.peakoil.nl/wp-content/uploads/2008/05/2008_may_oilwatch_monthly.pdf





2、中国自動車産業の30年間の移り変わりjapanese.china.org.cn

http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2008-03/31/content_13966325.htm



3、実売価格30万円以下!印タタ自動車、世界最安のコンパクトカー「NANO」発表 マイコミジャーナル

http://journal.mycom.co.jp/news/2008/01/11/002/



4、BP Statistical Review 2008

http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/downloads/pdf/statistical_review_of_world_energy_full_review_2008.pdf







6、ドル石油体制への攻撃 アメリカ石油帝国の崩壊



1、 Kevin Phillips Bad Money P122。



2、 Kevin Phillips Bad Money P149



3、 Kevin Phillips Bad Money P149





7、戦略的低エネルギー



1、
佐藤研一朗 水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4 仙台インターネットマガジン

http://www.im-sendai.jp/archives/2006/11/post_215.html




2、電池技術で競い合う 自動車開発 design news Japan


http://www.designnewsjapan.com/issue/2008/06/o14nbe000000afmr.html




3、Cycling for Everyone: Lessons for Vancouver from the Netherlands, Denmark, and
Germany

http://www.sfu.ca/city/city_pgm_video020.htm



4、 佐藤研一朗 ローテクの逆襲 自転車の可能性 仙台インターネットマガジン

http://www.im-sendai.jp/archives/2008/02/post_250.html





5、非 電 化 工 房

http://www.hidenka.net





参考本・ウエブサイト




幻の水素社会 藤井耕一郎

連鎖する大暴落 副島隆彦

商品の時代 ジム・ロジャーズ

Party's Over  Richard Heinberg

Power Down  Richard Heinberg

The Long Emergency James Howard Kunstler

Bad Money  Kevin Phillips

新生日本の国家ビジョン 藤原直哉

里屋和彦の『エネルギー学講座』http://www.soejimatakahiko.net/rika/satoya/index.html

武田邦彦ウエブサイト http://takedanet.com/





参考ビデオ

Richard Heinberg's Peak Everything

http://www.youtube.com/watch?v=ybRz91eimTg&feature=related



The Richard  HeinbergInterviewv

http://www.youtube.com/watch?v=DHXdS9XYVs8&feature=related



The Long Emergency

http://www.youtube.com/watch?v=hXsCMC0xcOY&feature=related



Cuba Peak Oil 1990s what we are facing now.

http://www.youtube.com/watch?v=CCiHpPkp3pU&hl=en



Power Of Community-How Cuba Survived Peak Oil

http://www.livevideo.com/video/mercofspeech/CD893609A0CB495D9A9CF04AC9E4AEFF/power-of-community-how-cuba-.aspx



石井吉徳教授の石油ピークに関する講演資料

http://education.ddo.jp/ishii/



都市農業を進める中米キューバ

http://www.youtube.com/watch?v=hgsmE0VvpYM&hl=en



キューバ都市農業リポート「 Saludサルー!ハバナ」

http://www.isacci.com/



Cycling for Everyone: Lessons for Vancouver from the Netherlands, Denmark, and
Germany

http://www.sfu.ca/city/city_pgm_video020.htm



ABC Four Corners Peak Oil 2006 Documentary

http://video.google.com/videoplay?docid=266072673952854011&q=peak+oil+&ei=WTeHSMjHDYKsrQLO5OHBCA















アメリカの石油生産量のグラフ

SeacoastNRGがUS
Energy Information Agencyの発表を元に作ったもの


http://www.seacoastnrg.org/2007/03/05/us-crude-oil-production-falls-to-57-year-low/s





Power
Down Richard Heinberg 18ページより






拡大する石油発見量と生産量のギャップエネルギー総合工学研究所 季報エネルギー総合工学Vol.28No.1(2005.4) 石井吉徳

http://www.iae.or.jp/publish/kihou/28-1/02.html









Party's
Over, Richard
Heinberg124ページより







2008年12月02日

ピーク後の世界を生き残る方法

こちらも環境論文の一部です。ピーク後の世界について書いて見ました。代替エネルギーのところが大切だと思います。日本で資源になると騒がれているメタンハイドレートは資源にならないかもしれないことを少し書きました。

読みづらい人はこちらから、PDF形式でお読みください。

ピーク後の世界を生き残る方法

2008年6月23日
街づくりアーティスト・佐藤研一朗
アメリカ・ニューヨーク州・ロチェスター在住


第一章
われわれは貧乏になるのだ。
ピークが起こったあと世界はどうなっていくだろうか。簡単にいうと、石油がたりなくなり値段が上がる。それにつられ他のエネルギー源の値段も上がる。するといままで非常に安価だった食料、工業品の値段も釣られて上がっていく。物やエネルギーにあふれる時代から、物やエネルギーが足りない時代へ突入していく。ピーク論者のジェイムス・ハワード・カストラーは人類は「長く続く危機」(The Long Emergency)に直面するだろうといている。

エネルギーが使えないということはどういうことなのだろうか。はっきり言えば貧乏になるということである。石油は優れたエネルギー源であり、石油たった1リットルで約一トンの車を15キロくらい動かすことが出来る。もしこれを人力でやろうとするとどのくらいかかるのだろうか、4、5人の男で一日二日くらいかかるのではないか?上り坂なんてあったらそんなものではすまないだろう。まるで古代のエジプトでピラミッドの工事に借り出されている奴隷のような光景だ。つまり車を運転するというようなことは昔は王様みたいな人しか出来なかった贅沢の極みなのだ。いまではガソリンを燃やすことが出来るので、だれでも奴隷を何人も抱えて暮らしているようなものだ。奴隷制が世界中でなくなったのは、たぶん人類が新しいエネルギー源を得たからだったのだろう。

この本の監修者で、優れた国家戦略家である副島隆彦はその著書で、「経済と政治は車の両輪」であると書いた。そうするとエネルギーは文字通り、その車のエンジンを動かす動力源である。エネルギーがなくなれば、世界中の国々はガス欠になって、何も出来なくなってしまう。まさにエネルギーは国の死活問題である。だから国という車を動かそうとすれば、エネルギーをどっかから持ってこなくてはいけない。だからピーク後に起きることはすくなくなったエネルギーの取り合いなのだ。非常に物騒な世の中になる可能性は大いにある。

ピーク後のアメリカ
アメリカ国内では、石油生産ピークが1970年代に起きた。オイルショックもあり一時は石油消費が減ったものの、その後どんどん歯止めがかからないまま増えていった。無いものを使いたければ、どっかから持ってこなくてはいけない。つまり輸入がふえていったのだ。

ピーク後のアメリカでなにがおきたか? まずアメリカは破産した。ニクソンショックでドルの金兌換制を廃止し、何の裏付けもなくなった紙切れのドルだけで石油取引をさせることをOPECに認めさせ、紙幣を印刷するだけで金を生み出すことができるようになった。アメリカの巨大な軍事力と政治力に向かって、意義を唱えるものはいなかったので、ドルは基軸通貨の地位を失うことは無かった。

ドルを印刷すれば、石油や商品が買えるのだから、これははっきり言って詐欺以外のなにものでもないが、アメリカが支払っているコストも決して安くない。紙切れ紙幣体制では、新たなお金が生まれるのは、誰かが借金をしたときなので、巨大な借金が積みあがる。それが巨額な貿易赤字、財政赤字であり、クレジットカード、サブプライムローンと借金に溺れるアメリカ人たちである。

アメリカはこのドル体制を守るために巨大な軍事力を維持しなくてはいけないので、国の予算の半分くらいは防衛費にまわっている。常に石油の輸入先の中東に深く関与、干渉、侵略しなくてはならないのである。イラク戦争では約300兆円もを使い果たした。*1

そしてよくよく見ていくと、ドラック、犯罪、肥満、人種差別、都市の中心部の崩壊にいたるまで、アメリカが抱えるほとんどの問題の根本は石油の使いすぎからきているのだのがわかる。アメリカは強い強いといって強がっているが、国の中をよくみれば、通貨を弄んで富を得ようとした副作用で、もうすでにぼろぼろになっている。無限のお金と無限のエネルギーさえあれば、人は幸せに暮らせるというわけでないようだ。

20世紀、アメリカは安く大量にある石油を背景に、石油の帝国として、その覇権を維持してきた。今、世界では紙切れで石油を買えるといったドル紙切れ体制への不信任が高まっている。資源価格が暴騰し、アメリカ経済が崩壊しようとしている。しかし、これは世界に石油ピークが訪れようとしている兆候ではないか? 石油ピークがアメリカの覇権を失墜させたと、歴史には刻まれるのだろうか? 20年もたてばこの推測が当たっていたかどうかわかるだろう。

ライフスタイルを変えなければ、コストは上がっていくばかり。
アメリカが完全に間違っている点は、自国の石油生産が減っているに、消費量を減らす努力もせず、他国から巻き上げてこようという魂胆なのだ。そのために膨大な政治的、経済的、社会的なコストを、間接的に払うことになっている。大半のアメリカ人はそのことに気づいてもいないし、リーダーたちはそのことを薄々わかっていても、そのまま進めるところまで進んでしまおうという考えである。しかし彼らが払っているコストがどんどん上がっていくのだ。アメリカのように振舞う国は、ピーク後の世界ではやっていけないだろう。いくら戦争をしかけて産油国を抑えたとしても、払うコストが彼らを疲弊させていくだろう。どうしても今までのライフスタイルを変えなくてはやっていけないのだ。

日本のお得意様がいなくなる
みなさん日本のエネルギー自給率はどのくらいかご存知だろうか?たった4%である。残り96%を海外に依存しているのだ。この96%のエネルギー代がどんどん上がっていったら、日本はいったいどうすればいいのか?日本の労働人口全てが、サービス残業を増やして身を粉にして働いたとしても、払っていけないだろう。現在でも日本の年間75兆円ちかくの輸入総額の30%ぐらい(つまり22兆円ぐらい)はエネルギーの輸入代に消えている。それでも年間85兆円も輸出しているので、今は黒字になっているが、これをいつまで続けられるのだろうか。*2

日本の製造業は世界一エネルギー効率がいい。そのことを誇ってもいいのだが、日本が大量生産をして製品を売りつけてきた一番のお得意様は、石油をがぶ飲みし、大量消費を続けてきたアメリカなのだ。ピーク後、日本もこのライフスタイルを変えざる得ないだろう。

代替エネルギーはどうだ?
「まあ石油がなくなっても、ほかにもエネルギー源があるのだから、そんなに悲観的になる必要は無い。」と考える人もいるだろう。他のエネルギー源は石油の代替になるだろうか?どうも、そうは簡単に問屋がおろさないようだ。下の図を見てほしい、日本の1次エネルギー源のうち石油が閉める割合は半分である。これが毎年毎年減っていくのである。世界中が石油でまかなえない部分を他のエネルギー源で間に合わせようとすれば、とたんに全てのエネルギー源の価格は高騰していくことになる。


北陸電力より
http://www.rikuden.co.jp/gakusyu/ga1_1_02.html

ピークナチュラルガス、ピークコール、ピークウラン?
石油の代わりになりそうなエネルギー源として、天然ガス、石炭、ウラン、この三つをあげることができるだろう。石油とともに1次エネルギー源として大きなシェア占めている。天然ガス、石炭、ウランは石油に取って代われるか?もちろん石油と同じく有限な資源だからいつかはなくなるが、どのくらいの間、頼ることができるだろうか? その目安として可採年数というのがある。これは確認埋蔵量をその年の生産量で割った数字だ。
可採年数は、天然ガスが63年、石炭が147年、ウランが85年とされている。*3

これを見て自分が死ぬまでは問題ないなと喜ぶのはまだ早い。可採年数はあくまでも、現在の年間生産量で確認埋蔵量を割った物だから、生産量が倍増すれば、年数は半減する。実際に石油が足りなくなってきたら、他のエネルギーの需要が高まるのだから、残念ながらここにある数字は全然当てにならない。それにここにはEPRの考え方が入っていない。資源は一般的に掘れば掘るほど、EPRが下がっていく傾向にある。石炭などはその典型である。アメリカの石油ピークを的中させたキング・ハバートは2040年には石炭のEPRは0.5にまで落ちるだろうと予想している。*4何度も繰り返すが、EPRが1下回れば、資源としては何の価値もないのだ。

天然ガスは車の動力源にもなるので、非常に有望な石油の代替エネルギー源とされている。しかしピーク論者の話を聞いていると、どうも先行きは明るいかどうかわからない。リチャード・ハインバーグによると天然ガスの需要の高まりを受け、採掘されるガス田の数が倍増しているが、生産量はあまり増えていなく、発見されるガス田の規模が小さくなってきていると指摘している。どうも石油が足りない分までまかなうことができるか、かなり怪しいのである。*5

原子力発電はどうだろう。軽水炉の開発により原子力発電は非常に安全に運転できるようになった。日本で動いている原子炉はほとんど軽水炉だ。原子力は、今 CO2が排出されない発電方法として注目されている。これから世界で原子力発電がエネルギー配給の大きなシェアを担っていくだろう。しかしこれから中国やインドで原子炉が100、200と増えていけば、ウランの需要はどんどん高まっていくのは眼に見えているのだ。軽水炉でエネルギー源として利用できるウランは、核分裂を起こしやすいウラン235とよばれるもので、天然に存在するウランの0.7%程度でしかない。*6だから原子力もそのまま行けば石油と同じ運命を辿るだろう。

もし原子力発電に可能性があるとすれば、天然ウランの約99.3%を占める核分裂をほとんど起こさないウラン238を利用できる高速増殖炉である。しかし世界中の多くの先進国がこれを実用化をしようとして、どこもうまくいっていない。 日本の高速増殖炉はナトリウム漏れの事故を起こした「もんじゅ」である。*7 現在の原子力発電では、ウランをEPRは17だそうだが、*8 高速増殖炉が実用化されれば100程度になるだろうといわれている。*9

この技術が早々に実用化されるかどうかは、よくわからない。国は20、30年先と考えているようだ。安全に運転できるにるかもよくわからない。核爆弾に使えるプルトニウムの抽出が容易になるという問題もある。プルトニウムはウランより放射能を多く出すとい問題もある。いろいろな問題はありつつも、それでもエネルギー不足に押され国は開発を続けていくことになるだろう。しかしよく覚えておかなくていけないのは、原子力の研究開発には非常にお金がかかるということだ。国は約5000億円をも使っている。(隠れた部分もいれればもっとあるだろう。)そういうお金がいつまで日本にあるかは私にはわからない。

メタンハイドレードはエネルギー源になるか?
数年間、日本近海には膨大なエネルギー資源が眠っているというニュースが流れた。メタンハイドレートと呼ばれる、シャーベット状になった水にメタンガスが閉じ込められているものが、なんと日本の天然ガス消費量の100年分もあるというのだ。エネルギー輸入国の日本が、ついにエネルギー資源国になれるのではないかという観測までながれた。私は小躍りをしながらこのニュースをきいた。

しかし、このメタンハイドレートが本当にエネルギー源になるかは、実はまだよくわかっていない。日本の天然ガス消費量の100年分というのは資源量であって、埋蔵量ではない。埋蔵量というのは技術的に採掘が可能な量であり、資源量をすべてを採掘できるわけではない。現在、海の底に眠るメタンハイドレートを採掘する技術はまだ開発されていないので、メタンハイドレートの埋蔵量は現在まだ0である。やっとカナダの北部の陸地で試験採掘の実験を行ったほどである。採掘方法は、坑井に温水や蒸気を注入して、メタンハイドレートを溶かして、上がってくるメタンガスを回収するそうだが、誰だけのEPRに最終的になるかはよくわかっていない。*10

海の底にあって、砂と一緒にシャーベ状になっていている物に、熱を加え、それを回収するのだからEPRは相当低くなるし、コストは高くつくだろう。メタンハイドレートは本当にエネルギー源になるだろうか?技術開発が進みEPRが1以上なり、十分な量を供給できるようになることを心から祈る。

たった1%の新エネルギー
太陽、風力、バイオマス、などの新エネルギーはどうだろうか。石油などと違って資源が枯渇することがないので持続可能なエネルギー源として、注目されている。なんせ元になるは光や風で、石油のように消えてなくならない。設置すれば、メインテナンス以外はただでエネルギー源が取り出せるのだ。この分野はこれから、次のITになるのだ。これから世界中のお金がこの部分に投資されて、様々な新しい技術を生んでいくだろう。

様々な利点はありながらも、新エネルギーのEPRは非常に低い。たとえばトウモロコシを原料として作るエタノールのEPRは1を下回るのではないかとう説まである。それから経済的なコストは、在来のエネルギー源とくらべまだまだ高い。そして覚えておかなくてはいけないことは、1次エネルギー源の新エネギーの占める割合はたった1%である。とてもすぐに石油には取って代われない。この分野は将来有望であるが、EPRを上げ、経済的コストを下げる技術の開発が急がれるのである。

石油でできてるもの
石油が他のエネルギー源と少し違うのは、様々な日用品が石油由来であるということだ。家具、家電、建材、衣料品、梱包材、洗剤、医療品、化粧品、道路、農薬、肥料、食料と、ほとんど考えられるもの全ての製造過程で石油が使われていると考えておかしくない。これは、いかに石油が優れたエネルギー源であるとともに、優れた工業原料であるかということなのだが、あまりにも優れているために我々は完全に依存しているのである。石油を代替するためには、原料としての石油の部分まで考えていかなくてはならないのだ。これは簡単なことではない。植物から作るプラスチックなどの開発が進められているが、どれだけのエネルギーが必要で、どれだけの量を作れるか、まだまだわからないことばかりだ。

食料はどうなるのか?
日本の食料自給率は40%であってその多くを輸入に頼っている。近年の農作物の値段の高騰や、不作により、店頭に並ばなくなった食品すらある。ピーク後に起きるのはこれを大げさにしたものだと考えていい。1940年代からロックフェラー財団の後押しにより緑の革命が起こり、世界の食料生産量は倍増した。しかし、もちろんロックフェラー財団が応援したのだから当たり前だが、生産量が上がったのは農業に化石燃料を沢山使うようになったからだ。今、我々が食べいる物は化石燃料でできているといってもいい。*11

アメリカの食品システムが毎年使用するエネルギー量は1055京1000兆ジュールを上回り、フランスの年間総消費量に匹敵するほどである。*12 エネルギーの供給が逼迫してくれば、このような農業は続けられなくなり、生産量は減っていくだろう。そうすれば海外への輸入量も減るし、値段もあがることになる。遠くから運ぶのだから、輸送費も馬鹿にはならないだろう。

米も化石燃料でできている
それでも主食である米を食べていければまあ暮らしていけるだろう。これだけ低い自給率の中、補助政策のお陰もあってか、日本の米の自給率は95%を保っている。しかし化学肥料を使う現代農法では収穫物の2.6倍ものエネルギーを投入する必要があるそうだ。農業全体では国内の収穫が1180億キロカロリーだが、石油は約950000億キロカロリー(1995年)使用していて、収穫の約800倍もの石油エネルギーを使っている。独立行政法人・野菜茶業研究所・研究員の篠原信氏によれば、石油なしでの日本の食糧供給力は3000万人分だそうである。まったく末恐ろしい話である。*13

二つの事例、二つの未来、北朝鮮とキューバ 
世界には政治的な理由によって二つの疑似ピークオイルを体験した国がある。北朝鮮とキューバである。ソ連が崩壊した後、石油や食料、生活必需品がソ連からほとんど入ってこなくなったのだ。当時、北朝鮮とキューバの農業はともに高度に機械化された石油に頼った農業であったが、暗雲を分けたのはその後の対応だったようだ。北朝鮮では、中央が計画を立て、食料危機を農業をさらに大規模にし機械化するで乗り越えようとした。結末は日本人がよく知るように、北朝鮮は餓死者が出るような国になってしまった。一方キューバでは有機農業、都市農業を推進することで、危機を乗り越えたのだ。空いている土地は、個人や団体に貸し出され、至る所耕され、農地に変わっていった。地産地消が進んだ結果、200万の人口を誇る首都ハバナでは、生鮮農産物の90%は地元の都市農場や菜園からもたらされている。キューバの疑似ピークオイルを取り扱ったドキュメンタリー、Power of Communityによれば、今キューバでは都市農園者が人気の職業で、稼ぎも非常にいいらしい。ここにピーク後の世界のヒントがつまっている。

ピーク後の世界
キューバと北朝鮮は、一気に石油を使えなくなったが、実際に世界で起きるピークオイル後は、少しずつ石油の生産が減っていくので、我々は我々はもうすこし時間をかけて対応をすることができるだろう。その点はありがたいことである。しかし逆に言えば、少しずつ減っていくから対応が難しいとも言える。もしバブルがはじけたときに、20年間で日本の国力がこれだけ低下すると最初からわかっていれば、バブルよもう一度のかけ声のもとに散財した無駄な公共事業などやらなかったはずである。今まで貯めたお金を自分たちが、幸せに健康に暮らせるように、未来のためにお金を使ったはずである。しかし違和感を感じつつも、我々にはそれがわからなかったのだ。

少しずつ貧乏になっていくことに世界は耐えられるだろうか、まだまだお金持ちになりたい人が多い中国やアメリカでは大変な思いをするだろう。エネルギーを得るための戦争や政治的争いが増えていくだろう。しかしバブル後を経験した日本人にとって、少しずつ貧乏になっていくことへの免疫が既にできている。このことはある意味幸運であったのかもしれない。ピーク後に最適な新しいライフスタイルさえ見つかれば日本は世界に先駆けて、一気に変わることができるだろう。


第二章
戦略的低エネルギー生活のすすめ 

この論文の題名の「戦略的低エネルギー生活のすすめ」は、経済アナリストの藤原直哉氏のポッドキャストからお借りしてきたものです。戦略的に使うエネルギーを少なくして、知恵を使いながら、今よりも健康で幸せに暮らしていこうとことである。彼が推進しているロハス(Life Style of Health and Sustainability ・健康的で持続可能な生活様式)な生活とほぼ同なじ意味である。

エンジンを交換せよ
第三章で、経済と政治は国という車の両輪で、エネルギーはその車のエンジンを動かす動力源である。と書いた。ここで提案しているのは、日本という車のエンジンをもっと燃費のよい物に変え、もっと小さくて、小回りが利いて、重たくなく、環境と健康にいい、そんな車に変えていこうというものだ。どうせその内エネルギーが高くなって日本に入ってこなくなるのだから、先にエネルギーの消費をカットして、その中で最適なシステムを作っていこうというものだ。

安いオイルがもたらした現代病
今、先進国で成人病が増えているのは、大量の食料が、安いオイルによって生産され、余っているからだ。都市の郊外化がすすみ、地方都市が衰退し、地域コミュニティーの崩壊し、東京ばかりの一点集中が続いているのも、大量で安いエネルギーが手に入るからだ。藤原氏は、今世界や日本でおこっている様々な問題は、20世紀型社会の「自家中毒」であると述べている。石油の世紀だった20世紀の自家中毒に我々はまだ苦しんでいるのだ。そして対処療法を続けている政治はほどんど機能停止に陥っている。今こそ、問題の根本を見つめ直し、少ないエネルギーで、如何に幸せに、健康に暮らせるか、みんなで考えていかなくてはならない。

中央集権の終わり 分散型の時代
央集権的近代国家等のは、資本主義であろうが、社会主義であろうが、大量なエネルギーの配給の上に成り立っている。ピーク後の世界では成り立たない非常に馬力はでるが燃費の悪いシステムだ。ピーク後、国が絶対やってはいけないことは、北朝鮮政府のように、中央で計画を決め、国民に命令をして危機を乗り越えようとすることだろう。人々は上、中央からの指示や判断を待つようになり、自分たちで考えることをやめてしまい、低エネルギー生活に一番で必要なその土地独自な発想であり知恵を奪うことになる。

何でも日本一律でやろうとすると、失敗した場合、取り返しがつかなくなるし、膨大なエネルギー、お金を無駄に使ってしまう可能性がある。バブル後の公共事業を考えれば想像は難しくない。国ができることは、こちらの方向に進んでいったらいいのではないかと大きな方向を示すくらいな物である。ピーク後は中央管理の時代は終わり、国は黙って、個人と地方に任せる時代がやってくる。その地方地方が、試行錯誤を重ねながら、自分たちに最適な地域を作っていけるような分散型の体制が必要になってくる。

国の財政破綻が迫っているが、破綻した際は、増税するなどと寝ぼけたことは言わないで、徹底的に今の中央集権型の官僚組織を解体し、リストラするべきである。国は今よりずっと小さくなるべきだ。官僚たちが作り出した制度、細かい法律群、規則、行政命令、慣例などが、この国をがんじがらめにして、窒息寸前まで追い込んでいる。国は地方分権の名の下に、道州制を導入しようとしている。しかし国が地方分権を進めるというのは、いったいどういうことなのか?本来ならば地方が、「国は大きすぎる。もっと小さくなれ。租税権を地方によこせ。もっと自分たちのことは自分たちで決めさせろ。」と始まるべきだろう。道州制というのは新たに州の官僚たちを作るだけだ。

地方分権なら、国が小さくなって、今の都道府県にもっと仕事をさせればいいのだ。江戸時代には300近くの藩があり地方自治を行っていた。だから今の都道府県で十分やっていける。隣県同士がもし合併したければ、その地方の人々にきめさせればいいのだ。それでこそ地方自治だ。その地方、その地方に、違った答えがあっていい。

コンパクトな街と力強い田舎を目指そう。
地方はコンパクトな街と、力強い田舎を目指せばいい。今のように郊外に延びきった住宅街はどんどん廃れていくだろう。中心部に通うためにエネルギーがかかりすぎるからだ。東京のような巨大な街の人口は減り続けることになる。なんと言っても東京の食料自給率はたった1%なのである。今は大量のエネルギーをかけ、世界中から食べ物を集めているが、そんなことはできなくなる。一方田舎は、農産業に人手がかかるようになり、都市からの人口の移動が続くだろう。今の日本の田舎は過疎化が進んでおり、相当の人口を吸収できる余地はあるだろう。時代は田舎に戻っていく。

低エネルギー都市運営
都市をうまく運営していくには、相当賢く低エネルギーでいく必要がある。今の都市というのは非常にエネルギーを消費するようにできているから、下手を打つと街自体がなくなってしまう。街は歩いて暮らせるように徹底的にコンパクトに整備しなくてはならなくなる。コンパクトと言っても高層ビルのようなものはだめだ。街を住宅地、オフィス街と分けるのではなくて、できるだけ自分たちのすぐ近くで働けるようにする必要がある。それには4階建てくらいのビルで、一階部分はオフィスや商店が入り、その上が住居になっているような建物が沢山必要になってくる。こういう建物にはエレベーターも要らないし、人間のスケールにあっているので、見た目が美しい。公園やグリーンスペースをうまく共有できるように配置することも大切で、人口密度を下げずに快適な住環境を作れる。*1

コンパクトの街は人口密度が高くなるので、住環境を整えることが大切になってくる。ちゃんとやらないとスラムになってしまう。出来るだけ多くの植物や木を植えること、コンクリート護岸された川や海などの水際を、自然に近い形で、美しく整備することは絶対に必要である。あたりまえのことだが自然は人の心を和ませる。パブリックアートも大切な役割を背負うだろう。私ごとになって恐縮だが、私はアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターという地方都市で、ビルの壁に巨大な写真を貼るという「世界一大きい写真展」というプロジェクトを進めている。緑もなく、灰色の空きビルと空き地ばかりの寂れた中心街で、石油文明の行き着いた終着点のような場所である。このような場所でアートはある程度、自然の代替になる。自然というのは多種多彩な色彩をわれわれにあたえてくれる。木を植えて緑が生い茂るまでには長い月日がかかるが、木の写真を貼るのはそれほど難しくはない。不思議なことにその写真を見るだけでも、心が落ち着くのである。

交通機関はどうするか
エネルギーが足りなくなって一番困るのは、人々の移動手段だろう。公共交通を、低予算で、低エネルギーで整備する必要がある。石油が少なくなれば、自動車も減るから、自動車に車線を全部使う必要はない。そこで道路の中央を区切り、バス専用車線をつくる。これでバスの定時制を確保できる。ここを二両続きのバスを走らせる。もちろん路面電車と共有してもいい。これで安価で地下鉄に対抗できるほどの交通網が出来る。これはブラジルのカルティバが発祥のBRT(バス・ラピッド・トランジット=バス急行交通)と呼ばれるものである。将来は電気で動くバスなどが主役になっていくだろう。地下鉄のように、たった1キロ作るのに300億円もかかるような、お金とエネルギーがたくさんかかる物はこれからはうまくいかない。

それから自転車が移動手段として復権するのは間違いない。パリでは二万台の自転車を町中に設置し、1500カ所のステーションをつくり、Velib’ (ヴェリブ) というレンタル自転車のサービスを始めた。好きなところで借りて、好きなステーションに乗り捨てできるシステムである。すでに地下鉄の利用者に肩を並べるほどの人気となっている。このようなシステムと、自転車専用道の整備はどの街にも必須になってくる。レンタル自転車と同じような考え方で、小型の電気自動車を町中に配置しシェアするという計画もヨーロッパの街で計画されているようである。これがあれば都市の中を移動するのに一人一人が車を持つ必要が無い。

田舎の時代
今の時代は、インターネットさえあれば田舎でも、都会と変わらないくらいの情報が手に入る。ネット革命のお陰で、中央から送られてくる在来のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などはどんどん下火になってきている。田舎と都会の情報格差が縮まることによって、田舎でも多くの仕事をこなすことができるだろう。田舎にとってはいい時代になっている。地方には余っている土地が沢山あり、食料も豊富にあるわけだらか、ピーク後は人口の流入が続くだろう。地方では、今のうちからその地域のファンを増やし、少しずつ人を外から受けれてノーハウを蓄積していくべきだ。将来多くの人たちを受け入れる態勢を今から整える必要があるだろう。

個人はどうやって生き残るか?
ピーク後、われわれ個人はどのように暮らしていけばいいのだろうか。理想はその地域のために働き、その地域から糧を得るというものだ。その地域の小さなニーズに答えて、小さな商売を作っていく能力が大切にされていくだろう。近所にあいている土地があれば自分で最低限の食料を作る、これも大切だ。出来るだけ家の近くで働き、車に乗らない生活こころがける。あなたが地域のリーダーならば出来るだけ自転車に乗って生活を出来るようにその地域を整えていく必要がある。

ピーク後は光熱費がどんどん上がっていくので、余裕があれば家に太陽電池や、太陽熱温水器を設置するのもいいだろう。もちろん家の断熱は大切になってくる。ミサワホームがゼロ・エネルギー住宅というものがある。これはLEDやヒートポンプ、太陽電池、高断熱材を組み合わせ、光熱費を差し引き0にしようという試みである。現在は、建設時にかかるエネルギー自体をも取り返せるような住宅建設を目指しているそうだ。*2 エネルギー完結型の商品がこれから贅沢品とし人々の憧れの的になるだろう。エネルギー完結型の商品、これが日本が世界にこれから売っていけるいい例であろう。

省エネと低エネ違い
省エネというのはいままでと同じこと、最新の技術を使い今までよりもちょっと少ないエネルギーでやることだ。低エネは、今までよりはちょっと手間がかかって、不便になることもあるが、ほんの少しのエネルギーでやることだ。低エネルギー生活に必要なのはローテクとハイテクをうまく組み合わせることである。

低エネルギー生活を技術だけで、達成しようとすると大変な苦労がある。たとえばハイブリット車のなどがいい例になるだろう。車の燃費を下げようとして、トヨタのような自動車会社が何年も、何百億円かけてやっと、ハイブリット車が出来る。これでやっと燃費が半分になった。しかし個人として今の車を乗りながら燃費を半分にしようとすれば、乗る人を増やせばいいのだ。できるだけ車をたくさんの人でシェアをする。確かにちょっと不便だが、簡単に実現できることである。たとえば、車で移動する代わりに、できるだけ自転車を使えば、劇的にガソリンの使用量を減らすことが出来るし、健康にもいい。まあそういうことだ。技術より、それをどうやって組み合わせてつかうかという知恵が必要とされる。

日本の新しいものづくりが目指すもの
日本の製造業はすばらしい技術を持っていて、資源もエネルギーもない日本を世界一豊かな国にしている。しかし近年、発展途上国ですら多くの家電や車が作られるようになり、工場の海外進出が進み、空洞化が進んでいる。日本の製造業は中国のような途上国に追いつかれてしまうのではないかという恐怖感を抱きながらも、次に進むべき道を見つけられないでいる。工業品は厳しい価格競争に巻き込まれ、製造業はなかなか利益が上がりづらい業種になっていくだろう。

日本の製造業がいまからやっていけばいいのは、安いエネルギーを前提とした大量生産ではなくて、低エネルギー生活で必要になる便利なツールであろう。キーワードになってくるのは、低エネルギー、低資源、エネルギー完結型、利環性、非電化である。

・低エネルギーは、何度も言うように少し不便になってもいいから、少ないエネルギーで同じことをやるそんな製品である。

・低資源は、出来るだけ少ない資源で、出来るだけありふれている素材を使って製品を作るということである。世の中は大量生産大量消費をしているのだから、資源も枯渇していくし、値段も上がっていって簡単には手に入らなくなっていくからだ。

・エネルギー完結型というのは先ほどあげたエネルギー・ゼロ住宅のようなものだ。基本的に外からエネルギーを買っていれなくても、太陽電池などで使う分のエネルギーを取り出し、使用できるものをさす。、太陽電池がついている電卓を想像していただければ、わかりやすいか。

・利環性、今までは工業製品は利便性ばかり追求されていて、その結果自分たちがすむ環境が破壊されていくというところまで、頭がまわっていない。だからこそ環境破壊しない、負荷のかけないことを追求した商品がこれから注目されていく。*3

・非電化、電気を使わない冷蔵庫を作った発明家の藤村靖之氏が開発しているような、非電化製品というなものも、珍重にあつかわれていくだろう。この冷蔵庫は、放射冷却を利用して、電気を一切使わないで冷蔵庫内を摂氏8度に保つことが出来る。屋外に設置しなくてはいけないし、一日に2,3度しかあけられないという制約はある。しかしこれこそが低エネルギー生活で必要とされている発想である。こういうことは世界ではほとんど取り組まれていないし、日本が本気になってこういうものを作り出したら、世界中どこも当分は着いてこれないだろう。*4  エネルギーの値段が高騰した世界では、人々は泣いて喜んでこんな商品を買っていくだろう。

ピーク後のキラーアプリケーション
現在、世界で最強の商品は自動車である。日本が輸出して稼いでいる分は半分は自動車である。ピーク後これがどんどん変わっていくことになる。ではどんなものが次世代のキラーアプリケーションになるのだろうか。想像するのに、自分の家でエネルギーを作れる太陽電池、高出力の自転車、小型の電気自動車、エネルギー・ゼロ住宅に作るのに必要な製品などになっていくのではないだろうか。

太陽電池は有望だ
太陽電池は将来有望である。夜は発電できないし、濃縮もされていないが、それでもなくならないし、大量にあり、何においても、エネルギーの地産地消が出来るという意味で、他の持続可能なエネルギー源のなかで、もっとも優れている。もう少し技術革新が進み、低エネルギー生活をしていれば、家庭で使う分の電気はほとんど確保できるだろう。

しかしシリコンを原料にしているうちは、普及は進まない。まずEPRが低すぎる。そして製造過程が高度でしかも大量生産に向かないので、値段が下がらない、だから発電コストが高くなってしまう。もとをとるのに10年も、20年もかかるようではだめである。

しかしこの分野は世界中で技術開発が繰り広げられている。現在カリフォルニアのナノソーラが、シリコンを使わないCGIS太陽電池を、紙を印刷するようにインクジェットの技術を使い生産を始めた。最終的には今の太陽電池の10分の1の値段で生産が出来るようになるそうである。*5 IBM やソニーも画期的な技術を開発し、本気でこの分野に進出するつもりでいるようだ。10万や20万円で、太陽電池が設置できるとなれば、雪崩打ったように普及が進んでいくだろう。町中目のつくところ、すべてに太陽電池が設置されるようになる。こうして電力の分散化が進んでいく。太陽電池の効率が上がり、値段が下がれば下がるほど、われわれの生活が豊かになるという時代がくるかもしれない。 私は太陽電池が次の時代の主要なエネルギー源になって欲しいとおもう。エネルギーの確保を一人一人の手に任せるということが、人類の平和と繁栄につながるだろうと思う。お日様は誰の上にも照っている。


世界一効率がいい乗り物
日本中、自転車があふれていて、普段自転車に深く興味を持つということはあまりないかもしれない。日本人が知っていていいことは、自転車は世界一効率がいい乗り物である。そして自転車にも燃費があるのだ。ママチャリなどは最悪である。自転車のSUVだと思っていい。自転車を買うときは出来るだけタイヤの細い、車体の軽い、踏み込みがきき、空気抵抗が少ないものを買うといい。自転車だけでどれだけの距離を移動できるか驚くだろう。

自転車はもう完成しきったものに見えるが、これからも開発がすすんでいくだろう。独立行政法人の産業技術総合研究所が開発した、高出力の自転車がいい例である。これは人間の足の動きにあわせてペダルとクランクを設計しているので約1.8倍のパワーを得ることが出来る。*10 これは重たいバッテリーを積んでいる電気アシスト自転車よりもづっと、低エネルギーで先を行っている。

自転車は低速度で走っているば、世界で一番効率のいい乗り物だが、スピードが上がっていくと、とたんに空気抵抗のために、効率が下がっていく。ロードタイプの自転車がドロップハンドルになっているのは、空気抵抗を下げるためのものだ。それよりも空気抵抗を少なくしようといろいろな自転車が開発されている。リカンベントと呼ばれる背もたれに寄りかかるようにして乗る自転車もある。それをもう少し発展させ、三輪にして、カウルをつけたベロモービルとものまである。これは全天候型であるし、見た目もかっこいいので、自転車の高級版として普及していくだろう。

重すぎる電気自動車
電気自動車は、今世界で三菱自動車が先駆けて開発を進めている。2009年には発売を開始する予定だそうだ。のらりくらりやっていたトヨタも小型の電気自動車を開発することになったそうだ。原油高に押されえ次の10年であっという間にガソリン車を駆逐していくだろう。こうして石油の時代が終わっていく。デジタルカメラがフィルムをあっという間に駆逐してしまったように。電気自動車はガソリン車とくらべ、3、4倍エネルギー効率がいい。排気ガスも出さない。音も静かだ。あまっている深夜電力を使えば、電力もむだにならない。*6

しかしだ。この電気自動車が今のガソリン車すべてを置き換えることが出来るかはわからない。電池の原料であるリチウムがその分だけあるかは、よくわかっていない。*7 だいたい、電気自動車は大きすぎるのだ。重たい車体をガソリンに比べてエネルギー密度の低いリチウム電池でまかなおうとするから、大量の電池が必要となり、非常に重たくなってしまう。*8 今までの車をただ電気で動かそうとしている。これではだめなのだ。低エネルギー、低資源ではない。

車はもっと小さく、軽くなるべきだ。通勤などではほとんどの車が一人しか運んでいない。これが渋滞を巻き起こしている。だからモーターで動く電気自動車を作るのであれば、ガソリン車をベースに作っていてはだめで、もう一度、車体を自転車くらいのところまで、戻す必要がある。つまり上であげたベロモービルをベースに、一人か、二人乗れるくらいの低エネルギーマイクロカーを作るのだ。これであれば将来的に、ほとんどの太陽電池でまかなえるところまで行くのではないか。

それと次世代の車は、意外なところからやってくるかもしれない。それはフランスのベンチャー企業と、インドの自動車会社タタが共同開発を進めているエアカーだ。これは圧搾した空気で動く車である。空気は電気を使って圧縮するからある意味電気自動車である。グラスファイバーを使っていて、見た目はおもちゃのようだが、構造は車体と、ボンベと、簡単なエンジンとがあればいいので、非常に単純である。もちろん性能的には電気自動車にはかなわないが、低資源、低コストという点で、将来性がある。値段は100万円程度を見ていて。最低でも400万円はする電気自動車などより相当安くなりそうだ。日本の自動車メーカーもいつまでもこの差を笑ってほっとおけるだろうか?やはり低資源で、低エネルギーのものは安いのだ。

エネルギー・ゼロ住宅は世界のあこがれの的
上であげたエネルギー・ゼロ住宅はエネルギーが足りない時代の憧れの的になるだろう。最終的に目指すところは外部からほとんどエネルギーの供給を必要としない家で、これで小型の電気自動車の分の電力までまかなえれば、だいたいどんなことがあって暮らしていけるだろう。このようなもの普及が世界で進んでいけば、最終的にエネルギーを他の国から持ってこなくてもよくなるので、戦争などのリスクも下げることが出来るだろう。それこそが日本の製造業が出来る世界への貢献だろう。

農業 どうやって食っていくか
最後に、ピーク後の農業を考えていこう。ここをしっかりしないと、多数の餓死者を出すことになりかねない。これは北朝鮮でもおきたことだ。

めざすところは、地産地消、都市農業、有機栽培、パーマカルチャー、不耕起栽培などである。

まず最初は、出来るだけ消費する近くで生産をする地産地消を進める必要がある。あなたが自治体のトップであれば、まず学校給食をすべてあなたの地方で取れているもので作るようにするというところからはじめればいい。都市農業は、都市の存亡をかけるくらい重要なものになってくる。経験とノーハウが必要なので、今あまっている市有地や県有地などを市民に無料もしくは、低額で貸し出し、今のうちから人材を育てておくべきだ。このような人々に将来先生になってもらえばいい。

農法は、有機栽培とかパーマカルチャーと呼ばれるものになっていくだろう。出来るだけエネルギーを使わないで農業をやっていく知恵が必要になってくる。石油や天然ガスから作られる肥料、農薬の代わりになるものを、自然にあるもので代用していく必要がある。キューバが何とか有機農業へ転進できたのは、エネルギー危機前にこの分野の研究を進めていたこともあるそうである。これからの農学者たちはこれからこの部分をしっかりと考えていかなくてはいけない。石油をつかう機械類などもなんとかしなくてはいけないだろう。人力や、動物など力をもう一度借りることになるだろうが、電気で動くような農機具の開発は急務であろう。

畑を耕すのが農業だとわれわれは思っているが、不耕起栽培という農法もある。出来るだけ土を掘り返さないので、自然の力、循環、微生物や昆虫が豊かな土壌を作ると考えられている。少ない水で農業をすることができ、土壌流出の問題もない。*11

最後に今後の日本の農業の一つの例として、お布団農法と呼ばれる、稲作方法を挙げてみる。これは服を作るときに廃棄されるくず綿で生地をつくり、ここに籾をサンドイッチし、これをトイレットペーパーのようにロール状にする。田植えはこのロールを田んぼに引いていくだけで簡単である、しかもこの白いお布団のような生地がマルチとなり、雑草の発生を抑えることが出来る。綿自体は次第に分解され、養分となる。なんとも低エネルギー農業の鏡といえるような農法である。*12

このような考えをうまく生かして、農業をやっていくべきだ。農業をやっている人たちが時代の最先端になるの日は近づいてきている。

日本の本領発揮の時代 
今回ピークオイルをテーマにいろいろと書かせてもらった。少子化、不況、財政破綻、なにやら不吉なニュースばかりが流れるが、逆に日本人は先に言っているのだ。大量生産消費時代に、すでに日本人は疲れきっている。だからこそ次の時代にすすめるのだ。そして人材、技術ともにそろっているまれな国である。これが世界と異なっている点である。これらは日本人一人一人が個性を発揮して、活躍していく時代である。誰にも遠慮することはない。21世紀は日本の本領発揮の時代がやってくるのでないだろうか。


参考文書

第一章
1、AFPBBNews 「イラク戦争コストは3兆ドル」、米経済学者スティグリッツ氏の新著
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2362677/2722117

2、2007年度の財務省貿易統計より 
http://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm 

3、資源エネルギー庁エネルギー資源の可採年数、原資料:BP統計2007、URANIUM2005
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/life/kasainensu.html

4、 Richard Heinberg Party's Over P145

5、 Richard Heinberg Party's Over P140

6、7、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 高速増殖炉 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E5%A2%97%E6%AE%96%E7%82%89

8、EPRから筋の良い方法とEPRを高める方法を考える電力中央研究所 天野治
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/katudouhoukoku/document/amano_epr060823.pdf)

9、季報エネルギー総合工学Vol29No.3 日本をめぐるエネルギー資源と大陸棚問題 芦田 讓(京都大学大学院工学研究科教授)
秋山 守((財)エネルギー総合工学研究所 理事長)
http://www.iae.or.jp/publish/kihou/29-3/02.html)

10、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
http://www.mh21japan.gr.jp/mh-3.htm

11、緑の革命
http://www.eonet.ne.jp/~snake/zemi/2003/mexico/greenrevolution.html

12、WWJ 地球環境メールマガジンEpsilon
高騰する石油:フードセキュリティーへの脅威
http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2005-1.html

13、JanJanNews 石油で作るコメ、切迫している日本の食糧危機 私の試算・日本の食糧供給力は3000万人分
http://www.news.janjan.jp/living/0806/0806058791/1.php?action=tree

第二章

1、Anders Duany講演
http://www.youtube.com/watch?v=rwd4Lq0Xvgc

2、「次世代ゼロ・エネルギー住宅」試行棟が旭川に完成
http://www.misawa.co.jp/misawa/news_release/misawa/pop-up/release-pages/2008_01_06/080317.html

3、非電化冷蔵庫―利便性から「利環性」へ. 藤原信
http://www.policyspace.com/2007/09/post_647.php

4、非 電 化 工 房 
http://www.hidenka.net

5、Nanosolar、石炭燃料に対抗可能か
http://jp.techcrunch.com/archives/nanosolar-is-gunning-for-coal/

6、水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4
http://www.im-sendai.jp/archives/2006/11/post_215.html

7、EVWorld Peak Lithium?
http://evworld.com/article.cfm?storyid=1457

8、電池技術で競い合う 自動車開発
http://www.designnewsjapan.com/issue/2008/06/o14nbe000000afmr.html

9、空気で走る車「Air Car」が2009年アメリカで登場予定
http://news-walker.net/2008/02/23210816.html

10、高出力自転車SDV
http://www7a.biglobe.ne.jp/~otec/

11、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 不耕起栽培
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E8%80%95%E8%B5%B7%E6%A0%BD%E5%9F%B9

12、 お布団農法とは?
http://www.chusankan.jp/Research/ofuton/about.html


参考本・ウエブサイト

幻の水素社会 藤井耕一郎 
連鎖する大暴落 副島隆彦
商品の時代 ジム・ロジャーズ
Party's Over  Richard Heinberg
Power Down  Richard Heinberg
The Long Emergency James Howard Kunstler
新生日本の国家ビジョン 藤原直哉
里屋和彦の『エネルギー学講座』http://www.soejimatakahiko.net/rika/satoya/index.html
武田邦彦ウエブサイト http://takedanet.com/


参考ビデオ
Richard Heinberg Defines Peak Oil
http://www.youtube.com/watch?v=6uYmZmWAaxk

Richard Heinberg's Peak Everything
http://www.youtube.com/watch?v=ybRz91eimTg&feature=related

The Richard HeinbergInterviewv
http://www.youtube.com/watch?v=DHXdS9XYVs8&feature=related

The Long Emergency
http://www.youtube.com/watch?v=hXsCMC0xcOY&feature=related

Cuba Peak Oil 1990s what we are facing now.
http://www.youtube.com/watch?v=CCiHpPkp3pU&hl=en

Power Of Community-How Cuba Survived Peak Oil
http://www.livevideo.com/video/mercofspeech/CD893609A0CB495D9A9CF04AC9E4AEFF/power-of-community-how-cuba-.aspx

石井吉徳教授の石油ピークに関する講演資料
http://education.ddo.jp/ishii/



北陸電力ウエブサイトより
http://www.rikuden.co.jp/gakusyu/ga1_1_02.html


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2008年12月12日

大麻、ギャング、街づくり(その1)

大麻を覚せい剤のようなハードドラッグと一緒にして報道している日本の報道の姿勢は大きな問題である。薬物乱用を防ぐためには正しい知識、コントロールするすべを教えるのが一番の方法である。

大麻≠麻薬

まずこれを知ってください。

それから、大麻への依存性は他の薬物にくらべ、精神依存、身体依存、耐性獲得においていずれも低い。この薬物には、日本人が愛してやまないアルコールや、タバコよりも低いのである。


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仙台インターネットマガジンの大麻特集一覧
大麻と、ギャングと、街づくりその1
大麻と、ギャングと、街づくりその2
大麻と、ギャングと、街づくりその3
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出典Wikipedia
依存性薬物の特性[70](1963年)

依存薬物精神依存身体依存耐性獲得
ヘロイン
アルコール
アンフェタミン強から中
コカイン
幻覚薬
たばこ
大麻


使用人口に対する依存症になった人の割合(1999年)

依存薬物身体依存
たばこ32%
ヘロイン23%
アルコール15%
コカイン17%
抗不安剤(鎮痛剤や睡眠剤を含む)9%
大麻9%

薬物依存症の重症度評価尺度[71](2004年)

依存薬物指標(最大15)
ヘロイン12.9
アンフェタミン6.1
コカイン5.5
LSD3.1
大麻2.6
エクスタシー1.3

アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)の評価(1994年)

依存薬物依存性禁断性耐性切望感陶酔性
ニコチン64532
ヘロイン55655
コカイン43364
アルコール36446
カフェイン22211
大麻11123

日本禁煙学会の比較表(2008年)

タバコ大麻ヘロインコカイン
依存性強い弱い強い強い
禁断症状中等度微弱激しい強い
鎮静作用弱い弱い強い興奮
多幸感・陶酔感弱い弱い強い強い
副作用心筋梗塞希に心筋梗塞自傷行為抑うつ状態
COPD精神異常幻覚
肺癌などの癌頭頸部癌呼吸困難心停止

薬物事犯の件数[91]
大麻覚せい剤向精神薬あへん
平成15年2,77220,12995284
平成16年不明不明不明不明
平成17年2,83119,9991,15431
平成18年3,25217,2261,13350
平成19年3,28216,9291,08857

私が住んでいるNY州では、25グラム以下の大麻所持は非犯罪化されている。
アメリカでは非犯罪化が進むが、一方で、一年で70万人、過去10年間で500万人もが大麻関連で逮捕されている。其のうち90%は単純所持である。(Norml.comより)

医療用大麻においては13州で州法により認可されている。また、医療用以外の大麻の少量所持は12州で州法により非犯罪化されており、犯罪として処罰されない。コロラド州デンバー市は、2005年11月に民事罰、刑事罰を全市的に撤廃する発議を賛成 54%で可決し、全米に先駆け21歳以上の成人による1オンス(約28グラム)以下の所持について実質的に合法化した最初の市となった。(wikipedia より)


More than 700,000 Americans were arrested on marijuana charges last year, and more than 5 million Americans have been arrested for marijuana offenses in the past decade.Almost 90 percent of these arrests are for simple possession, not trafficking or sale.

<<大麻関連のウェブサイト>>

弁護士丸井英弘氏を中心として麻を研究しているホームページ
麻と人類文化


「マリファナ青春旅行」麻枝光一的日常
この人は有名な大麻堂というマリファナグッツを売っているお店の店長さんで、麻を使った食事を出すヘンプ・レストラン麻もやっているひと。


i-morley
登録者47万人!のネットラジオ果敢に大麻問題を取り上げています。
このインタビューはききごたえがあります。
「大麻堂」代表・前田耕一氏にインタビュー(上)
「大麻堂」代表・前田耕一氏にインタビュー(下)


大麻取締法変革センター
大麻の栽培と所持の開放をもとめて、大麻でつかまった人の支援活動をしている団体。いろいろな資料があり、政党、政治家、マスコミ、厚生省へのインタビューなど活発に活動しています。
代表の白坂氏は嗜好目的大麻免許申請記というHPをつくって、吸引目的で大麻免許を申請し、大麻を栽培していた豪傑。

カナビス・スタディハウス

サイトの使命は
「カナビス・スタディハウスは、アルコールと同様に、カナビスを合法化・課税・規制して現在のような狂気な状況を終わらせることを願っていますが、カナビスの使用を奨励するものでも法律を犯すことを奨励するものでもありません。カナビスに賛成あるいは反対の人の双方の間できちんとした議論が成り立つように、カナビスの歴史と現状と事実を学ぶための資料と情報を提供することを最大の使命としています。」とのこと。非常に多くの情報が載っています。


財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのホームページ
薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ここに載っている大麻について記述があるが、ちゃんとした出典、根拠をもっていないそうである。

そのホームページの間違いを医者の立場から検証している

Dr. フロッガーのブログ

検証ダメゼッタイのページでは、ちゃんと出典をあげて、検証をしています。

<大麻関連動画>

大麻の歴史 in USA 1 

大麻の歴史 in USA 2

大麻の歴史 in USA 3

大麻の歴史 in USA 4

大麻の歴史 in USA 5


大麻の歴史 in USA 6

大麻の歴史 in USA 7


大麻の歴史 in USA 8

大麻の歴史 in USA 9

大麻の歴史 in USA 10

Youtubeに載っていたマリファナのジョーク

「二日酔いになるのはやだなあ」
「二日酔いになんてなんねーよ。」
「中毒になるんじゃないの?」
「中毒性なんかねーよ。」
「オーバードースなんかやだよ。」
「オーバードースなんかなんねーよ。」
「大麻すうとセックスがしたくなるんでしょ。」
「セックスが気持ちよくなるだけだよ。」
「高いんじゃないの?」
「このよで一番安いドラックだよ。」
「吸いたくないだろう?」
「吸ってみようかな。」

メディカルマリファナが合法なカリフォルニアで、大麻の自動販売機が登場。
酒とタバコの自動販売機が立ち並ぶ日本にも大麻自動販売機が並ぶ日がくるだろうか。

買うには指紋を登録して、カードを通さないといけないようだ。


山ちゃんのジャーナルしちゃうぞ!知れば知るほど『?』 大麻規制の不思議 その3 (3/6)
大麻堂の麻枝光一氏のインタビュー


大麻の危険性を主張する財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター、しかし主張する大麻の危険性について根拠を示すことが出来ない。
「根拠をしめしてください。」
「いやです。」
オイオイ。。。。。

毎年、コロラド大学で行われるイベント、一万人で大麻を吸う。ロチェスターでやっているビールフェスティバルより、のんびりしている気がする。

<サブカルチャーに見る大麻>
アメリカで大人気長寿番組のシンプソンズの医療大麻を取り扱った話
The Simpsons - Homer Smokes Marijuana

Weeds、夫を亡くした郊外にすむ白人の主婦がマリファナを売るディーラーになっていくという話。カリフォルニアでのマリファナの微妙な扱われ方がよくわかるドラマ。

30日間、毎日マクドナルドを食べ続けた様子を描いたドキュメンタリースーパー・サイズ・ミーに対抗して、
30日間、毎日大麻をすい続けたらどうなるかを撮ったドキュメンタリー、スーパー・ハイ・ミー

映画評論家の町山智浩がこの映画について語っています。
コラムの花道


<大麻に対するいろいろな知識人の意見>
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中部大学の武田邦彦教授の意見

随想 大麻犯罪の創造者

― 大麻 犯罪の創造者は誰か? ―

 「大麻」はかつて日本の代表的な農作物だった。それが現在はすっかり変わって麻薬の代名詞のようになった。「大麻」と言えば多くの日本人は腫れ物に触るようにビクビクし、麻薬の温床となっている。


(大麻の葉)

 日本は大麻を栽培するのに適した気候だったことや、大麻から優れた繊維がとれ、衣服やその他のものに利用できることから、昔からつい最近、つまり太平洋戦争が終わるまで、日本各地で栽培されていた。もちろん麻薬としての規制はなかった。

 日本で大麻の栽培や使用が禁止されたのは昭和23年だった。それまで日本で栽培されていた大麻に麻薬の作用があったことが分かったのではなく,日本の敗戦によってアメリカ軍が進駐し,その占領下でアメリカの政策がそのまま持ち込まれ,大麻が禁止されたのである。

 アメリカでは20世紀の初めに政治的な理由で大麻を麻薬として取り扱うようになった。このことは多くの書物に詳しく書いてあるのでここでは詳述しないが、アメリカ軍が日本に進駐し、占領してからすぐ、大麻を麻薬として取り締まることにしたのである。

 ヨーロッパでも、第二次世界大戦後、アメリカでの麻薬指定を受けてイギリス・ドイツなどが一時的に、大麻を麻薬として規制した。現在では使用を制限したが、「不合理な麻薬の指定はかえって不要な社会不安を招く」として、大麻を麻薬扱いしていない。

 また、誇り高い文化をもち、アメリカの言うとおりにはしないというプライド満々のフランスは、アメリカの圧力はあったが、科学的知見と自らの国の伝統を守り,大麻を麻薬として規制することはしなかった。

 日本は戦いに敗れ、アメリカの属国となり、伝統を捨て大麻を麻薬とした。長い間、江戸時代、明治時代、大正、昭和まで普通に大麻を栽培していて何の問題も起こらなかったのに、不思議なことに大麻を麻薬として取り締まるようになってから、新しい社会現象が現れた。

 それは「大麻を麻薬として吸う」という犯罪が発生したのである。わかりにくいと思うので繰り返すと、
「大麻が自由に栽培されていた頃には、誰も大麻を吸わなかったのに、麻薬に指定したとたん、日本人は大麻を麻薬として吸うようになった」
ということである。

 もともと、大麻には「麻薬性」がない。麻薬とは「強い精神作用があり、幻覚症状のような社会的に問題の症状が現れるもので、習慣性があって抜けられないもの」である。大麻は「強い精神作用」もなく、「習慣性」もない。だから、規制さえしなければ誰もバカらしくて吸わない。そこら辺の雑草を煎じて飲むようなものだからである。

 それは科学的にも正しく、日本の長い歴史が示している事実である。

 精神作用の大きさや習慣性から言うとお酒、タバコに比べて大麻はほとんどゼロといって良いので、誰も大麻を麻薬とは考えなかったのである。

 ところが大麻を麻薬として規制した昭和23年以後、大麻自身は昔と変わっていないのに、日本人の方が変わった。というより、日本人の体も変わっていないのに、突然、大麻が麻薬として効くようになったのだ。大金をはたき、麻薬使用で逮捕される危険を冒し、大麻を手に入れて吸うと大麻が「効く」のである。実に不思議な現象だ。

 この奇妙な事実は、人間というものをよく考えると、納得できるところもある。人間は幻想の動物だ。本能が命じても脳の判断で本能を押さえることができる。頭で「これは美味しい!」と思うと、味覚を感じる舌は美味しいとは思わなくても、美味しく感じる。人間とは幻想の動物だから、そういうものだ。

 大麻を麻薬として禁じる。そうすると日本人の頭には「大麻は麻薬」と信じる。お上のやることだから正しいと思うし、事実、大麻を吸うとマスコミは騒ぐ、すぐ警察に逮捕される。さぞかし、素晴らしい麻薬だろうと錯覚する。そして大麻を吸うと、麻薬のように効く。

 「裸の王様」という寓話がある。本人は裸でなにも着ていないのに、取り巻きに「王様、素晴らしお洋服ですね!」とゴマをすられると自分が裸であるのも判らなくなるという有名な話だ。大麻パーティーはまさにそれで、麻薬性のない大麻を「取締をくぐる」という行為をすることによって麻薬のパーティーを開くことができるのである。

 そこに大麻を使う「悪の温床」ができる。もともと、大麻は麻薬ではないので、規制しなければ大麻を吸う人はいないので「悪の温床」もできない。実は、「犯罪の創造者」は「大麻取締法」であって、大麻を販売したり、使う人ではない。

 非科学的な法律、大麻取締法を作ったために、犯罪の無いところに犯罪を創造した。本来、犯罪を防ぐはずの「法律」が犯罪を「創造」する。それは、誇り高い日本人がアメリカの言うこととなると、判断力を失うことと同じである。

 終戦後60年も経て、情けない。大麻取締法を廃止して犯罪を創造するのをやめよう!

おわり
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池田信夫 blog

大麻で逮捕するならタバコを禁止せよ
2008-11-16 / Misc
このところ「大麻汚染」についてのニュースが多いが、大麻の種を10粒もっていたぐらいで逮捕する国は、先進国にはない。アメリカの大統領選挙と一緒に行なわれた住民投票では、多くの州で大麻は合法化されるかきわめて軽微な罰則になった。

もちろん大麻に問題がないわけではない。しかし、その毒性も依存性も、アルコールやタバコより低い。大麻にこれほど大騒ぎするなら、日本も禁酒法をつくり、喫煙者を逮捕しなければ論理的におかしい。こんにゃくゼリーを禁止するなら、餅の販売も禁止すべきだ。ついでに、あなたを殺す最大のリスクである自動車も禁止すべきだ。

世の中にはさまざまなリスクがあり、それをゼロにすることは必要でも可能でもない。タバコの社会的コストは5兆6000億円という推定もあり、大麻とは比較にならない。タバコのリスクを「自己責任」で認めるなら、同じ理由で大麻も合法化すべきだ。フリードマン以来、指摘されてきたように、コカインのような麻薬でも、その健康被害より(非合法化による)麻薬取引にからむ犯罪被害のほうが多い。麻薬ですらない大麻で逮捕するのはナンセンスだ。


<大麻関連のニュース>
いかに日本のマスゴミが誤用メディアかよくわかる。

(佐藤研一朗のコメント)
仙台インターネットマガジンも不健全指定をされるのだろうか?Google VideoでMarijuanaとサーチすると、飼育ビデオが出てくるのだが、グーグルを不健全指定したらいいのでは?
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大麻紹介誌を不健全指定へ=「犯罪誘発の恐れ」−都

(時事通信社 - 12月08日 20:01)
時事通信社

 東京都は8日、犯罪を誘発する恐れがあるとして、大麻の栽培や収穫方法などを紹介した雑誌「ハイ・グラム・バースト」(12月15日発行、コアマガジン社)を、不健全図書類に指定すると発表した。都による不健全図書類の指定は例年40冊ほどあるが、大半が性的感情を刺激する雑誌で、犯罪誘発の恐れを理由とする指定は異例。

 都青少年健全育成審議会の答申に基づく措置で、石原慎太郎知事が近く指定を告示する。指定後は18歳未満に売ったり、貸したりすることが禁じられ、違反者に30万円以下の罰金が科される。 

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産経ニュース
米国で大麻“合法化”の波紋 デンバーでは住民投票で可決 (1/2ページ)
2007.11.22 09:00
このニュースのトピックス:米国
デンバーでの大麻“合法化”運動を行うメーソン・トバートさん(撮影・松尾理也)デンバーでの大麻“合法化”運動を行うメーソン・トバートさん(撮影・松尾理也)

 西海岸を中心とした米国都市部で、少量のマリフアナ所持を実質合法化する動きがじわじわ広がっている。今月に入って、同様の提案を住民投票で可決したコロラド州デンバーもそのひとつ。大麻合法化運動への支持の高まりについて、当地の活動家、メーソン・トバートさん(25)は「民主党の復活など、米社会に起きているリベラルへの揺り戻しと、背景が共通するのではないか」と話している。(デンバー 松尾理也)

 デンバーでこのほど可決されたのは、「1オンス(約28グラム)以下のマリフアナ所持に対する法執行の優先順位を最低とする」住民提案。同様の条例は数年前からリベラル色の強い西海岸の都市部を中心に広まりだし、カリフォルニア州のサンタモニカやオークランド、ワシントン州シアトルなど、すでに9都市で採択されている。

 「言い換えれば、少量の所持であれば逮捕はされず、罰金も科されないようにしようという意味」と、デンバーで住民提案運動の中心となった市民団体「SAFER」代表のトバートさんは、条例の趣旨を解説する。

 むろん、大麻の販売や栽培は、今回の条例が施行されても違法のまま。しかし「実際には大麻はふんだんに出回っており、容易に入手することができる」。将来の流通の合法化も目標にしつつ、現在はまず所持の部分の“合法化”をめざしている段階だという。

 「大麻は無害とは言わないが、暴力や事故に直結するアルコールよりよほど安全」というのが、トバートさんの主張だが、これまで少数派、異端としてとらえられることが普通だった考えが半数を超える支持を集めたことに、「時代が変わりつつある証拠だ」と、驚きを隠さない。

 むろん、大麻合法化の主張は現在でも一般化しているとはいえない。昨年ネバダ、コロラド両州で住民投票にかけられた合法化提案はいずれも退けられた。しかし一方で、60~70年代に青春期を過ごし、大麻に親近感を持つ人々が現在、社会に影響力を持つ立場に多いことも事実。

 トバートさんは、「同種の条例はすべてリベラルな都市部で成立していることを考えれば、リベラル陣営の復権、伸長と共通する背景があるのは明らか」とした上で、さらに「保守派の中にも、個人の自由を最大限に尊重すべきだとの立場から賛同にまわる人も増えつつある」と、支持の広がりを指摘している。

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<研一朗のコメント>七味唐辛子にも大麻の種が入っているのは知っているのだろうか?結局このキャンペーンは大麻吸引と、種子も所持できないように法律を変えさせるというのが目的のようだ。
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大麻種子「所持でも罰則」=HPで注意喚起-厚労省

(時事通信社 - 12月10日 19:01)


時事通信社

 大麻の種子を所持するだけなら処罰されないとの誤解が学生らの間に広がっているとして、厚生労働省は10日までに、大麻種子の所持でも処罰対象になり得ると注意喚起する文書を同省ホームページに掲載した。

 大麻取締法は、大麻を栽培すると7年以下の懲役が科される。大麻種子の所持でも、栽培など不正目的であると立証されれば同法の予備罪が適用され、3年以下の懲役が科される。

 一方、種子を提供しても、同法のほう助罪や予備罪が適用され処罰対象になる。 


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<研一朗のコメント>このたばこ増税によって、ますます大麻をやろうとする人が増えるだろう。なんたって家で簡単に栽培できるわけだから。大麻がはやることでタバコの売り上げが落ちないようにするのがこの大麻キャンペーンの目標か?いずれにせよ、この恐慌に増税するのだから、タバコを吸う人は激減して、どうせ税収は減少するだろう。ほんとにこの人たちは増税することしか頭にないおろかな人たちだ。
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<たばこ>増税濃厚 麻生首相、自民税調に事実上要請

(毎日新聞 - 12月10日 13:22)

毎日新聞
 麻生太郎首相は10日午前、自民党本部で自民党税制調査会の津島雄二会長と会談し、「09年度予算で社会保障費の抑制方針の達成が大変厳しい」と述べ、党税調の協力を求めた。政府は舛添要一厚生労働相が今月初旬、中川昭一財務相に「たばこ税増税がなければ厚労省の予算編成は厳しい」などと要請しており、首相は党税調に対して事実上、09年度税制改正でのたばこ税引き上げを要請した。

 政府は、小泉政権以来の社会保障費の自然増2200億円抑制について「限界に近づいている」(麻生首相)として、09年度予算で歳出削減幅を圧縮、千数百億円分はたばこ税増税で確保する方針に転換している。自民、公明両党の税調は同日午後の与党税制協議会で対応を協議するが、首相の要請で3年ぶりとなるたばこ増税が濃厚になった。引き上げ幅は1本当たり3円(1箱当たり60円)を軸に検討される見通しだ。

 たばこ税を1本1円引き上げた場合、約400~500億円の税収増になるとの試算もあるが、たばこの国内販売量は下落傾向にあり、税収も微減が続いている。このため、自民、公明の税調協議では「増税に踏み切れば、たばこ離れが加速し逆に税収減になりかねない」(自民党税調幹部)との声も出ていた。

 たばこ税をめぐっては、06年度税制改正大綱でも、国債発行額の抑制を目指す小泉首相(当時)の強い意向で自民党税調の反対論を押し切って、1本約1円のたばこ増税に踏み切ったケースがある。【赤間清広】


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af BB news
大麻、酒やたばこより害少ない 英研究

* 2008年10月03日 07:10 発信地:ロンドン/英国

【10月3日 AFP】英研究団体は2日、大麻による健康被害はアルコールやタバコよりも低いとする報告書を発表し、大麻政策に対する「真剣な再検討」を呼びかけた。

 報告書を発表したのは、英国内の研究者らがアドバイザーとして名を連ねるBeckley Foundationで、大麻の違法化は、大麻の供給量削減には何ら効果がないだけでなく、禁止によって大麻使用者は犯罪者にされてしまうと語った。

 報告書によると、「大麻が精神的なものを含め健康に悪影響をもたらす可能性のあることは事実だが、大麻による害は、アルコールやタバコと比較すると非常に低い」と主張した。

 同団体はさらに、アルコールとタバコが原因で死亡した人の数をあわせると、英国のみで15万人にのぼるが、大麻による死者は世界中でたった2人だと主張する。

「実際には、大麻に関連した健康被害は、逮捕や収監など、大麻が法律で禁じられていることによって起きている」(Beckley Foundation報告書)

 一方、英政府は、大麻をCランクの薬物扱いから、より深刻なBランク扱いにする法改正をすすめている。

 英政府は、特に「スカンク(skunk)」と呼ばれる強力なタイプの大麻の拡大に懸念を示している。政府統計によると、押収された大麻の約80%が「スカンク」で、これらは精神的な健康障害に関連しているとされる。(c)AFP

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<麻生首相>高齢者医療費「何もしない人の分なぜ払う」

(毎日新聞 - 11月27日 01:32)

毎日新聞
 麻生太郎首相が20日の経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制を巡り「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言していたことが26日公開された議事要旨で分かった。高齢者医療費の増大は患者側に原因があると受け取れる発言で、批判も出そうだ。

 首相は「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」と指摘。「こちらの方がはるかに医療費がかかってない。毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている」と述べ、理不尽さを訴えた。

 最後に首相は「努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、インセンティブ(動機づけ)がないといけない。予防するとごそっと減る」と語った。

 首相は19日の全国知事会で「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言し、20日に撤回、陳謝していた。その日に不用意な発言を繰り返していたことになる。

毎日新聞
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2008年12月15日

大麻、ギャング、街づくり(その2)

大麻と、ギャングと、街づくり(前半)からの続き

アメリカでの大麻の扱われ方を話しました。

 ・大麻を少量所持を非犯罪化する州が増えている。
 ・13州で医療大麻が認められている
 ・悪名高いロックフェラー・ドラッグ・ロー
 ・街づくりと大麻
 ・大麻合法化はロチェスター市の殺人を減らす?
 ・ドラックはすべて解禁をするべき?



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大麻と、ギャングと、街づくりその1
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カナビス・スタディハウスより

マリファナの陰謀
禁止されている本当の理由とは?


サウスパークのエピソード
マリファナを吸うとテロリストを助けることになるといううその広告を皮肉ったエピソード

大麻関連のニュース

<研一朗のコメント>
間違った情報を流しているのは、この人たちである。
危ないのは、大麻ではなくて、大麻を取り締まっている国家である。
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講演会:大麻ぐらい…絶対だめ 県保健福祉部・白石副技幹訴え--神奈川大 /神奈川

 ◇薬物乱用防止の講演会

 神奈川大(横浜市神奈川区)で15日、薬物乱用防止講演会が開かれた。大学キャンパスでの大麻事件が社会問題化しており、体育会の学生ら約200人が参加した。

 学生生活支援部の主催で、「緊急アピール」と講演会のポスターに書かれている。校門横にも「薬物の相談」を呼びかける掲示が出ている。

 講師は県保健福祉部薬物対策班の白石雅一副技幹で、最近の大麻の摘発状況、中毒患者の告白をビデオで上映しながら「大麻は『タバコより害がない』といった誤った情報が流れ、安易に吸ったり、栽培している。心身ともに廃人になってしまう」と警告した。

 関東学院大のラグビー部員、慶応大生と県内で大麻汚染が広がる。白石副技幹は「大麻から覚せい剤やヘロインにエスカレートする。覚せい剤患者の6割は再犯であり、『大麻ぐらい』との考えは絶対だめ」と呼びかけた。【網谷利一郎】

毎日新聞 2008年12月16日 地方版
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2008年12月24日

大麻、ギャング、街づくり(その3)

大麻を取りしままる根拠というのはあるのだろうかという話をしました。

 ・憲法は国民から国への命令
 ・無数にある法律群が日本人を鬱にしている
 ・自殺を試みた人を死刑にするべきか?
 ・イーストを禁止せよ?
 ・癒着の構造=自民党、大手マスコミ、大企業、官僚、暴力団
 ・どうして車の免許を取るのに30万円もかかるの?
 ・大麻自家栽培は悪か?
 ・酒・タバコは100% ゲートウエイドラッグ
 ・マリファナカフェを合法的につくったら?
 ・自民党がいる限り、国民を縛る法律郡はなくならない。


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仙台インターネットマガジンの大麻特集一覧
大麻と、ギャングと、街づくりその1
大麻と、ギャングと、街づくりその2
大麻と、ギャングと、街づくりその3
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i-morleyで紹介されていた動画
BBCのキャスターが自分を実験台にして、マリファナを吸うのが本当に危ないのかを調べている。
これと比べると、日本のマスコミは、くずだとすぐわかる。

参考ニュース
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(佐藤研一朗のコメント)
今回のキャンペーンの結末として、当然こういう話が出てくるのは疑問はない。
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振り込め詐欺対策を強化=大麻取締法見直しも−犯罪防止へ新行動計画・政府

 政府は22日午前、麻生太郎首相も出席して犯罪対策閣僚会議を首相官邸で開き、振り込め詐欺や薬物事犯の対策強化などを柱とする犯罪防止のための新行動計画を決定した。政府は総力を挙げて犯罪被害の防止に取り組む。
 振り込め詐欺対策としては、携帯電話の全地球測位システム(GPS)の活用など有効な捜査手法の導入により、詐欺グループのアジトなどを割り出し、組織の首謀者に至るまで徹底摘発する決意を強調。また、被害防止への具体的な取り組みとして、広報の充実により詐欺の手口を社会に広く知らせるとともに、(1) 携帯電話を貸与する際の本人確認記録の作成と保存を進める(2)架空口座を売買する「道具屋」を徹底して取り締まる(3)現金自動預払機(ATM)コーナー付近での携帯電話の利用を困難にする−ことなどを挙げた。
 一方、薬物対策として、空港や港での監視体制の強化や国際協力の推進、鑑定技術の高度化などを図る方針を強調。特に、若年層で大麻事犯が広がっている事態を重視し、「取り締まり方策の検討を行う」と、大麻草や乾燥大麻など「製品」の所持は禁じるが、「種子」は規制していない現行の大麻取締法の見直しを検討する考えも示した。(2008/12/22-11:04)

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About 2008年12月

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