ピーク後の世界を生き残る方法

2008年12月02日

ピーク後の世界を生き残る方法

[投稿者:佐藤研一朗]

こちらも環境論文の一部です。ピーク後の世界について書いて見ました。代替エネルギーのところが大切だと思います。日本で資源になると騒がれているメタンハイドレートは資源にならないかもしれないことを少し書きました。

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ピーク後の世界を生き残る方法

2008年6月23日
街づくりアーティスト・佐藤研一朗
アメリカ・ニューヨーク州・ロチェスター在住


第一章
われわれは貧乏になるのだ。
ピークが起こったあと世界はどうなっていくだろうか。簡単にいうと、石油がたりなくなり値段が上がる。それにつられ他のエネルギー源の値段も上がる。するといままで非常に安価だった食料、工業品の値段も釣られて上がっていく。物やエネルギーにあふれる時代から、物やエネルギーが足りない時代へ突入していく。ピーク論者のジェイムス・ハワード・カストラーは人類は「長く続く危機」(The Long Emergency)に直面するだろうといている。

エネルギーが使えないということはどういうことなのだろうか。はっきり言えば貧乏になるということである。石油は優れたエネルギー源であり、石油たった1リットルで約一トンの車を15キロくらい動かすことが出来る。もしこれを人力でやろうとするとどのくらいかかるのだろうか、4、5人の男で一日二日くらいかかるのではないか?上り坂なんてあったらそんなものではすまないだろう。まるで古代のエジプトでピラミッドの工事に借り出されている奴隷のような光景だ。つまり車を運転するというようなことは昔は王様みたいな人しか出来なかった贅沢の極みなのだ。いまではガソリンを燃やすことが出来るので、だれでも奴隷を何人も抱えて暮らしているようなものだ。奴隷制が世界中でなくなったのは、たぶん人類が新しいエネルギー源を得たからだったのだろう。

この本の監修者で、優れた国家戦略家である副島隆彦はその著書で、「経済と政治は車の両輪」であると書いた。そうするとエネルギーは文字通り、その車のエンジンを動かす動力源である。エネルギーがなくなれば、世界中の国々はガス欠になって、何も出来なくなってしまう。まさにエネルギーは国の死活問題である。だから国という車を動かそうとすれば、エネルギーをどっかから持ってこなくてはいけない。だからピーク後に起きることはすくなくなったエネルギーの取り合いなのだ。非常に物騒な世の中になる可能性は大いにある。

ピーク後のアメリカ
アメリカ国内では、石油生産ピークが1970年代に起きた。オイルショックもあり一時は石油消費が減ったものの、その後どんどん歯止めがかからないまま増えていった。無いものを使いたければ、どっかから持ってこなくてはいけない。つまり輸入がふえていったのだ。

ピーク後のアメリカでなにがおきたか? まずアメリカは破産した。ニクソンショックでドルの金兌換制を廃止し、何の裏付けもなくなった紙切れのドルだけで石油取引をさせることをOPECに認めさせ、紙幣を印刷するだけで金を生み出すことができるようになった。アメリカの巨大な軍事力と政治力に向かって、意義を唱えるものはいなかったので、ドルは基軸通貨の地位を失うことは無かった。

ドルを印刷すれば、石油や商品が買えるのだから、これははっきり言って詐欺以外のなにものでもないが、アメリカが支払っているコストも決して安くない。紙切れ紙幣体制では、新たなお金が生まれるのは、誰かが借金をしたときなので、巨大な借金が積みあがる。それが巨額な貿易赤字、財政赤字であり、クレジットカード、サブプライムローンと借金に溺れるアメリカ人たちである。

アメリカはこのドル体制を守るために巨大な軍事力を維持しなくてはいけないので、国の予算の半分くらいは防衛費にまわっている。常に石油の輸入先の中東に深く関与、干渉、侵略しなくてはならないのである。イラク戦争では約300兆円もを使い果たした。*1

そしてよくよく見ていくと、ドラック、犯罪、肥満、人種差別、都市の中心部の崩壊にいたるまで、アメリカが抱えるほとんどの問題の根本は石油の使いすぎからきているのだのがわかる。アメリカは強い強いといって強がっているが、国の中をよくみれば、通貨を弄んで富を得ようとした副作用で、もうすでにぼろぼろになっている。無限のお金と無限のエネルギーさえあれば、人は幸せに暮らせるというわけでないようだ。

20世紀、アメリカは安く大量にある石油を背景に、石油の帝国として、その覇権を維持してきた。今、世界では紙切れで石油を買えるといったドル紙切れ体制への不信任が高まっている。資源価格が暴騰し、アメリカ経済が崩壊しようとしている。しかし、これは世界に石油ピークが訪れようとしている兆候ではないか? 石油ピークがアメリカの覇権を失墜させたと、歴史には刻まれるのだろうか? 20年もたてばこの推測が当たっていたかどうかわかるだろう。

ライフスタイルを変えなければ、コストは上がっていくばかり。
アメリカが完全に間違っている点は、自国の石油生産が減っているに、消費量を減らす努力もせず、他国から巻き上げてこようという魂胆なのだ。そのために膨大な政治的、経済的、社会的なコストを、間接的に払うことになっている。大半のアメリカ人はそのことに気づいてもいないし、リーダーたちはそのことを薄々わかっていても、そのまま進めるところまで進んでしまおうという考えである。しかし彼らが払っているコストがどんどん上がっていくのだ。アメリカのように振舞う国は、ピーク後の世界ではやっていけないだろう。いくら戦争をしかけて産油国を抑えたとしても、払うコストが彼らを疲弊させていくだろう。どうしても今までのライフスタイルを変えなくてはやっていけないのだ。

日本のお得意様がいなくなる
みなさん日本のエネルギー自給率はどのくらいかご存知だろうか?たった4%である。残り96%を海外に依存しているのだ。この96%のエネルギー代がどんどん上がっていったら、日本はいったいどうすればいいのか?日本の労働人口全てが、サービス残業を増やして身を粉にして働いたとしても、払っていけないだろう。現在でも日本の年間75兆円ちかくの輸入総額の30%ぐらい(つまり22兆円ぐらい)はエネルギーの輸入代に消えている。それでも年間85兆円も輸出しているので、今は黒字になっているが、これをいつまで続けられるのだろうか。*2

日本の製造業は世界一エネルギー効率がいい。そのことを誇ってもいいのだが、日本が大量生産をして製品を売りつけてきた一番のお得意様は、石油をがぶ飲みし、大量消費を続けてきたアメリカなのだ。ピーク後、日本もこのライフスタイルを変えざる得ないだろう。

代替エネルギーはどうだ?
「まあ石油がなくなっても、ほかにもエネルギー源があるのだから、そんなに悲観的になる必要は無い。」と考える人もいるだろう。他のエネルギー源は石油の代替になるだろうか?どうも、そうは簡単に問屋がおろさないようだ。下の図を見てほしい、日本の1次エネルギー源のうち石油が閉める割合は半分である。これが毎年毎年減っていくのである。世界中が石油でまかなえない部分を他のエネルギー源で間に合わせようとすれば、とたんに全てのエネルギー源の価格は高騰していくことになる。


北陸電力より
http://www.rikuden.co.jp/gakusyu/ga1_1_02.html

ピークナチュラルガス、ピークコール、ピークウラン?
石油の代わりになりそうなエネルギー源として、天然ガス、石炭、ウラン、この三つをあげることができるだろう。石油とともに1次エネルギー源として大きなシェア占めている。天然ガス、石炭、ウランは石油に取って代われるか?もちろん石油と同じく有限な資源だからいつかはなくなるが、どのくらいの間、頼ることができるだろうか? その目安として可採年数というのがある。これは確認埋蔵量をその年の生産量で割った数字だ。
可採年数は、天然ガスが63年、石炭が147年、ウランが85年とされている。*3

これを見て自分が死ぬまでは問題ないなと喜ぶのはまだ早い。可採年数はあくまでも、現在の年間生産量で確認埋蔵量を割った物だから、生産量が倍増すれば、年数は半減する。実際に石油が足りなくなってきたら、他のエネルギーの需要が高まるのだから、残念ながらここにある数字は全然当てにならない。それにここにはEPRの考え方が入っていない。資源は一般的に掘れば掘るほど、EPRが下がっていく傾向にある。石炭などはその典型である。アメリカの石油ピークを的中させたキング・ハバートは2040年には石炭のEPRは0.5にまで落ちるだろうと予想している。*4何度も繰り返すが、EPRが1下回れば、資源としては何の価値もないのだ。

天然ガスは車の動力源にもなるので、非常に有望な石油の代替エネルギー源とされている。しかしピーク論者の話を聞いていると、どうも先行きは明るいかどうかわからない。リチャード・ハインバーグによると天然ガスの需要の高まりを受け、採掘されるガス田の数が倍増しているが、生産量はあまり増えていなく、発見されるガス田の規模が小さくなってきていると指摘している。どうも石油が足りない分までまかなうことができるか、かなり怪しいのである。*5

原子力発電はどうだろう。軽水炉の開発により原子力発電は非常に安全に運転できるようになった。日本で動いている原子炉はほとんど軽水炉だ。原子力は、今 CO2が排出されない発電方法として注目されている。これから世界で原子力発電がエネルギー配給の大きなシェアを担っていくだろう。しかしこれから中国やインドで原子炉が100、200と増えていけば、ウランの需要はどんどん高まっていくのは眼に見えているのだ。軽水炉でエネルギー源として利用できるウランは、核分裂を起こしやすいウラン235とよばれるもので、天然に存在するウランの0.7%程度でしかない。*6だから原子力もそのまま行けば石油と同じ運命を辿るだろう。

もし原子力発電に可能性があるとすれば、天然ウランの約99.3%を占める核分裂をほとんど起こさないウラン238を利用できる高速増殖炉である。しかし世界中の多くの先進国がこれを実用化をしようとして、どこもうまくいっていない。 日本の高速増殖炉はナトリウム漏れの事故を起こした「もんじゅ」である。*7 現在の原子力発電では、ウランをEPRは17だそうだが、*8 高速増殖炉が実用化されれば100程度になるだろうといわれている。*9

この技術が早々に実用化されるかどうかは、よくわからない。国は20、30年先と考えているようだ。安全に運転できるにるかもよくわからない。核爆弾に使えるプルトニウムの抽出が容易になるという問題もある。プルトニウムはウランより放射能を多く出すとい問題もある。いろいろな問題はありつつも、それでもエネルギー不足に押され国は開発を続けていくことになるだろう。しかしよく覚えておかなくていけないのは、原子力の研究開発には非常にお金がかかるということだ。国は約5000億円をも使っている。(隠れた部分もいれればもっとあるだろう。)そういうお金がいつまで日本にあるかは私にはわからない。

メタンハイドレードはエネルギー源になるか?
数年間、日本近海には膨大なエネルギー資源が眠っているというニュースが流れた。メタンハイドレートと呼ばれる、シャーベット状になった水にメタンガスが閉じ込められているものが、なんと日本の天然ガス消費量の100年分もあるというのだ。エネルギー輸入国の日本が、ついにエネルギー資源国になれるのではないかという観測までながれた。私は小躍りをしながらこのニュースをきいた。

しかし、このメタンハイドレートが本当にエネルギー源になるかは、実はまだよくわかっていない。日本の天然ガス消費量の100年分というのは資源量であって、埋蔵量ではない。埋蔵量というのは技術的に採掘が可能な量であり、資源量をすべてを採掘できるわけではない。現在、海の底に眠るメタンハイドレートを採掘する技術はまだ開発されていないので、メタンハイドレートの埋蔵量は現在まだ0である。やっとカナダの北部の陸地で試験採掘の実験を行ったほどである。採掘方法は、坑井に温水や蒸気を注入して、メタンハイドレートを溶かして、上がってくるメタンガスを回収するそうだが、誰だけのEPRに最終的になるかはよくわかっていない。*10

海の底にあって、砂と一緒にシャーベ状になっていている物に、熱を加え、それを回収するのだからEPRは相当低くなるし、コストは高くつくだろう。メタンハイドレートは本当にエネルギー源になるだろうか?技術開発が進みEPRが1以上なり、十分な量を供給できるようになることを心から祈る。

たった1%の新エネルギー
太陽、風力、バイオマス、などの新エネルギーはどうだろうか。石油などと違って資源が枯渇することがないので持続可能なエネルギー源として、注目されている。なんせ元になるは光や風で、石油のように消えてなくならない。設置すれば、メインテナンス以外はただでエネルギー源が取り出せるのだ。この分野はこれから、次のITになるのだ。これから世界中のお金がこの部分に投資されて、様々な新しい技術を生んでいくだろう。

様々な利点はありながらも、新エネルギーのEPRは非常に低い。たとえばトウモロコシを原料として作るエタノールのEPRは1を下回るのではないかとう説まである。それから経済的なコストは、在来のエネルギー源とくらべまだまだ高い。そして覚えておかなくてはいけないことは、1次エネルギー源の新エネギーの占める割合はたった1%である。とてもすぐに石油には取って代われない。この分野は将来有望であるが、EPRを上げ、経済的コストを下げる技術の開発が急がれるのである。

石油でできてるもの
石油が他のエネルギー源と少し違うのは、様々な日用品が石油由来であるということだ。家具、家電、建材、衣料品、梱包材、洗剤、医療品、化粧品、道路、農薬、肥料、食料と、ほとんど考えられるもの全ての製造過程で石油が使われていると考えておかしくない。これは、いかに石油が優れたエネルギー源であるとともに、優れた工業原料であるかということなのだが、あまりにも優れているために我々は完全に依存しているのである。石油を代替するためには、原料としての石油の部分まで考えていかなくてはならないのだ。これは簡単なことではない。植物から作るプラスチックなどの開発が進められているが、どれだけのエネルギーが必要で、どれだけの量を作れるか、まだまだわからないことばかりだ。

食料はどうなるのか?
日本の食料自給率は40%であってその多くを輸入に頼っている。近年の農作物の値段の高騰や、不作により、店頭に並ばなくなった食品すらある。ピーク後に起きるのはこれを大げさにしたものだと考えていい。1940年代からロックフェラー財団の後押しにより緑の革命が起こり、世界の食料生産量は倍増した。しかし、もちろんロックフェラー財団が応援したのだから当たり前だが、生産量が上がったのは農業に化石燃料を沢山使うようになったからだ。今、我々が食べいる物は化石燃料でできているといってもいい。*11

アメリカの食品システムが毎年使用するエネルギー量は1055京1000兆ジュールを上回り、フランスの年間総消費量に匹敵するほどである。*12 エネルギーの供給が逼迫してくれば、このような農業は続けられなくなり、生産量は減っていくだろう。そうすれば海外への輸入量も減るし、値段もあがることになる。遠くから運ぶのだから、輸送費も馬鹿にはならないだろう。

米も化石燃料でできている
それでも主食である米を食べていければまあ暮らしていけるだろう。これだけ低い自給率の中、補助政策のお陰もあってか、日本の米の自給率は95%を保っている。しかし化学肥料を使う現代農法では収穫物の2.6倍ものエネルギーを投入する必要があるそうだ。農業全体では国内の収穫が1180億キロカロリーだが、石油は約950000億キロカロリー(1995年)使用していて、収穫の約800倍もの石油エネルギーを使っている。独立行政法人・野菜茶業研究所・研究員の篠原信氏によれば、石油なしでの日本の食糧供給力は3000万人分だそうである。まったく末恐ろしい話である。*13

二つの事例、二つの未来、北朝鮮とキューバ 
世界には政治的な理由によって二つの疑似ピークオイルを体験した国がある。北朝鮮とキューバである。ソ連が崩壊した後、石油や食料、生活必需品がソ連からほとんど入ってこなくなったのだ。当時、北朝鮮とキューバの農業はともに高度に機械化された石油に頼った農業であったが、暗雲を分けたのはその後の対応だったようだ。北朝鮮では、中央が計画を立て、食料危機を農業をさらに大規模にし機械化するで乗り越えようとした。結末は日本人がよく知るように、北朝鮮は餓死者が出るような国になってしまった。一方キューバでは有機農業、都市農業を推進することで、危機を乗り越えたのだ。空いている土地は、個人や団体に貸し出され、至る所耕され、農地に変わっていった。地産地消が進んだ結果、200万の人口を誇る首都ハバナでは、生鮮農産物の90%は地元の都市農場や菜園からもたらされている。キューバの疑似ピークオイルを取り扱ったドキュメンタリー、Power of Communityによれば、今キューバでは都市農園者が人気の職業で、稼ぎも非常にいいらしい。ここにピーク後の世界のヒントがつまっている。

ピーク後の世界
キューバと北朝鮮は、一気に石油を使えなくなったが、実際に世界で起きるピークオイル後は、少しずつ石油の生産が減っていくので、我々は我々はもうすこし時間をかけて対応をすることができるだろう。その点はありがたいことである。しかし逆に言えば、少しずつ減っていくから対応が難しいとも言える。もしバブルがはじけたときに、20年間で日本の国力がこれだけ低下すると最初からわかっていれば、バブルよもう一度のかけ声のもとに散財した無駄な公共事業などやらなかったはずである。今まで貯めたお金を自分たちが、幸せに健康に暮らせるように、未来のためにお金を使ったはずである。しかし違和感を感じつつも、我々にはそれがわからなかったのだ。

少しずつ貧乏になっていくことに世界は耐えられるだろうか、まだまだお金持ちになりたい人が多い中国やアメリカでは大変な思いをするだろう。エネルギーを得るための戦争や政治的争いが増えていくだろう。しかしバブル後を経験した日本人にとって、少しずつ貧乏になっていくことへの免疫が既にできている。このことはある意味幸運であったのかもしれない。ピーク後に最適な新しいライフスタイルさえ見つかれば日本は世界に先駆けて、一気に変わることができるだろう。


第二章
戦略的低エネルギー生活のすすめ 

この論文の題名の「戦略的低エネルギー生活のすすめ」は、経済アナリストの藤原直哉氏のポッドキャストからお借りしてきたものです。戦略的に使うエネルギーを少なくして、知恵を使いながら、今よりも健康で幸せに暮らしていこうとことである。彼が推進しているロハス(Life Style of Health and Sustainability ・健康的で持続可能な生活様式)な生活とほぼ同なじ意味である。

エンジンを交換せよ
第三章で、経済と政治は国という車の両輪で、エネルギーはその車のエンジンを動かす動力源である。と書いた。ここで提案しているのは、日本という車のエンジンをもっと燃費のよい物に変え、もっと小さくて、小回りが利いて、重たくなく、環境と健康にいい、そんな車に変えていこうというものだ。どうせその内エネルギーが高くなって日本に入ってこなくなるのだから、先にエネルギーの消費をカットして、その中で最適なシステムを作っていこうというものだ。

安いオイルがもたらした現代病
今、先進国で成人病が増えているのは、大量の食料が、安いオイルによって生産され、余っているからだ。都市の郊外化がすすみ、地方都市が衰退し、地域コミュニティーの崩壊し、東京ばかりの一点集中が続いているのも、大量で安いエネルギーが手に入るからだ。藤原氏は、今世界や日本でおこっている様々な問題は、20世紀型社会の「自家中毒」であると述べている。石油の世紀だった20世紀の自家中毒に我々はまだ苦しんでいるのだ。そして対処療法を続けている政治はほどんど機能停止に陥っている。今こそ、問題の根本を見つめ直し、少ないエネルギーで、如何に幸せに、健康に暮らせるか、みんなで考えていかなくてはならない。

中央集権の終わり 分散型の時代
央集権的近代国家等のは、資本主義であろうが、社会主義であろうが、大量なエネルギーの配給の上に成り立っている。ピーク後の世界では成り立たない非常に馬力はでるが燃費の悪いシステムだ。ピーク後、国が絶対やってはいけないことは、北朝鮮政府のように、中央で計画を決め、国民に命令をして危機を乗り越えようとすることだろう。人々は上、中央からの指示や判断を待つようになり、自分たちで考えることをやめてしまい、低エネルギー生活に一番で必要なその土地独自な発想であり知恵を奪うことになる。

何でも日本一律でやろうとすると、失敗した場合、取り返しがつかなくなるし、膨大なエネルギー、お金を無駄に使ってしまう可能性がある。バブル後の公共事業を考えれば想像は難しくない。国ができることは、こちらの方向に進んでいったらいいのではないかと大きな方向を示すくらいな物である。ピーク後は中央管理の時代は終わり、国は黙って、個人と地方に任せる時代がやってくる。その地方地方が、試行錯誤を重ねながら、自分たちに最適な地域を作っていけるような分散型の体制が必要になってくる。

国の財政破綻が迫っているが、破綻した際は、増税するなどと寝ぼけたことは言わないで、徹底的に今の中央集権型の官僚組織を解体し、リストラするべきである。国は今よりずっと小さくなるべきだ。官僚たちが作り出した制度、細かい法律群、規則、行政命令、慣例などが、この国をがんじがらめにして、窒息寸前まで追い込んでいる。国は地方分権の名の下に、道州制を導入しようとしている。しかし国が地方分権を進めるというのは、いったいどういうことなのか?本来ならば地方が、「国は大きすぎる。もっと小さくなれ。租税権を地方によこせ。もっと自分たちのことは自分たちで決めさせろ。」と始まるべきだろう。道州制というのは新たに州の官僚たちを作るだけだ。

地方分権なら、国が小さくなって、今の都道府県にもっと仕事をさせればいいのだ。江戸時代には300近くの藩があり地方自治を行っていた。だから今の都道府県で十分やっていける。隣県同士がもし合併したければ、その地方の人々にきめさせればいいのだ。それでこそ地方自治だ。その地方、その地方に、違った答えがあっていい。

コンパクトな街と力強い田舎を目指そう。
地方はコンパクトな街と、力強い田舎を目指せばいい。今のように郊外に延びきった住宅街はどんどん廃れていくだろう。中心部に通うためにエネルギーがかかりすぎるからだ。東京のような巨大な街の人口は減り続けることになる。なんと言っても東京の食料自給率はたった1%なのである。今は大量のエネルギーをかけ、世界中から食べ物を集めているが、そんなことはできなくなる。一方田舎は、農産業に人手がかかるようになり、都市からの人口の移動が続くだろう。今の日本の田舎は過疎化が進んでおり、相当の人口を吸収できる余地はあるだろう。時代は田舎に戻っていく。

低エネルギー都市運営
都市をうまく運営していくには、相当賢く低エネルギーでいく必要がある。今の都市というのは非常にエネルギーを消費するようにできているから、下手を打つと街自体がなくなってしまう。街は歩いて暮らせるように徹底的にコンパクトに整備しなくてはならなくなる。コンパクトと言っても高層ビルのようなものはだめだ。街を住宅地、オフィス街と分けるのではなくて、できるだけ自分たちのすぐ近くで働けるようにする必要がある。それには4階建てくらいのビルで、一階部分はオフィスや商店が入り、その上が住居になっているような建物が沢山必要になってくる。こういう建物にはエレベーターも要らないし、人間のスケールにあっているので、見た目が美しい。公園やグリーンスペースをうまく共有できるように配置することも大切で、人口密度を下げずに快適な住環境を作れる。*1

コンパクトの街は人口密度が高くなるので、住環境を整えることが大切になってくる。ちゃんとやらないとスラムになってしまう。出来るだけ多くの植物や木を植えること、コンクリート護岸された川や海などの水際を、自然に近い形で、美しく整備することは絶対に必要である。あたりまえのことだが自然は人の心を和ませる。パブリックアートも大切な役割を背負うだろう。私ごとになって恐縮だが、私はアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターという地方都市で、ビルの壁に巨大な写真を貼るという「世界一大きい写真展」というプロジェクトを進めている。緑もなく、灰色の空きビルと空き地ばかりの寂れた中心街で、石油文明の行き着いた終着点のような場所である。このような場所でアートはある程度、自然の代替になる。自然というのは多種多彩な色彩をわれわれにあたえてくれる。木を植えて緑が生い茂るまでには長い月日がかかるが、木の写真を貼るのはそれほど難しくはない。不思議なことにその写真を見るだけでも、心が落ち着くのである。

交通機関はどうするか
エネルギーが足りなくなって一番困るのは、人々の移動手段だろう。公共交通を、低予算で、低エネルギーで整備する必要がある。石油が少なくなれば、自動車も減るから、自動車に車線を全部使う必要はない。そこで道路の中央を区切り、バス専用車線をつくる。これでバスの定時制を確保できる。ここを二両続きのバスを走らせる。もちろん路面電車と共有してもいい。これで安価で地下鉄に対抗できるほどの交通網が出来る。これはブラジルのカルティバが発祥のBRT(バス・ラピッド・トランジット=バス急行交通)と呼ばれるものである。将来は電気で動くバスなどが主役になっていくだろう。地下鉄のように、たった1キロ作るのに300億円もかかるような、お金とエネルギーがたくさんかかる物はこれからはうまくいかない。

それから自転車が移動手段として復権するのは間違いない。パリでは二万台の自転車を町中に設置し、1500カ所のステーションをつくり、Velib’ (ヴェリブ) というレンタル自転車のサービスを始めた。好きなところで借りて、好きなステーションに乗り捨てできるシステムである。すでに地下鉄の利用者に肩を並べるほどの人気となっている。このようなシステムと、自転車専用道の整備はどの街にも必須になってくる。レンタル自転車と同じような考え方で、小型の電気自動車を町中に配置しシェアするという計画もヨーロッパの街で計画されているようである。これがあれば都市の中を移動するのに一人一人が車を持つ必要が無い。

田舎の時代
今の時代は、インターネットさえあれば田舎でも、都会と変わらないくらいの情報が手に入る。ネット革命のお陰で、中央から送られてくる在来のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などはどんどん下火になってきている。田舎と都会の情報格差が縮まることによって、田舎でも多くの仕事をこなすことができるだろう。田舎にとってはいい時代になっている。地方には余っている土地が沢山あり、食料も豊富にあるわけだらか、ピーク後は人口の流入が続くだろう。地方では、今のうちからその地域のファンを増やし、少しずつ人を外から受けれてノーハウを蓄積していくべきだ。将来多くの人たちを受け入れる態勢を今から整える必要があるだろう。

個人はどうやって生き残るか?
ピーク後、われわれ個人はどのように暮らしていけばいいのだろうか。理想はその地域のために働き、その地域から糧を得るというものだ。その地域の小さなニーズに答えて、小さな商売を作っていく能力が大切にされていくだろう。近所にあいている土地があれば自分で最低限の食料を作る、これも大切だ。出来るだけ家の近くで働き、車に乗らない生活こころがける。あなたが地域のリーダーならば出来るだけ自転車に乗って生活を出来るようにその地域を整えていく必要がある。

ピーク後は光熱費がどんどん上がっていくので、余裕があれば家に太陽電池や、太陽熱温水器を設置するのもいいだろう。もちろん家の断熱は大切になってくる。ミサワホームがゼロ・エネルギー住宅というものがある。これはLEDやヒートポンプ、太陽電池、高断熱材を組み合わせ、光熱費を差し引き0にしようという試みである。現在は、建設時にかかるエネルギー自体をも取り返せるような住宅建設を目指しているそうだ。*2 エネルギー完結型の商品がこれから贅沢品とし人々の憧れの的になるだろう。エネルギー完結型の商品、これが日本が世界にこれから売っていけるいい例であろう。

省エネと低エネ違い
省エネというのはいままでと同じこと、最新の技術を使い今までよりもちょっと少ないエネルギーでやることだ。低エネは、今までよりはちょっと手間がかかって、不便になることもあるが、ほんの少しのエネルギーでやることだ。低エネルギー生活に必要なのはローテクとハイテクをうまく組み合わせることである。

低エネルギー生活を技術だけで、達成しようとすると大変な苦労がある。たとえばハイブリット車のなどがいい例になるだろう。車の燃費を下げようとして、トヨタのような自動車会社が何年も、何百億円かけてやっと、ハイブリット車が出来る。これでやっと燃費が半分になった。しかし個人として今の車を乗りながら燃費を半分にしようとすれば、乗る人を増やせばいいのだ。できるだけ車をたくさんの人でシェアをする。確かにちょっと不便だが、簡単に実現できることである。たとえば、車で移動する代わりに、できるだけ自転車を使えば、劇的にガソリンの使用量を減らすことが出来るし、健康にもいい。まあそういうことだ。技術より、それをどうやって組み合わせてつかうかという知恵が必要とされる。

日本の新しいものづくりが目指すもの
日本の製造業はすばらしい技術を持っていて、資源もエネルギーもない日本を世界一豊かな国にしている。しかし近年、発展途上国ですら多くの家電や車が作られるようになり、工場の海外進出が進み、空洞化が進んでいる。日本の製造業は中国のような途上国に追いつかれてしまうのではないかという恐怖感を抱きながらも、次に進むべき道を見つけられないでいる。工業品は厳しい価格競争に巻き込まれ、製造業はなかなか利益が上がりづらい業種になっていくだろう。

日本の製造業がいまからやっていけばいいのは、安いエネルギーを前提とした大量生産ではなくて、低エネルギー生活で必要になる便利なツールであろう。キーワードになってくるのは、低エネルギー、低資源、エネルギー完結型、利環性、非電化である。

・低エネルギーは、何度も言うように少し不便になってもいいから、少ないエネルギーで同じことをやるそんな製品である。

・低資源は、出来るだけ少ない資源で、出来るだけありふれている素材を使って製品を作るということである。世の中は大量生産大量消費をしているのだから、資源も枯渇していくし、値段も上がっていって簡単には手に入らなくなっていくからだ。

・エネルギー完結型というのは先ほどあげたエネルギー・ゼロ住宅のようなものだ。基本的に外からエネルギーを買っていれなくても、太陽電池などで使う分のエネルギーを取り出し、使用できるものをさす。、太陽電池がついている電卓を想像していただければ、わかりやすいか。

・利環性、今までは工業製品は利便性ばかり追求されていて、その結果自分たちがすむ環境が破壊されていくというところまで、頭がまわっていない。だからこそ環境破壊しない、負荷のかけないことを追求した商品がこれから注目されていく。*3

・非電化、電気を使わない冷蔵庫を作った発明家の藤村靖之氏が開発しているような、非電化製品というなものも、珍重にあつかわれていくだろう。この冷蔵庫は、放射冷却を利用して、電気を一切使わないで冷蔵庫内を摂氏8度に保つことが出来る。屋外に設置しなくてはいけないし、一日に2,3度しかあけられないという制約はある。しかしこれこそが低エネルギー生活で必要とされている発想である。こういうことは世界ではほとんど取り組まれていないし、日本が本気になってこういうものを作り出したら、世界中どこも当分は着いてこれないだろう。*4  エネルギーの値段が高騰した世界では、人々は泣いて喜んでこんな商品を買っていくだろう。

ピーク後のキラーアプリケーション
現在、世界で最強の商品は自動車である。日本が輸出して稼いでいる分は半分は自動車である。ピーク後これがどんどん変わっていくことになる。ではどんなものが次世代のキラーアプリケーションになるのだろうか。想像するのに、自分の家でエネルギーを作れる太陽電池、高出力の自転車、小型の電気自動車、エネルギー・ゼロ住宅に作るのに必要な製品などになっていくのではないだろうか。

太陽電池は有望だ
太陽電池は将来有望である。夜は発電できないし、濃縮もされていないが、それでもなくならないし、大量にあり、何においても、エネルギーの地産地消が出来るという意味で、他の持続可能なエネルギー源のなかで、もっとも優れている。もう少し技術革新が進み、低エネルギー生活をしていれば、家庭で使う分の電気はほとんど確保できるだろう。

しかしシリコンを原料にしているうちは、普及は進まない。まずEPRが低すぎる。そして製造過程が高度でしかも大量生産に向かないので、値段が下がらない、だから発電コストが高くなってしまう。もとをとるのに10年も、20年もかかるようではだめである。

しかしこの分野は世界中で技術開発が繰り広げられている。現在カリフォルニアのナノソーラが、シリコンを使わないCGIS太陽電池を、紙を印刷するようにインクジェットの技術を使い生産を始めた。最終的には今の太陽電池の10分の1の値段で生産が出来るようになるそうである。*5 IBM やソニーも画期的な技術を開発し、本気でこの分野に進出するつもりでいるようだ。10万や20万円で、太陽電池が設置できるとなれば、雪崩打ったように普及が進んでいくだろう。町中目のつくところ、すべてに太陽電池が設置されるようになる。こうして電力の分散化が進んでいく。太陽電池の効率が上がり、値段が下がれば下がるほど、われわれの生活が豊かになるという時代がくるかもしれない。 私は太陽電池が次の時代の主要なエネルギー源になって欲しいとおもう。エネルギーの確保を一人一人の手に任せるということが、人類の平和と繁栄につながるだろうと思う。お日様は誰の上にも照っている。


世界一効率がいい乗り物
日本中、自転車があふれていて、普段自転車に深く興味を持つということはあまりないかもしれない。日本人が知っていていいことは、自転車は世界一効率がいい乗り物である。そして自転車にも燃費があるのだ。ママチャリなどは最悪である。自転車のSUVだと思っていい。自転車を買うときは出来るだけタイヤの細い、車体の軽い、踏み込みがきき、空気抵抗が少ないものを買うといい。自転車だけでどれだけの距離を移動できるか驚くだろう。

自転車はもう完成しきったものに見えるが、これからも開発がすすんでいくだろう。独立行政法人の産業技術総合研究所が開発した、高出力の自転車がいい例である。これは人間の足の動きにあわせてペダルとクランクを設計しているので約1.8倍のパワーを得ることが出来る。*10 これは重たいバッテリーを積んでいる電気アシスト自転車よりもづっと、低エネルギーで先を行っている。

自転車は低速度で走っているば、世界で一番効率のいい乗り物だが、スピードが上がっていくと、とたんに空気抵抗のために、効率が下がっていく。ロードタイプの自転車がドロップハンドルになっているのは、空気抵抗を下げるためのものだ。それよりも空気抵抗を少なくしようといろいろな自転車が開発されている。リカンベントと呼ばれる背もたれに寄りかかるようにして乗る自転車もある。それをもう少し発展させ、三輪にして、カウルをつけたベロモービルとものまである。これは全天候型であるし、見た目もかっこいいので、自転車の高級版として普及していくだろう。

重すぎる電気自動車
電気自動車は、今世界で三菱自動車が先駆けて開発を進めている。2009年には発売を開始する予定だそうだ。のらりくらりやっていたトヨタも小型の電気自動車を開発することになったそうだ。原油高に押されえ次の10年であっという間にガソリン車を駆逐していくだろう。こうして石油の時代が終わっていく。デジタルカメラがフィルムをあっという間に駆逐してしまったように。電気自動車はガソリン車とくらべ、3、4倍エネルギー効率がいい。排気ガスも出さない。音も静かだ。あまっている深夜電力を使えば、電力もむだにならない。*6

しかしだ。この電気自動車が今のガソリン車すべてを置き換えることが出来るかはわからない。電池の原料であるリチウムがその分だけあるかは、よくわかっていない。*7 だいたい、電気自動車は大きすぎるのだ。重たい車体をガソリンに比べてエネルギー密度の低いリチウム電池でまかなおうとするから、大量の電池が必要となり、非常に重たくなってしまう。*8 今までの車をただ電気で動かそうとしている。これではだめなのだ。低エネルギー、低資源ではない。

車はもっと小さく、軽くなるべきだ。通勤などではほとんどの車が一人しか運んでいない。これが渋滞を巻き起こしている。だからモーターで動く電気自動車を作るのであれば、ガソリン車をベースに作っていてはだめで、もう一度、車体を自転車くらいのところまで、戻す必要がある。つまり上であげたベロモービルをベースに、一人か、二人乗れるくらいの低エネルギーマイクロカーを作るのだ。これであれば将来的に、ほとんどの太陽電池でまかなえるところまで行くのではないか。

それと次世代の車は、意外なところからやってくるかもしれない。それはフランスのベンチャー企業と、インドの自動車会社タタが共同開発を進めているエアカーだ。これは圧搾した空気で動く車である。空気は電気を使って圧縮するからある意味電気自動車である。グラスファイバーを使っていて、見た目はおもちゃのようだが、構造は車体と、ボンベと、簡単なエンジンとがあればいいので、非常に単純である。もちろん性能的には電気自動車にはかなわないが、低資源、低コストという点で、将来性がある。値段は100万円程度を見ていて。最低でも400万円はする電気自動車などより相当安くなりそうだ。日本の自動車メーカーもいつまでもこの差を笑ってほっとおけるだろうか?やはり低資源で、低エネルギーのものは安いのだ。

エネルギー・ゼロ住宅は世界のあこがれの的
上であげたエネルギー・ゼロ住宅はエネルギーが足りない時代の憧れの的になるだろう。最終的に目指すところは外部からほとんどエネルギーの供給を必要としない家で、これで小型の電気自動車の分の電力までまかなえれば、だいたいどんなことがあって暮らしていけるだろう。このようなもの普及が世界で進んでいけば、最終的にエネルギーを他の国から持ってこなくてもよくなるので、戦争などのリスクも下げることが出来るだろう。それこそが日本の製造業が出来る世界への貢献だろう。

農業 どうやって食っていくか
最後に、ピーク後の農業を考えていこう。ここをしっかりしないと、多数の餓死者を出すことになりかねない。これは北朝鮮でもおきたことだ。

めざすところは、地産地消、都市農業、有機栽培、パーマカルチャー、不耕起栽培などである。

まず最初は、出来るだけ消費する近くで生産をする地産地消を進める必要がある。あなたが自治体のトップであれば、まず学校給食をすべてあなたの地方で取れているもので作るようにするというところからはじめればいい。都市農業は、都市の存亡をかけるくらい重要なものになってくる。経験とノーハウが必要なので、今あまっている市有地や県有地などを市民に無料もしくは、低額で貸し出し、今のうちから人材を育てておくべきだ。このような人々に将来先生になってもらえばいい。

農法は、有機栽培とかパーマカルチャーと呼ばれるものになっていくだろう。出来るだけエネルギーを使わないで農業をやっていく知恵が必要になってくる。石油や天然ガスから作られる肥料、農薬の代わりになるものを、自然にあるもので代用していく必要がある。キューバが何とか有機農業へ転進できたのは、エネルギー危機前にこの分野の研究を進めていたこともあるそうである。これからの農学者たちはこれからこの部分をしっかりと考えていかなくてはいけない。石油をつかう機械類などもなんとかしなくてはいけないだろう。人力や、動物など力をもう一度借りることになるだろうが、電気で動くような農機具の開発は急務であろう。

畑を耕すのが農業だとわれわれは思っているが、不耕起栽培という農法もある。出来るだけ土を掘り返さないので、自然の力、循環、微生物や昆虫が豊かな土壌を作ると考えられている。少ない水で農業をすることができ、土壌流出の問題もない。*11

最後に今後の日本の農業の一つの例として、お布団農法と呼ばれる、稲作方法を挙げてみる。これは服を作るときに廃棄されるくず綿で生地をつくり、ここに籾をサンドイッチし、これをトイレットペーパーのようにロール状にする。田植えはこのロールを田んぼに引いていくだけで簡単である、しかもこの白いお布団のような生地がマルチとなり、雑草の発生を抑えることが出来る。綿自体は次第に分解され、養分となる。なんとも低エネルギー農業の鏡といえるような農法である。*12

このような考えをうまく生かして、農業をやっていくべきだ。農業をやっている人たちが時代の最先端になるの日は近づいてきている。

日本の本領発揮の時代 
今回ピークオイルをテーマにいろいろと書かせてもらった。少子化、不況、財政破綻、なにやら不吉なニュースばかりが流れるが、逆に日本人は先に言っているのだ。大量生産消費時代に、すでに日本人は疲れきっている。だからこそ次の時代にすすめるのだ。そして人材、技術ともにそろっているまれな国である。これが世界と異なっている点である。これらは日本人一人一人が個性を発揮して、活躍していく時代である。誰にも遠慮することはない。21世紀は日本の本領発揮の時代がやってくるのでないだろうか。


参考文書

第一章
1、AFPBBNews 「イラク戦争コストは3兆ドル」、米経済学者スティグリッツ氏の新著
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2362677/2722117

2、2007年度の財務省貿易統計より 
http://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm 

3、資源エネルギー庁エネルギー資源の可採年数、原資料:BP統計2007、URANIUM2005
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/life/kasainensu.html

4、 Richard Heinberg Party's Over P145

5、 Richard Heinberg Party's Over P140

6、7、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 高速増殖炉 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E5%A2%97%E6%AE%96%E7%82%89

8、EPRから筋の良い方法とEPRを高める方法を考える電力中央研究所 天野治
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/katudouhoukoku/document/amano_epr060823.pdf)

9、季報エネルギー総合工学Vol29No.3 日本をめぐるエネルギー資源と大陸棚問題 芦田 讓(京都大学大学院工学研究科教授)
秋山 守((財)エネルギー総合工学研究所 理事長)
http://www.iae.or.jp/publish/kihou/29-3/02.html)

10、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム
http://www.mh21japan.gr.jp/mh-3.htm

11、緑の革命
http://www.eonet.ne.jp/~snake/zemi/2003/mexico/greenrevolution.html

12、WWJ 地球環境メールマガジンEpsilon
高騰する石油:フードセキュリティーへの脅威
http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2005-1.html

13、JanJanNews 石油で作るコメ、切迫している日本の食糧危機 私の試算・日本の食糧供給力は3000万人分
http://www.news.janjan.jp/living/0806/0806058791/1.php?action=tree

第二章

1、Anders Duany講演
http://www.youtube.com/watch?v=rwd4Lq0Xvgc

2、「次世代ゼロ・エネルギー住宅」試行棟が旭川に完成
http://www.misawa.co.jp/misawa/news_release/misawa/pop-up/release-pages/2008_01_06/080317.html

3、非電化冷蔵庫―利便性から「利環性」へ. 藤原信
http://www.policyspace.com/2007/09/post_647.php

4、非 電 化 工 房 
http://www.hidenka.net

5、Nanosolar、石炭燃料に対抗可能か
http://jp.techcrunch.com/archives/nanosolar-is-gunning-for-coal/

6、水素社会・燃料電池の大きな嘘 近未来交通機関の現在4
http://www.im-sendai.jp/archives/2006/11/post_215.html

7、EVWorld Peak Lithium?
http://evworld.com/article.cfm?storyid=1457

8、電池技術で競い合う 自動車開発
http://www.designnewsjapan.com/issue/2008/06/o14nbe000000afmr.html

9、空気で走る車「Air Car」が2009年アメリカで登場予定
http://news-walker.net/2008/02/23210816.html

10、高出力自転車SDV
http://www7a.biglobe.ne.jp/~otec/

11、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 不耕起栽培
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E8%80%95%E8%B5%B7%E6%A0%BD%E5%9F%B9

12、 お布団農法とは?
http://www.chusankan.jp/Research/ofuton/about.html


参考本・ウエブサイト

幻の水素社会 藤井耕一郎 
連鎖する大暴落 副島隆彦
商品の時代 ジム・ロジャーズ
Party's Over  Richard Heinberg
Power Down  Richard Heinberg
The Long Emergency James Howard Kunstler
新生日本の国家ビジョン 藤原直哉
里屋和彦の『エネルギー学講座』http://www.soejimatakahiko.net/rika/satoya/index.html
武田邦彦ウエブサイト http://takedanet.com/


参考ビデオ
Richard Heinberg Defines Peak Oil
http://www.youtube.com/watch?v=6uYmZmWAaxk

Richard Heinberg's Peak Everything
http://www.youtube.com/watch?v=ybRz91eimTg&feature=related

The Richard HeinbergInterviewv
http://www.youtube.com/watch?v=DHXdS9XYVs8&feature=related

The Long Emergency
http://www.youtube.com/watch?v=hXsCMC0xcOY&feature=related

Cuba Peak Oil 1990s what we are facing now.
http://www.youtube.com/watch?v=CCiHpPkp3pU&hl=en

Power Of Community-How Cuba Survived Peak Oil
http://www.livevideo.com/video/mercofspeech/CD893609A0CB495D9A9CF04AC9E4AEFF/power-of-community-how-cuba-.aspx

石井吉徳教授の石油ピークに関する講演資料
http://education.ddo.jp/ishii/



北陸電力ウエブサイトより
http://www.rikuden.co.jp/gakusyu/ga1_1_02.html


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投稿者 佐藤研一朗 : 2008年12月02日 23:06
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