ゴミ箱化するアメリカ財政

2009年02月24日

ゴミ箱化するアメリカ財政

[投稿者:佐藤研一朗]

問題をすべて国が処理しようとすれば、毒が国中に回るという話題について話しました。

 ・2008年の11月から2009年2月までの流れ
 ・シティバンクが国有化か
 ・スカイロケットのマネーサプライ
 ・金が1000ドルを越す
 ・カリフォルニア州が破綻する?
 ・GM、クライスラーも破産への道

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以下参考資料
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サブプライムから恐慌への年表
http://meltdown2011.wordpress.com/history-of-the-meltdown-so-far/


関連動画

<研一朗のコメント>
このマネーサプライ(夜中に出回っているお金の量)の図をみていると寒気がする。ピータ・シフが言うように「マネーサプライの増加がインフレである。値段の高騰はその結果である。」というのが正しいのだろう。インフレはすでにはじまっている。
China VERY UPSET About The Devaluation Of The U.S. Dollar! Congressman Burton

<研一朗のコメント>
これが、世の中に出回っているドルの総量のグラフ、まさにスカイロケット!


金関連
<研一朗のコメント>
金がついに1000ドルを超えた。危機が深まるにつれて実物が強くなっていく。
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日経 2009.2.23
金、再び投機資金流入 NY一時1000ドル台、昨夏以来の買越残

 ニューヨークの金先物市場への資金流入が続いている。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ファンドなど大口投資家の17日時点の買越残高は前週末比1.4%増の516トンと、2008年7月29日以来、約7カ月ぶりの高水準となった。

 ニューヨーク金先物(期近)は20日に08年3月18日以来、約1年ぶりに1トロイオンス1000ドルを突破。目先の利益を狙った投機筋の買いが膨らんでいる。

 17日時点の買越残高は年末より32%多い。金の上場投資信託(ETF)残高の増加にけん引される形で、今年の国際相場は上昇を続けている。様子見姿勢の強かった投機筋が買いに転じた。

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日本関連
<研一朗のコメント>
日本も完全に恐慌入りしようなニュースばかりだ。やはりアメリカの消費に寄りかかっていたところは全部こけたようだ。しかし、これはある意味いいことだ。いつまでも、つけで物を買っていた人がいなくなったのだから。この混乱のなかから新しい日本の形が見えてくるような気がする。
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東京新聞

東証1部企業 経常益60%減見通し 減益幅は過去最悪

2009年2月17日 朝刊

 新光総合研究所が十六日、まとめた東証一部上場企業の決算見通し(金融を除く)によると、〇九年三月期の連結経常利益の予想は前年同期比60・8%減と、過去最悪の減益幅となる見通し。保有株式の値下がり損失も織り込んだ純損益ベースでは三十業種中で三分の一を超える十一業種が赤字転落する。

 先週末までに決算見通しを公表した千百九十九社(全体の97・3%)の集計。

 上場企業は今年一-三月期の売上高については前年同期比20・7%減と、二割を超える大幅な売り上げの減少を見込んでいる。米国など海外景気の急速な悪化で輸出が大幅に減少しているため。昨年十-十二月期の売上高も10・3%の減少を記録した。〇九年三月期の純利益も、保有株式の価格下落で85・9%減と急激に落ち込む。

 業種別では輸出急減と円高のダブルパンチで打撃を受けた製造業で赤字転落を見込む企業が急増。電機が業種全体で二兆三千億円の純損失に転落するほか、自動車など輸送機械も七千九百億円の純損失を計上。繊維、石油・石炭、非鉄金属、ゴム製品などが軒並み赤字に転落する。

 企業は〇九年九月中間期については、経常利益が六割減益とさらに厳しい業績を予測。その上で多くの企業が業績が回復するのは「〇九年度後半」と予測しているが、新光総研の稲垣智博アナリストは「回復できるかは輸出が戻るかにかかっており、不透明な部分が多い」と話している。

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フジサンケイビジネスアイ
【ニュースを学ぶ】GDP 年率12.7%減

2009/2/23

 内閣府が16日発表した2008年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値は、物価変動を除いた実質で前期(7~9月)比3.3%減、年率換算で12.7%減となりました。マイナス幅は、第1次石油危機に見舞われた1974年1~3月期の13.1%減に次ぐ大きさで、日本経済が戦後最悪ともいえる苦境に陥っていることが裏付けられました。

 GDPは、国内で新たに生産されたモノやサービスの付加価値の合計額をいいます。付加価値の合計額ですから、商品の場合、その原材料費は計算には含まれません。このGDPの伸び率を経済成長率と呼んでいます。今回の10~12月期のように前期よりGDPが小さくなった場合はマイナス成長となります。年率換算は4半期の数値を4倍して計算します。

 GDPが戦後2番目の落ち込みとなった最大の要因は、世界同時不況と円高がもたらした輸出の激減です。世界同時不況の震源地となった米国の同時期の実質GDPは年率3.8%減でした。日本の落ち込みはこの3倍以上です。

 輸出がGDPに占める割合をみると日本が07年度で17.9%だったのに対し、米国は8.4%。輸出依存度が高いぶんだけマイナス幅が拡大した、というわけです。
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河北新報
主要都市99%で地価下落 世界同時不況が直撃
 国土交通省が24日発表した主要都市の地価動向報告によると、全国の主な商業地、住宅地計150地点の1月1日時点の地価は、99%に当たる148地点で3カ月前に比べて下落した。前回調査(昨年10月1日)での85%(128地点)を大きく上回る下落ぶり。前回に続き上昇地点は皆無で、横ばいも新潟、鹿児島両市の2地点だけだった。

 昨年秋からのサブプライム危機、リーマンショックなど米国発の世界同時不況が日本の地価を直撃した形で、3%以上下落した地点も全体の77%の115地点と前回調査の33%から急増。3大都市圏の東京都区部と名古屋、大阪の両市、地方圏の仙台、大津、福岡、那覇各市の計16地点では9%以上下落するなど、地価急落が全国に広がっていることが鮮明となった。

 国交省によると、不動産ファンドなどの投資意欲が急速に落ち込んだ上、新築の分譲マンションの販売不振やオフィスビルの空室増などが続いている。不動産会社からは「土地や不動産の取引が減少し、買い手不在」(東京都中央区)、「オフィス移転計画がストップしている」(名古屋市)などの声が出ており、下落傾向は今後も続きそうだ。
2009年02月24日火曜日


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銀行関連

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シティグループ株、米政府が40%取得交渉…米紙報道

(読売新聞 - 02月23日 12:35)

読売新聞

 【ニューヨーク=山本正実】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は22日、米政府が、経営不振で株価が急落している米金融大手のシティグループの普通株を最大40%取得する方向で交渉に入ったと報じた。

 実現すれば、シティが一時的に国有化に近い政府の厳しい管理下に置かれることになる。20日のシティ株の終値は18年ぶり安値となる1・95ドルまで下落し、株式市場などでの金融不安の再燃を防ぐため、政府が経営に積極的に関わり、立て直しを図る狙いがあるとみられる。

 報道によると、交渉は、シティが当局に提案した。米政府はシティの優先株を取得する形で、450億ドル(約4兆2000億円)の公的資金を注入済みで、交渉で、この優先株を普通株に転換して、議決権を取得することが協議されている。

 シティ側は、政府の出資比率を25%程度に抑えたい考えだが、政府側は、より比率を高めて、影響力を行使したい考えとみられる。

 シティは、米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題に関連して、保有する有価証券などに多額の損失を抱え、経営不振に陥り、米政府から支援を受けた。シティは、再建に向けて、中核事業ではない、傘下の日興コーディアル証券などの売却を検討している。

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(毎日新聞 - 02月21日 11:31
<米シティ>18年ぶり株価1ドル台 国有化を懸念

 【ワシントン斉藤信宏】20日のニューヨーク株式市場で米金融大手シティグループの株価が急落し、一時、前日終値比36%安の1.61ドルまで値下がりした。シティ株が1ドル台をつけたのは91年1月以来約18年ぶり。終値でも22%安の1.95ドルとなり、07年2月の50ドル台半ばの水準から約96%の下落となった。バンク・オブ・アメリカも、一時2ドル台まで値を下げた。

 20日の米株価は、大手銀行国有化への懸念が強まったことなどから金融株が主導する形で急落、ダウ工業株30種平均は、一時、216.48ドル安の7249.47ドルまで下落した。

 銀行国有化の観測は、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が19日、「いくつかの銀行を一時的に国有化する必要が出てくるかもしれない」と述べたと伝えられたことや上院のドッド銀行住宅都市委員長の「(国有化)せざるを得ない可能性を懸念している」との発言が20日、報道されたことから、市場を駆け巡った。

 事態を重く見たホワイトハウスのギブス報道官は「オバマ政権は民間による銀行経営を正しい方法だと強く信じている」と述べ、国有化観測を否定。発言を受けてダウ平均は下げ幅を縮小し、終値は100.28ドル安の7365.67ドルとなり、バンカメも4%安の3・79ドルまで回復して取引を終えた。ただ、シティ株の戻りは鈍く、金融システム不安がくすぶる中、国有化への市場の懸念が根強いことをうかがわせた。シティにはこれまでに、公的資本450億ドル(約4兆2000億円)が注入されており、追加注入を受ければ、国有化に追い込まれる可能性が出てくるためだ。

 【ことば】シティグループ 米ニューヨーク市に本社を置く世界最大級の総合金融グループ。98年にシティコープ(銀行)とトラベラーズ・グループ(証券・保険)の統合で誕生。中核銀行のシティバンクを筆頭にカード、証券などの事業を100カ国以上で展開してきたが、相乗効果は十分上がらず、05年に旧トラベラーズの生命保険部門を売却。今回の金融危機による巨額の損失で経営危機に直面している。


<研一朗のコメント>
事態が進めば多くのアメリカの銀行が国有化されるだろう。下の記事のようにすでに政府は多くの銀行の優先株を保有している。こうしてすべての損失が国に向かっていく。
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ブルームバーグ
米銀国有化が相場の焦点、シティ株など懸念反映-米政権の動き速い

  2月23日(ブルームバーグ):米オバマ政権は米銀の国有化はしないと表明しているが、大手銀シティグループ支援に向け、保有する同銀の優先株を普通株に転換すれば、銀行国有化に向かうことになる。

  シティと同業のバンク・オブ・アメリカ(BOA)株は先週、国有化懸念を背景に売り込まれた。米政府が優先株を普通株に転換した場合、両行をはじめ20行余りが米政府によって過半数株を保有されることになる。事情に詳しい関係者1人によれば、シティ幹部は完全な国有化を回避しながら資本不足懸念を一掃するため、株式転換案を米当局と協議した。

  RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェラルド・キャシディ氏は「優先株からの転換というのは普通株比率が問題となっている銀行にとって合理的な方法だ。今は普通株を発行できる環境ではないからだ」と指摘した。

  ガイトナー米財務長官は今週、国内大手銀に対する「負荷テスト」の詳細を発表する。事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に述べたところによれば、テストの結果、どの銀行にどの程度の資本余剰を求めるかを決めるという。

  米財務省のベーカー報道官は、「資本構造を強化するために」金融機関は政府保有の優先株の普通株転換を申請することができるとし、申請があれば当局はこれを検討すると述べた。

  銀行国有化については、米ニューヨーク大学スターン経営大学院のヌリエル・ルービニ教授やリンゼー・グラム米上院議員(共和、サウスカロライナ州)、アラン・グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長などが銀行危機への解決策としてこれを示唆し、注目が高まった。上院銀行委員会のドッド委員長も1月20日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、短期的には政府による銀行接収が回避不可能かもしれないと述べていた。

  このような情勢を背景に、銀行株は先週急落し、シティは18年ぶり安値の1.95ドル、BOAは1984年以来で最低の3.79ドルで 20日の取引を終了した。

  フリードマン・ビリンングス・ラムジー・グループのアナリスト、ポール・ミラー氏は、「銀行国有化は議論のテーブルに上った」とした上で、米政府は銀行の経営権取得に向け「人々が考えているよりも速い動き」で進んでいると警告した。
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米地銀2行が破たん、今年初めて

(ロイター - 01月18日 10:32)

ロイター

 [ワシントン 16日 ロイター] 米連邦預金保険公社(FDIC)は16日、地銀2行を業務停止にした。業務停止命令を受けたのは、ナショナル・バンク・オブ・コマース(イリノイ州)とバンク・オブ・クラーク・カウンティ(ワシントン州)。両行とも保護対象の預金を受け皿銀行に譲渡する。

 地銀の破たんは今年に入って初めて。2008年は25行と、2007年の3行から大幅に増加していた。

 ナショナル・バンク・オブ・コマースは資産が4億3090万ドル、預金残高は4億0210万ドル。リパブリック・バンク・オブ・シカゴが受け皿銀行となる。

 バンク・オブ・クラーク・カウンティは資産4億4650万ドル、預金3億6650万ドル。受け皿銀行はUmpqua Bank。

 バンク・オブ・クラーク・カウンティはUmpqua Bankの支店として20日から営業再開する。ナショナル・バンク・オブ・コマースの場合は、同行の預金情報の統合作業をリパブリック・バンク・オブ・シカゴが完
了するまで既存の支店がそのまま営業する。
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カリフォルニア州関連
<研一朗のコメント>
以前から伝えていたが、カリフォルニア州がいよいよあぶないようだ。手持ちの資金がなくなって、つけで事業を行っているようだ。刑務所も金がなくて牛ぎゅうづめになっているようだ。
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産経ニュース
【グローバルインタビュー】カリフォルニア州が破綻する? カリフォルニア経済研究所のスティーブン・レビー所長 (1/5ページ)
2009.1.25 13:00
このニュースのトピックス:グローバルインタビュー
カリフォルニア経済研究所のスティーブン・レビー所長カリフォルニア経済研究所のスティーブン・レビー所長

 米国の地方財政の危機が深刻化している。カリフォルニア州ではシュワルツェネッガー知事が非常事態を宣言し、このままでは2月中に州の金庫がからっぽになってしまうと警告した。「カリフォルニア破綻(はたん)」は、実際に起きうるのか。カリフォルニア州パロアルトにあるシンクタンク「カリフォルニア経済研究所」のスティーブン・レビー所長に聞いた。(カリフォルニア州パロアルト 松尾理也)

 ――今回のカリフォルニア州の財政難の規模はどの程度か

 「州レベルでいえば、1990年代初めに匹敵する過去最大の財政難だ。市町村レベルでは、過去に経験したことのない領域に入りつつある。郊外では住宅建設ブームが一気に去り、突然3分の1に減少してしまったのだから。これほどひどい状況は記憶にない」

 ――日常生活にはどのように影響してくるのか

 「学校では、1クラスあたりの生徒数が増え、年間授業数が減るだろう。救急患者として病院に運び込まれても、手当を受けられない患者がでてくる。


 道路は穴だらけになったまま、何年も放置されるだろう。州政府は契約業者への支払いや職員の給与をストップし、代わりに借用証を発行する。ただし、カリフォルニアが本当に破産するとはだれも思っていないので、銀行は換金に応じるだろう」

 ――では、カリフォルニア州が破産するという可能性は実際には存在しないのか

 「たしかにシュワルツェネッガー知事はたびたび破産の危機に言及し、州政界では『破滅』とか『ハルマゲドン』という言葉が飛び交っている。州政府がなにもしなければ、2月中に州金庫が空になることは事実だが、『なにもしない』ことは考えられない。また、世界有数の経済規模を誇るカリフォルニア州が、1年あたり200億ドル程度の赤字で破綻することは考えられない。破綻をめぐる現在の議論は、現実的というよりもむしろ政治的なものだ」

 ――その比較的少額の赤字で、政治的なやりとりとはいえ州知事が非常事態宣言を出す事態に発展する理由は


 「カリフォルニア州を含む米国のほとんどの市町村は、財政均衡を法で義務づけられている。野放図な財政赤字の拡大に走らないよう、厳しく枠をはめられているわけだ。一方、連邦政府はこの規定がなく、財政赤字が許されている。ゆえに、景気刺激のための財政出動はすぐれて連邦政府のみに課された役割とされている」

 ――ここまで州財政が悪化した理由は何か

 「不況は大きな理由だが、それとは別に、構造的な問題の存在をも考える必要がある。カリフォルニア州は好況の際でも財政が好転しない構造になっており、これを転換するには思い切った増税か、支出削減しかない。だが、カリフォルニア州には予算通過には州議会の3分の2の同意が必要とされる規定がある。共和党は断固として増税を認めず、民主党は絶対に市民サービス低下につながる支出削減を認めない。カリフォルニア州議会は民主党が過半数を制しているが、3分の2までの多数は確保しておらず、結果的に重要な決定はなにも行えない。こうした政治的に暗礁に乗り上げた状態が続いていることが、根本的な問題だ」

 ――シュワルツェネッガー知事はすでに連邦政府に緊急融資を要請している。オバマ政権はこれに応えると思うか

 「イエス。オバマ政権はまず、貧困層の医療対策として、カリフォルニア州だけでなくほかの多くの州に緊急の支出を行うだろう。加えて、景気刺激策として、社会のインフラ整備のための資金の交付を行うだろう」

 ――昨年は金融、自動車と公的資金による救済が大きな社会的議論の対象になった。今年は、同様のことが地方自治体に起きると考えていいか

 「私は救済(ベイルアウト)という言葉は好きではないが、今年地方自治体に起きようとしていることはまさしく昨年、金融や自動車産業に起きたことと同じだ」

 ――カリフォルニア州が連邦政府から金を借りた例は過去あるのか

 「ない。雇用保険をまかなう資金が不足したときに緊急に融資を受けた例はあるが、州、あるいは市町村を含めて、連邦から融資を受けた例は一般的には存在しない。現在、オバマ政権が検討している『景気刺激策として資金を地方政府に交付する』というアイデアは、まったく新しい考え方だ」

 ――その考え方をどう評価するか

「私は賛同する。オバマ政権の考え方というのはつまり、『政府が役割を果たすことなしには、この不況を脱出できない』というものだ。これはケネディ、ジョンソン政権以降、米国では採用されてこなかった考え方だ。

 逆に、連邦政府を敵視し、悪と見なす保守的な考え方が広まったが、私はこれはおかしいと思う。オバマは、州に対して連邦政府が何をなし得るか、という点について、新しい視点をもたらそうとしている」

 ――そうした新しい試みについて、危惧(きぐ)はないのか

 「地方の独立性を脅かす危険性はある。連邦政府はただ単に、なんの条件もなしに金をばらまくことはしないだろう。景気刺激策として地方への交付を行うなら、暫定的な措置としなければならない」


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産経ニュース
「過密で劣悪」受刑者5万人釈放せよ カリフォルニア州連邦判事 
2009.2.10 23:09
このニュースのトピックス:米国

 米カリフォルニア州の連邦判事は9日、刑務所が過密状態で受刑者が劣悪な環境で収容されているとして、州政府に対し3万~5万人程度を釈放するよう求める決定を出した。米メディアが報じた。州政府は決定を不服として連邦最高裁に上訴する方針。受刑者が州を相手に提訴していた。

 判事は、収容者削減以外に、自殺者が相次ぎ十分なケアが施されない状況は改善できないと指摘。受刑者を現在の約15万8000人から10万~12万人ほどにするよう求め、仮釈放制度を変えれば社会不安を招かずに削減が可能だと指摘した。

 カリフォルニア州は近年、刑務所の収容能力が限界の状態になったが、財政難から刑務所を増やせず、受刑者を他州の刑務所に移送するなどして対処している。(共同)


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米国:カリフォルニア州が公務員24万人一時帰休

 【ロサンゼルス吉富裕倫】財政危機にある米カリフォルニア州は6日、公務員23万8000人を対象に、無給の一時帰休制度を始めた。支出削減を目的にしており、陸運局や保健局など一部役所が休みとなった。来年6月まで課す予定だ。

 シュワルツェネッガー州知事は昨年12月、「解雇を避けるため」と説明して制度の実施を発表。職員組合は反発したが、州最高裁がこのほど、知事案を承認した。毎月第1、3金曜日に対象となる職員が休暇を取る。知事は14億ドル(約1300億円)の節約につながると説明している。

 同州では税収不足が深刻化。420億ドル(約3兆9000億円)の歳入不足が見込まれている。

毎日新聞 2009年2月8日 東京朝刊

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Bussiness- I
失業、公共事業でも効果疑問 カリフォルニア州に見る理想と現実

2009/1/27

消防署新築工事現場で働く労働者。景気対策として公共事業への期待は大きいが…。カリフォルニア州(ブルームバーグ)
消防署新築工事現場で働く労働者。景気対策として公共事業への期待は大きいが…。カリフォルニア州(ブルームバーグ)

 米カリフォルニア州南部に位置するリバーサイド郡を1時間も車で回れば、放棄された住宅をはじめ、閉店した商業施設や混雑する職業安定所、そして、公共事業に従事する労働者の姿が目に入ってくる。

 ≪デトロイト並み9.5%≫

 わずか4年前には、リバーサイド郡とその周辺は、カリフォルニア州の経済的発展の源であり、同州の新規雇用の5分の1以上を生み出していた。

 しかし、今では失業者が増え、同地域の失業率は9.5%を記録している。この失業率の高さは、苦境に陥っている自動車産業の中心地であるミシガン州デトロイトに匹敵する。

 リバーサイド郡では、道路の拡張工事から刑務所の新設まで、総額10億ドル(約891億円)規模の公共事業を実施、あるいは、計画中だ。このリバーサイド郡の現状が示すのは、オバマ新政権が、大恐慌以来最長を記録するかもしれないリセッション(景気後退)から米経済を救い出すために行おうとしている財政出動の理想と現実である。

 米コンサルティング会社、ビーコン・エコノミクスのアナリスト、ブラッド・ケンプ氏は「インフラ整備の財政出動により、建設業界などある分野の雇用を創出することはできる」とした上で、「だが、それでも今は失業率の上昇を抑えられない。なぜなら、消費者がさまざまな圧力を受け、支出を抑制しているからだ」と指摘した。

 ケンプ氏や、コンサルティング会社エコノミクス&ポリティクスの創業者ジョン・ハウジング氏によれば、今後1、2年は、同地域の失業率が12%まで上昇する公算が大きいという。

 ≪「400万人雇用」急ぐ≫

 クレアモント・マッケナ大学のグレゴリー・ヘス教授は「リバーサイド郡は、最近の住宅ブームで起こった経済的混乱の極端な例だ」と指摘する。「まだ景気の底は打っていない。この意味は、リバーサイド郡が適切な対処を行っているか、あるいは、さらに悪い知らせがもたらされるかのどちらかだ」

 オバマ新政権は、道路などインフラ整備や、公共施設の建設により、400万人規模の雇用創出を目指した景気刺激策の速やかな成立へ向けて動いている。

 「雇用創出の効果はある」とロイ・ウィルソン氏は公共事業に肯定的な見方を示す。同氏は、1200万ドル規模の建設プロジェクトの責任者を務めており、消防署や職業訓練所の建設を監督している。同プロジェクトでは、毎日30人から40人の労働者を雇用している。しかし、ウィルソン氏は「ただ、私には効果がどの程度なのか分からないが」とも付け加えた。

 同地域の建設分野が急激に冷え込んだのは、07年に米国の住宅市場が崩壊したとき。07年12月~08年11月に、建設業分野で1万7400人の雇用が失われた。

 リバーサイド郡経済開発局の広報担当者トム・フリーマン氏は「郡当局も雇用創出にやれるだけのことはしている」と述べた上で、「政府による景気対策が実施され、そして、民間部門が可能な限り早期に回復することが必要だ」とオバマ政権による景気対策に期待を寄せた。(Vivien Lou Chen)
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田中宇の国際ニュース解説 2009年2月18日 http://tanakanews.com/

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★揺らぐアメリカの連邦制
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2月1日、米国カリフォルニア州政府が、財政破綻(支払い不能)を宣言し
た。加州政府の会計責任者(controller。John Chiang)はこの日、州政府の
手持ち資金が底をつき、同日に支払われるはずだった州民に対する福祉手当、
奨学金、税の還付金など総額37億ドルが支払えないと発表した。支払いを受
けるべき人々に対して借用書(IOU)を発行し、いずれ支払い可能になったら
払うことになり、州職員の人件費を浮かすため、平日に2日間、役所を閉める
ことにした。

http://www.latimes.com/news/local/la-me-budget17-2009jan17%2C0%2C4472460.story
California controller to suspend tax refunds, welfare checks, student grants

カリフォルニアを国家に見立てると、世界第8位の経済規模を持つ国になる。
それほどに大きい州であるが、加州政府は以前から金遣いが荒く、92年に
も支払不能に陥った。その後、長い金融バブルの拡大に支えられた米経済の活
況によって、州の税収は伸び続け、財政難から脱した。だが、加州の金遣いの
荒さは変わらず、過去4年間で税収が40%増えたため、シュワルツネッガー
知事は緊縮財政をやめてしまい、その結果、支出は4年で44%の増加となり、
黒字体質に転換しなかった。

http://online.wsj.com/article/SB119880325458954333.html
The Red Ink State: California is broke again

シリコンバレーが米経済を牽引した90年代、加州には高所得の人々が多か
ったが、加州は高所得者に対する所得税率が高い(NY市と並ぶ10%)ので、
IT関係の人々は流出傾向となった。代わりに加州で増えたのは、米国滞在
年数の浅い移民など低所得の人々で、州民の所得構造は、少しの金持ちと多く
の貧乏人に二極分化を強めた。加州の税収の半分は、最も裕福な1%の人々へ
の課税によって賄われていた。そして07年以後、金融危機によって、金持ち
は投資に大損して州は所得税収が減り、住宅市況の悪化(40%の下落)によ
る固定資産税の減少もあって、税収は激減した。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aSU7cx2EXfPQ
California Home Prices Drop Record 41% Amid Defaults

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=a2TUhalNFDds
California Eyes IOUs for Second Time Since Depression

昨年9月のリーマン・ブラザーズ破綻後、加州の財政危機は一気にひどくな
り、10月以後、毎月のように「このままでは加州は財政破綻だ」という指摘
が出てきた。州債の発行が試みられたが、サブプラム債券破綻に端を発した金
融危機の中、国債以外の債券は売れない状態で、売れ残ってしまった。以前の
財政危機では、銀行や投資家から金を借りられたが、今は銀行や投資家も破綻
し、頼れなかった。州政府と議会は、急いで支出の削減を行ったが、赤字拡大
に追いつかず、財政破綻の宣言となった。

http://news.yahoo.com/s/csm/20081210/ts_csm/abellyup
California running out of money

加州では、公共工事に対する支払いや、州から下位の行政区分である郡(county)
に対する支払いも滞っている。州は所得税や間接税(消費税など)を徴集し、
郡は固定資産税を徴集して州に上納する代わりに、州は福祉や公共工事にかか
る費用を郡に支出する制度になっているが、州から郡への支払いが遅延してい
るので、ロサンゼルスやリバーサイドといった加州内の各郡は、郡で集めた税
金を州に上納せず、州政府の未払いを不当として裁判で争う姿勢をとり始めた。
行政の内乱が始まっている。

http://cbs13.com/local/california.counties.tax.2.927411.html
Calif. Counties Threaten Tax Revolt Against State

加州と、北隣のオレゴン州の州境地域には、以前から「州都から遠く、辺境
として不当な扱いを受けている。両州の州境地域が分離独立して全米51番目
のジェファーソン州になった方が良い」と主張する人々がおり、大戦直前の
1941年には一時的な独立宣言もなされた。同地域では、今回の州財政危機を
機に、加州からの分離独立運動に拍車がかかっている。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/10/04/MNNP138DLP.DTL&tsp=1
A move to secede on California-Oregon border

▼46州が財政破綻に直面

米国で財政破綻しそうな州は、カリフォルニアだけではない。全米50州の
うち、昨年12月の段階で41州、先月末の段階では46州が、大幅な財政赤
字状態に陥り、今年度中に財政破綻を宣言するかもしれない事態になっている。
フロリダ、テキサスなど、不動産債権の債券化ビジネスが先進していた州ほ
ど、金融危機による税収減の打撃が大きい。リーマン破綻前の8月には、29州
のみが深刻な財政難だった。リーマン破綻後、各州の財政が急速に悪化してい
ることがわかる。

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=viewArticle&code=COO20081206&articleId=11312
Tax the Rich! State Budget Crisis Deepens: Humanitarian Crisis Emerges

昨年10月の時点で、各州の赤字額は、加州が150億ドル、フロリダ51億
ドル、ニューヨーク55億ドル、アリゾナ20億ドル(120日以内に資金が
尽きる)、ネバダ12億ドル、ジョージア18億ドル、ニュージャージは25億
ドルなどとなっている。日本でも、急激な経済悪化の影響で、トヨタ自動車に
頼っていた愛知県豊田市の法人市民税収が96%の減少になるなど、地方財政
の悪化が話題になっているが、50州のうち46州が財政破綻しかけている
米国も悲惨だ。

http://finance.yahoo.com/loans/article/105909/States-That-Can%27t-Pay-for-Themselves
States That Can't Pay for Themselves

各州政府の財政難は、金融界の危機と同根である。金融界では、加州、フロ
リダ、アリゾナなど、不動産が高騰していた地域に積極投資していた加州基盤
の大手銀行ウェルズ・ファーゴが、債務超過(事実上の経営破綻)に陥ってい
ると指摘されている。米国の大手銀行の多くは、加州やフロリダの不動産債権
を買っており、米国の銀行界そのものが、すでに全体として債務超過に陥って
いるとも指摘されている。

http://georgewashington2.blogspot.com/2009/02/wells-fargo-is-effectively-insolvent.html
Wells Fargo Is Effectively Insolvent

米金融界では、最大手のシティ・グループが1兆ドルの資産を持つが、同行
の株価は大幅に下落し、株価の時価総額は180億ドルにすぎない。時価総額
は、市場がその企業の資産をいくらと評価しているかを示唆している。株式市
場は、シティの資産の多くが不良化していることを見抜いている。

http://online.wsj.com/article/SB123431465155370931.html
Why Markets Dissed the Geithner Plan

不動産市況に底打ち感があるなら、米連邦政府が銀行をテコ入れしているう
ちに不動産の価値が再上昇して資産価値が戻り、債務超過を脱せられる。80
年代のS&L危機など、以前の米国の金融危機は、そのやり方で乗り切った。
しかし今回は、まだ少なくとも今年いっぱいは、米不動産市況は下がり続けそ
うだ。連邦政府が市況悪化を食い止める意図の政策をやると、その分だけ底入
れが遅れ、市況下落の期間が長引き、金融界の債務超過が長期化する。90年
代のバブル崩壊後の日本の「失われた10年」の再現である。

http://www.ft.com/cms/s/0/9ebea1b8-f794-11dd-81f7-000077b07658.html
Why Obama's new Tarp will fail to rescue the banks

債務超過になっている「幽霊銀行」(zonbi bank)を助けず、思い切って市
場原理に任せて潰した方が長期的に米経済にとって良いという指摘が、あちこ
ちから出ている。だがオバマ政権は、連銀にドルを発行させて不良債権を買い
取らせる前ブッシュ政権の政策を踏襲し、幽霊銀行を存続させる方針をとって
いる。

http://articles.moneycentral.msn.com/Investing/SuperModels/why-the-bank-bailouts-are-doomed.aspx
Why the bank bailouts are doomed

http://www.iht.com/articles/2009/02/13/business/13insolvent.php
Large U.S. banks on brink of insolvency, experts say

▼オバマが垂らす蜘蛛の糸に群がる

州も銀行も破綻しかけている中で、最後の貸し手となっているのが米連邦政
府で、オバマ政権は総額1兆ドル近い経済対策を打ち出した。今の米国では、
この経済対策の資金が「お上」から垂らされた、破綻を免れうる唯一の救いの
糸であり、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように、あらゆる勢力が経済対策資金
のおこぼれにあずかろうと、オバマと連邦議会に群がっている。

http://www.ft.com/cms/s/0/5558582c-f71a-11dd-8a1f-0000779fd2ac.html
Obama seeks to avoid `catastrophe'

各地の州政府や、金融界、倒産ぎりぎりのところにいるGM、クライスラー
の自動車産業はもちろんのこと、加州のワイン農家、フロリダのオレンジ農家
といった農業団体も蜘蛛の糸に群がっている。景気対策となる減税措置の一つ
として、農地に対する投資の減価償却の比率を拡大する政策が盛り込まれるが、
この対象を「収穫時」から「作付け時」に前倒しすることで、農家の今年の
減税額が増える。米政界では農業団体の圧力が強いので、景気への効果が疑問
視されても、この手の業界利権がまかり通る。

http://online.wsj.com/article/SB123358404214039275.html
Lobbyists Raise Stimulus Price Tag

今回のオバマの経済対策では、ハイテク企業や製薬会社も、外国で得た利益
を米国に戻す際の減税を要求した。各界から要求された利権が盛り込まれた経
済対策は、それだけ効果の薄いものになった。オバマは選挙期間中に「ロビイ
スト(政治圧力団体)を排除する」と公約したが、100年に一度の大恐慌を
受けてそれどころではなくなり、火事場泥棒が暗躍している。

今はまだ、米政府はドル発行権など「無限の力」を持っているかに見える。
しかし、このまま金融危機と不況の悪化が続くと、金融と経済の救済に必要な
資力と信用力が、米国の持つ資力と信用力を上回っていることがいずれ顕在化
する。その時、世界的な大混乱が起きると、正鵠をうがつ悲観論で有名な米国
NY大学のロウビニ教授が言っている。これは「ドル暴落」や「米国覇権の崩
壊」を意味するが、それがどのような形で起きるのか、めったに起きない事態
であるがゆえに、予測は難しい。かつて英国の覇権が崩壊したときには、英国
は2度の世界大戦を誘発した。

http://www.ft.com/cms/s/0/89829f7a-f1d1-11dd-9678-0000779fd2ac.html
Nouriel Roubini on prospects for 2009

▼州の反乱を煽る共和党

民主党オバマ政権は、今回の経済対策をまとめる際、共和党の賛成も得て超
党派で話をつけようとしたが、米議会の上・下院では結局、共和党との調整に
失敗し、共和党議員の多くが反対に回った。その主な理由は、公金利用の経済
対策によって財政赤字が過度に急増するからだ。これは、そもそも前任の共和
党ブッシュ政権が無駄づかいで財政赤字を急拡大して財政余力を失わせた経緯
を棚上げした主張なのだが、共和党は、各州政府と連邦政府との対立構造を利
用して、オバマ政権が準備している経済対策をくつがえそうとしている。

もともと米国は連邦制の、州の統合体(United States)であり、方針を同
じくする複数の州が対等な立場で集まって同盟し、自分たちを統合する代表と
して連邦政府を置いている。全米各州は、連邦政府の言動に満足できない場合、
連邦から離脱(分離独立)する権利を持っている。そもそも米国の「州」(state)
には、日本語で言うところの「自治州」と「国家」の両方の意味がある。上述
の加州北部の「ジェファーソン州」独立運動に見るように、地域住民が決議し
て新しい州(または国家)を作ることも、法的に可能である。

米国は戦後の日本に米国式の行政体制を移植しようと、都道府県や市町村を
「地方自治体」と呼び、治安や教育の方針決定権を地域住民が握る公安委員会
や教育委員会が各地に作られたが、朝鮮戦争後に米国が冷戦体制に転換すると
ともに、これらの委員会は「左翼住民に牛耳られかねない」という理由で警察
庁や文部省に権限が奪われて有名無実化し、地方自治は名ばかりとなった。半
面、米国の州は、法的に主権が認められている(Ninth and Tenth Amendment)
。この主権は「自治権」でもあり「分離独立権」でもある。また、各州は独
自の軍事力(州兵)を持っている(国防総省の影響力が強いが)。

これまで米国の景気が良く、ニューヨークの金融家が作った高利回りの国家
システムをワシントンの連邦政界が運営し、各州の市民がその恩恵を受けてい
た間は、州の主権を強く主張する人は、反連邦主義者など少数派だった。しか
し、ニューヨーク製の金融システムが崩壊して州政府も州民も困窮し、連邦政
府がイラクやアフガニスタンで不必要な戦争の泥沼にはまって世界の反感をか
っている今、状況が変わりつつある。各州の人々は、自分たちと連邦政府の間
の契約を読み直し始めている。

http://halturnershow.blogspot.com/2009/02/new-hampshire-talks-civil-war-against.html
New Hampshire talks Civil War against feds!

共和党は、この現状を利用・扇動している。各州の州議会の共和党陣営は、
民主党のオバマ政権が経済対策を利用して、健康保険制度、教育制度などの面
で州の権限を奪って中央集権を強めようとしていると主張し、全米の8州で、
連邦憲法に盛り込まれた州の主権を再確認する宣言(決議)を採択した。他の
20州でも、同様の決議が提案されている。

http://www.worldnetdaily.com/index.php?fa=PAGE.view&pageId=88218
Lawmakers in 20 states move to reclaim sovereignty

前述したように、全米各州では財政難で連邦の資金に頼る傾向を強めており、
これまで州の権限の一部だった健康保険や教育の制度について、州が金を出
せない分、連邦が面倒を見るという流れになっている。共和党は、この流れに
ついて「州の権限が奪われている」と主張している。私が注目するのは、この
主張の妥当性や、民主・共和のどちらが良いかの話ではなく、今後この手の主
張が増えそうな中、米国の連邦制が揺らぎそうだということである。

▼内乱?、6分裂?

州や郡が財政破綻すると、道路などの整備が遅れ、職員の給料が遅配し、公
立学校の運営が滞り、ゴミ収集もできず、失業者や貧困層への手当ても払われ
ず、職業訓練も削減される。加州では州政府だけでなく、公務員年金も運用損
を出して資金を41%失い、将来の年金支給に懸念が出ている。州や郡などの
地方財政の破綻拡大は、全米の人々、特に貧困層の生活を悪化させる。

http://notcorporatemedia.com/california-pension-funds-close-to-bankruptcy
California Pension Funds Close To Bankruptcy

http://www.iht.com/articles/2009/02/09/opinion/edkrugman.1-425785.php
Krugman: The destructive center

生活が行き詰まるほど、人々は「なぜこんなに苦しまねばならないのか。政
府や金融界のせいだ」と思い、州政府や連邦政府、金融界などに怒りを向ける。
郡が州に楯突き、州が連邦に反旗をひるがえし、内乱の傾向が増す。州と連
邦を対立させる共和党の新戦略は、この傾向を利用している。だが、やりすぎ
ると米国の内乱化と連邦の崩壊を招く。

昨年10月、米軍(国防総省)が南北戦争以来150年ぶりに、内乱など自
国内の有事に即応できる部隊を新設し、その意図を不可解だと思う向きが強か
ったが、その後、米国で内乱が起こりうる情勢は、潜在的に強まっている。国
防総省は先見の明があったのか、それとも内乱を扇動して国防総省の権限を拡
大する秘密作戦があるのか。

http://tanakanews.com/080930multipolar.htm
▼暴動鎮圧の準備をする米軍

昨年末、以前から米国の崩壊予測を言い続けてきたロシアの著名な学者
(Igor Panarin)が「1010年6-7月に、米国は内乱で6つに分裂する。
東部諸州はEUに加盟し、中西部はカナダと合併し、南部はメキシコが、加州
は中国がとり、ハワイは日本か中国のものになり、アラスカはロシア領に戻る」
という予測を述べて話題になった。

http://www.antiwar.com/bandow/?articleid=13989
Coming Soon: The Disunited States? Doug Bandow

米国の分裂は、従来の常識で考えるとあり得ない話だが、米国の連邦制度の
本質を考えていくと、少なくとも最悪の事態として頭の隅に置いておかねばな
らない予測であることがわかる。また、地方がほぼ完全に自立性を失っている
日本と異なり、州や地域社会が自立して動きうるのが米国の強さでもある。

今回の記事は当初、2月10日に発表されたオバマ政権の景気対策の効果予
測(あまり効果がなさそう)について書こうとしたが、導入部のつもりで書き
出した加州の財政破綻の話が長くなり、連邦制の揺らぎについて書くのも大事
だと思うに至り、景気対策の話は後日にすることにした。

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自動車関連
<研一朗のコメント>
GMとクライスラーはついに破綻、解体されるようだ。税金をつけるからどっかかってくれという感じになるのだろうか?興味深い。案外インドのタタとか、中国が買うことになるのかもね。
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米GM・クライスラー:破綻処理3.7兆円以上 米政府、再建を本格検討

 【ワシントン斉藤信宏】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は23日、経営危機に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの再建について、米政府が破綻(はたん)処理を視野に入れ金融機関などと具体策の検討に入った、と報じた。日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条に基づく破産手続きを進めることを想定、最低400億ドル(約3兆7000億円)の過去最大規模の破綻処理費用を見込んでいる。

 報道によると、政府関係者は「すべての選択肢を検討している」と破綻処理の可能性を認めた。GM、クライスラーの主要取引銀行のシティグループやJPモルガン・チェースと破綻処理に必要な費用について協議を始めており、銀行融資に政府保証をつける方向で交渉している。ただ、金融機関側は新たな融資に慎重な姿勢を崩していないという。

 オバマ米大統領は「自動車業界で今以上の大量失業を発生させることは望ましくない」と語るなど破綻処理に消極的だが、ガイトナー米財務長官らを中心とした特別作業部会は破綻処理を真剣に検討しているという。

 GMとクライスラーは米政府に17日提出した再建計画で、計5万人の人員削減など大規模なリストラ策を表明するとともに、米政府に計216億ドルの追加支援を要請していた。


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AFP BB News

米金融機関など、GMとクライスラーの破たん処理を検討 米紙

* 2009年02月24日 13:55 発信地:ワシントンD.C./米国

【2月24日 AFP】米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)は23日、経営危機に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General Motors、GM)とクライスラー(Chrysler)を破たん処理した上で再建を目指す具体策を検討していると報じた。

 同紙が消息筋の話として伝えたところによると、米財務省の外部顧問や金融機関などが協議を進めている。400億ドル(約3兆8000億円)を超える費用がかかる可能性があるという。

 前年、174億ドル(約1兆6500億円)の公的資金の融資を受けたGMとクライスラーはこれまで、破たん処理は選択肢にないとしていた。

 しかし、同紙が伝えたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に近い筋の情報によると、オバマ政権は連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用も真剣に検討すべきだと考えているという。この場合、破たん処理資金の一部を公的資金の返済に充てることが検討されている。(c)AFP

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GM傘下のサーブ、裁判所が経営再建手続き認可

(ロイター - 02月23日 08:42)

 [トロルヘッタン(スウェーデン) 20日 ロイター] 米ゼネラル・モーターズ(GM) 傘下のスウェーデンの自動車メーカー、サーブ・オートモービルは20日、裁判所から法的管理下での再建手続き申請を認められた。

 今後、新たなパートナー探しと資金調達を模索し経営再建を進める方針を示した。

 親会社のGMは多額の債務を抱え、自身の先行きも不透明なことから、サーブに支援を打ち切った。GMが先に米財務省に提出した経営再建計画の中でサーブは2010年1月1日付で独立した事業体になるとしている。

 サーブがスウェーデンの裁判所に提出した法的管理下での経営再建申請書によると、同社の2008年の損失は約30億スウェーデンクローナ(約3億4000万ドル)。需要低迷、高コストなどから今年も同程度の損失が見込まれるとしている。

 サーブは1949年以来、工業都市トロルヘッタンで同国で最も有名な自動車ブランドとして生産を続けていたが、当面の損失対策として早急なリストラを進めるほか、競争力のあるモデル投入のための資金を民間か公的部門から調達する必要があるとしている。また新たなパートナーを見つけることも急務になっている。


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トヨタの2─3月国内生産、前年比4─5割減に

(ロイター - 01月18日 07:52)

 [東京 17日 ロイター] トヨタ自動車<7203.T>の2─3月の国内生産が、比較的好調だった前年から4─5割減になる可能性のあることが17日、わかった。

 トヨタは1─3月に国内工場を計14日間休止するなどし、生産台数を前年比約3割減の1日当たり1万2000台程度に落とすことを決めていた。しかし輸出と国内販売の想定以上の落ち込みに在庫調整が追いつかず、関係者によると、2月以降は生産計画をさらに縮小する方向だという。

 この水準が今後も続けば、年産規模は200万台程度。同社の張富士夫会長は以前、年産300万台が「国内で雇用を維持するぎりぎりの水準」と発言したことがある。

 トヨタは今月15日、北米でも追加減産を実施し、6月末までに在庫を半分に圧縮する方針を明らかにしている。


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投稿者 佐藤研一朗 : 2009年02月24日 02:24
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